2019/12/30

第2回 有田ポーセリンパーク ツヴィンガー宮殿 チェス大会


年明け1月のイベントとして、佐賀県の有田町で開催されるチェス大会の情報が入りました。今年の1月に第1回が開催され、2020年の大会が2年連続2回目だそうです。

【日時】 2020年1月26日(日)
【会場】 有田ポーセリンパーク ツヴィンガー宮殿(佐賀県有田町)
【形式】 4R Swiss System、NCS 非公式戦
【参加費】 3500円(昼食バイキング含む)
【主催】 伊万里チェスクラブ
【大会要項】第2回 有田ポーセリンパーク ツヴィンガー宮殿 チェス大会

大会要項は上記リンク先からpdf でダウンロードできます。この大会の1つの見所は、有田町の名産である有田焼のチェスセットで試合を行うことです。6月の東京の大会でも、この有田焼のチェスセットの展示があり、目にしたかたもいるかと思います。昨年は九州内のみでも21名の参加があったようですので、今年は東京近郊からも参加者が集まり、佐賀県の観光と併せてイベントを楽しめると良いですね。

2019/12/18

2019 公式戦戦績


9月のクラブ選手権より

クリスマスチェスパーティーには参加せず、あと2週間での試合予定もないため、今年の公式戦はすでに全試合消化したことになります。そこで少し早いですが、例年通り、一年を通した公式戦の戦績をまとめようと思います。

NCS 公式戦


東京チェス選手権 5勝1敗 (青嶋くんに負け)
全日本選手権 7勝3ドロー
東海オープン 3勝1ドロー
ジャパンチェスクラシック 5勝1敗1ドロー (青嶋くんに負け)
クラブ選手権 6勝
札幌オータム 4勝1ドロー
ジャパンオープン 5勝1敗1ドロー (南條くんに負け)
名古屋オープン 4勝1敗2ドロー (GM Sriram に負け)

トータル 39勝4敗9ドロー、勝率 83%
NCS レイティング増減 2494→2502

FIDE 公式戦


International Chess Festival in Leányfalu 2019 2勝2敗5ドロー (GM Horvath, GM Azcel に負け)
全日本選手権 7勝3ドロー
Asian Continental 2019 2勝5敗2ドロー (GM Xu, GM Zheng, GM Vishnu, IM Vignesh, IM Xu に負け)
2019 CTCA International Chess Open 6勝1敗2ドロー (GM Tiviakov に負け)
ジャパンチェスクラシック 5勝1敗1ドロー (青嶋くんに負け)
Vienna Open 2019 4勝5ドロー
ジャパンオープン 5勝1敗1ドロー (南條くんに負け)

トータル 31勝10敗19ドロー、勝率67%
FIDE レイティング増減 2393→2397

レイティングはどちらも微増で、NCS レイティングはベスト更新、FIDE レイティングは2400を超えたり割ったりで、ベストにはまだまだ戻せません。それでも1年を通して安定した戦績で、大きく崩れる大会はほとんどありませんでした。2020年はカペルからFIDE トーナメントがスタートしますので、またレイティングを2400に戻してベストに迫る年にしたいですね。

2019/12/17

2020 Tachikawa Chess Open Tournament Information


8月の立川チェスクラブのイベントでは、中国のGM Wang Hao の同時対局が開催されました。

立川チェスクラブから新しいイベントの告知が発表されているため、こちらでも共有させていただきます。年明け2月のイベントは、2日間かけてのFIDE公式戦大会です。持ち時間の都合上、私は参加できませんが、FIDE レイティング2200以下のプレーヤーは、是非参加を検討してみてください。もちろんFIDE レイティング非保持者も参加できます。

【日時】 2020年2月8日(土)、2月9日(日)
【会場】 港区立商工会館、立川市女性総合センターアイム (会場が日によって違うので、ご注意ください。)
【形式】 5R Swiss System、FIDE、NCS公式戦
【参加費】 10000円 (早期申し込み、過去の立川チェスクラブのイベント参加で割引あり)
【大会要項】 Tachikawa Chess Open 2020 大会要綱 (日本語版)
Tachikawa Chess Open 2020 Regulations (English Version)

スケジュール等の詳細はリンク先の大会要項をご参照ください。2020年も、立川チェスクラブのイベントが盛り上がることを願っています。

2019/12/16

ねこまど初心者チェス大会開催のお知らせ


今年最後のチェスイベントは、ねこまどでの初心者チェス大会です。今年からねこまどではチェス部を開催させていただき、チェスのルール説明とチェスファン同士の対局による交流を行ってきました。その中で、いずれは大会もやりたいですねと話していましたが、年内に実現できることになり、とても嬉しいです。大会とは銘打っていますが、いつものチェス部同様にルールに自信のない、もしくは初めてのかたのためにルール説明から行いますし、堅苦しくなくチェスを楽しむ場だと思ってください。チェスは好きだけどなかなか指す場所がないというかた、初めて覚えたのでやってみたいというかた、普段七盤をプレーしていて、たまにはチェスオンリーをやってみたいかた、強い大人たちと混じる公式戦の大会はまだ不安なお子さんたち、皆さん大歓迎です。今年最後にチェスを楽しむ機会として、ねこまどに是非お越しください。

【日時】 2019年12月30日(月) 14:00~17:00 (13:00~14:00 ルール説明)
【会場】 ねこまど (最寄り駅: 四ツ谷駅)
【参加費】 2500円
【申し込み】 ねこまど初心者チェス大会エントリーフォーム
【備考】 今回は私が関わるチェス大会としては初めてスイス式ではなく、終わった人同士を組み合わせて、なるべく空き時間を作らないようにする、ねこまどの将棋大会形式で行う予定です。参加者の試合数が同数にならない、チェス大会としては一風変わった形式ですので、ご了承の上お越しください。

2019/12/04

Chess Training


昨日はハワイから来日中のポール飯沼さんとトレーニングをしてきました。白黒色を変えて2局、持ち時間は15分+1手10秒と少し短めです。1局目の白でのゲームを今夜はご紹介します。

Kojima, S - Iinuma, P
Training (1)

1. Nf3 Nf6 2. c4 c6 3. d4 d5 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. Ne5 Nbd7 7. Nxc4 Nb6 8. Ne5 a5 9. h4!?



10年前にJapan League でポールと試合をした際、白黒逆でこの7... Nb6 ラインを指しました。それ以来、ノームトーナメントでもこの変化は白黒両方を持って指してきましたが、この9. h4 の変化は初めて試します。2015年にトップレベルで初めて指され、急速に注目されるようになりました。

9... e6


最もポピュラーな手です。9... Nbd7 10. Qb3 Nxe5 11. dxe5 Nd7 12. e4 Be6 13. Qxb7 と進む変化は、9. e3 Nbd7 10. Qb3 Nxe5 11. dxe5 Nd7 12. e4 Be6 13. Qxb7 に比べてh2-h4 が入っている分、白が得をしていると考えられます。9... Nfd7 10. e4 も、9. f3 Nfd7 10. e4 と比べてh2-h4 が入っているのが得なうえ、eポーンを伸ばすのにf2-f3 が不要だったことになります。

10. f3 h6 11. e4 Bh7 12. Be3 Nfd7 13. Nd3 Nc4?!



このタイミングでナイトが入る手は、将来的に白マスビショップのターゲットになってしまうため、上手くないと思いました。白は一度ビショップとb2 を気にしておき、その後で反撃します。代わりに13... Bd6 から、まずはキャスリングしておくのが良かったでしょう。

14. Bf2 Qb6 15. Qc2 Bb4 16. Be2 e5 17. O-O!?


検討では 17. dxe5 Qc7 18. 0-0 Ncxe5 19. Nd5! という手でも白が良いとアイディアが出ましたが、私は本譜の流れも好きです。

17... exd4 18. Nxb4 Ne3



指された直後はこれを見落としたかと思いましたが、落ち着いて対処すれば以下のラインとほぼ同じです。18... axb4 19. Bxc4 bxc3 20. bxc3+-

19. Bxe3 axb4


19... Qxb4 20. Na2+- であれば、白はピースアップです。

20. Bf2! bxc3 21. bxc3+-



d4 のポーンはピンのため落ちることが確定しています。これで1ポーンアップ+ダブルビショップの白が勝勢です。

21... d3 22. Qxd3 Qc7 23. Rfd1 Rd8 24. Qd6 Qxd6 25. Rxd6 Ne5 26. Rad1 Rxd6 27. Rxd6 O-O 28. Bd4 Ng6 29. h5 Nf4 30. Bc4 c5 31. Bxc5!


黒の頼みの綱であるcファイルからの反撃も、バックランクメイトがあるために有効ではありません。

31... Rc8 32. Be3 Nxh5 33. Bd5 Nf6 34. Bxb7 Rb8 35. a5 1-0



最後は時間切迫でばたばたしましたが、落ち着いてプロモーションの準備を進めて白勝ちです。

14年前、高校生の時に初めて参加したアメリカのトーナメントで出会ったポールと、こうして日本でトレーニングをする機会が来るとは思ってもいませんでした。また彼の来日時には、IVL やトレーニングを企画したいと思います。

2019/12/02

第18回七盤初心者のためのチェスレッスン


【日時】 2019年12月22日(日) 18:30~20:30
【会場】 どうぶつしょうぎcafe いっぷく(最寄駅:清澄白河駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答+対局
【テーマ】 センターのキングへの攻撃
【参加費】 2500円
【申し込み】 どうぶつしょうぎcafe いっぷく ご予約フォーム

11月はキャスリングしたキングへの攻撃でしたが、今年最後のチェスレッスンではそれと対照的に、センターに残ったキングに対しての攻撃をテーマとします。相手のキングがキャスリングせずにセンターに残り、ピースの連携が取れていない場合、どのような攻撃が有効かを一緒に考えていきましょう。

2019/12/01

31st IVL Tournament Report


昨日、11/30 にIVL が開催され、前回に続いてのフル参加でした。今回は名古屋オープンで声をかけた高橋くんと、数年ぶりとなるポール飯沼さんが参加し、計8人でのスイス式でした。(写真を取り損ねたのは不覚です...)

私は初戦、塩見さんに勝ったゲームは良かったものの、2R の野口さん、3R の青嶋くんとの試合でドローを蹴って勝ちにいき、両方時間落ちで敗れました。時間が落ちるのは優勢なポジションで決めきる力がないためですので、その点をしっかり見直してまた次の試合につなげたいと思います。今夜は4R の古谷くんとの試合をご紹介します。

Furuya, M - Kojima, S
31st IVL (4)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 e6 8. Ne5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 Nd7 11. f4 Be7!? 12. h5?!



2016年に登場した11... Be7 ラインはまだ広く知られていない変化だと思います。12. Bd2 Nxe5 13. fxe5 Bxh4 14. O-O-O Bxg3 15. Qxg3 Ne7 16. Qxg7 Rg8 と進むメインラインは、現在ではドローが有力ということで落ち着いています。本譜のように遅れてh4-h5 と押し込む手は、7... e6 ライン特有の白が1手得をしてNf3-Ne5 ができたメリットを消してしまいます。

12... Ngf6 13. Bd2 O-O 14. O-O-O c5 15. Ne2 cxd4 16. g4


前回のIVL でも、古谷くんは別の変化で面白いタイミングのg2-g4 を見せてくれ、とても勉強になりました。しかし、ここではe5 に孤立ポーンを作るデメリットが大きいでしょう。16. Nxd7 Qxd7 17. Qxd4 でも黒は満足なエンドゲームですが、本譜のような弱点を作ることなく指せるため、ベターだったかもしれません。

16... Nxe5 17. fxe5 Nd5



e5 のポーンを狙うのであれば、17... Nd7 もあったと思いますが、ここはもう少し積極的に動きます。g4-g5 もさほど危険はなく、黒はキングサイドを気にすることなくアタックのチャンスをセンターとクイーンサイドで求められるでしょう。

18. Qxd4 Rc8 19. Kb1 Qc7 20. Nc3 Rfd8 21. Qe4 Qc4!?


21... Nb6 からNb6-Nc4 を狙う作戦も魅力的ですが、e5 の孤立ポーンの弱さを考えれば、イコールのルークエンディングでも黒の勝つチャンスは十分です。リスクを取らず、安全なエンドゲームに持ち込んで確実にポイントを挙げるのは私のチェスの1つの特徴です。

22. Qxc4 Rxc4 23. Rdg1 Bb4



白の反撃の狙いがg4-g5 であることは分かっていましたが、それを許してもポーンストラクチャーを乱し、ピース交換を進めれば勝てると思いました。しかし、試合後に古谷くんから23... Bg5! を指摘されます。こちらであれば白のg4-g5 のチャンスを一切消したうえ、本譜同様にピース交換を進められそうです。

24. g5 Nxc3+ 25. Bxc3 Bxc3 26. bxc3 hxg5


ここまで捌けばgファイルを開けられてもさほど危険はないですが、26... Kf8! ならばh6 に残るポーンをルークではアタックしづらい形ですので、さらに白が苦しいダブルルークエンディングだったでしょう。

27. Rxg5 Kh7! 28. Rhg1 Rg8



通常であれば、こうしたパッシブディフェンスはルークエンディングにおいてもったいないですが、ここではcファイルのダブルポーン、eファイル、hファイルの孤立ポーンと白に弱点が多いため、しっかり守るべきポーンを守った後、十分に駒を取りにいくチャンスがあるでしょう。

29. R5g3 Rf4!?


少し悩みましたが、f7 を守りつつ、e5、h5 の孤立ポーンをルークの横利きで狙います。

30. Rd1 Rf5 31. Rd7 Rf8 32. Rxb7 Rxe5 33. Rf3 f6 34. Rg3 Rg5 35. Rxg5 fxg5



こうしてキングでサポート可能なパスポーンができれば後は簡単です。

36. Rb4 Kh6 37. Rb7 g4 38. Rxa7 g3 0-1


最終戦、ポールとの試合も悪い序盤をなんとか盛り返して逆転勝ちし、なんとか勝ち越しで終えることができました。優勝は私に勝った野口さんと青嶋くんで、互いに4勝1敗です。次回は2週間後の開催ですが、私は残念ながら参加できません。仕事後、夕方にでも顔を出せればと思います。

2019/11/25

Nagoya Open 2019 Day2 Tournament Report


2日間の名古屋オープンが終わり、東京へ戻ってきました。私は2日目、2勝1ドローでトータル4勝1敗2ドローの5ポイント。順位はタイブレークで3位でした。下位クラスも含め、入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Sriram Jha (GM, IND) 6/7
2nd Place Iinuma Paul (USA) 5.5/7
3rd Place Kojima Shinya (IM, JPN) 5/7
4th Place Watanabe Akira (FM, JPN) 5/7
5th Place Yamada Kohei (FM, JPN) 5/7

Nagoya Open 2019 Final Standings



優勝はインドから参戦したGM Sriram でした。5連勝後に2連続ドローで単独トップを守りました。2位はハワイから来日中のポールで、次の週末は東京で開催されるIVL にも参加予定です。こちらでは私も直接試合ができることを楽しみにしています。

3-5位は日本の上位タイトルホルダーが並び、タイブレークでこの順位になっています。私は3連勝を狙っていましたが、6R でScott 相手にかなり苦しいドローでした。今年の国内公式大会で初の入賞を逃すことも覚悟しましたが、最終戦では黒で上手くチャンスを作ったと思います。

Nakahara, K - Kojima, S
Nagoya Open 2019 (7)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. Nf3 Nd7 7. h4 h6 8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bf4 Qa5+ 12. Bd2 Bb4 13. a3?!



初めて見る手ですが、キングサイドへのアタックチャンスを残すにはビショップを消さないほうが良いでしょう。13. c3 Be7 14. c4 Qc7 15. O-O-O Ngf6 がメインラインです。

13... Bxd2+ 14. Nxd2 Ngf6 15. O-O-O O-O 16. f4 Rad8 17. Nb3 Qc7 18. Qf3 c5


私としては、d4 への反撃は準備ができ次第早めに仕掛け、安全にプレーすべきだと思いますが、ここでは白のキングサイドアタックも大したことはありません。18... a5!? などとしてナイトを追い払ってから、c6-c5 を仕掛けても良かったでしょう。

19. dxc5 Nxc5 20. Nxc5 Qxc5 21. Ne4 Nxe4 22. Qxe4 b5



ヘビーピースだけが残り、黒は不満のない状況です。白のg2-g4-g5 よりもb7-b5-b4 は現実的だと考え、これを実行します。

23. g4 a5 24. Kb1 b4 25. a4 Rd5!?


これは勝負にいく手です。ポーンを孤立させるのは難しい判断ですが、e4 のマスを抑える、eファイルを開いてルークを活用するなどのアイディアがあります。

26. Rxd5 exd5 27. Qf5 Qc6 28. b3 Qe6!



d5 の孤立ポーンをサポートするためには、fファイルのポーンをeファイルに移動するか、dポーン自体をe4 に移動するか、2つのアイディアがあります。

29. Qd3 Qe4! 30. Qxe4 dxe4 31. Re1 Re8


ここは31... f5 32. gxf5 Rxf5 33. Rxe4 Rxh5 とどちらが良いか判断ができませんでした。本譜のラインでも、黒のf7-f5 は大事なアイディアです。

32. c3 bxc3 33. Kc2 f5!



白同様、ポーンを一時的に捨ててもキングがアクティブになれば取りかえすことができます。fファイルを上がっていく黒キングは、白ポーンをかすめ取りながらeファイルのパスポーンをサポートします。

34. gxf5 Kf7 35. Kxc3 Kf6 36. Rg1 Kxf5 37. Kd2 Re7 38. Rc1 Kxf4 39. Rc5 Rd7+


39... Re5 40. Rb5 Rf5! もありえましたが、ポーンを取りあってもこのエンドゲームは黒が勝てると思います。

40. Ke2 Rd3 41. Rxa5 Rxb3 42. Ra7 Rb2+ 43. Kd1 Rh2 44. Rxg7 Rxh5



多少さっぱりしましたが、黒は1ポーンアップでキングの位置が良く、パスポーンも2つあります。白の1つだけのパスポーンは後ろからアタックすることで簡単に止めることができるため、これは勝てると思いました。しかし、実際に残り時間のほとんど無い中では不正確なプレーが出ます。

45. Ke2 Rh2+ 46. Kd1 Kf3 47. Rf7+ Ke3 48. Rg7 Rd2+


ここはもう1つのパスポーンを押していくのがシンプルでした。48... h5! 49. a5 Ra2 50. Rg5 h4 51. Rh5 Kd3 52. Rd5+ Kc3 53. Rh5 e3 54. a6 Kd3 55. Rd5+ Ke4 56. Rh5 Kf3 57. Rf5+ Kg4 58. Rf8 h3-+ ここまでくれば、黒の勝ちは明白です。

49. Ke1 Rd6?



試合後に検討で鑑くんから、49... Ra2 50. Rg3+ Kf4 51. Rh3 Kg5 と進めて白のみポーンが落ちることを指摘されました。しかしこれは、52. Rg3+ Kh4 53. Rg8 Rxa4 54. Ke2 こうしてgファイルでカットオフされると2ポーンアップながらまだ難しいかもしれません。代わりに49... Rh2! 50. Kd1 h5! と上記の変化に戻すべきでした。

50. Rg3+ Kf4 51. Ra3?


白はこのエンドゲームで唯一のドローチャンスを逃しました。51. Rh3! Kg4 52. Ra3! これだと黒キングが本譜に比べて1マスずれているため、e4-e3 がすぐできません。52... h5 53. a5 Ra6 54. Kf1 h4 55. Kf2=

51... e3!-+



白はルークがポーンの後ろに回る好位置ですが、1手遅いです。黒はパスポーンで3段目をカットし、キングが上がるアイディアで勝つことができます。

52. a5 Kf3 53. a6 Rc6! 54. Kd1 Kf2 55. Ra2+ Kf1


これで黒キングはルークにチェックされず、e3-e2-e1 をサポートできるベストの位置に到達しました。

56. a7 Rc8 57. Rh2 Rd8+ 58. Kc1 e2 59. Rh1+ Kg2 60. Re1 Kf2 61. a8=Q Rxa8 0-1



ルークを2段目から6段目に切り替えるのは少し変かなと思いつつも、時間のない中で正確なエンドゲームのプレーを続けるのは大変でした。やはり実戦が一番勉強になりますね。また今週末のIVL まで調整して、次の試合も頑張りたいと思います。そして名古屋チェスクラブの皆さん、今年も大変お世話になりました。来年も都合が合えば、名古屋に遠征に行きたいと思います。


今大会、完全にダークホースだったのは将棋のアマ強豪でもある高橋くん(写真右から2番目)です。国内公式戦初参加ながら、私と鑑くん、Sriram からドロー、北神さん、Scott、石井さんに勝ちで、最終戦で弘平くんに敗れるまでオープン入賞のチャンスも十分にありました。国内レイティングがないSriram との試合を抜いても、6試合の結果で初期レイティングは2200台がつくのではないでしょうか。


夕飯は高橋くん、東芝さんと3人で味噌煮込みうどんの有名店へ。いつもと違う顔ぶれで、将棋界の話も聞けて楽しかったです。新しい名古屋グルメも、まだまだ開拓の余地がありますね。それも来年以降の楽しみです。

2019/11/23

Nagoya Open 2019 Day1 Tournament Report


名古屋オープンが今日からスタートしました。今年は持ち時間が40分+1手30秒と短く、2日間で7試合を行います。初日の今日、私は2勝1敗1ドローと少し冴えませんでした。2.5/4 でトップボードに上がり、GM Sriram と指した試合は、24日の中継が始まるまでは以下のページから見ることができると思います。ふがいないゲームでした...

Nagoya Open 2019 Live Games

中継されたのは1、4R のみだったため、今夜は3R の山田くんとの試合をご紹介します。

Kojima, S - Yamada, K
Nagoya Open 2019 (3)

1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 d5 4. cxd5 Nxd5 5. e3 Nxc3 6. dxc3!? Qc7



今年のWorld Cup のRadjabov - Vachier-Lagrave のゲームでも登場した序盤です。6... Qxd1+ 7. Kxd1 Bf5 8. Nd2 こうしてクイーンを交換することも黒はできますが、あえて交換を避けるのもありです。

7. e4 e6 8. Bd3 Be7 9. O-O O-O 10. e5 Rd8 11. Qc2 g6


ここは少し気になりました。黒マスを弱めてしまうと、白はそれを利用したキングサイドアタックがやりやすくなってしまいます。11... h6 12. Qe2 Nd7 のほうが手堅いと思います。

12. Re1 b6 13. h4!?



b2 とc5 にそれぞれポーンが無い、Sicilian Alapin の変化でも、こうしてhポーンを伸ばすアイディアが有効です。白はhファイルを開けるとともに、黒キングの前を弱体化させることを狙います。

13... Nd7 14. h5 Nf8 15. Bf4 Bb7 16. Ng5 Rd5


e5 を狙う手はどこかであると思っていましたが、白は白マスビショップの交換も気にならないため、このルーク上がりはあまり意味がなく、最初からd7 でも良かったでしょう。

17. Be4! Rd7 18. hxg6 Nxg6 19. Nxe6?!



このタクティクスが決まるため、ナイトでg6 を取る手はダメだと思い込んでいました。

19... fxe6?


19... Bxe4! 20. Qxe4 Qb7! これが互いに見落としていたa8 ルークのディフェンスです。 21. Ng5 Qxe4 22. Rxe4 Nxf4 23. Rxf4 Bxg5 24. Rg4 h6 25. f4 Re8 26. Rf1 これならば、黒は一時的に1ポーンダウンながら、e5 へのプレッシャーをdファイルのコントロールで戦える局面です。

20. Bxg6 hxg6



20... Bh4 21. Be4+/- これでも白が1ポーンアップで優勢ですが、キングは生き延びます。

21. Qxg6+ Kh8 22. Qh6+ Kg8 23. Qxe6+ Kh8 24. Qh6+ Kg8 25. e6!


こうして黒マスビショップの利きを開けば勝負ありです。

25... Qc6 26. Qg6+ Kh8 27. Be5+ 1-0



明日の3試合でなんとか盛り返して入賞圏内に入りたいですね。参加者の皆さん、明日もよろしくお願い致します。

Nagoya Open 2019 R5 Pairings

Nagoya Open 2019 Tournament Preview


久々のブログ更新です。明日から始まる名古屋オープンに参加するため、私は今日、1日早く名古屋へとやってきました。名古屋オープンの参加者リストも、ずいぶん見ない間に賑やかに、さしてハイレベルになっています。現時点でのエントリーは以下から確認できます。

Nagoya Open 2019 Entry List

トップから私、インドのGM Sriram、暁さんと続きます。Sriram がどこからこの日本の地方大会を聞きつけたか分かりませんが、私にとってはかつてマレーシアで敗れ、久々の再戦を楽しみにしていた相手です。明日から2日間で7R 指す今年の名古屋オープンでは、ほぼ間違いなく当たるでしょう。是非ともポイントを取りたいですね。


そして今日、名古屋に早めに移動したのは、さらに三重県の桑名まで足を運ぶためです。桑名にある囲碁将棋サロン、庵は、七盤勝負と呼ばれる7種類のボードゲーム(囲碁、将棋、バックギャモン、連珠、オセロ、どうぶつしょうぎ、そしてチェス)を一斉に行う競技発祥の場所です。私は7種いきなりは難しいので、バックギャモン、どうぶつしょうぎ、連珠の三盤勝負でデビュー。なんとか2種を勝つことができました。東京のねこまどやいっぷくのチェスレッスン、イベントで出会う七盤選手たちも、こちらにしばしば足を運んでいるということで、お店のかたから色々と面白い話も伺うことができました。


庵で三番勝負を体験した後は、木曽川と長良川に囲まれた長島の長島温泉へと足を運び、ゆっくりとした時間を過ごしてきました。さらにその後、夜はもう1つの桑名来訪の目的である、生徒の家族との食事をしてきました。桑名ははまぐりが名産で、はまぐりメインに様々な海産物を出すお店が並んでいます。その中でも今夜は様々な貝類を売りにするお店へ。料理もおいしかったですが、生徒家族とは数年ぶりの再会で、思い出話に花が咲いてとても楽しい時間を過ごすことができました。今日だけでも遠征を満喫した感じですが、本番は明日からの試合です。去年は参加できなかった名古屋オープン、優勝できるように頑張ってきます!

2019/11/05

Japan Open 2019 Day4 Tournament Report


Japan Open 2019 入賞者たち Photo by Yamada, A

ジャパンオープンは昨日、最終日の4日目を迎え、無事に全試合が終了しました。最終結果は以下の通りです。

1st Place Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2330) 6/7
2nd Place Kobayashi Atsuhiko (JPN, 2083) 6/7
3rd Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2400) 5.5/7
4th Place Nakamura Naohiro (JPN, 2098) 5.5/7
5th Place Sabirov Ramil (GER, 2105) 5.5/7


優勝はジャパンチェスクラシックに続き、南條くんでした。6R で私を破り、最後はSabirovさんとドローで優勝を決めています。タイブレークで惜しくも2位になった小林くんも、私に敗れた以外は6勝で、自身のレイティングも初めて2100に乗せました。この上位2名が来年ロシアで開催されるハンティマンシスクオリンピアードのオープンチーム代表権を獲得しています。また女子の部では、高安さんと石塚さんが残っていたオリンピアード女子代表の残り2席を獲得しています。

3位以下は5勝1敗1ドローで3人が並び、タイブレークで私、中村くん、Sabirovさんの順になっています。Sabirovさんはロシア生まれ、ドイツ籍のプレーヤーで、現在は慶応義塾大学に留学中とのことです。中村くんの指摘で初めて気づきましたが、他の入賞者も全員慶應OBですね。珍しい入賞のメンツです。その他、U1600、女性賞などを獲得された入賞者の皆さん、おめでとうございます!

私は南條くんに敗れた6Rに続き、7Rで松尾さんに黒を引きました。白でSabirovさんという予想が外れ、どのような勝負にするか悩みながら最終戦に突入します。

Matsuo, T (CM, JPN, 2179) - Kojima, S (IM, JPN, 2400)
Japan Open 2019 (7)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nd2 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7



直前の6R、南條くんとの試合ではFIDE 公式戦初となる7... e6 を指しましたが、セオリーを間違えて敗れてしまいました。黒連続でCaro-Kann メインラインとなったこの試合では、より慣れている7... Nd7 で勝ちを狙います。

8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bd2 Ngf6 12. O-O-O Bd6!?


昨年のモンテネグロでの試合から、12... Be7 に代わってこちらを使っています。早めのNg3-Ne4 を催促し、ピース交換を進めます。

13. Ne4 Nxe4 14. Qxe4 Nf6 15. Qe2 Bc7 16. Kb1!?



以前松尾さんと試合をした際も、12... Be7 のラインでこのキングが寄る手を使ってきました。a2 をキングで守っておくことで、Qd8-Qd5 に備えます。しかし、黒はそれでもクイーン交換と満足なエンドゲームを目指し、この手を指すでしょう。

16... Qd5 17. Rh4!?


黒の黒マスビショップがd8-h4 のダイアゴナルにいないことを利用してルークを前進させ、e4 のマスをカバーすることでNf6-Ne4Qd5-Qe4 を防ぎます。特にクイーンのe4 への跳び込みを防いでおくと、c2-c4 に対してどうするか黒は悩むところです。

17... b5 18. g4 Ne4



g2-g4 は4段目に上がったルークと相性が悪く、e4 のマスが利用できるのは黒にとってラッキーだと思いましたが、将来的にg4-g5 と進めるプランはシンプルながら強力で、黒は対策を考えなければいけません。ひとまずナイトをe4 に進めてg4-g5 の際に当たらないようにし、g5 のマスもカバーしておきます。

19. Be3 O-O 20. Nd2 Nxd2+ 21. Qxd2 Bd8 22. Rh3 Be7


h4 に上がったルークを当てることでテンポを得つつ、黒マスビショップはg5 をカバーできるe7 のマスに戻ってきました。これがg2-g4 を見た際に思い描いていたディフェンスで、d8 にルークを回すことを遅らせた理由でもあります。

23. f4 f6



このfポーンを進めるディフェンスは見たことはあったものの、実際に使うのは初めてです。直前でナイトを交換したのは黒のディフェンス面で大きく、d5 のクイーンは脅かされるほぼ心配がなく、e6、c6 などの白マスのポーンも危険はありません。

24. Rg3 Rad8 25. Qd3 e5!


検討では25... f5!? のアイディアも出しましたが、このeポーンを進める手もfファイルをこじ開け、f8 に残していたルークを活用するアイディアとして頭にありました。

26. fxe5


fファイルを開くのを許してくれるのは意外でしたが、26. f5?! exd4 27. Bxd4 c5 28. Bf2 Qe4! この手を試合中は見落としていました。 29. Qf1 Rxd1+ 30. Qxd1 Rd8 31. Rd3 (31. Qc1? Qe2-+) 31... Rxd3 32. cxd3 Qg2=/+ このように進めば黒は満足な展開です。

26... fxe5 27. g5 e4



ここは難しい判断ですが、単にg5 交換からd4 を取っても、Rd1-Rg1 でポーンは取りかえされてしまいます。ならばeポーンを進めてテンポを取りつつ、パスポーンを早めに決めてしまいます。

28. Qd2


g5 にあてる手が自然にも見えますがですが、28. Qb3!? Qxb3 29. axb3 hxg5 30. Bxg5 Bxg5 31. Rxg5 Rd5 という進め方もありで、クイーン交換からバックランクメイト防ぐことで、d4 取りを防ぎます。

28... Bxg5 29. Bxg5



検討では、ピース交換を遅らせ、バックランクを守るために進めるポーンも変えてはどうかと話が出ました。29. Rdg1 Rf5 30. b3 Kh7! 31. Bxg5 hxg5 32. Rxg5 Rxg5 33. Rxg5 Qxd4=/+ しかしこれならこれで、白はd4 を守っていないためにポーンが落ちてしまいます。

29... hxg5 30. c3 Rf5 31. Rdg1 Rdf8 32. Rxg5 Rf1+ 33. Rxf1??


両者とも検討ですら、このルーク交換が白の負けを決定づけるブランダーであると気付きませんでした。Rf1-Rf2 と退く手がクイーン取りになるため、ルークを交換せずにキングが逃げる手はないと思い込んでいましたが、よくよく考えれば白のルークが先に黒クイーンに当たっています。gファイルに重なった白ルークの目標は、g7 しか頭にありませんでした。33. Kc2! Rxg1 (33... R1f2? 34. Rxd5 cxd5 35. Qxf2 Rxf2+ 36. Kb3+/=) 34. Rxg1 Qxh5=/+ しかし、正しく進めれば黒はポーンを取り、まだわずかなアドバンテージをキープできます。

33... Rxf1+ 34. Kc2 Qxa2 35. Rxg7+ Kf8!-+



松尾さんが読み落としていたのはこの手で、差し出されたルークを無視してかわすことで、白キングを窮地に追い込みます。35... Kxg7? 36. Qg2+ は当然ルークを取りかえされてしまい、黒は全てのアドバンテージを失います。

36. Qe2 Qb1+


どう決めるべきか少し悩みましたが、大人しくルークを守っておいて、1テンポ遅れて差し出されたルークをありがたくいただくことにします。ただし、相手クイーンのパペチュアルチェックを振り切れるかどうか読むのは私が苦手とするところで、かなり慎重に確認しました。

37. Kb3 Kxg7 38. Qg4+ Kf6 39. Qg6+ Ke7 40. Qg7+ Rf7 41. Qg5+ Kd7 42. Qg4+ Kc7 0-1



白はルークを取られたうえ、これ以上クイーン単発でのチェックが続かないため、ここでリザインしました。私の試合終了前に後ろの席では小林くんが最終戦の白星を決めていたため、追いつくことができないことは途中で分かっていましたが、それでも最終戦を勝てて大会を締めくくれて一安心です。


前オリンピアードのチームメイトでもある松尾さんとは、この数年、白ばかりを持って試合をしており、黒を持つのは実に5年ぶりのことです。今年の全日本では、白を引いた大事なラウンドでポイントを落としてしまったため、その分この日の勝利は嬉しかったです。オリンピアードの代表権は残念ながら逃してしまいましたが、来年の全日本選手権で獲得を目指そうと思います。

参加者、そして運営の皆さん、4日間のジャパンオープンお疲れ様でした。私は今月行われる名古屋オープンが、今年参加する最後の大会になると思います。今年残り2か月弱、最後までよろしくお願い致します。

2019/11/03

Japan Open 2019 Day3 Tournament Report


Photo by Yamada, A

ジャパンオープン3日目です。私はこの日、小林くん、中村くんに連続で白を引き、2連勝。優勝への望みを4日目に繋げました。どちらも面白い試合でしたが、今夜は中村くんとの試合を取り上げようと思います。

Kojima, S (IM, JPN, 2400) - Nakamura, N (JPN, 2098)
Japan Open 2019 (5)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 c6 9. h3 Qb6 10. c5



中村くんとは最近白でばかり対戦しています。クラブ選手権とは違い、ポーンを捨てるシャープなラインで今日は勝負します。

10... dxc5 11. dxe5 Ne8 12. e6 fxe6 13. Ng5 Ne5 14. f4 Nf7 15. Nxf7 Bd4+ 16. Kh2 Rxf7 17. e5 a5 18. a4 Qc7


前回はKotronias の本で勧められているNe8-Nc7-Nd5 マヌーバリングを指してきましたが、今回はもう1つのクイーンがすぐ退く変化を試してきました。

19. Ne4 b6 20. Qc2 Rg7 21. Ra3 Qe7 22. h4!?



h3 にビショップのマスを作るとともに、タイミングによってはh4-h5 を見せる手ですが、ここはナイトを早く跳んでも良かったかもしれません。22. Ng5 Bd7 23. Nf3 Nc7 24. Rd1 Nd5 25. Nxd4 cxd4 26. Rxd4+/= こうしてダブルビショップを得てポーンを取りかえせば、白が有利であることは以前の南條くんとのゲームで学んでいました。

22... h6 23. Nd2!?


Ne4-Ng5 を遅らせたのは、こちらのマヌーバリングでも良いと思ったためです。上記と同じように経由するマスを変えてf3 に跳ぶことも見据えつつ、c4 もありえます。

23... Ba6 24. Rd1 g5 25. Nf3



h3-h4 の時点で、黒からg6-g5 の可能性は頭にありました。それにはナイトをf3 に置く形が白にとって良いと思っていました。しかし、ここはコンピュータによって思いがけない変化が示されます。25. fxg5! hxg5 (25... Bxe5? 26. Re1!+-) 26. Nf3 gxh4 27. Nxd4! cxd4 28. Rxd4 hxg3+ 29. Rxg3 Rxg3 30. Kxg3+/- ルークとクイーンをキングサイドに振りやすい白が有利なことは分かりますが、互いのf-hポーンがすべて消える形は人間には選びづらいものです。

25... gxh4 26. Nxh4 Nc7 27. Bxc6 Rd8 28. Be4?!


c6 を取りかえして一安心したところで緩手が出ます。h4 に跳んだナイトはf5, g6 の白マスを抑えていて良いと思っていましたが、仕掛けるのであればナイトがd5 に来る前のこのタイミングでした。28. f5! Bxe5 29. Ng6! Rxg6 30. Rxd8+ Qxd8 31. fxg6+/- d5 にナイトが来る前にfポーンの仕掛けを行うと、g6 でのフォークの際にクイーンがビショップを守ることができません。これは完全に見落としており、f4-f5 を仕掛けるのはd5 に来たナイトがターゲットになるタイミングだと勘違いしていました。

28... Nd5 29. Qg2 Qf7 30. f5!?



確信はありませんでしたが、仕掛けるとすればこのポイントだと思いました。

30... Bxe5?


黒は取るポーンを間違えました。この手はb8-h2 のダイアゴナルにビショップを利かせて良さそうに見えますが、白勝ちのエンドゲームに一直線です。代わりに30... exf5! 31. e6? 私が読んでいた変化はこれだったのですが、見落としがあってダメでした。 (31. Bxf5!? Re8 32. Bxh6 Rxe5 33. Bxg7 Kxg7= これは黒にエクスチェンジの代償あり。) (31. Nxf5!? Qh5+ 32. Qh3 Qxd1 33. Nxh6+ Kh8 (33... Kf8?? 34. Rf3+ Ke7 35. Bg5+ Rxg5 36. Rf7+ Ke8 37. Qe6+ Ne7 38. Qxe7#) 34. Nf7+ Kg8 35. Nh6+= こちらはドローです。) 31... Qxe6 32. Nxf5 Nf6! 33. Nxg7 Ng4+ 34. Kh1 Kxg7-+ これはエクスチェンジを取っても、黒のビショップ、ナイトが途端に強くなり、白が厳しい状況です。

31. fxe6 Qh5 32. Rxd5! Rxd5 33. Bxd5 Qxh4+ 34. Qh3



クイーンを挟む単純なディフェンスに対して、黒は後続手がありません。これでクイーンを交換してしまえば、e6 に刺さったパスポーンの力で白が勝てるエンドゲームです。

34... Qxh3+ 35. Kxh3 Bc8 36. Bf4!


ビショップを交換して2コネクテッドパスポーンにすれば、黒の反撃は無く、白の勝ちは明白になります。交換を避けても、g3 をビショップで守った分、ルークがフリーになります。

36... Bd4 37. Rb3 c4 38. Bxc4 Re7 39. Rd3 Rxe6 40. Rxd4 1-0



最後はエクスチェンジアップにしかならないトラップをかわし、ルークアップを決めて勝ちです。試合直後はfポーンの仕掛けが上手くいったと思っていましたが、実際には難しい変化がいくつかありましたね。

今日は南條くんの連勝をSamuelくんが止め、4.5/5 で南條くんと私が並びました。続く4/5 グループには、松尾さんを破った小林くん、南條くんから唯一ポイントをを削ったSamuelくん、ドイツから初参加のSabirovさんの3人がいます。明日の私と南條くんの直接対決が、優勝争いの最も重要な試合であることが間違いないですが、続くプレーヤーにもまだチャンスはあります。参加者の皆さん、最後までよろしくお願い致します。

Japan Open 2019 R6 Pairings

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