2014/08/13

Tromso Olympiad 10th round Japan - Scotland


スウェーデンのGM Ulf Andersson と Photo by Hasegawa

オリンピアードもいよいよ大詰め。最終戦の一歩手前、10R を迎えました。日本男子チームの相手は、6年前のドレスデンオリンピアードで激戦を繰り広げたスコットランドです。No.1 GM Jonathan Rowson はいませんが、GM Colin McNab とGM John Shaw を抱えるこのチームは、全く楽な相手ではありません。

Kojima, S (FM, JPN, 2373) - Greet, A (IM, SCO, 2431)
Tromso Olympiad (10)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. Nc3 a6 5. a4 e6 6. g3 dxc4 7. Bg2 c5 8. O-O!?



Play the Ruy Lopez や、Play the Queen's Indian の著者、IM Andrew Greet とは6年前の北京以来の対戦です。つい最近までは、Nimzo-Indian とQueen's Indian のレパートリーでしたが、最近になってa6 Slav を使っていることが判明。1R でMovsesian と指すために用意したラインを見直して試合に臨みます。

8... cxd4 9. Nxd4 Bc5 10. Nc2 Nc6!?


QGA では、このようにクイーンを取らせてキングがセンターに留まる作戦もあると思いますが、本譜では白から黒マスビショップを交換しにいきやすいため、e7 のような黒マスにキングが留まるのが得策かは、少し怪しいと言えるでしょう。

11. Qxd8+ Kxd8 12. a5!



Andrew はこの手を見落としていたのでしょうか。Nc6-Na5 を防ぎつつ、Ra1-Ra4 の可能性を作り、さらにはb6 のマスをしっかり抑えてb7 のポーンを長期的なターゲットにできるこの手は、白にとってメリットが多いと判断できます。この手は以前にハンガリーでa6 Slav を指した、こちらの試合でもポイントになっています。唯一気をつけなければいけないのは、ややポーンが伸びすぎであるため、a1 のルークが他のファイルに回りにくいことでしょう。

12... Ke7 13. Be3 Bxe3 14. Nxe3 Bd7 15. Nxc4


白は無事にポーンを取り返し、アクティブなピースでクイーンサイドにプレッシャーをかけて、アドバンテージを得ています。

15... Rhd8 16. Rfc1 Be8 17. e3 Rab8 18. Na4 Nd5 19. Nc5 f6 20. Ra3



c4 にきたナイトでa5 のポーンを守れた白は、a1 のルークがフリーになったので、これを3段目で他のファイルに振りにいきます。

20... e5 21. h4 Bf7 22. Rd3 Ncb4 23. Rd2 Rbc8!?


この手は明らかにミスだと思いましたが、残り時間が6分では確信は持てませんでした。それでも自分の直感を信じてポーンを取りに行きます!

24. Nxb7 Rd7 25. e4 Nb6?



Andrew は長考から残り3分を切った末に、この手を指してきました。しかし、これは完全に23... Rbc8 がミスだったことを認め、白のdファイルにできるパスポーンを恐れた手だと分かったので、私はとても気が楽になりました。25... Rxb7! 26. exd5 Rb5 27. d6+ Kd8 28. b3 Rcc5!= これならば大変難しいですが、黒はゲームを続けることができます。

26. Rxd7+ Nxd7 27. Nbd6


これでb7 に跳びこんだナイトは難を逃れ、相手の白マスビショップと交換することができます。

27... Rc6 28. Nxf7 Kxf7 29. Bf1 Ke7 30. Rc3 Nc5 31. Ne3 Kd8 32. Rc4 1-0



最後は我ながら、綺麗にゲームを決められたと思います。b4 のナイトをアタックし、次にb2-b4 と突けばピースアップです。黒はどうすることもできず、ここでリザインしました。Andrew はこの試合、私に勝てばGM ノームだったので、そのチャンスを潰してしまったのは気の毒だと思いますが、これも勝負の世界では仕方のないことです。それに隣のボードでは、暁さんがJohn Shaw に負けてIM ノームを取り損ねたので、それはお互い様ですね。

66 Scotland (SCO)  - 90 Japan (JPN) 2 : 2

34.1 GM McNab, Colin A 2441 - CM Nanjo, Ryosuke 2344 0 - 1
34.2 IM Greet, Andrew N 2431 - FM Kojima, Shinya 2373 0 - 1
34.3 GM Shaw, John 2419 - FM Watanabe, Akira 2252 1 - 0
34.4 FM Tate, Alan 2347 - Mitsuya, Naoto 2024 1 - 0


私だけでなく、南條くんがGM McNab に勝って、強豪スコットランドと2-2 のドローです! 南條くんは前回のイスタンブールオリンピアードに続き、2戦目のGM 戦勝利ですね。おめでとう!


81 IPCA (IPCA) - 104 Japan (JPN) 3 : 1

50.1 WIM Jennitha, Anto K. 1964 - Hashimoto, Azumi 1712 1 - 0
50.2 WIM Melnik, Galina 2017 - WCM Hoshino, Karen 1738 1 - 0
50.3 WIM Kaydanovich, Marina 1851 - Amamiya, Anna 0 ½ - ½
50.4 Konkolova, Nikola 1481 - WCM Hasegawa, Emi 1698 ½ - ½


女子チームはIPCA に3-1 で敗れています。最終戦こそ勝って、このオリンピアードを締めくくってほしいですね!

今日1日、2回目の休憩日を挟み、最終戦は14日に行われます。最後のペアリングは、男子が全員GM のモンテネグロ! 6年前のドイツ3軍よりも厳しく、私の知る限りではこれまでのオリンピアードで、最も強い最終戦の相手です。こうした相手と当たった要因は、彼ら自身がさほど調子が良くないことも挙げられますが、私たちがこれまで好成績を残していることにあります。南條くんは最終戦、勝てば初のIM ノーム、暁さんもドローで2つ目のIM ノームです。最後にひと踏ん張りして、日本チームの過去最高戦績を残したいですね。

女子チームはケニアとの対戦。皆が実力を出し切れば、しっかりと勝ち切れる相手だと信じています。皆さん、最終日もよろしくお願い致します!

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