いまさらですが、今回の会場はこんなに広い場所です!
今年のジャパンオープンもいよいよ大詰めです。トップ争いが熾烈になる3日目、私は午前中にScottさんとの対戦です。トータルの勝率は良く、直近9月のチーム選手権でも勝っていますが、名古屋の大会では負けたこともあるため、油断のならない相手です。
Scott, T (JPN, 1968) - Kojima, S (IM, JPN, 2320)
Japan Open 2024 (5)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. f3 e6 4. Nc3 Nd7!?
Fantasy Variationに対しては新しいこの手を用意していましたが、次の相手の手を知りませんでした。以前指していた
4...Qb6で学んだアイディアを使うことにします。
5. a3!? dxe4 6. fxe4 e5 7. Nf3 Bd6 8. Bc4 Ngf6
3...dxe4 4.fxe4 e5の変化に比べると黒はe7-e6,e6-e5とポーンの突き直しによるテンポロスがありますが、その代わりにc3の位置のナイトがベストか難しいところです。c2-c3が無ければ、d4のポーンを崩され、e5をアウトポストにされるリスクがあります。
9. Bg5 Qc7 10. Qd2 h6 11. Bh4 O-O 12. O-O-O exd4 13. Qxd4 Bc5 14. Qd3 Ne5
e4のポーンが孤立したことを利用し、e5のアウトポストを使います。
15. Nxe5 Qxe5 16. Rhf1 Bg4!
f6での交換からダブルポーンを作られても、黒マスコントロールの強さで十分対抗できます。
17. Rde1 Rad8 18. Qg3 Bd4 19. Qxe5 Bxe5 20. h3 Be6!?
c8まで退いても良かったのですが、白マスビショップ交換から局面の単純化を狙います。e6に孤立ポーンを作る戦略は少し変に思えるかもしれませんが、e4とe6ではe4のほうが狙われやすく、f7へのプレッシャーの消滅、f8ルークの活用といったメリットがあります。
21. Bd3 Rfe8 22. g4?!
f4のマスやh3のポーンが弱くなり、ポーンストラクチャーの柔軟性も失われます。単に
22. Ne2と退く手を考えていました。
22... Rd6! 23. Ne2 Nd7 24. Bg3 Bxg3 25. Nxg3 Ne5 26. Rd1 g6 27. Be2 Red8 28. b3 Kf8 29. Rxd6 Rxd6 30. Rd1 Rxd1+ 31. Kxd1 Ke7-+
黒マスビショップを交換した後で黒マスを抑え続け、e4,g4,h3を白マスで固定し続ければ黒勝勢のエンドゲームに突入します。
32. Kd2 Kf6 33. Ke3 Kg5 34. Bf1 c5! 35. Ne2 Nc6 36. Bg2 b6 37. Bf3 Kh4 38. Bg2 g5?!
この手はキングがh4に侵入する前にキングの代わりにf4を抑え、g4を白マスで完全に固定するために指しましたが、白キングに位置の改善チャンスを与えるため必要なかったようです。
38... h5 39. gxh5 Kxh5-+として、あらためてh3を狙いにいく作戦で黒は十分です。
39. Kd3 Ne5+ 40. Ke3 Ng6 41. Bf1 h5! 42. gxh5 Kxh5 43. Ng3+ Kh4 44. Nf5+ Bxf5 45. exf5 Nf4-+
ビショップは手放しましたが、白の白マスビショップは働きに不満があり、キングの位置にも大きな差があって黒が勝勢です。
46. f6 Nd5+ 47. Ke4 Nxf6+ 48. Ke5 Nh5 49. b4 f5!
g3でのナイトフォークがあるため、白はこのポーンをキングで取ることができません。c5を取りにいくしかチャンスはありませんが、黒のポーンは早く強力です。
50. bxc5 bxc5 51. c4 f4 52. Kd5 f3 53. Kxc5 Ng3 54. Bd3 f2
他にも勝ち方はあったようですが、f1で早めに交換してからナイトが戻るのが間に合うと計算しました。
55. Kd5
すぐにナイトのチェックがかからないキングの位置でも、黒のナイトは間に合います。
55. Kd6 f1=Q 56. Bxf1 Nxf1 57. c5 Ne3 58. c6 Nc4+ 59. Kc5 Nb6-+
55... f1=Q 56. Bxf1 Nxf1 57. c5 Ne3+ 58. Ke4 Nc4
ナイトを切ってポーンを消してしまえば勝ちなので、ナイトにとってはc4のマスがポイントです。c6までポーンが進んでいけばNc4-Nb6がc8を抑えられますし、c5の位置で止まっていればNc4-Na5がc6を抑えられます。
59. Kd5 Na5 60. c6 Nxc6 61. Kxc6 Kxh3 62. a4 g4 63. a5 g3 64. Kb7 g2 65. Kxa7 g1=Q+
白はaポーンを残していますが、a7まで進んでいなければ黒は問題ありません。
66. Kb7 Qb1+ 67. Ka7 Qb5 68. a6 Kg4 0-1
最後はaポーンを落として黒勝ちです。続く南條くんとの試合は優位に試合を進めたつもりでしたが、チャンス拡大の方法が分からず短い手数でドローになりました。南條くんだけが5.5/6で半歩リードしている形ですが、最終戦の結果が出るまで順位は分かりません。明日の最終戦も、皆さんよろしくお願いいたします。
今夜は横浜DeNAベイスターズが日本シリーズで勝ち、26年ぶりに日本一となりました! 私がファンになってから全く優勝に恵まれなかったため、悲願を達成してとても嬉しいです! 思えば、
7年前のジャパンオープンでもソフトバンクとの日本シリーズを見ていたのでした。(その時は負け) 野球に興味ない人には申し訳ないですが、今夜は少し浮かれさせてください。これからチェスモードに戻り、明日の最終戦に備えます。