2014/08/06

Tromso Olympiad 4th round Japan - Kuwait


リラックマによる日韓交流。(※私のブランケットです。)

ここまでGM 要する強豪国と格下の国を行ったり来たりする日本ですが、今日は2回目の格下、クウェートとの対戦です。1B は2100台ですので、アルバよりは強いですが、日本チームとしては前日にIM を下している暁さんを休ませても、余裕を持って勝たなければいけない相手でしょう。

Kojima, S (FM, JPN, 2373) - Maqseed, N (KUW, 1951)
Tromso Olympiad (4)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nc6 7. Nc3 a6 8. h3 Rb8 9. e4 e5 10. Be3!?



Fianchetto King's Indian はハンガリー滞在中に多くの対戦経験を積む中で、私の得意オープニングの1つになりつつあります。(Movsesian 戦も勝ちたかった...) ここでは10. d5 と固める手も考えましたが、せっかくh2-h3 を挟めているので、ビショップをe3 に展開してみることにします。d4-d5 と固める形については、スペインでの私のゲームを参考にしてみてください。

10... Bd7 11. dxe5 dxe5 12. Rc1


私はこの形は、Ra8-Rb8 を挟まない形 (1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nc6 7. Nc3 Bd7 8. h3 a6 9. e4 e5 10. dxe5 dxe5 11. Be3) で研究していました。白がRa1-Rc1、黒がRa8-Rb8 を挟んでいますが、この違いは白にとって好ましいのではないかと思います。

12... Qc8 13. Kh2 Be6 14. Qa4 Bd7 15. Qc2 Re8



試合中、少し気にしていたのはナイトが跳びこむ変化ですが、これはMsiha との検討で、白に問題がないことを確認しています。15... Nd4 16. Nxd4 exd4 17. Bxd4 Ng4+ 18. hxg4 Bxd4 19. g5!+/- こうしてf6 のマスを抑えてしまえば、白のダブルポーンは強力な武器となります。

16. Rfd1!+/= h6 17. Nd5 Kh7 18. b4!


d5 に安全にナイトを運んだ白は、クイーンサイドからじっくりとプレッシャーをかけていくことにします。d5 のナイトはそのまま居座れても、黒から取らせてcファイルを開いても、白にとってありがたいと言えるでしょう。

18... Nd8 19. a4 Nxd5 20. cxd5 c6 21. b5!



クウェートの彼は、c7-c6 さえ突ければcファイルのプレッシャーは緩和できると思ったのでしょうが、そうは問屋が卸しません! c6 のポーンを攻めにいき、ポーンを掠め取るチャンスを狙います。もちろん黒は、c8 のクイーンの逃げ場がないため、b5 もd5 も取ることはできません。(取った場合、白はクイーンがcファイルから避ければOK です。)

21... axb5 22. axb5 Ra8 23. Qd3!


これで次に白はdxc6 からd7 のビショップを狙えるため、1ポーンアップが確実となります。この時点で黒は、d7 のビショップを逃がしておけるマスがないのが痛手となります。

23... Rf8 24. dxc6 Be8 25. c7+-



ここは確実に決める方法がないか、残り時間5分を切るまで考えても分からなかったため、シンプルにポーンを7段目に刺しておきます。

25... Ne6 26. b6 Bc6 27. Nd2 Ra4 28. Nc4 Nxc7 29. bxc7 Qxc7 30. Nb6


d6 に向かう予定だったナイトは、急きょ行先を変更。Nc4-Nb6-Nd5 を狙おうとしますが、本譜ではさらに良いマスに跳ぶことができました。

30... Ra2 31. Qb3 Ra5 32. Nd7! Rfa8 33. Qxf7 1-0



次にNd7-Nf6+ のディスカバードチェックや、Be3-Bb6 が受からない黒は、ここでリザインを決めます。勝つべき試合を確実に勝つことこそ、チーム戦において最も重要なことでしょう。1,2,4B も多少怪しいポジションがありながらも、最終的には何とか全員が勝利を収めることとなりました。三ツ矢さんも勝ったことで、日本の男子は全員勝ち星を得て、勝率も50% を超えています。ひとまずは、及第点と言えるのではないでしょうか。

135 Kuwait (KUW) - 90 Japan (JPN) 0 : 4

60.1 Al-Hajiri, Bader 2123 - CM Nanjo, Ryosuke 2344 0 - 1
60.2 CM Maqseed, Nasser 1951 - FM Kojima, Shinya 2373 0 - 1
60.3 Shehab, Ibrahim 2036 - Averbukh, Alex 2183 0 - 1
60.4 Al Khateeb, Taher 1972 - Mitsuya, Naoto 2024 0 - 1




女子は開催国、ノルウェー2との対戦です。1B では、橋本さんがDutch Defence のサイドラインで潰されていましたが、他の3名は非常に良い指し方を見せました。長谷川さん、雨宮さんは少し優勢のポジションでドロー。1人残ったカレンも、十分ドローにできる同色ビショップエンディングでしたが、最後にビショップの位置を間違えて負けてしまいました。私のShengelia 戦もそうでしたが、オープニングで満足な形を作っても、エンドゲームが未熟であれば、最終的には負けてしまいます。そうした試合を経験する中で、エンドゲームの勉強の必要性を、今一度確認しないといけませんね。

62 Norway 2 (NOR2) - 104 Japan (JPN) 3 : 1

34.1 Machlik, Monika 2081 - Hashimoto, Azumi 1712 1 - 0
34.2 Reppen, Ellisiv 2016 - WCM Hoshino, Karen 1738 1 - 0
34.3 Gronnestad, Anita 1997 - Amamiya, Anna 0 ½ - ½
34.4 Jorgensen, Line Jin 1939 - WCM Hasegawa, Emi 1698 ½ - ½




この日は試合後に、カメラを持って会場を回ってみました。試合が終わるとプレーヤーカードを返し、試合のゾーンには入れないので、近くで見られるボードは限られてしまいますが、それでもいくつか気になるプレーヤーをチェックできました。私が見て回ったとき、最も人だかりが大きかったのが、ロシア対中国の1B、Kramnik - Wang Yue です。怪しいマテリアルで形勢は二転三転したようですが、最終的にはドロー。隣のボードではGrischuk が、スーパーセーブのドローを見せ、ロシア対中国は全ドローの2-2 で終わったのでした。


Judit Polgar の陰に隠れてはいますが、ハンガリーにはもう1人、GM のタイトルを持つ女性がいます。それが写真左のHoang Thanh Trang です。彼女が率いるハンガリー女子チームは、毎ラウンド3P以上を挙げ、ここまで4連勝。今日は3B で、好調イラン女子チームと激突します。


ロシア、中国女子を抜けば、世界でもトップクラスの層の厚さを持つのがグルジア女子(写真右)。今回もGM 2人を引き連れての参戦です。この日はGM Dzagnidze Nana を休ませて、オランダとドローになりましたが、彼女たちは今日、ライバルであるロシア女子チームと、優勝の行方を占う大事な一戦を迎えます。

そして日本チームは本日、男子がベテランIM Juarez Flores Carlos A 率いるグアテマラと対戦。チームの実力はかなり近いだけに、なんとか勝利をもぎ取りたい相手です。女子は前回のイスタンブールで敗れた、マケドニアとの再戦です。多少格上ではありますが、ポイントが取れないことはないでしょう。調子の上がってきた、3,4B の2人には特に期待しています!

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