2019/03/19

Weekly Chess Puzzle Vol.40


Ishii, I - Kojima, S
New Year Open 2005
White to move


Higashino, T - Kojima, S
Summer Open 2017 (4)
White to move

今回のパズルはタクティクスとエンドゲーム、1つずつです。どちらも白番で、正しく指せれば上は白勝ち、下はドローになります。実際にはどちらも白が間違え、黒の勝ちとなりました。試合中は私も白の正しい手が見えておらず、試合後の解析でとても驚いたことをよく覚えています。答えのわかったかたは、お気軽にコメント欄へどうぞ。

2019/03/16

Tachikawa Chess Festival on 14th April


イベントまで1か月を切りましので、こちらでも告知させていただきます。普段、私が子供たちの指導を行っている立川チェスクラブで、4月14日(日) にイベントを開催します。午前午後に分かれて色々なプログラムが企画されていますので、1日チェスを楽しみたいかたも、午前午後どちらかだけしか時間のないかたも、是非立川に足をお運びください。イベントの内容はリンク先や上の画像にもありますが、私からも補足してまとめさせていただきます。

9:45~ 目隠し同時対局 by CM Thanh Tu Tran

千葉のチェスクラブではすでに何回か行われている、Tuさんによる目隠し多面指しイベントです。持ち時間は90分指し切りで、10面まで指すとのことです。ただの多面指しだけでも大変なのに、目隠しをしたうえ、持ち時間まで設定するとは... なんでTuさんはそんなことできるんでしょうか(笑) このイベントは最も席数が少ないため、Tuさんによる驚きのパフォーマンスを体験されたいかたは、お早めに申し込まれることをお勧めします。

10:00~12:00 チェスレクチャー by IM Shinya Kojima

私の午前担当はチェスレクチャーです。池上や清澄白河ですでに私のレクチャーは体験済みのかたが多いかもしれませんが、いつものように皆さんにチェスって面白い! と思っていただけるような内容をお届けしたいと思います。こちらは席数の上限は30名です。

12:45-18:15 早指しチェス大会

午後は、持ち時間25分+10秒、4試合の大会が開催されます。こちらはレイティングと関係のない非公式戦です。NCS に入会されていないかたも、レベルを問わず気軽にチャレンジしてみてください。人数の上限は30名です。私もプレーしたいところですが、ペアリングなどの運営のフォローをさせていただくことになっています。皆さんのアツい戦いを見られることを楽しみにしています。

13:00~ 同時対局 by FM Mirai Aoshima

そして早指し大会と同時並行で行われるのが、青嶋くんによる初のチェス同時対局です。席数の上限は20ですね。午前のTuさんとは違い、対局者の青嶋くんは盤面を見るかわりに、対戦相手の数は倍となります。こちらも普段の対局とは違った雰囲気のイベントで面白いと思いますので、強い人と1局のみを希望されるかたは大会ではなくこちらを選んでみてください。

13:30-14:30 ミニゲーム

こちらは参加費無料で遊べるチェスのコーナーです。人との対局はちょっと緊張するというかたは、こちらでもう少し気楽にチェスに触れてみると良いでしょう。

時間の都合上、Tuさんの目隠し+ 私のレクチャーや、大会+ 青嶋くんの同時対局といった組み合わせはできません。午前午後ともに参加されるかたは、目隠し+ 大会や、レクチャー+ 同時対局といった組み合わせとなります。参加費は無料のミニゲーム以外、全て1つ2000円で、2つ参加される場合は500円引きの3500円となります。全てのイベントは見学自由ですので、参加せずともふらっと遊びに来てください。4/14 に立川で皆さんとお会いできること、楽しみにしています。その他の情報や、申し込み、問い合わせなどは以下のリンク先をご参照ください。

Tachikawa Chess Festival イベント概要

2019/03/14

Asian Games 2022 in Hangzhou China


2010年、中国広州のアジア大会で、UAE のGM Salem と対戦する私

昨夜、チェス界にとっては嬉しいニュースが届きました。それは2022年の中国、杭州市で開催されるアジア競技大会において、チェスが正式な種目として復活するとの情報です。アジア大会では、2006年のドーハで初めて、そして2010年の中国広州でも続いてチェスが競技となりました。しかし、2014年、2018年には種目から外されており、2022年の杭州でのチェスが復活するとなれば、実に12年ぶり3回目のことです。

私は2006年に南條くんと、2010年には山田くんとチェスの男子代表としてアジア大会に参加しました。特に2006年には、チェスがアジア大会で初めて種目になったこと、私と南條くんが高校生だったことで、予想よりもずっと多くのメディアに取り上げられました。Rapid ではありますが、当時も今もインドのトッププレーヤーの1人であるSasikiran から奇跡的にドローを取れたことは、とても良い思い出です。

Kojima, S (JPN, 2187) - Sasikiran, K (GM, IND, 2675)
Asia rap (Men) 15th (2)

1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. Bb5+ Nd7 4. d4 Ngf6 5. O-O a6 6. Bxd7+ Nxd7 7. Nc3 e6 8. Bg5 Qc7 9. d5 e5 10. a4 b6 11. Nd2 Rb8 12. Qe2 h6 13. Bh4 g5 14. Bg3 Be7 15.
Nc4 h5 16. h3 f6 17. Ne3 Nf8 18. Nf5 Rh7 19. Nd1 Ng6 20. Nde3 Bf8 21. Ra3 Ne7 22. Rb1 Nxf5 23. exf5 Kf7 24. b4 Kg8 25. h4 g4 26. b5 Bh6 27. Qd3 Ra8 28. a5 Bxe3 29. fxe3 axb5 30. Qxb5 Qd8 31. Qxb6 Bxf5 32. Qxd8+ Rxd8 33. Rb2 c4 34. a6 Ra7 35. c3 Be4 36. Rb5 Kf7 37. Bf2 Ke7 38. Ra4 Rc8 39. Kh2 Kd7 40. Kg1 Rc5 41. Rxc5 dxc5 42. Rxc4 f5 43. Ra4 c4 44. Bg3 Kd6 45. Rxc4 Rxa6 46. Rc6+ Rxc6 47. dxc6 Bxc6 48. Kf2 Kd5 49. Ke2 Ke4 50. Be1 Bb5+ 51. Kf2 Bc4 52. Bd2 Kd3 53. Bc1 Bd5 54. g3 Kxc3 55. Ba3 Kd3 56. Bd6 Ke4 57. Bc7 Bc4 58. Bb8 1/2-1/2



アジア大会におけるチェス競技復活は、過去に日本代表としてプレーした私としては大変喜ばしいことです。先日記事にしたパリオリンピックでのチェスは、他の候補であったブレイクダンスが最終的には推され、話が消えてしまったようで残念です。その代わりではないですが、復活したアジア大会の競技としてチェスが再び注目され、日本でのチェス普及に一役買うことになると良いですね。日本から選手は派遣されるのか、されるとして、いつどのように代表が選ばれるかはまだ先の話で分かりませんが、上手く話が進むことを願っています。

ちなみに今回のニュース、ソースは色々とありますが、一番信用できそうなFIDE のサイトをリンクとして貼っておきます。

Chess has been included in the Sports Programme of the 19th Asian Games

2019/03/12

Seatagaya Chess League Session 2 Tournament Preview


今日の午前中、Tokyo Chess Meetup のサイトで、世田谷チェスリーグ第2セッションの情報が公開されました。一昨日の日曜日に行われた第1セッションと、条件は全く同じです。60分+1手30秒加算のフィッシャーモードで1日2試合、会場は玉川大区民センターで、開催日は予定通り5/19(日) です。

世田谷チェスリーグ第2セッション(日本語版)
Seatagaya Chess League Session 2 (English Version)
Session 1 までの結果

第2セッションからの参加者情報や結果も、同じChess Results のページに掲載されることになると思います。すると気になるのは、第1セッションと第2セッションの参加者が同じ表の中に入り混じることになりますが、誰が第2セッションの参加者なのかは分かるのでしょうか。定員の20名にも変更はないようですので、エントリーリストを見て、どれくらい余裕があるのか、試合前にペアリングはどうなりそうか、分かりやすくなっていると良いかと思います。

なにはともあれ、無事に第1セッションのスタートを切った世田谷チェスリーグは、第2セッションも情報公開で、参加者の募集がスタートしました。第1セッションでは開催数日前に20名の枠が埋まりましたが、次からはもう少し早く埋まると予想されますので、参加を希望されるプレーヤーは早めのエントリーをお勧めします。

2019/03/11

Weekly Chess Puzzle Vol.39


Kojima, S - Aoki, Y
Summer Open 2018 (3)
White to move


Aczel, G (GM, HUN, 2551) - Kojima, S (IM, JPN, 2393)
International Chess Festival Leanyfalu 2019 (9) Analysis
White to move

調べたらこのパズルシリーズ、1年半ぶりの投稿ですが、それでもWeekly と言い張ります。上のポジションは去年の国内大会からです。どこかのチェスサイトのパズルで出題されており、突然私の顔とともに紹介されていて驚きました(笑) 下のポジションは最新のFIDE公式戦のゲームで、まだ記憶に新しい人もいるかと思いますが、綺麗なので再掲載します。答えがわかったかたは、お気軽にコメント欄に書き込んでみてください。


2019/03/10

Setagaya Chess League Session 1


大分長く更新していませんでしたが、昨日、麻布チェス部のOB会に顔を出して、先輩たちからやる気をいただいてきました。ブログ更新再開は、新しい大会の報告からです。今日、用賀の玉川大区民センターで、世田谷チェスリーグがスタートしました。毎回2試合ずつ、全部で5セッションが予定されており、初回の今日は定員の20名が集まり、計20試合が行われました。

Setagaya Chess League

初回の顔ぶれや試合結果は上のリンクから確認できます。今日プレーした20名のうち、レイティング保持者が12名、非保持者が8名というのは、なかなか良いバランスだったのではないかと思います。非保持者が保持者からポイントを挙げたり、もしくは保持者同士の対戦でもアップセットがあったり、面白い初日の結果でした。リスト14スタートながら、FIDE 1700に2人勝った斎藤くんは、今後の結果次第では高めのFIDE レイティングがつくかもしれませんね。

第2セッションの開催日は、全日本明けの5/19(日) と発表されています。今回の参加者20名が引き続き5月もプレーするわけではなく、新しく募集をかける予定になっているはずです。今回のスタートを見て、次から参加したいと申し込む人もいると思いますので、20名の枠は思ったより早く埋まるかもしれませんね。まだ第2セッションの詳細や申し込み情報は公開されていませんが、興味のあるかたはTokyo Chess Meetup からの情報発信をこまめにチェックすることをお勧めします。私も参加できないなりに、この新しい企画を応援していければと思います。

Tokyo Chess Meetup

2019/02/19

第11回七盤初心者のためのチェスレッスン


White to move

【日時】 2019年3月2日(土) 18:30~20:30
【会場】 どうぶつしょうぎcafe いっぷく(最寄駅:清澄白河駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答+対局
【テーマ】 世界チャンピオンの1手1手 Vol.1
【参加費】 2000円
【申し込み】 どうぶつしょうぎcafe いっぷく ご予約フォーム

3月のいっぷくでのチェスレッスンは、3/2(土) の開催です。今回は久々にゲームをいくつか、序盤から終盤まで全体を通して解説をしようと思います。世界チャンピオンの実戦から私がゲームを厳選し、皆さんのためになるアイディアをご紹介します。

2019/02/17

Chess in Paris Olympic?


数日前、2024年のパリオリンピックで、チェスを種目にしようという動きがあるというニュースが流れました。私は最初、2020年のハンティマンシスク、2022年のミンスクに続いて、2024年のチェスオリンピアードの開催地として、パリが候補に挙がったのだと勘違いしました。そうではなく、来年の東京に続いて開催が決まっているパリの夏季オリンピックにおいて、チェスが種目になるかもしれないという話ですね。

以前からチェスがオリンピックの種目になるのではないかという噂のようなものは時々耳にしましたが、今回は少し本腰を入れた動きのように感じます。私はフランスのチェスニュースで最初に見かけましたが、Chessgames、Chessbase News、さらには日本のニュースサイトでも取り上げられています。ヨーロッパは全体的にチェスが盛んですが、フランスはその中でも特にチェス人口も多く、プレーヤーの層も厚い国です。そんな開催国の背景も、種目に採用されるかどうかの要素になるでしょう。

The Olympic Dream
五輪=チェス連盟、24年大会での競技採用に向けて活動

私も2006年のドーハアジア大会の際に経験しましたが、チェスがオリンピックのようなスポーツ大会の種目になる、もしくはなるかもしれないという話題が出ると、「チェスはスポーツなのか?」「実はチェスは~」「チェスはオリンピアードがあるので、オリンピックの種目にしなくても良いのでは?」 など色々な意見が出ます。私としては、チェスの普及のためには(当たり前ですが)、現在チェスをしていない層に対して、どのようにチェスをアピールするかというのがポイントになってくると思っています。チェスオリンピアードも素晴らしいイベントだと確信していますが、やはりチェス単体のイベントではチェスファン以外に情報や魅力が届きにくいという難点があります。他のスポーツと一緒の大会、しかもオリンピックという世界最大のスポーツイベントでチェスが種目になることは、これからの日本でのチェス普及において、大きな追い風になるでしょう。ただし、2006年のアジア大会の際は期待されていたほどの影響は無かったので、そこは日本の新しいチェス団体であるNCS が、2024年に向けて日本でチェスをもっとプレーできる、楽しめる環境づくりをどのようにできるかということにかかってくると思います。もちろん、私もできることを少しずつしていきたいですね。もちろん、まだパリオリンピックで種目になることが決まったわけではないので、気が早い話ですが(笑)

気が早いついでに書いてしまいますと、もしパリオリンピックの種目になるのであれば、私は参加したいです。ただそれと同時に、5年以上も先の話であれば、もっと若い世代を育てていなければいけないという意識もあります。色々な期待を持ちながら、このパリオリンピックでのチェスの話題は、今後の動向を見守ろうと思います。


2019/02/06

Chess Events in February and March


今月、来月は都内で気になるイベントがいくつかあります。それぞれ分かる範囲でご紹介させていただきます。

2/23 NIRVANAM'S TOKYO CHESS OPEN for Kids



Tokyo International Chess Club の存在は、年明け前から耳に入ってきていました。今月になってこのクラブが大会を開催すると連絡がありましたので、共有させていただきます。今月23日(土) の大会は18歳以下の子供向け大会で、U18とU10の2セクション分け、会場は江戸川区の葛西にある東葛西コミュニティ会館です。画像には出ていませんが、主催者に確認したところ、持ち時間は20分+1手5秒で6R だそうです。ジュニア選手、その保護者のかたは、エントリー要項などを画像を拡大からご確認ください。エントリー先のリンクを張っておきます。

NIRVANAM'S TOKYO CHESS OPEN for Kids

3/2 第11回七盤初心者のためのチェスレッスン


私が清澄白河のどうぶつしょうぎCafe いっぷくで開催しているチェスレッスンは、遠征から戻った今月から再開しています。今月も常連のかたから初めてのかたまで、多くのボードゲームファンの皆さんにお越しいただき、ありがとうございました。来月は2日(土) 18時半からの開催です。また2週間前にはテーマや詳細を発表しますので、こちらもよろしくお願い致します。

3/2 NIRVANAM'S TOKYO CHESS OPEN for Adults


上記のTokyo International Chess Club が主催する大人向けの大会は、いっぷくのレッスン日と同じ、月が替わった3/2(土) 開催予定です。先程まで3/3(日) と間違って記載していました。申し訳ありません。こちらは年齢区分のないオープン大会で、会場はジュニア大会と同じ、東葛西コミュニティ会館です。こちらも持ち時間、ラウンド数はジュニア大会と同じですので、上記の画像拡大からその他詳細をご確認のうえ、興味のあるかたはエントリーしてみてください。私も参加を検討中です。

NIRVANAM'S TOKYO CHESS OPEN for Adults

3/10 Setagaya Chess League - Session 1


こちらはTokyo Chess Meet up が主催するイベントです。このクラブはこれまで外国人向けのチェスイベント情報を発信し、下北沢や渋谷で活動を続けてきており、私も数回参加したことがあります。そんなTokyo Chess Meet up の新イベントは、FIDE公式戦です。オーガナイザーのRafaelさんは、昨年のアービターセミナーで試験をパスしており、きちんとFIDE公式戦を行う資格を持っています。試合形式は60分+1手30秒を2試合、1日で行うとのこと。大会要項は英語と日本語で2つ用意されています。

Tokyo Chess Meet up
Setagaya Chess League - Session 1 (English Version)
世田谷チェスリーグ - 第1セッション 大会要項(日本語版)

日本のチェス団体が新しくなり、FIDE公式戦を増やす方針であることは先日のブログの記事でも触れましたが、こちらのイベントは団体主催の大会に先駆けてFIDE公式戦を行うということですので、どうなるかとても楽しみです。私は先日の記事の中で60分+1手30秒でもFIDE公式戦にできることを指摘しましたが、Rafaelさんはそんなことはとっくにご存知で、こうした企画を進めていたのですね(笑) レイティング2200を超える私は試合には参加できませんが、なるべく顔を出すようにしたいと思います。会場は玉川大区民センターで、最寄り駅は用賀駅です。

3/23-24 Tokyo Chess Championship 2019


日本の新チェス団体、National Chess Society of Japan(NCS) の主催する最初の大会です。昨年までのJCA主催の百傑戦同様、ゴールデンウィークに開催される全日本選手権の予選を兼ねており、東京予選とも呼ぶべき大会です。すでに先週末から地方予選はスタートしており、これから各地で誰が全日本の参加権利を獲得するか楽しみに、情報が届くのを待っています。こちらの大会の詳細はエントリー手続きも含め、以下のリンクから確認できます。

Tokyo Chess Championship 2019 大会要項

こちらはお馴染み、池上会館での開催ですね。この大会は私も参加予定で、私にとっては年内最初の国内大会となる可能性が高いです。また皆さんにお会いできることを楽しみにしています!

2019/02/04

How should be held FIDE tournaments in Japan


2月に入り、日本の新しいチェス組織は正式に活動スタートということになりましたが、昨日、団体名が日本チェス連盟 (JCF) から、National Chess Society of Japan (NSC)に変更されるというニュースが流れました。この経緯については確かな情報が届いておらず、今日私が話題にしたいことからもずれているので、今回は置いておきます。私が注目したいのは、今年から新団体が主催するFIDE公式大会についてです。

昨晩、友人のブログにこうした記事がアップされました。

発進、JCF改めNCS~それぞれの思いと私の思い


この中に、FIDE公式戦になる影響で昨年までの大会の日程や試合数が変更され、参加しづらくなるとの記述があります。これこそまさに私が気にしていたことでした。実際にゴールデンオープンがFIDE大会になった影響で、試合数が減ったことに不満の声があるとも、私の耳に届いています。

まず最初に説明しておきますと、私の基本スタンスとしては、FIDE公式戦が増えることには歓迎です。これまでは、日本のFIDE公式戦は年に2回、GWの全日本選手権と、お盆の時期のジャパンリーグのみでした。そのため、日本に住んでいてFIDEレイティングを獲得したいプレーヤーは、この2大会に参加するか海外大会に足を伸ばさなくてはいけません。もちろん海外大会に足を運ぶ理由はFIDEレイティング獲得だけではないですが、日本でもっとFIDE公式戦の機会が増えれば、手間とお金のかかる遠征の必要もなくなる(減る)でしょう。他にもFIDE公式戦を増やすメリットは以下のように考えています。

・試合への真剣度合が増し、個人、国としてもレベルが向上する
・FIDEレイティングを獲得するプレーヤーが増えると、海外の大会に興味を持ち、遠征にいく人が増える
(チェスの楽しみ方のバリエーションが増える)
・海外から日本の大会に興味をも持ち、参加するアマチュア、マスターが増える
・大会の規模が大きくなり、レベルも上がれば、結果として日本でのチェス普及につながる


これらはあくまで私の個人的な見解で、もちろん希望的観測も入っています。新団体の意見を代弁しているわけではなので、その点はご理解ください。2つ目は上記のこと(遠征の必要がなくなる、減る)と相反しているようにも見えますが、どちらの面もあると思っています。はっきりしておきたいのは、私のような海外のトーナメントを飛び交うようなプレーヤーたちだけにメリットのあることではない、と考えていることです。

逆にこれでまでの大会をFIDE公式戦にすることによるデメリットはどこにあるか、考えてみましょう。FIDE大会が増えると敷居が高くなるというコメントを見かけました。これまでの日本のFIDE大会は、参加費が高い全日本とジャパンリーグのみでした。そこまで高い参加費を払ってまで、FIDEレイティングを欲しいとは思わない、という人は多かったのは理解できます。だから、FIDE大会=敷居の高いもの、というイメージがついてるのかもしれませんが、そこから考えると参加費の安い他の大会もFIDE大会になるということは、逆にFIDE公式戦自体の敷居は低くなるはずです。FIDE のレイティングをプラスすることで、それが無かった時よりも参加者の真剣度合が増し、カジュアルにチェスを楽しみたい層が参加しづらくなるということであれば、なるほどと思います。これに対してのアイディアは、また後述します。

FIDE大会にするデメリットの一番は、上のブログでも触れられている通り、試合数が減ることや、試合数を減らさないようにしたために、大会日程が延びることでしょう。FIDE公式戦は90分+1手30秒以上の持ち時間がスタンダードで、これでは1日2試合のスケジュールが限界です。日本の大会は全日本やジャパンリーグのように長い持ち時間、長い日程の大会もありますが、他は50分+1手30秒、60分+1手30秒などの持ち時間で、1日3試合詰め込むこむものもあります。これらをFIDE公式戦にすると、1日2試合が限界ですので、昨年同様の日程にすると試合数を減らさざるをえなくなり、同じ試合数にすると日程を長くせざるえなくなります。それで大会に満足度が下がる、もしくは大会に参加しづらくなるのであれば、FIDE公式戦にされるほうが困る、迷惑であるという意見が出るのはもっともです。(ただ一方で、日本の持ち時間は海外に比べて短く、ゆっくり考えられないのが嫌だ。長い日程でも、持ち時間を長くして、1日の試合数を減らしてくれたほうが助かるという私の知り合いもいます。)

私が頭を悩ませたのもまさにそこで、FIDE大会は増えてほしい、でも試合数の減少や日程の延長は抑えたい。これらを上手くまとめる方法はないのかと、昨晩から考えていました。そこでFIDE のHandbook を読み直し、以下の項目を発見しました。

FIDE Rating Regulations effective from 1 July 2017


1.Rate of Play

1.1 For a game to be rated each player must have the following minimum periods in which to complete all the moves, assuming the game lasts 60 moves.
Where at least one of the players in the game has a rating 2200 or higher, each player must have a minimum of 120 minutes.
Where at least one of the players in the game has a rating 1600 or higher, each player must have a minimum of 90 minutes.
Where both of the players in the game are rated below 1600, each player must have a minimum of 60 minutes.

日本語で簡潔にまとめると、FIDE公式戦の持ち時間は60手で試合が終わると想定して、レイティング2200以上で1人120分(例えば、90分+1手30秒)、1600以上2200未満は1人90分(例えば、60分+1手30秒)、1600未満は1人60分(例えば、30分+1手30秒)、最低でも必要である、ということです。私がこれまで知識として持っていた、FIDE公式戦には90分+1手30秒以上の持ち時間が必要というのは誤りで、2200未満しかいない大会であれば、60分+1手30秒でOKです。これならば上手くスケジュールを作れば、ぎりぎり1日3試合できる可能性があります。


確認のために、FIDE 2200未満の大会をチェックしましたが、確かに90分の持ち時間が無くとも、Standard の公式戦として認められているものがありました。FIDE が推奨しているStandard の持ち時間は、40手90分+30分+初手から1手30秒で、多くの海外大会はこの持ち時間を採用しています。しかし、もっと短い60分+1手30秒や、30分+1手30秒でも、Standard の公式戦として認められるのであれば、日本のFIDE大会増加ももっとスムーズにいけるのではないかと思います。

もちろん、単に持ち時間を短くするだけでは、FIDE 2200以上の私たちが大会に参加できませんが、そこはクラスを2つに分けるという方法があります。つまり、誰でも参加できるオープンクラスは、例えば90分+1手30秒以上の持ち時間で、1日2試合を3日間で計6R。一方のFIDE 2200未満のプレーヤーのみが参加できるU2200クラスは、例えば60分+1手30秒の持ち時間で、1日目3試合、2日目2試合で計5R。この2つのクラスを同時並行で行えば、全てFIDE公式戦にできます。実際にレイティングでクラスを分け、持ち時間も変えて複数クラスを同時並行で進める海外大会はたくさんあります。これであれば、FIDE公式戦を増やしたいという希望と、試合数の減少や日程の延長を抑えたいという両方の希望が叶えられるのではないか、というのが私の意見です。Handbook の他の項を見ても、1日3試合は禁止されていませんし、1日の上限である1人12時間までに、60分+1手30秒の3試合は収まっています。

海外では90分+1手30秒以上の長い持ち時間がスタンダードですが、日本の社会人の休みの取りにくさは重々承知しているので、海外の形式をそのまま持ってくるよりも、より日本で受け入れられやすい形式はなんなのか、検討する必要があるでしょう。さらに言えば、日本のアクティブプレーヤーでFIDEレイティング2200を超えているのは、私、南條くん、馬場さん、青嶋くんのたった4人のみです。海外のスタンダートというだけでなく、私たちに合わせて持ち時間を長く、試合数を少なくしてそれに付き合ってもらうよりも、多くのプレーヤーに持ち時間とスケジュールの選択の余地があるほうが、柔軟で受け入れられやすいのではないかと思います。参加者のレベルに応じてクラスを選択できるのであれば、カジュアルに指したい層にとっても、敷居の高さは緩和されるのではないでしょうか。もちろんすぐこれを採用してほしいということではなく、すでに大会形式や日程が発表されているものもありますので、将来的にこうした案も検討してほしい、くらいに捉えていただければと思います。

新しい団体の発足が発表されて以降、私の耳にも様々な立場の人からの意見が届いていますが、このFIDE大会増加については、これまでの希望が通って嬉しいという賛成意見から、地方のプレーヤーが軽視されている、結局首都圏のプレーヤーや、FIDE戦を積極的にこなすトーナメントプレーヤーが優先されている、という反発まで色々とあるようです。全ての人に対して公平に物事を進めることは難しいと思いますが、新しいことを始めることで意見が飛び交っている状況なのであれば、上手くそれらを拾い上げて、なるべく多くの人にメリットがあり、納得できるプランを進めていけると良いですね。

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