先週末は東海オープンに参加するため、昨年の秋の中部快速以来、久々に名古屋に足を運んできました。中学生で愛知県選手権、高校生で名古屋オープン、大学生で中部快速オープンと、名古屋の大会デビューしてきましたが、東海オープンは今回が初めてです。40分+30秒を1日で4R はかなりハードでしたが、なかなか面白いゲームを指すことができたと思っています。
Scott, T - Kojima, S
Tokai Open 2017 (3)
1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. g3 d5 4. Nf3 Be7 5. Bg2 O-O 6. O-O c6 7. Nbd2 b6 8. Qc2 Bb7 9. e4 Na6!?
Tokai Open 2017 (3)
全日本の篠田くんとの試合でも使ったのが、Catalan でNb8-Na6 と組むセットアップです。白がQd1-Qc2 と指してきた際に有効で、Na6-Nb4 を狙いつつ、d7 と同様にc5 をサポートし、c6-c5 のポーンブレイクを目指します。
10. e5 Nd7 11. Rd1
白がセンターポーンを交換しようとした場合は、11. cxd5 Nb4! 12. Qb3 Nxd5 と進めるがポイントで、黒は理想的なd5 のアウトポストにナイトを運ぶことができます。
11... Rc8 12. Nf1 Nb4 13. Qe2 dxc4 14. Qxc4 Ba6!?
少し悩みましたが、白マスビショップのダイアゴナルを切り替えることにします。すぐにc6-c5 と仕掛けても良さそうですが、4段目が開けば白はQc4-Qg4 と指してクイーンをキングサイドに振ることができるため、それを警戒しました。
15. Qb3 h6
これもこのラインのゲームをいくつか見る中で学んだアイディアです。15... Qc7 16. Bg5 と進み、黒マスビショップを交換する流れは、d6 のマスを弱めてしまい、将来的にナイトに侵入されるリスクがあると考えました。
16. Be3 Nd5 17. Rac1 c5 18. Qa4 Be2!
a7 を取らせても、a2 を後に取りかえせるので、Ba6-Bb7 と退くアイディアもあると思います。しかし、もう少し攻撃的に指してアクションを起こしてみたかったため、強気にビショップを跳びこませることにします。
19. Rd2 cxd4!?
この手は決して悪くありませんが、少し単調なポジションにしてしまうため、黒の面白みは減ってしまいそうです。代わりにコンピュータはa7 を捨てる変化を示しますが、とても読み切れません。
19... b5! 20. Qxa7 Rc7 21. Qa5 Bxf3! 22. Bxf3 cxd4 23. Rxc7 Nxe5!!
24. Bxd5 Qxd5 25. f4 Nf3+ 26. Kf2 Ra8 27. Qb6 dxe3+ 28. Nxe3 Qxd2+ 29. Kxf3 Rxa2 30. Rxe7 Rxb2-/+ これで白キングが不安定な分、黒が有利という評価ですが、人間にとっては難しいです。
20. Rxc8 Qxc8 21. Bxd4
この手は多少ありがたいと思っていました。21. Rxe2 dxe3 22. Nxe3 Nxe3 23. Rxe3= と進め、黒の武器であるアウトポストのナイトを捌いてしまったほうが、白は安全だったでしょう。
21... Ba6 22. Rc2?
これも指したくなる手ですが、黒の次の手を見落としています。22. Ne3 Nxe3 23. Bxe3= とやはりナイトを捌くべきです。
22... Nc5 23. Bxc5 Bxc5
これで強力なビショップペアを得た黒が、はっきりと優勢になりました。f2 への攻撃は簡単には通りませんが、ゆっくりとチャンスを伺います。
24. a3 Bd3 25. Rd2 b5 26. Qd1 Bc4 27. h4 a5 28. N1h2 a4
実は2R の中原くんとのゲームでも色が逆でこのようなポーンストラクチャーになりました。黒はa4 にポーンを刺しておくことで、b2 のポーンを固定し、b2-b3 と指されないようにして白マスビショップを安定させます。
29. Nd4 Qc7! 30. Qh5?!
ジリ貧の白は一発逆転をかけて派手なカウンターを狙いたいところですが、これはきちんと受け切れて問題ありません。30. Nhf3 を試合中は考えていました。
30... Rd8 31. Ng4 Ne7!
dファイルを開きつつ、Ne7-Nf5 からキングサイドを守り、白のカウンタープレーを封じます。dファイルで対抗できるようになったことも、Qd1-Qh5 が黒にとってありがたいポイントです。
32. Nf3 Nf5 33. Kh2 Bd5 34. Rc2 Qa7 35. Ne1 Bb3 36. Rc3 Bxf2 37. Nxf2 Qxf2 38. Nf3 Qxg3+ 39. Kh1 g6 0-1
最後はf2 を崩したうえで、クイーンをトラップして黒の勝ちです。途中でイコールにされてしまう緩手はありましたが、全体としては上手く指せたと思います。
続く最終戦の古谷くんとの試合は、ちょっとしたミスでアドバンテージを逃してイコールのルークエンディングになってしまいましたが、最後に相手のミスを誘って勝ち。なんとか全勝で優勝することができました。参加者の皆さんと運営の堀江さん、今回もお世話になりました。また次の名古屋の大会、またはイベントでもよろしくお願い致します。
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