2024/09/13

Budapest Chess Olympiad R2 Japan - Slovenia

この日は裏のイベントコーナーで、同時対局が行われていました。

ブダペストオリンピアード2日目、オープンチームはGM中心で構成されるヨーロッパの強豪スロベニアとの対戦です。トップGM Fedoseevを温存してきたため、私の相手は若干16歳のFM Lavrencicになりました。唯一GMタイトルを持たないながら、スロベニア代表入りを果たした実力を垣間見ることになります。

Lavrencic, M (FM, SLO, 2360) - Kojima, S (IM, JPN, 2299)
Budapest Chess Olympiad (2)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nf3 e6 5. Be2 Nd7 6. Nbd2 a5 7. a4 h6 8. O-O Ne7 9. Nb3 Qc7 10. Bd2 g5!?

本当は他に指したい変化があったのですが、ちょっとしたムーブオーダーからそれを封じられ、6年ほど前にメインで指していた変化を記憶を頼りながら指すことになります。黒はキングサイド、クイーンサイド両方のポーンを伸ばし、アグレッシブなセットアップですが、伸びたポーンが弱点にもなりえます。

11. Rc1 Bg7 12. c4 O-O 13. Qe1 b6


本譜でも大きな問題はありませんが、ここは13... Qb6! 14. Qd1 (14. Nxa5 Ng6!) 14... dxc4 15. Bxc4 Rfd8という進行もあったようです。

14. cxd5 Nxd5 15. h4 gxh4??

ここが勝負の分かれ目で、ポーンを突きこすか取るかで30分悩み、間違った選択をしました。15... g4! 16. Nh2 h5! 17. f3は伸ばしすぎたポーンを崩されてしまうと考えたのですが、ここで17... Nxe5!という手がありました。h2のナイトは一時的に行き場がなく困っています。すぐに17. f3が成立しないと分かっていれば、gポーン、hポーンを伸ばすことを躊躇わなかったでしょう。

16. Nxh4 Bh7 17. f4 Rae8 18. f5!


本譜の白の攻撃はあまり直線的でありながら、早く力強いものでした。f7-f6の反撃を準備はしたものの、お構いなしにfファイルから仕掛けてきます。

18... exf5 19. Nxf5 Bxf5 20. Rxf5 f6 21. Bc4!

ここで開いたcファイルも活用されてしまうのを見落としました。eポーンはさらに黒陣に刺さり、消すことができません。

21... Qd8 22. e6 Nb8 23. Qe4 Qd6 24. Re1 Ne7 25. Qg4 Nxf5 26. e7+


26. Qxf5からBc4-Bd3と切り替えてくるものだと思っていましたが、本譜のほうがすぐに決着です。

26... Rf7 27. Bxf7+ Kxf7 28. Qh5+ 1-0

恐れていたサイドからの仕掛けに対応を間違え、一気に持っていかれたゲームでした。チームメイトも全員破れ、この日はスロベニアに完敗です。私の相手だけGMではありませんでしたが、GM中心のチームがいかに強いかということを実感できた1日でした。

Open R2 Japan - Slovenia 0-4
Women R2 Eswatini - Japan 0.5-3.5


女子チームはエスワティニに勝利し、オープン、女子ともに1勝1敗となっています。3日目の今日はオープンがボツワナ、女子がルクセンブルクとの対戦と発表されています。私も2008年にボツワナと対戦しましたが、今日は私が抜け、Tu、南條、青嶋、山田というメンバー構成です。4-0での勝利を期待しているので、日本の皆さんの応援配信を私も見ながらチームを見守ろうと思います。

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