ラベル 第3回将棋電王戦. の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 第3回将棋電王戦. の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2014/03/15

第一回日吉公式例会 & 第三回電王戦第一局 - 菅井五段 vs. 習甦 -


今日は私はチェス、将棋の二足の草鞋です。まずは午後の早い時間、日吉キャンパスで初開催となる公式例会に足を運びました。2008年の春にチェスサークルを立ち上げて以来、このキャンパスには数えきれないほど通ってきました。そんな慶應のサークルが、公式戦を開催するというのは非常に感慨深いものです。

12時20分からの1R に参加したのは、私を含めて12名です。私はカペルから帰国したばかりの尚広くんと。日吉のキャンパスでは、最も試合をした相手の1人かもしれません。

Nakamura, N (JPN, 2127) - Kojima, S (FM, JPN, 2416)
Hiyoshi Training (1)

1. Nf3 d5 2. c4 c6 3. e3 Nf6 4. Nc3 a6 5. Be2 e6 6. O-O Nbd7 7. b3?!



私はセンターを黒に抑えられては、白としての面白味はあまりないと考える派です。ここはオーソドックスに、7. d4 と指しておくべきだと思います。

7... e5 8. cxd5 cxd5 9. d4 e4 10. Ne5 Bd6 11. f4 exf3 12. Nxf3 O-O=


黒はすでにスペースが狭いという典型的なオープニングの問題を解決し、満足なポジションです。白はできそこないのFrench Tarrasch のような形ですね。

13. Qd3!? Re8 14. Bd2 Nf8 15. Rae1 Ng6 16. Ng5!



これは指されてみて面白い手だと思いました。先日送ったチェス通信の原稿でも、こうしたFrench のアタックが決まった好例を紹介し、まだ油断のならないポジションだと気を引き締めます。16... h6? 17. Nxf7! Kxf7 18. Bh5! があり、このナイトは簡単に追い返せないのがポイントです。

16... Qc7?!


白はe3-e4 からアウトポストとバックワードポーンという2つの弱点を解消すれば、多少指しやすくなると感じました。そこで大人しい手を避けたのですが、16... Bd7 17. e4 dxe4 18. Ncxe4 Nxe4 19. Nxe4 Bxh2+ 20. Kxh2 Qh4+ 21. Kg1 Qxe4 22. Qxe4 Rxe4 23. Bc4 と進むぐらいで、黒は満足すべきだったようです。

17. Kh1!? Bxh2



ここは他にうまい手が見つからず、白の誘いに乗ることにします。

18. Rxf6! gxf6 19. Nxd5 Qd6?


19... Qd8! 20. Ne4 Rxe4 21. Qxe4 Bg3 22. Qf3! (22. Rf1? f5! 23. Rxf5 Bxf5 24. Qxf5 Qh4+ 25. Qh3 Kg7=/+) 22... Bxe1 23. Nxf6+ Kg7 (23... Qxf6?! 24. Qxf6 Bxd2 25. Qd8+ Kg7 26. Bg4! Bxg4 27. Qxa8 Bxe3 28. Qxb7+- これは3ピースクイーンですが、d4 のポーンが取れないため、黒が苦しく見えます。) 24. Nh5+ Kg8 25. Bxe1+/-

20. Ne4!



恥ずかしながら、この手が見えていませんでした。これで黒はエクスチェンジを返すほかなく、苦しいポジションを強いられます。

20... Rxe4 21. Qxe4 f5 22. Qe8+ Kg7 23. Bb4!?


これは面白試みだと思います。d5 のナイトも強いですが、あえてh2 のビショップと交換することで、白はダブルビショップを得るととともに、f8 への狙いを作ります。

23... Qxd5 24. Kxh2 f4 25. Bf3!?



私が試合後に尚広くんに指摘したのは、もう1つのダイアゴナルでビショップを使うアイディアです。 25. Bc4! Qf5 26. Kg1! (こうしたキングを早めに逃がして安全にしておくアイディアは、予防の手として有効です。) 26... b5 27. e4 Qd7 28. Qxd7 Bxd7 29. Be2+/- こうしたポジションは私が避けたかった類のもので、白はクイーンを交換してもダブルビショップとセンターのパスポーンで、かなり優位に試合を進められるでしょう。(おそらく、ほぼ白勝ちです。)

25... Qg5 26. exf4??


この手は黒に大逆転を許すあまりにお粗末な1手でしたが、代わりに正着を指せと言われると難しいものです。例えば、26. d5? (a1-h8 のダイアゴナルを開く、検討のメインのアイディアですが、黒はパペチュアルチェックの狙いを作れます。) 26... Qg3+! 27. Kg1 Bg4!! 28. Qe4 (28. Qxa8 Bxf3 29. gxf3 Qh3+=) 28... Re8 29. Qd4+ f6= これは非常に難しいポジションになりそうです。

正解は、26. Re2!! と指して、g2 をあらかじめ守っておくアイディアです。a8 のルークは慌てなくてもどこにも逃げません。以下、26... Qg3+ 27. Kh1 fxe3 28. Bc3+- と進んで白が勝てそうです。

26... Qxf4+ 27. Kg1 Qxd4+ 28. Re3 Qxb4-+



こうしてチェックを絡めながらビショップを取り、勝負ありです。白からはもう恐ろしいスレットはありません。

29. Bd5 Be6!? 30. Qxa8 Qd4 31. Kf2 Qd2+ 32. Re2 Qxd5 33. Qb8 Qd4+ 34. Kg3 Qh4+ 0-1


尚広くん、今回はだいぶ優位なポジションを作りましたが、私への初白星はまたまたお預け。百傑、全日本で当たるようであれば、またよろしくお願いします。


午後4時からの2R では、南條くんや弘平くんも駆けつけてボード数が増えましたが、私は一足早く日吉を後にします。次なる今日の目的は、六本木のニコファーレで行われている第三回将棋電王戦の第一局、菅井五段 - 習甦の中継、解説の観戦です。解説役は私と同い年で、王座戦で羽生さんに挑戦した中村大地六段。夕食休憩後は、昨年の電王戦でも解説役で見かけた鈴木大介八段も加わりました。


朝の10時から始まった対局は、夜の8時20分頃、コンピュータプログラム、習甦に軍配が上がりました。昨年の第二回電王戦では、コンピュータ側で唯一の負けを喫していたため、開発者の竹内さんとしては雪辱を晴らせたと言えるでしょう。対局前のインタビューで、阿部光瑠さんは昨年、本当に強いプログラムに勝ったのだと証明したいとコメントしていたことが、私にとっては印象的でした。

プロ側がリベンジを果たしたい今回の第三回電王戦ですが、初戦がプログラムの白星となったことで、残り4局がどうなるか、ますます注目されるでしょう。来週は百傑でニコファーレには来られず、それ以降はタイに行ってしまいますが、なるべく結果は追い続けていきたいと思います。

2014/03/09

第3回将棋電王戦開催記念イベント - ponanza vs. Humans -


ponanza には3台のパソコンを使い、3人ずつが挑戦します。

今夜はドワンゴのスタッフに声をかけられ、半蔵門で行われていた将棋イベントを見学してきました。このイベントは、昨年末に電王のタイトルを獲得した将棋プログラム、ponanza に一般参加者が対戦を挑むというものです。先週と今週末の4日間にかけ、合計168名(実際には2名棄権して166名) がponanza と対局し、その様子はニコニコ動画の生放送で中継されました。公式HP は以下のリンクから。

第3回将棋電王戦開催イベント 電王ponanza に勝てたら賞金100万円!!

そしてこのイベントの目玉は、なんといってもponanza に勝った挑戦者には、賞金として100万円が支払われるというサービスです! しかも、その賞金はponanza 開発者の山本さんが自腹を切る(2人目以降の賞金はドワンゴ負担) という話です。プロ棋士、女流棋士、奨励会員はこのイベントに挑戦できませんが、アマチュアでも腕自慢は大勢いるでしょう。昨日までは挑戦者側の勝ちは0ということだったので、私は最終日の今日、初の人間側勝者が誕生するかどうか、イベントの最後を見守りました。


対局後に、モニターで形勢評価を振り返る挑戦者と観戦者

先週の対局でも、かなりponanza を追い詰めた挑戦者がいたようですが、今日の39局目でも元奨励会三段という実力者が、かなり勝ちに近い局面を作り出したようです。しかし、20分切れ負けという人間には厳しい持ち時間であるため、最終的にはponanza の逆転となり、先週からの連勝を伸ばすことになりました。4日間で166名のアマチュアが挑戦した今回のイベント、結果はponanza の全勝です。挑戦者が3名、白星を収めた昨年の賞金イベントに比べ、人間にとって厳しい結果でした。それにしても、ponanza 強し!

ちなみに、私のイベント参加を期待するコメントがニコ生で流れたそうですが、とんでもありません(笑) 私の腕前を全国に流すなんて、大恥をかくだけです。そういったことは、私の将棋の腕前がもう少し上がってから考えてみることにしましょう。

今日の会場では、NHK の記者の方、そしてponanza 開発者の山本一成さんと、チェスと将棋に関するとても有意義なお話しができ、会場に足を運んだ甲斐がありました。(山本さんは私のことをご存じだったようで、大変光栄です!) お2人とは別の将棋イベントでも、またお会いして話ができればと思います。最後に、今回のイベント運営のドワンゴスタッフ、挑戦した将棋ファンたち、ponanza 開発者の山本さん、そして対局の様子をニコ生で見守っていた視聴者の皆さん、4日間お疲れ様でした。私も自分の本業であるチェスの活動に対して、エネルギーを貰っています。

2013/09/01

FIDE Rating on September 2013


今日は書きたいことが多いので、さっくりといくつかの話題をお届けします。メインはFIDE Rating 更新について。

9月1日付けでFIDE Rating が更新され、日本では8月のJapan League の結果が反映されました。Japan League 優勝組の私が+1、南條くんが+7、そしてアメリカのトーナメントに数年ぶりに復帰した上杉くんが、+8 で2300台に戻すなど、この辺りの上位陣は順当です。しかしそれ以上に私の目を引いたのは、新規レイティング獲得者です。

Mitsuya Naoto 2040
Takada Yuichiro 1875
Taga Hiroto 1847
Hiebert Kenji 1769
Hashimoto Azumi 1718
Takayasu Nobuyuki 1641


新規レイティング獲得者はこの6名です。(漏れている人が居たら申し訳ない!)三ツ矢さんは国内レイティングに引き続き、FIDE も2000という数字がつき、順当な出だしといえるでしょう。全日本の結果を受け、来年のノルウェーオリンピアードへの参加権利が降りてくる可能性もありえますので、その場合は両方とも2100到達を目指してほしいと思います。

今年、全日本初参加の多賀くんもレイティング獲得は早かったですね。彼の実力ならば、国内も1800をすぐ超えるでしょう。全日本、Japan League の両大会で、池田くんと対戦していることも、良い経験になっているのではないでしょうか。ジュニアからはヒーバートケンジくんが登場。今年12月にはWorld Youth U14 Section に参加することが確定しているので、そこでもレイティングを伸ばしてもらいたいと思います。

そして橋本さんは、日本の女子プレーヤーとして久々のレイティング獲得者です。全日本には参加していませんが、カペル、Japan League に参加してレイティング保持者からポイントを取っているので、ここでのレイティング確定はなんら不思議ではありません。女子選手権のプレーを見ても実力は上がっていると思うので、ノルウェーまでにどこまで力をつけるか、楽しみにしています。その他の日本籍のプレーヤーのレイティング変動は、以下のサイトからチェックできます。

Japanese FIDE Rating List


そして昨日、8月31日は六本木、池上、池袋を移動する忙しない1日でした。まずは朝から六本木のニコファーレに、将棋の電王戦タッグマッチトーナメントの観戦に向かいます。メンバーは私以外に、日本女子の代表である長谷川さん、ロンドンで森内さんとも縁があった大山親子たちです。

夕方からは池上でレクチャーがあったため、きちんと観戦できたのは初戦の、佐藤&ポナンザペア vs. 阿部&習甦ペアの対戦のみでした。それでも、プロ同士の時間切迫での両者入玉の将棋は、非常に見ていて面白かったです。対局後には初戦で解説役を務めた森内名人ともお話が出来ましたし、足を運んだ甲斐は十分にありました! そして昼食後は駆け足で池上へ。


Photo by Hasegawa

ハンガリー遠征前最後のレクチャーでは、パスポーンをテーマに扱いました。基礎的な部分の説明も多かったですが、そこからどう応用して手を作れるかといったポイントは、皆さんがあまり意識してこなかったのではないかと思います。

4月から数回のレクチャーと比べても、自分なりには満足な出来で、これまでで最多の参加人数であったことも大変嬉しく思っています。参加してくださった皆さん、ありがとうございました! また私が帰国後にするであろうレクチャーもお楽しみに。


Photo by Yamada

長い1日の締めくくりは、池袋での私の壮行会でした。2日前に誕生日だった尚広くんのお祝いとともに、10数名のチェスプレーヤーから激励の言葉を頂き、感激です! 幹事の吉村先輩他、わざわざ池袋に足を運んでくださった皆さんに感謝します。今度こそ、IM になるまで帰ってこなくて良いそうなので、向こうでしっかり頑張ろうと思います(笑) 私のハンガリー再出発まで、残すところあと4日です!

2013/08/21

第3回将棋電王戦記者発表会


本日、六本木のニコファーレで行われた第3回将棋電王戦記者発表会に、尚広くんと出席してきました。平日の昼間でしたが、プレス席だけでなく一般席もほぼ満席で、今年開催された第2回に引き続き、電王戦の注目度の高さが窺えました。今年の3月、4月の興奮を思い出すかのようです。記者発表会の様子はニコニコ生放送でも中継されたため、そちらも大いに盛り上がったのではないでしょうかね。

今年3月、4月の第2回電王戦では、プロ棋士がコンピュータに敗北を喫したため、第3回はプロ側のリベンジなるかが、最大の注目ポイントでしょう。本日の記者発表会で公開された情報を整理すると以下のようになります。

・ 第3回将棋電王戦は、2014年3月~4月にかけて開催される。
・ 第3回も第2回同様、プロ棋士5人対コンピュータプログラム5台の形式で行う。
・ コンピュータのハードウェアは主催者側の用意した統一のものを使う。
・ プロ棋士側は、事前に対戦するプログラムと同等のものと練習対局ができるようにする。
・ 出場するプロ棋士には、屋敷伸之九段が確定しており、ほか4名は後日発表。
・ 出場するコンピュータプログラムは今年秋の将棋電王トーナメント上位5台とする。


屋敷九段の登場に湧き上がる会場

赤字で示したのは第2回と大きく変わったと思われる点です。会場では、ニコニコ生放送の視聴者からの、「これはプロ棋士側に有利な条件」「今度は負けた言い訳ができないな」といったコメントが流れました。こうした第3回の条件をどう捉えるかは人それぞれだと思いますので、私からの個人的な意見は無難に控えておきます。

そして会場でさらに大きく盛り上がったのは、10日後に開催されるもう1つのイベント情報の公開です。


今月最終日、8月31日には電王戦タッグマッチと称し、第2回電王戦のプロ棋士5名と、それぞれが対戦したコンピュータプログラムがタッグを組んでのトーナメントが開催されます。あまり知られていないかもしれませんが、チェスの世界ではAdvanced Chess と呼ばれる、コンピュータを使用した人間同士の対戦がすでに存在しており、今回はそれを将棋で行うということです。

電王戦タッグマッチ開催については、私はすでに耳にしていましたが、あまり一般には出回っていなかったようで、会場もニコ生視聴者も凄まじい盛り上がりでした。しかしそんな私も、このイベントの解説者が森内名人であると公開されたことには、驚きを隠せませんでした(笑)


屋敷九段の登場、タッグマッチイベントの公開に続き、会場は大興奮でした。

8月31日は池上での私の最後のレクチャーですが、そちらは夕方からですので、午前中は六本木のニコファーレに足を運ぼうと思います。この日は朝霞でも大会が開催されるため、私のレクチャーと人が割れないか心配でした。さらにこのイベントも重なるとなれば私の不安は尽きませんが、チェスファンの皆さんは私同様に、六本木から池上まで移動をお願いします(笑) ちなみにこのイベントは入場者が制限されるため、見学希望者は申し込みをし、抽選の結果を待つ必要があるそうです。

ドワンゴが主催する将棋イベントは、今後、私が企画するチェスイベントにアイディアが生かせないかと考えていますので、4月以来、久々に将棋ネタを扱いました。今日発表された第3回将棋電王戦については、当然のことながら将棋メインのブログや、公式サイトにさらに詳しい情報が出ているでしょう。今月末だけでなく、来年のイベントが成功するよう願っていますので、今後も注目していきたいと思います。


おまけ。夕方からは都内のホテルで、本業のチェスレッスンをこなしてきました。(本業がおまけとはこれいかに)

Copyright © 2011 Shinya Kojima All rights reserved.