2019/01/16

lichess

すでに日常的に使っている人にとっては何をいまさらという話題ですが、年始からiPhone にlichess のアプリを入れて使うようになっています。年末に会ったチェス界の友人から、lichess が意外に多機能で良いと勧められ、入れてみた次第です。lichess はこれまでパソコンのブラウザで数えるほどしか使ったことは無く、最大手のオンライン対戦サイト、chess.com に比べれば大したことは無いと思っていました。しかし、実際にiPhone のアプリで使ってみると、便利な機能がありました。


それがこちらの棋譜解析欄での局面検索の機能です。chess.com やchess24 でも、無料のエンジンで棋譜が解析できるのが当たり前ですが、lichess の棋譜解析の良い点は、データベースと直結しており、200万を超える過去の試合から局面を調べることができるようになっています。画像の通り、どの手がどれくらい指されており、勝率がどうなっているかも一目でわかるようになっています。


データベースはlichess で指されたゲームか、FIDE 2200以上が指したゲームのどちらかを選ぶようになっており、私は当然後者を選んでいます。ちなみに2016年までのゲームと書かれているにも関わらず、画像の通り2018年のゲームも検索できます。最新のエンジンを使った解析や、棋譜整理にはパソコンのチェスソフトを使う必要がありますが、ちょっと気になった局面でどういった手があるか、どんなゲームが指されているかを調べるには、このlichess の機能で十分すぎるほどです。局面検索機能は、chessbase のアプリでも使えると聞いていますが、こちらは有料だったと思いますので、無料でこの機能が使えるのはありがたいことです。ただし便利ではあっても、勝率ばかりを追って指す手を選ぶのは危険なので、きちんと自分のスタイルに合った手を選びたいですね。

コラムや解説動画、ゲーム中継などの機能がないことを踏まえれば、総合的にはchess.com に劣るlichess ですが、オンライン対戦も使いやすいですし、chess.com ほどではないにしても、マスターも多数参戦しているようです。興味を持った方は是非アプリでのlichess をチェックしてみてください。


2019/01/14

ice break


今年から始まった新しいブログの紹介です。

ice break



中身は全て英語で書かれています。日本のチェスイベントやサークル活動などの情報は、日本語のみで発信されていることが多く、日本語のさほどできない外国人が日本でチェスを楽しみたいと思っても、情報を集められずに諦めてしまうことは多いように思えます。こちらのブログはまだ投稿数は少ないですが、日本でチェスやその他のボードゲームを楽しみたい外国人や、海外のプレーヤーにとって有益な情報源になると良いですね。

2019/01/12

Evadnyito Papp Bela Memorial 2019


昨晩、北京とミンスクで乗り継ぎ、無事にブダペストへと戻ってきました。一夜明けた今日は、1/4 から開催されていたPapp Bela Memorial の最終戦に顔を出してきました。この大会はFirst Saturday トーナメントが唯一開催されない1月に、毎年ブダペストで開かれるオープントーナメントで、私も6年前に参加しています。大会の上位はIM No Nhat Minh ら、ベテランの強豪が占めましたが、下位を見ると女子プレーヤーやジュニアプレーヤーの姿も多数見受けられました。


会場はFalk Miksa通りにあるハンガリーチェス連盟で、建物の3階にある広いスペースをうまく活用して試合を行っています。私も2010年のFirst Saturday や、2013年のこの大会でハンガリーチェス連盟の本部を訪れています。写真は建物内のらせん階段で、これを上って3階へと向かいます。初めて訪れる人は建物の場所で迷いそうです。


初めて見るこちらの看板は、2014年にハンガリーで開催れたU16 Youth Chess Olympiad の際に作られたもののようです。


試合をする部屋の外には、ちょっとした検討用のスペースがあり、ここにはトロフィーがすらっと並べられています。ここ数十年、ハンガリーが獲得したチーム戦やマッチの記念トロフィーのようでした。端にいるのはIM To で、最終戦開始から30分後に会場入りしたにも関わらず、すでに試合を終えて談笑していました(笑) つい先ほど更新されたChessresults の結果によれば、7/9 で3人が並びましたが、タイブレークでTo が優勝したようです!

Evadnyito Papp Bela Memorial 2019 Final Standings


私が唯一参加した6年前、最終戦で当たってドローになり、優勝を決めたのがGM Aczel (当時はIM) でした。そんな彼とは去年の11月に再会し、今月もまた試合をすることが決まっています。私も長くハンガリーで試合をして、様々なプレーヤーと縁ができてきましたね。


久々にハンガリーチェス連盟を訪れた帰り道、雪に残る国会議事堂を見て、初めて馬場さんとブダペストを訪れた9年前のことを少し思い出しました。知ってるプレーヤーたちが真剣に試合に臨む様子を見て私も刺激を受けてきたので、あと10日しっかり準備をして、私も今年最初のトーナメントを迎えたいと思います。

2019/01/09

International Chess Festival in Leányfalu Tournament Preview

明後日ハンガリーに戻り、新たなトーナメントに臨みます。それがブダペストの北、Leányfalu で開催されるGM トーナメントです。この大会はIM トーナメントとオープントーナメントも同時開催であるため、ある程度の規模であることが予想されます。Festival と銘打っているぐらいですからね。初参加でどのような大会か、さらにはどんな土地かもわかりませんが、とても楽しみにしています。開催地のすぐ南にはセンテンドレという、ブダペストから日帰りで行ける人気の観光地もありますので、そちらにも足を運んでみようと思います。

International Chess Festival in Leányfalu GM Section

エントリーリストを見ると、珍しいことに2500台が並んでいます。昨年対戦したAczel、Kantor、さらには6年前にブダペストとケチケメートのIM トーナメントで競い合い、一昨年のジャパンリーグで再会したXu Yi の名前もあります。Xu Yi が来日後、ずいぶんレイティングを伸ばしたのは知っていましたが、GM ノームのコンプリートはまだのようですね。彼との再戦も楽しみです。試合開始は22日ですので、また月の後半から試合内容や大会の様子をお届けしようと思います。

また、この大会が終わればすぐに帰国し、2月からは国内での活動に戻ろうと思っています。年末年始の短い滞在ではお会いできなかった人たちとも、2月以降再会できることを楽しみにしています。それでは遠征最後の、そして今年最初のトーナメントも頑張ってきます!

2019/01/06

謹賀新年 2019


少しタイミングが遅れてしまいましたが、皆さん明けましておめでとうございます。2018年は多くのかたにブログにお越しいただき、ありがとうございました。また今年も頑張って更新していきますので、Shinya Kojima のブログをよろしくお願い致します。

さて、最後のモンテネグロの試合以降、内緒にしようとしていたわけではないのですが、ブログでは告知することなく、ひっそりと日本に帰国していました。年末年始は妻とのんびり過ごし、そろそろまたエンジンをかけ始めようという頃です。今年最初のトーナメントは、ノビサドを取りやめ、ハンガリーのまだ赴いたことのない地にしようと思っています。そちらも決まり次第、お知らせします。

昨年末はラスベガスや香港で日本のプレーヤーが活躍し、私も刺激を受けることができました。特に青嶋くんは香港のトーナメントで優勝し、FIDE レイティングを2300に乗せて、FM獲得の資格を得るという嬉しいニュースがありました。さらに青嶋くんは自身のブログを開設したようで、こちらも今後注目していきたいと思います。

それでは今年も国内外の活動に精力的に取り組んでいきたいと思います。様々な大会、イベントで皆さんと交流できることを楽しみにしています。

2018/12/28

2018 公式戦戦績


今年は初めて訪問するモンテネグロで、3か月間試合をこなしました

今年もすべての公式戦が終わりましたので、戦績の集計をしようと思います。ご存知の通り、オリンピアード後に日本に戻らずにそのまま遠征に出た私は、ここ数年で最も多く海外でのFIDE公式戦をこなしました。当然ですがその分、国内での公式戦の数が減っています。

JCA 公式戦 31勝2敗6ドロー、勝率 87%
FIDE 公式戦 41勝23敗28ドロー、勝率 59%


国内はまずまずで、全日本とジャパンリーグで計1ドローでしたので、例年よりもドローの割合は少ないように思えます。一方で、FIDE公式戦は全日本とジャパンリーグで貯金を作りましたが、11-12月の下り坂でそれをほとんど吐き出してしまいました。遠征中はGMにも5勝できましたが、それ以上に下に負けてしまったのをなんとかしないといけませんね。

年明けは14日からセルビアのノビサドで、再びGMトーナメントに戻ります。2400台にレイティングを戻すことは当然として、またGMノームに迫る戦績を安定して取れるように頑張ります。

2018/12/25

Third Saturday GM December 2018 R9


モンテネグロの、そして今年の最終戦の相手はインドのWIM Praytyusha です。今大会で一番レイティングが低いプレーヤーとはいえ、Nikcevic とDrasko に勝っており、8R終了時点では私よりもポイントを取っています。10月、11月とモンテネグロの最終戦では負けて大会を終えている私としては、なんとしても勝ってブダペストに戻りたいところでした。

Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Praytyusha, B (WIM, IND, 2273)
Third Saturday GM December 2018 (9)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 a6 5. cxd5 exd5 6. Bg5!?



このa7-a6 を早めに指すQueen's Gambit Declined は近年爆発的に増えており、私も黒番で指そうかと研究していました。実は序盤を記事の中で省いた7RのBenkovic戦もこのオープニングで、今大会で2回目になります。最終戦は早いスタートだったので、研究し直す時間は十分とは言えませんでしたが、前夜に見つけた新しいアイディアを試してみることにしました。ちなみに7Rでは、6. Bf4 と指しています。

6... Be6 7. e3 Nbd7 8. h3!?


これがこの試合で是非試そうと思っていた手です。よりポピュラーな8. Bd3 h6 9. Bh4 g5 10. Bg3 Nh5 11. Be5 Ng7 は白が良いのかさほど自信がありませんでした。

8... Bd6 9. Bd3 h6?!



Praytyusha は8. h3 のアイディアを知らず、またこの局面で少し不用心であったように思えます。白は黒マスビショップを交換したいため、Bg5-Bf4 と下げたいので、このポーン突きは白を助けています。代わりに9... c6 10. Bf4 Qc7 11. Bxd6 Qxd6 12. 0-0 0-0 と進めるのが良かったでしょう。これでも白は黒マスビショップの交換に成功し、白マスビショップの働きの差で小さな優位を保てるでしょう。

10. Bf4! Qe7 11. O-O


f4 でのビショップ交換は、f4-f5 突きのスレットや、eファイルが開いたことを利用したオープンファイルのコントロール、e5 のサポートをが強まったことによるNf3-Ne5 のアイディアが生まれ、白にとって歓迎すべきものです。ならば黒マスビショップの交換はしばらく様子を見てゲームを進めます。上記のc7-c6, Qd8-Qc7 であれば、黒は早めにd6 でのビショップ交換を催促できました。

11... O-O 12. Rc1 c6 13. Re1 Rfe8 14. a3 Rac8 15. Ne5



黒マスビショップの交換はいつでも白にとって悪くありませんが、盤上に残したままe5 のマスを活用するアイディアも当然ありえます。黒のアクションの起こし方は限られているので、本譜のようにc6-c5 であればクイーンを上げ、そうでなければBf4-Bg3, f2-f4 を考えていました。

15... c5 16. Qf3 b5?!


少しクイーンサイドのポーンの伸び方やルークの位置は違いますが、これに似たポジションを前夜に見てアイディアを拾ってきました。ここはシンプルなタクティクスのチャンスです。

17. Nxd7! Qxd7 18. Bxh6!



17... Bxd7 18. Nxd5 Nxd5 19. Qxd5 Bxf4 20. exf4 Qxe1+ 21. Rxe1 Rxe1+ 22. Kh2 と進めても白が良いと思っていましたが、本譜もわかりやすく駒得です。

18... Ne4 19. Bf4


19. Bxe4! dxe4 20. Nxe4 Bd5 21. Nf6+! gxf6 22. Qxf6 Bf8 23. Qg5+ Kh7 24. Bxf8 Rxf8 25. Qh5+ Kg7 26. e4! Ba2 27. Qg5+ Kh7 28. Rxc5+- この手筋は読んでいましたが、26手目を見つけることができずに断念しました。

19... cxd4?



この捌き方は黒にリスクが大きいでしょう。19... Nxc3 20. Rxc3 c4 21. Bc2 b4 22. axb4 Bxb4 23. Ra1 と進んだ形は、白がエクスチェンジを落としてしまいますが、強力なダブルビショップは十分にそれをカバーできそうです。

20. Nxe4 dxe4 21. Qxe4 Bxf4 22. Rxc8 Rxc8 23. Qh7+ Kf8 24. exf4


1ポーンアップでここまで捌ければ、白の優位は揺るがないでしょう。f4-f5 が次にスレットになっています。

25... f5?



当然24... f6 がベターですが、これもg6 のマスを弱めるのが痛手となります。

25. Re5! Qc6 26. g3


悪い手ではないですが、この辺りで正確に読めていないのが小さな反省点です。26. Kh2 Qc1 27. Rxe6 Qxf4+ 28. Kg1 Rc1+ 27. Bf1+! は全く問題ないため、先にキングを逃げておいたほうが余計なカウンターを考えずにすみました。

26... Qc1+ 27. Kh2 Qxb2 28. Re2 Qb3



29. Rxe6 Qxd3 30. Qh8+ も白勝ちです。

29. Bxf5 Bg8 30. Qg6 Rd8 31. Qg5 Re8 32. Rxe8+


32. Bg6!+- は美しいフィニッシュでした。

32... Kxe8 33. Qxg7 Bd5 34. Bg6+?!



ここまで白は駒を捌き、後はdポーンさえ消してしまえばほぼ危ないところは無いと言えます。しかし、黒の33手目の意味が分からず、ピンになるようdファイルに黒キングを寄せてからポーンを取るのが安全だと思ってしまいました。黒のアイディアは当然、Qb3-Qf3 ですので、34. Qxd4 Qf3 35. Qe3++- でクイーンを交換できるよう、黒キングはeファイルに留めたままでいるのが簡単でした。

34... Kd8 35. Qf6+?!


黒のクイーンの動きに気付いてがっくりしますが、それでもdポーンを取れば簡単でした。35. Qxd4! Qf3 36. Qb6+! Kd7 37. Bf5+ Ke7 38. Qe3++- やはり黒キングをeファイルに押し戻し、強制交換で白の勝ちです。

35... Kc7 36. Qe5+ Kc6 37. Qe8+ Kc7 38. Qe7+ Kb8?



オリンピアードでの最終戦も、ちょっとした勘違いから勝ちを逃し続けるクイーンエンディングになり、とても勝ち切るのに苦労しましたが、ここでは相手が早めにミスをしてくれてラッキーでした。このキングの位置では、白は理想的なビショップ交換に持ち込めます。

39. Qe5+ Kb7 40. Be4 Bxe4 41. Qxe4+ Kc7 42. Qxd4+-


次にaポーンは取られますが、クイーンが黒キングをカットオフしており、白が先手ですのでこれは問題なく勝てそうです。

42... Qxa3 43. f5 b4 44. f6 b3 45. f7 b2 46. Qa7+ Kc6 47. Qb8


私のアイディアは互いにクイーンを作って取り合った後、Qc8+ からa6 を取ることです。多少遠回りになっても黒のポーンをすべて消してしまえば、白はキングサイドの3コネクテッドパスポーンをゆっくり利用するだけです。

47... Kd7 48. h4 a5 49. Qe8+ Kc7 50. f8=Q 1-0



a5 にポーンを進めたことで、c5 でのチェックがポーン取りのスレットになります。50... Qxf8 51. Qxf8 b1=Q 52. Qc5++- で白の勝ちです。2つ負け越しでのフィニッシュは、もちろん満足できる戦績ではありませんが、最終戦を初めて勝って締めくくることができ、その点は一安心です。2019年は2300代に久々にレイティングを落としてのスタートになりますが、また気持ちを新たに頑張っていこうと思います。

12/15 14:00 (22:00) Tsolakidou, S (IM, GRE, 2387) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/16 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Drasko, M (GM MNE, 2438) 1-0
12/17 09:00 (17:00) Lundin, J (FM, SWE, 2312) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/17 15:00 (23:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Nikcevic (GM, MNE, 2434) 0-1
12/18 14:00 (22:00) Stajonovic, M (GM, SRB, 2522) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1/2-1/2
12/19 Rest Day
12/20 14:00 (22:00) Krishnater, K (FM, IND, 2305) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 0-1
12/21 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Benkovic, P (IM, SRB, 2401) 0-1
12/22 14:00 (22:00) Ivic, V (IM, SRB, 2497) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/23 10:00 (18:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Praytyusha, B (WIM, IND, 2273) 1-0

Third Saturday GM December 2018

+5 Tsolakidou
+3 Ivic
+1 Stajonovic, Benkovic, Krishnater
+-0 Nikcevic
-2 Kojima
-3 Drasko, Lundin, Praytyusha

8RでNikcevic を破ったTsolakidou は、そのまま5つ勝ち越しでトーナメントを終え、GMノームを獲得しました。この3か月のGMトーナメントでノームを獲得してきたのは、全て10代のプレーヤーです。彼らの力強いプレーには舌を巻きますが、感心しているだけでなく、対抗していけるだけの力をつけていかなければいけませんね。


3か月連続で戦ったモンテネグロ、来月は来ないことを決めましたが、また機会を見て戻ってこようと思います!

2018/12/23

Third Saturday GM December 2018 R8


16歳にして強豪セルビアの代表入りを果たしたIvic は、今大会最もノームチャンスのあるプレーヤーだと個人的には注目していました。しかし、3R でTsolakidou 相手にブランダーで8手で負けを喫し、苦しい立ち上がりとなります。それでも貯金を少しずつ増やし、トーナメント終盤へとやってきました。

Ivic, V (IM, SRB, 2497) - Kojima, S (IM, JPN, 2409)
Third Saturday GM December 2018 (7)

1. e4 c6 2. Nc3 d5 3. Nf3 dxe4!?



Caro-Kann の連敗がどうにも止まらず、Two Knights Variation で新しい手を投入してみることにします。将来にはいくつかの変化を指しわけられるようにしたいですね。

4. Nxe4 Nf6 5. Qe2!?


以前、羽生さん、青嶋くんとトレーニングをした際に、この変化が流行の兆しを見せていることを私から示唆しました。5. Nxf6+ exf6 と進むのが自然に見えますが、1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Nf6 5. Nxf6+ exf6 に比べ、6. c3 Bd6 7. Bd3 0-0 8. Qc2! Re8+ 9. Ne2 というセットアップが使えません。これがTwo Knights Variation で、f3 にナイトがすでに展開されたことを見てNg8-Nf6 をぶつけるアイディアなのです。本譜はf6 でのナイト交換を保留し、黒の出方を伺います。

5... Bg4!?



ここは事前の研究でも何を指すか悩みました。5... Nxe4 6. Qxe4 Qa5!? 7. Qf4 Qf5 8. Qe3 Qxc2 9. Bd3 Qa4 はポーンの代償がありそうなギャンビットです。

6. Nxf6+ gxf6 7. h3 Bxf3 8. Qxf3 e6 9. g3


ポーンストラクチャーこそ違いますが、Two Knights のメインラインに近くなりました。白のクイーンに2回動いてもらっているため、黒は展開の面では十分です。白はdポーンをどう突くか工夫が必要ですが、まずはフィアンケットからクイーンサイドへのプレッシャーを見せておきます。

9... Nd7?!



事前に研究してきたPaichadze のゲームでは、9. b3 Bd6 10. Bb2 Be5 11. c3 Nd7 12. d4 Bd6 という手順で、これだとクイーンサイドのアタックにぎりぎりで対抗できます。g2 のビショップは私の予想以上に強力で、この形では逆サイドから攻めあうのは無茶でした。9... Qd5! 10. Bg2 (10. Qxf6?? Qe4+-+) 10... Qxf3 11. Bxf3 Nd7= というアイディアでクイーンを確実に交換しておくのが安全策です。10... Qe4+ が見えないとはひどい...

10. Bg2 Bd6 11. O-O Qe7 12. d4 O-O-O


試合後にIvic からは、クイーンサイドキャスリングではなく、f6-f5, Nd7-Nf6 でなければダメなのではないかと指摘されました。私もそれは考えていたのですが、12... f5 13. b4 と早く仕掛けるのが良いのではないか思い、b7 を守るためにもキャスリングを急ぎました。

13. c4 Rhg8 14. c5!



ギャンビットのつもりでb2-b4 を仕掛けてくるかと思いましたが、Ivic は慎重です。しかし、これでも十分白の攻めは早く、かつ強力でした。

14... Bc7 15. b4 Nb8


このアイディアでbファイルからの攻めに備えるアイディアを見つけた際は、黒のgファイルからの攻めも十分いけると思ったのですが、やはりナイトがキングサイドから離れては黒の攻撃力は不十分です。

16. Be3 Rg6 17. Rab1 Rdg8 18. Rb2



g3 のサクリファイスに何で備えるのかと思いましたが、これは予想外でした。シンプルなアイディアですが、遠くbファイルからg2 のビショップを守り、Rf1-Rb1 とbファイルのダブルルークにも備えています。

18... f5 19. b5 Qd7


c6 を受けつつ、d4 にプレッシャーをかけ、f5-f4 を見せたつもりでした。しかし、ここはもう思い切ってピースを捨てるしかありません。19... Bxg3 20. fxg3 Rxg3 21. Qf4 Rxh3 これで3つのポーンを回収しますが、白はダブルビショップですし、ゆっくりとキングの安全性を確保して白が有利なのは確実でしょう。

20. Kh1!+-



手堅いですね。20. Rfb1? Bxg3! 21. fxg3 Rxg3 22. Qf4 Qd5! が私のアイディアだったのですが、キングをhファイルに避けられてしまうとこれができません。h3 のポーンも取れなくなった以上、黒はこれ以上キングサイドを攻めることが難しくなります。

20... f4


20... Qd5 21. Qe2! Qd7 22. bxc6 Nxc6 23. Rxb7!! Kxb7 24. Qb5+ Bb6 25. cxb6 a6 26. Qb3+- これはエクスチェンジを捨てますが、使い勝手の悪い黒のルークよりも、白のダブルビショップが強力であることは明らかです。

21. bxc6 bxc6 22. Bxf4 Qxd4 23. Rxb8+!



きっちり決めてきますね。完敗です。

23... Kxb8 24. Qxc6 1-0


すでに今日の最終戦も終わり、結果は下にある通りです。また最終戦についての記事は、明日以降更新します。

12/15 14:00 (22:00) Tsolakidou, S (IM, GRE, 2387) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/16 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Drasko, M (GM MNE, 2438) 1-0
12/17 09:00 (17:00) Lundin, J (FM, SWE, 2312) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/17 15:00 (23:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Nikcevic (GM, MNE, 2434) 0-1
12/18 14:00 (22:00) Stajonovic, M (GM, SRB, 2522) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1/2-1/2
12/19 Rest Day
12/20 14:00 (22:00) Krishnater, K (FM, IND, 2305) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 0-1
12/21 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Benkovic, P (IM, SRB, 2401) 0-1
12/22 14:00 (22:00) Ivic, V (IM, SRB, 2497) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/23 10:00 (18:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Bodda, P (WIM, IND, 2273) 1-0

Third Saturday GM December 2018

+5 Tsolakidou
+3 Ivic,
+1 Stajonovic, Benkovic, Krishnater
+-0 Nikcevic,
-2 Kojima,
-3 Drasko, Lundin, Bodda


2018/12/22

Third Saturday GM December 2018 R7


昨日は色々と事件がありました。Benkovic は試合直前にドローオファーし、私がこれを蹴ると、彼は試合開始時になっても席に着かず、オーガナイザー、アービターと何やら話し始めました。10分たっても初手を指さないので、どういうことか話を聞きにいくと、オーガナイザーはこう説明してくれました。Benkovic は前日の試合で相手の時間落ちを指摘したが、アービターはそれを認めず、試合続行を指示。試合は結局2ポーンアップからBenkovic がドローにしてしまいましたが、アービターの裁定に不満を持った彼は、翌日の私との試合をやりたくないと言い出したのです。

これは私の不戦勝になるのかと思いましたが、35分ほど持ち時間が減ったところでBenkovic は席に着き、試合を開始しました。戦績不振によるトーナメントリタイア、病欠、遅刻による不戦勝はこれまで見たことがありましたが、対戦相手が会場にいるのに試合が始まらないというのは長いチェス歴の中で初めてでした。時間落ち云々は直接時計の状態を見ていないので何とも言えませんが、色々と考えさせられる出来事でした。


Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Benkovic, P (IM, SRB, 2401)
Third Saturday GM December 2018 (7)
Position after 40... Qd6

序盤で多少良くなった私は、このポジションまできて時間が増えても、まだ自分のほうが有利だと信じて疑いませんでした。しかし、コンピュータの評価はやや黒良しです。この辺りの形勢評価については、また時間のある時に考えてみるつもりです。

41. Qc5 Qa6 42. Qb6 Nd3+ 43. Kf1 Qxb6 44. Nxb6 Nc5 45. Bc2 Kf8


クイーンをいくらか右往左往してきましたが、進展がないのでクイーンを交換してマイナーピースエンディングでの勝負に踏み切ります。

46. Nc8 Ke8 47. Nd6+ Ke7 48. Nb5 Nfd7 49. Ke2 Nb8 50. Kd2 Nc6 51. Kc3 Nb4 52. Bb1 Nc6 53. Bc2 Nb4 54. Nd4!?



aポーンがないせいでb4 がアウトポストとなり、黒のナイトも十分な働きができています。54. Bc2 のドローで試合を終わらせても良かったのですが、もう少し続けて何かが起こせることを期待します。

54... Kd6 55. Bb1 Ke7 56. Ne2 Kd6 57. Nf4 Nc6 58. Ne2 Ke5 59. Nd4 Nb4!? 60. f4+


fポーンを突くチャンスを貰えたのは意外でした。59... Kd6 ならばドローにしかならないでしょう。これでf7 を狙いやすくなり、多少白がチャンスを作りやすくなったと感じました。

60... Kd6 61. Nf3 Nc6 62. Ng5 Nd8 63. Bc2 Nce6 64. Nf3 Nc6 65. e4



黒の孤立ポーンを捌いてしまいますが、代わりにビショップがc4, e4 のマスを使うことができ、アクティブなります。しかし、これによってf4 のポーンが土台として多少弱くなるため、g6-g5 の可能性が出てくることをもう少し考慮すべきでした。ただここはもう互いに時間がほとんどありません。

65... Kc5 66. exd5 Kxd5 67. Bd3 Kc5 68. Bc4 Kd6 69. Bb5 Nb4 70. Ne5 Nd5+ 71. Kd2 Nd8 72. Bc4 g5!


h5-h4 をメインで警戒しており、この手を軽視していました。ここで落ち着いて考えられたら良かったのですが...

73. Bxd5?!



73. Nd3= と退けば何事もないのですが、f7 への攻撃が私のメインのアイディアだったため、ナイトを下げることは頭にありませんでした。

73... Kxd5 74. Kd3?!


74. Nc4 gxf4 75. gxf4 Ke4 76. Nxa5 Kxf4 77. Ke2= ならば安全にドローでしょう。

74... gxf4 75. gxf4 Ne6 76. g3 h4!



どこかで黒はf7 を受ける1手を挟み、それによってできた余裕で、白はf4 をカバーするかa5 を狙いにいくか選べると思っていました。しかしBenkovic は容赦なく私のキングサイドのポーンを崩しにきます。

77. Ke3 hxg3?


77... h3! 78. Kf2 Nd4 79. Nxf7 h2 80. Kg2 Nxb3 81. Ne5 a4 82. Nd3 a3 83. Nb4+ Kc4 84. Na2 Nc5-+ ならば黒の勝ちです。aとhに離れたパスポーンを作られては、止めることはできません。

78. Kf3??


時間がないとはいえひどかったですね。78. Nc4 Nxf4 (78... Nd4 79. Nxa5 Kc5 80. Nb7+ Kb4 81. Nd6 f5 82. Nc4 Nxb3 83. Ne5 Kc5 84. Kf3=) 79. Nxa5 g2 80. Kf2 Kc5 81. b4+ Kxb4 82. Nb7 Kb3 83. Nd6 f6 84. Ne4 f5 85. Nd6= f4 を見捨て、aポーンを取りにいくのがドローの変化でした。最後まで勝ちの低いf7 にこだわったのが完全に失敗です。

78... g2 0-1



結果自体は悔しいですし、失敗したことは反省ですが、安易にドローにせずに勝負にいったことは後悔していないです。こうした失敗から学んだことが、いつか結果に結びつくと信じています。

12/15 14:00 (22:00) Tsolakidou, S (IM, GRE, 2387) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/16 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Drasko, M (GM MNE, 2438) 1-0
12/17 09:00 (17:00) Lundin, J (FM, SWE, 2312) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/17 15:00 (23:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Nikcevic (GM, MNE, 2434) 0-1
12/18 14:00 (22:00) Stajonovic, M (GM, SRB, 2522) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1/2-1/2
12/19 Rest Day
12/20 14:00 (22:00) Krishnater, K (FM, IND, 2305) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 0-1
12/21 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Benkovic, P (IM, SRB, 2401) 0-1
12/22 14:00 (22:00) Ivic, V (IM, SRB, 2497) - Kojima, S (IM, JPN, 2409)
12/23 10:00 (18:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Bodda, P (WIM, IND, 2273)

Third Saturday GM December 2018

+4 Tsolakidou
+2 Ivic,
+1 Nikcevic, Benkovic, Krishnater
+-0 Stajonovic,
-1 Bodda
-2 Kojima, Lundin
-4 Drasko

Tsolakidou は7R も勝って独走状態に入りました。この大会の最大の注目ポイントは、彼女がGM ノームを獲得するかどうかとなっています。

2018/12/21

Third Saturday GM December 2018 R6


天気の良い日には、モンテネグロの山頂が雪で白く染まっている様子を目にすることができます。

休み明けのR6はインドの16歳、Krishnater との対戦です。ここに来る前はノヴィサドのGMトーナメントに参加していたようで、精力的にノーム獲得を目指してプレーしています。思えば10月から面子は変われど、ずっとインドの若いプレーヤーとの対戦が続いていますね。

Krishnater, K (FM, IND, 2305) - Kojima, S (IM, JPN, 2409)
Third Saturday GM December 2018 (6)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. cxd5 cxd5 4. Bg5



この3日間でCaro-Kann の試合を200試合以上並べましたが、初手が1. d4 でした(笑) このExchange の変化はこの遠征中初めてですが、どこかで指される可能性はあるだろうと自分なりに納得できるラインを探していました。

4... h6 5. Bh4 Qb6 6. Nc3 e6 7. Qd2 Ne7


7... Be7 8. Bxe7 Nxe7 9. e3 は堅く、ドローにはできる自信がありますが、なるべく勝ちにいけるような変化を探してきました。ちなみに7手目でドローオファーされましたが、この日はやる気満々ですので、もちろん蹴って勝負にいきます。

8. f3 Nbc6 9. Rd1 Ng6!?



これが私の用意していた新手です。前例のある9... Nf5 10. Bf2 は、将来的にf5 のナイトがe2-e4 からアタックされるので面白くないと思いました。d4 を取るのもリスキーで、あまりやりたくありません。

10. Bf2 Be7 11. e4 Bg5


この手でクイーンを脅かし、f4, e3 といった黒マスを抑えるのがNe7-Ng6 の狙いです。11. e3 であればこれを防げますが、f2 に退いたビショップとポーンの相性は当然良くありません。

12. Qc2 Nb4



私は悩んだ末に、ナイトを一度跳び込んでおくことにしました。12... O-O 13. h4 Bd8 14. a3 dxe4 15. fxe4 e5 16. h5 Nxd4 17. Rxd4 exd4 18. hxg6 Qf6 19. gxf7+ Qxf7 20. Nd1 Be6 これがコンピュータの提案ですが、人間にはかなり指しにくそうです。ただe6-e5 のアイディアは本譜でも登場します。

13. Qb1 14. g3?!


展開の遅れている白は、f4 を抑えるためとはいえ、こうした手に時間をかけるべきではないでしょう。14. h4 Bd8 15. a3 Nc6 16. h5 Nge7 17. Bd3 Bd7 はお互いに指せる展開だと思っていました。本譜では白の展開の遅さをつき、センターを開くことにします。

14... dxe4 15. fxe4 e5


f3-e4 のセンターは固く見えますが、こうして崩すのは時々見られるアイディアです。

16. d5 Be3 17. Bxe3 Qxe3+ 18. Be2 f5!



ここでさらにラインを開き、白キングにプレッシャーをかけます。これで一気に押し切れれば楽ですが、もちろんそんなに簡単ではありません。

19. a3 fxe4! 20. Qxe4


20. axb4 Qf2+ 21. Kd2 Bf5! 22. Kc1 Rac8 (22... Qg2? 23. g4!) 23. Qc2 (23. g4 Bxg4 24. Bxg4 Qf4+ 25. Kc2 Qxg4 26. Kb3=) 23... Qg2 24. d6 Kh7 25. Bh5 Qxh1 26. Nh3 Qxd1+ 27. Kxd1 Bxh3 28. Bxg6+ Kxg6 29. Qxe4+ Bf5 30. Qxe5 Kh7= 私も本譜をメインに考えていましたが、b4 のナイトを取る選択肢もありえたようです。黒はすぐにQe3-Qf2-Qg2 が決まるかと思いましたが、これも予想より複雑でした。

20... Qxe4 21. Nxe4 Nc2+ 22. Kd2 Nd4



クイーンを交換し、ひとまずは黒が満足なポジションです。d4 のナイトは重要な白マスを複数抑える好位置におり、g1 のナイトが出るマスを抑えています。

23. Rf1 Bf5 24. Nc3 Rad8 25. Nf3 Bh3


25... Nxe2 26. Kxe2 Bh3 27. Rf2 Rfe8 28. Ke3 Ne7-/+ はもう1つの変化で、安全に相手の白マスビショップを消したうえで、d5 のポーンを取りにいきます。

26. Nxd4 exd4 27. Rxf8+ Kxf8 28. Nb5 Rxd5 29. Nxa7



駒損を回復するにはポーンを取るしかありませんが、このナイトは生還できるのか、しっかり読んだうえで指さなければいけません。29. Rc1 a6 30. Nc7 Rd6 はポーンを取りかえそうとせずに戦う変化ですが、これでも黒が多少良いのが明らかですので指しづらかったでしょうか。

29... d3! 30. Bf1 Bd7!?


ビショップの退く位置はどこも良さそうで悩みました。将来的なNg6-Ne5-Nc4+ をサポートするために、c4 のマスに利く30... Be6 も、dポーンが進んだ際にプロモーションのマスを抑える30... Bg4 もそれぞれ良さがあるため、どこがベストなのか判断は難しいところです。本譜の手はナイトが逃げる可能性のあるb5 を抑えておき、a4 にも白がポーンを進めづらくする狙いでした。

31. a4?



そのポーンを進めさせないための30... Ba4 のつもりでしたので、彼がこの手をチョイスしたことにとても驚きました。すぐにポーンを捨て、c8 にナイトを逃がせるようにする作戦だと分かりましたが、私が考えていた変化と比較して大きなマイナスがあります。31. b4! Rd6 32. a4 Ne5 33. Nb5 Bxb5 34. axb5 Rd4 35. Bg2 Rxb4 36. Bxb7 Rxb5 37. Be4=/+ これであれば、黒はd3 のパスポーンを簡単には活かせず、白はまだ粘れたでしょう。

31... Ne5! 32. Bg2


a4 のポーンの回収は後回しにして、Ne5-Nc4 を狙うのが正解です。32. Nb5 Bxb5 33. axb5 Rxb5 34. b4 (34. Kc3 Rc5+ 35. Kd4 d2 36. Be2 Rc1 37. Rd1 Nc4! 38. Kd3 Nxb2+ 39. Kxd2 Rxd1+ 40. Bxd1 Nxd1 41. Kxd1 Kf7-+) 34... Rb6! (34... Rxb4? 35. Bxd3 Rd4 36. Ke3 Rxd3+ 37. Ke4=/+) 35. Bg2 Rxb4-+ これも2ポーンアップになった黒が勝てるでしょう。

32... Rc5!-+



上記の31. b4 の変化と比較して31. a4 が悪いのは、c5 のマスを抑えていないためにこの手を許してしまうことです。

33. Rc1 Rxc1 34. Kxc1 Nc4!


おそらくKrishnater は31手目の時点でここまで見えていなかったのでしょう。キングが戻ってくる前に、d2 の黒マスを抑えてしまえば、白はプロモーションを止めるためにピースを捨てざるをえなくなります。

35. Bf3 Bxa4 0-1



ダブペストでは逃した2勝目をこのラウンドで挙げ、少しだけ気持ちが上向きました。白を引く今日の試合も、なんとか勝ってイーブンに戻したいですね。

12/15 14:00 (22:00) Tsolakidou, S (IM, GRE, 2387) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/16 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Drasko, M (GM MNE, 2438) 1-0
12/17 09:00 (17:00) Lundin, J (FM, SWE, 2312) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1-0
12/17 15:00 (23:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Nikcevic (GM, MNE, 2434) 0-1
12/18 14:00 (22:00) Stajonovic, M (GM, SRB, 2522) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 1/2-1/2
12/19 Rest Day
12/20 14:00 (22:00) Krishnater, K (FM, IND, 2305) - Kojima, S (IM, JPN, 2409) 0-1
12/21 14:00 (22:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Benkovic, P (IM, SRB, 2401)
12/22 14:00 (22:00) Ivic, V (IM, SRB, 2497) - Kojima, S (IM, JPN, 2409)
12/23 10:00 (18:00) Kojima, S (IM, JPN, 2409) - Bodda, P (WIM, IND, 2273)

Third Saturday GM December 2018

+3 Tsolakidou
+2 Ivic, Nikcevic
+1 Krishnater
+-0 Stajonovic, Benkovic
-1 Kojima, Lundin
-2 Bodda
-4 Drasko


6Rまでが終わり、順位はこうなっています。18歳のギリシャ女子代表、Tsolakidou がDrasko を破って4勝目を挙げ、今大会初の単独トップに立ちました。残り3試合、私も悔いのないように指し続けたいと思います。

Copyright © 2011 Shinya Kojima All rights reserved.