2014/08/07

Tromso Olympiad 5th round Japan - Guatemala


Photo by Hasegawa

休憩日前、前半戦の終わりである5R を迎えます。日本男子チームの対戦相手は中央アメリカのグアテマラ。レイティング平均は2200台で、日本と程同等の力を持つ国です。こういったペアリングで勝てるか勝てないかは、オリンピアードの順位を左右するもの。大事な一戦に臨みます。

Cu Hor Winston, D (GUA, 2259) - Kojima, S (FM, JPN, 2373)
Tromso Olympiad (5)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 dxc4 5. e3!?



私よりも2つ若く、このオリンピアードでは2400台を1人、白で破っている相手は、Classical Slav に非常に堅いサイドラインを採用してきました。5.a4 以外の手で黒は満足であると知りつつも、この変化はGM に何回か負けているので、慎重にならざるをえません。

5... b5 6. a4 b4 7. Na2 e6 8. Bxc4 Nbd7 9. O-O Bb7 10. Bd2 a5 11. Nc1 Be7 12. Nb3 O-O 13. Qe2 c5 14. Rfd1 Qb6 15. Be1 Rfd8 16. Bb5 Bd5 17. Nbd2 cxd4 18. Nxd4 Bc5!?


4年前、中国の広州でイランのGM Elshan Moradiabadi と指した際は、研究していた本譜の手を忘れていて、18...e5!? と指しました。この日は慎重に記憶をたどり、試合中の読みも併せて新しい手を実行します。

19. Nc4 Bxc4! 20. Bxc4 Bxd4!?



白マスはともかく、黒マスビショップまでナイトと交換するのは、一見妙なアイディアにも見えます。しかし、私は自身の経験上、このポーンストラクチャーでは、20... Ne5 21. Nb3! と進んでa5 のポーンにプレッシャーをかけられることが、黒にとって厄介であることを知っています。そこでe1 のあまり働いていないビショップに着目し、ナイトを消してポジションの単純化を目指します。

21. Rxd4 Ne5 22. Rad1 Nxc4 23. Qxc4 h6=


こうして見ると、一見dファイルをルークで占拠している白が良さそうですが、黒からはルーク2組交換しにいけるため、全く問題の無いポジションです。

24. f3 Rxd4 25. Qxd4 Qxd4 26. Rxd4 Rc8



クイーンも交換したうえで、黒もルークをオープンファイルに置きます。ここからは、うまくルークでa,b ポーンを狙えればチャンスも作れるとか考えていましたが、そう理想通りにはいきませんでした。

27. e4 Kf8 28. Rd2 Rc1 29. Kf1 Ke8


e7 とe8、どちらがキングが寄るマスとしてふさわしいかの判断は難しいですが、私は無難に黒マスを避けておくことにします。

30. Ke2 Ra1



ここまでキングの位置を改善しておき、それからルークで仕掛けます。30... Nd7 31. Rd1! Rc2+ (31... Rxd1 32. Kxd1 Nc5?! 33. Bf2! Nxa4? 34. Kc2! Kd7 35. Kb3 これでナイトが捕まるようではだめなので、Nd7-Nc5 Nxa4 は成立しません。) 32. Rd2 Rc1= こう進めても、ドローに落ち着くでしょう。

31. Rd1! Rxd1 1/2-1/2


a4 を取りにいく形は、白のキングに寄られて少し危ないと思ったため、勝ちを諦めてルークを交換します。私はこのポジションでドローオファーし、相手は20分以上考えたうえで、これを受けました。

90 Japan (JPN) - 93 Guatemala (GUA) 1½:2½

50.1 CM Nanjo, Ryosuke 2344 - IM Juarez Flores, Carlos A. 2425 ½ - ½
50.2 FM Kojima, Shinya 2373 - FM Cu Hor, Winston Darwin 2259 ½ - ½
50.3 FM Watanabe, Akira 2252 - Garcia Fuentes, Sergio Miguel 2166 ½ - ½
50.4 Averbukh, Alex 2183 - Giron, David 2103 0 - 1


このマッチ、私の両隣もドローに終わりましたが、Alex のみが負けてしまい、チームとして初の僅差での敗北です。あまり気にしすぎていても仕方がないので、今日1日休みを入れて、また明日の6R から頑張ります!

65 FYROM (MKD) - 104 Japan (JPN) 4 : 0

44.1 WIM Koskoska, Gabriela 2102 - Hashimoto, Azumi 1712 1 - 0
44.2 WFM Stojkovska, Monika 2027 - WCM Hoshino, Karen 1738 1 - 0
44.3 Nikolovska, Dragana 1893 - Amamiya, Anna 0 1 - 0
44.4 Manova, Ivana 1626 - WCM Hasegawa, Emi 1698 1 - 0


女子はマケドニアと対戦し、こちらは女子チーム初の全敗となってしまいました。試合を見ていてポイントを取れそうなボードもあっただけに、歯がゆい気持ちが強いですが、彼女たちにとって、これも勉強です。格上との対戦が続きますが、気持ちを切り替えてプレーを続けていって欲しいですね。


この日は試合前、会場でハンガリーのポルガー三姉妹の長女、Susan を発見して記念撮影。私もお会いするのは、昨年ブダペストで足を運んだ、Polgar Chess Festival 以来です。今年も行きたいな...


ショップのあるブースにも、初めて足を運んでみました。しかし、イスタンブールと比べて出店数も少なく、ブース自体どこにあるの? といった具合です。イスタンブールのほうが交通の便が良かったので仕方のないことではありますが、少し寂しい感じは出てしまいますね。ここで1つ有益な情報として得られたのは、2018年のオリンピアード開催候補地が、グルジアのバツミと、南アフリカのどこかだということです。言うまでもなく、私は断然グルジア派です(笑)

また、ここまでのオリンピアードトップ勢の情報をお伝えすると、アゼルバイジャンのような層が厚い国に混じり、カザフスタン、ウズベキスタンの2か国が4勝1ドローでトップに食いついています。カザフスタンは、スウェーデン、モルドバ、トルコを撃破。そしてウズベキスタンは、Ivanchuk 率いるウクライナを下しての大躍進です。オリンピアードに来ると、まだまだチェスはヨーロッパが本場だなと痛感することが多いですが、そんな中でアジアの大会で顔をあわせる彼らが活躍してくれるということは、とても嬉しいことです。

そして、後半戦のスタートを切る明日の6Rは、男子がトリニダード・トバゴ、女子がグアテマラとの対戦となります。どこかで聞いたことのあるペアリングですが、それもそのはず、すでに男女逆で対戦済みです。お互いに勝ちこそこねた分、男女を逆にしたこのラウンドでは、なんとか勝利を収めたいですね。それでは明日からも、よろしくお願い致します

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