2026/03/02

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.10


2024年のブダペストオリンピアードから帰国し、最初の国内大会がチーム選手権でした。ここ最近は参加するチームをころころ変えている私ですが、この年は20年前の優勝チームである麻布同期たちと組み、大会に臨みました。大阪チームとのペアリングでのこちらの対局は、お蔵入りにするには勿体ない内容なので、この機会にご紹介させていただきます。

Kojima, S - Scott, T
Japan Team Chess Championship 2024 (4)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 Bb4+ 4. Bd2!?

このシリーズの前半で紹介した山本くんとの試合では、Bogo-Indianに対してビショップ交換を避ける4... Nbd2 を指しましたが、その後の研究でこちらでも良いと考えました。ただし、調べてきたのは少しマイナーなアイディアです。

4... Qe7 5. e3!? O-O 6. Bd3 Bxd2+ 7. Qxd2 d6 8. Nc3 c6 9. O-O-O e5 10. Bc2!


Qd8-Qe7に対してはキングサイドにフィアンケットを組むことが多いですが、クイーンサイドにキャスリングするダイナミックなアイディアを見つけていました。e6-e5-e4に対しては、ビショップをc2に早めに退くことで対処します。

11... Re8 11. dxe5 dxe5 12. Qd6 Qxd6 13. Rxd6 Na6 14. h3!

クイーン交換前であれば、g2-g4と突いていきそうですが、ここではg4のマスを抑えて黒の白マスビショップを制限する狙いです。dファイルとd6のマスを長期的に抑えることで、白はアドバンテージを得ています。

14... Bd7 15. Rhd1 Re7 16. Ng5! h6 17. Nge4?!


ここはe4のマスへの切り替えで戦うものと考えたのですが、ナイトは敵陣に跳びこみ、駒交換を進めるほうが良いというのがコンピュータの指摘です。17. Nh7! Nxh7 18. Rxd7 Rae8 19. Rxe7 Rxe7 20. Rd8+ Nf8 21. Ra8!+- 7段目へのルークの跳びこみでは不十分かと考えていましたが、こうして8段目も活用すれば白が大きく有利であることは明らかです。

17... Nxe4 18. Nxe4 Be6 19. b3 Kf8 20. Kb2 Ree8 21. Kc3 f5 22. Ng3 g6 23. h4!

この試合の中で最も気に入っているプランです。黒のe5、g6の2つのポーンを固定し、弱点として優位を拡大します。

23... h5 24. e4! f4 25. Nf1! Bg4 26. Rf6+?


2月のYoutube講座では、こちらの局面を扱いました。本譜の6段目でのルークチェックは結果的にg6を落とせたので良かったですが、実は焦りすぎなアイディアで、正しく黒に対処されると困ってしまいます。ここはじっと耐えるように26. R1d2! とルークをかわしておき、次にNf1-Nh2-Nf3-Ng5とナイトをゲームに戻せば白勝勢でした。

26... Ke7 27. Rdd6 Rad8?

g6のディフェンスはできないように見えますが、直接守るのではなく、6段目を分断するアイディアで対処することができました。27... Nc7! 28. Rxg6 Ne6!-+ こうしてナイトをe6まで運べば、g6を取ったルークは生還できず、駒得の黒が勝勢になります。

28. Rxd8 Rxd8 29. Rxg6 Kf7 30. Rg5+-


本譜ではg6を取ったルークは無事に生還し、白がポーンアップのエンドゲームに入りました。白マスビショップの働きにやや不満はありますが、黒のe5、h5を弱点として固定しているので、白の優位は十分なものでしょう。

30... Be2 31. Nd2 Ke6 32. Nf3 Bxf3 33. gxf3 c5 34. Rxh5 Nb4 35. a3 Nc6 36. Rh6+ Kd7 37. h5 Rg8 38. Rh7+ Kc8 39. h6 Rg2 40. Rf7 Rh2 41. h7 Nd8 42. Rg7 Rh3 43. Kd2 Rh2 44. Ke2 Rh1 45. b4 cxb4 46. axb4 a6 47. Ba4 Rh6 48. Bd7+ Kb8 49. Bf5 1-0

最後はhポーンを活用して勝利を決めました。試合後は完璧なゲーム運びだと思っていたので、Na6-Nc5-Ne6があったことを後で見つけて愕然としました。この見落としは反省するとしても、h2-h4からの構想を作れたのは良かったと思っています。

2026/02/28

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.9

ハンガリーの建築や像をモチーフにしたチェスセット。気づくと売り切れてました...

このシリーズもすっかりご無沙汰になってしまいました。時間を見て残していた棋譜解説を書いていこうと思います。第9弾はオリンピアード直前の大会で、ハンガリーのIM Nomin-Erdene とのゲームです。彼女はモンゴルの女子プレーヤーとして有望視されていましたが、私がIMを取る直前の2014年頃にはハンガリーに移住&移籍し、ノームトーナメントを転戦していた記憶があります。近年は調子を落としていますが、GMノームも獲得している女子の強豪選手です。

Kojima, S (IM, JPN, 2299) - Nomin-Erdene, D (IM, HUN, 2319)
XIII. Premium Nemzetkozi Sakkverseny (6)

1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 Nf6 4. Nc3 Nbd7 5. cxd5 exd5 6. Bf4 Nb6!?

この手は指されるまで全く知りませんでした。多くのQGDの変化において、b6はナイトが早めにいくマスではありませんが、白がBc1-Bf4を早く決めた際には、Bf8-Bd6でビショップ交換を狙えること、将来的にNb6-Nc8-Nd6のようなマヌーバリングを見込めることから、このタイミングでは悪くなさそうに思えます。

7. e3 Bf5 8. Nh4 Be6 9. Bd3 Bb4 10. Nf3 Ne4 11. O-O!? Bxc3 12. bxc3 Bg4 13. c4?


ここはe4のナイトが不安定になるので早めに仕掛けてみようと考えましたが、もう少し辛抱強く指すほうが良かったでしょう。13. Qc2! Bxf3 14. gxf3 Nd6 15. a4 Qf6 16. Rfb1 という進行であれば、白は開いたキング前もさほど気にせず、クイーンサイドでプレッシャーをかけて戦えそうです。

13... Nxc4 14. Bxe4 dxe4 15. Qa4+ c6 16. Qxc4 exf3 17. Rfb1 Qd7 18. Qb4 b6 19. d5!

ポーンをさらに捨てるリスクを取りましたが、黒キングがキャスリングする前に局面を開いてチャンスを求めます。

19... cxd5 20. e4 d4 21. Rc1 a5 22. Qa3 Ra7 23. gxf3


f3でぶつかっているポーンに手を出すべきかどうかずっと悩んでいましたが、ポーンはポーンだということでこのタイミングで回収しました。2つポーンを捨てている状況では、早めに1つは取り返しておきたいという心理もあったと思います。ここは早さ重視で、23. Rc2 b5 24. Qc5 f6 25. h3 Be6 26. Rd1 d3 27. Rc3 Bc4 28. a4+/= という進め方もあったでしょう。

23... Be6 24. Rc2 b5 25. Qc5 d3 26. Rd2 f6 27. Rc1 Bc4 28. Rxc4?!

ここは上記の変化同様、28. a4! が正確な手でしたが、エクスチェンジを捨て、さらにd3をルークで取った際の黒の対応は難しいのではないかと考えました。

28... bxc4 29. Qxc4 g5?

黒キングの逃げるマスはf7に確保できているので、この手はポーンストラクチャーを弱めてしまううえ、白に主導権を与えてしまいます。29... Rb7! 30. Rxd3 Qb5! 31. Qe6+ Re7=/+ ならば、黒はキングを守り切れています。8段目を弱める手はh8のルークがターゲットになった危ないと考えていましたが、d3のルークに反撃しているのがポイントです。

30. Rxd3 Qb7 31. Rb3 Qa6 32. Rb8+ Ke7 33. Qc5+ Kf7 34. Rxh8+-

h7取りがあるため、白はビショップを取られる心配がありません。マテリアルを挽回し、不安定な黒キングを攻め続けることができるので白勝勢です。

34... Kg7 35. Qf8+ Kg6 36. Rg8+ Kh5 37. Bd6 Qb5 38. Qxf6 Rd7 39. e5 Qb1+ 40. Kg2 h6 41. Qe6 1-0


この試合で勝ったことが、こちらのプレミアム大会で優勝できた大きな要因なので、どこかで紹介する機会を持ちたいと思っていました。今のところ予定はないですが、また次のハンガリーでの試合も楽しみにしています。

2026/02/21

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第51回予告

2026年2月のチェス講座告知です。今月のYouTubeでの講座は今週末、2/22(日) 20時からスタートです。

今月のYouTubeの講座テーマは『Patient Move』です。この用語は聞きなれないかもしれませんが、忍耐強い手、我慢の手といった意味で用いられます。具体的には、攻撃の準備となる手、上手く守って相手に攻めさせないようにする手、取れる駒をあえて取らないで指す別の手など、幅広い手を指します。勢いで指すだけでなく、ぐっとこらえて指す手がどのようなものか、実戦の中から見つけていきましょう。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第51回『Patient Move』|2026.2.22

2026/01/24

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第50回予告

2026年最初、1月のチェス講座告知です。今月のYouTubeでの講座は今週末、1/25(日) 20時からスタートです。

今月のYouTubeの講座テーマは『最後の一手』です。チェスの試合は、目を見張るようなタクティクスで終わるゲームもあれば、一見なぜ終わるのか分からないものまで、結末は様々です。今月はどのようにしてゲームが終わったか、その最後の1手に着目してゲームを見ていこうと思います。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第50回『最後の一手』|2026.1.25

2026/01/13

Tokai Open 2026 Day2

2024年から国内大会の皮切りとなっている東海オープンが、今年も無事に終了しました。私は2日目も連勝で、昨年の中部快速オープン以来の名古屋大会全勝優勝となりました。東海オープンは4年連続、計8回目の優勝ですが、最近の3回はいずれも1ドローを落としていたので、今年はポイントを落とさずに乗り切れたことを嬉しく思います。各クラス入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2303) 5/5
2nd Place Yamaguchi, Tosei (JPN, 1920) 4/5
3rd Place Sharma, Sameer (JPN, 1871) 4/5

Tokai Open 2026 Final Standings


私は4Rで田中さんに勝ち、最終戦は山口くんに白を持つことになりました。ここまで互いに4連勝ですが、ドローでタイブレーク勝負にするのも気が進みませんし、レイティングをプラスで終えるためには勝つしかありません。序盤、自分の詳しい変化になったのはラッキーでした。

Kojima, S (IM, JPN, 2303) - Yamaguchi, T (JPN, 1920)
Tokai Open 2026 (5)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. e3 a6 5. Nf3 Bf5 6. Qb3 b5 7. cxd5 cxd5 8. a4!

最終戦はSlavのa7-a6, Bc8-Bf5 ミックスの変化になりました。過去に自分でも指しており、黒で嫌だった変化を白で試します。黒のb7-b5を働かせないためには、a2-a4からすぐに崩すのが良いアイディアとなります。

8... b4! 9. Qxb4 Nc6 10. Qc5 Bd7!?


オンラインで一度だけ経験のある手です。過去に調べていたのは、10... Na5 11. Bxa6! Rxa6 12. Qb5+ Rc6 13. Ne5 Bd7 14. Nxd7 Nxd7 15. Bd2 Qa8 16. Nxd5 e6 17. Nf4 Ra6 18. O-O+/= という3ポーンvs. ピースにする変化で、数年前は黒で指そうと思っていましたが、現在は白が指しやすいと考えています。

11. Ne5! e6 12. Nxc6 Qc7 13. Ne7!

初めて見ると驚きそうな手です。貰ったナイトは早々に返し、1ポーンアップを保って白は戦います。

13... Qb7?!


ここはポーンダウンでもクイーンを交換すべきです。13... Qxc5 14. dxc5 Bxe7 15. b4 a5 16. bxa5! Bxc5 17. Bd2+/= これは白が勝てるかどうかという勝負ですが、黒としてもベストだったでしょう。

14. a5! Bxe7 15. Qb6 Qc8 16. Be2 Bd8 17. Qc5 Bc6 18. O-O Be7 19. Qb6 O-O 20. Bd2 Qd7 21. Qb3

白はa4-a5を突くことで、一時的にb6のマスをクイーンの避難場所としておき、最終的にクイーンは自陣に退きます。中盤以降ではa5にポーンを刺したことでa6を固定し、ターゲットにすることで白は1ポーンアップ以上のアドバンテージを得ます。ここまでは作戦として完璧でしたが、この数手後にミスが出てしまいました。

21... Rfc8 22. Rfc1 Rab8 23. Qc2?!


黒のbファイルからの反撃に対して、クイーンをどこに逃がすかは迷うところです。a2と端を選ぶのに抵抗があり、e4にも利くc2を選びましたが、cファイルのピンが予想外の形で利用されてしまいました。代わりに23. Qd1! Qb7 (23... Rxb2 24. Bxa6+-) 24. Qf1! Qxb2 25. Ra2+- と進めば白勝勢でした。b2とa6の交換であれば、白はパスポーンになったaポーンを進める単純な作戦で勝てそうです。

23... Bb5! 24. Bxb5 Rxb5 25. Qd3?!

c3のナイトがピンであることを利用され、黒にとって課題であった白マスビショップを捌くと同時に、上手くa6へのプレッシャーを緩和されてしまいました。1ポーンアップをキープしても、a6を攻めるか、b2-b4-b5と仕掛ける作戦が無ければ局面を進展させられないと焦ってしまいましたが、ここはさらに我慢が必要でした。25. Qb1! Rbb8 26. Na4! Rxc1+ 27. Qxc1 Rb5 28. Nc5! こうしてナイトを活用して攻め込めば、白はまだまだチャンスを残せます。

25... Rxb2! 26. Rcb1 Rcb8??


b2を返してもbファイルを取り返し、a6を再度攻めてチャンスを作ろうとする白に対し、黒はディフェンスを間違えました。26... Rxb1+! 27. Rxb1 Rc4! (こうして白マスでブロックをしてa6をカバーできるのも、白マスビショップを捌いた効果です。) 28. h3= こうしてみると、白はb2を無駄に返しただけで勿体なかったと思えそうです。

27. Qxa6+-

白からb2のルークを交換しなければd2のビショップは取られないので、白は遠慮なくa6をいただいてしまいます。これでaポーンを進める作戦が生まれれば、白として残りはさほど難しくありません。

27... Qc7 28. Rxb2! Rxb2 29. Qd3 Ne4 30. Nxe4 dxe4 31. Qc3 Qb8


31... Qxc3 32. Bxc3 Rb7 33. a6 Ra7 34. d5! exd5 35. Bd4+- クイーンを交換した場合は、1ポーンを返してビショップをアクティブにし、a7を抑えて勝つつもりでした。

32. a6 Rb6 33. a7 Qa8 34. Qc7 Bd8 35. Qd7 Bf6 36. Rc1 1-0

相手のミスに助けられつつも、最後はプロモーションとバックランクメイトを見せて勝ちました。去年からFIDE公式戦は10連勝となり、2026年幸先の良いスタートを切れて嬉しく思います。次の大会は未定ですが、良い内容でプレーを続けていければと思います。また次回もよろしくお願いいたします。
今年も3冊、チェスの書籍を賞品としていただいてきました。Ivanchuk、Mishraの本に、Positional Sacrificeの本です。これから内容を見ていこうと思います。
名古屋最後の食事は味噌煮込みうどんにしました。今回はいわゆる名古屋グルメは少なめだったので、また次回の楽しみにしておきます。

2026/01/11

Tokai Open 2026 Day1

2026年最初の公式戦、東海オープンに参加しています。この大会は2023年から3年連続優勝しており、今年は4連覇がかかっています。初日の今日は赤井さん、戸國さん、Sharmaくんに3連勝でした。今夜は2Rの試合をご紹介します。

Tokuni, S (JPN, 1842) - Kojima, S (IM, JPN, 2303)
Tokai Open 2026 (2)

1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 Nf6 4. g3 Be7 5. Bg2 O-O 6. O-O a5!?

昨年から試しているCatalanの変化です。クイーンサイドで早めにスペースをとっておき、白のセットアップによってはc6でポーンを止めることなく、一気にc7-c5を目指します。

7. a4?!


オンラインでは1試合も指されたことのない手です。弱めたb4に釣り合うものはなく、黒はナイトをb4に刺して満足に指せそうです。

7... Nc6 8. e3 b6 9. Nc3 Ba6 10. Nb5 Nb4 11. Ne5 c6 12. Na3 Nd7

12... Ne4もありましたが、白の唯一アクティブなピースを捌いておき、c4にプレッシャーをかけやすくしておきます。

13. Nxd7 Qxd7 14. Qb3 Rac8 15. Rd1 c5!?


コンピュータは15... h5!からキングに仕掛けるアイディアを推奨します。本譜はシンプルに白のセンターに反撃をし、ルークをアクティブにしてc4を攻めます。

16. e4?

c1のビショップを使いたい気持ちは分かりますが、タクティクスを見落としています。16. dxc5 Bxc5 17. cxd5 exd5 18. Nb5であれば、まだ白は頑張れそうです。

16... dxc4! 17. Nxc4 Bxc4 18. Qxc4 cxd4 19. Rxd4


19. Qxd4 Qxd4 20. Rxd4 Nc2-+ でナイトフォークを決めて黒勝ちです。

19... Qe8!

少し不自然に見えますが、このマスにクイーンを逃げれば次のNb4-Nc2で黒は駒得です。

20. Qf1 Nc2 21. Be3 Nxa1 22. Qxa1 Bc5-+


エクスチェンジアップした後は、どんどんとピースを交換して黒の勝ちとなります。

23. Rd3 Bxe3 24. Rxe3 Qd7 25. Bf1 Rfd8 26. Rd3 Qe7 27. b3 Rxd3 28. Bxd3 Qc5 29. Bc4 Rd8 30. Qc1 Qe5 31. Qe3 Rd4 32. Bd3 Qc5 33. Bf1 g6 34. Kg2 Qb4 35. Bc4 Qd2 36. Qf3 Qc2 0-1

e4への攻撃とクイーン交換を見せて黒の勝ちを決めました。3連勝は5人いますので、2日目の明日も気を抜かずに頑張ります。

Tokai Open 2026 R4 Pairings

2026/01/04

謹賀新年2026

少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。2026年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年の年始は香港とハノイでの試合でバタバタしており、気づけば年が明けていたという具合でしたが、今年はのんびりと福井で年越しをすることができました。3年前の来訪時とは違い、恐竜博物館、東尋坊、越前松島水族館、芦原温泉、永平寺と福井市近隣の有名どころを巡ることができました。次回福井を訪れる際は大野市、越前市、鯖江市等にも足を運んでみたいですね。

さて年が明け、またチェスオリンピアードの開催年を迎えました。あのブダペストオリンピアードがもう2年前とは信じられません。今年のウズベキスタン、サマルカンドオリンピアードも、代表入りが決まれば全力でプレーしてこようと思います。今年はまずは来週末の東海オープンからスタートです。2023年から三連覇中の大会であり、近年はFIDE公式戦になっていますので、今年の調子を見る大事な試合として頑張ってこようと思います。来週末、名古屋でお会いしましょう!

2025/12/19

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第49回予告

12月のチェス講座告知です。今年最後のYouTubeでの講座は今週末、12/20(土) 20時からスタートです。いつもと違い、土曜日ですのでご注意ください。

今月のYouTubeの講座テーマは『知られざる名局』です。時代を問わず、チェスの名局は登場しますが、その中には広く知られるものとそうでないものが存在します。今回はそんなチェスの名局の中から、あまり知られていないであろうものにスポットを当て、ご紹介していきたいと思います。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第49回『知られざる名局』|2025.12.20

2025/12/14

有田セラミック・チェス大会2025

私にとっては完全に冬の風物詩ともなった佐賀県有田町のチェス大会に、今年も足を運んできました。この大会には4年連続参加していますが、これだけ佐賀県を訪れておきながら有田と武雄温泉しか知らないのはもったいないと、今年は飛行機で博多入り、その後、唐津と有田に泊まりで大会を迎えています。唐津では唐津城、呼子の朝市、名護屋城跡などを観光してきました。呼子といえばイカが有名で、様々な調理法でイカを食べられる朝市は、元日以外毎日開いているそうです。
有田町には試合前日の13日夕方に到着し、宿にチェックインしてからアリタセラに向かいました。アリタセラは有田焼のお店が集まった商業施設ですが、この時期はクリスマスイベントが開催されます。マシュマロをあしらったクリスマスツリーの近くでは、焼きマシュマロやマシュマロ狩りの催しが行われていました。
さて肝心の大会です。4年連続で会場は、九州随一の規模を誇る焼き物の博物館、九州陶磁文化館です。このブログではもうお馴染みだと思いますが、こちらの有田セラミック・チェス大会は、有田焼のチェスピースを使って試合をすることで知られています。私は熊本の中学生や久留米チェス同好会のメンバーたちに勝って3連勝し、3連勝同士での優勝決定戦を迎えました。ここまで3連覇中の私としては、この試合も勝って4連覇を決めたいところです。

Sakai, E - Kojima, S
Arita Ceramic Chess Tournament 2025 (4)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. exd5 cxd5 4. Bd3 Nc6 5. c3 Qc7 6. Ne2 Bg4 7. O-O e6 8. Qe1 Nf6 9. Bg5!? Bxe2

Caro-Kann Exchangeのこちらの変化では、次にNe2-Ng3とかわされると行き場に困るため、黒は白マスビショップを自分から諦めます。Qd1-Qe1-Qxe2のテンポロスがあるため、黒はダブルビショップを失ったことをさほど気にしなくて良いでしょう。

10. Qxe2 h6 11. Bh4?!


通常、Bc1-Bg5-Bh4-Bg3のマヌーバリングでビショップを捌くのは白にとって良いアイディアですが、ここではすでに得ているダブルビショップを手放すことになります。11. Be3 Bd6 12. h3 O-O のような進行のほうが自然だと考えていました。

11... Bd6 12. Bg3 Bxg3 13. fxg3!?

どちらのポーンで取るのもありそうですが、黒は上手くNf6-Ne8-Nd6の切り替えができれば、f7をしっかりと守ることができ、白のポーンストラクチャーの悪さをつくチャンスがあると考えました。

13... O-O-O 14. Nd2 Kb8 15. Nf3 Rhe8 16. Ne5 Re7!


f7を守ると同時に、e8のマスをナイトのために空けておきます。この時点ではKc8-Kb8は不要で、1手早くe7までルークを移動させておいたほうが良かったかもしれないと思いましたが、本譜でも黒は十分です。

17. Rae1 Nxe5 18. Qxe5 Qxe5 19. Rxe5 Ne8

先述のプランを実行します。d6のナイトはf7を守り、b7-b5をサポートし、将来的にc4に跳びこむチャンスを作ります。今のところ、ナイトにとってd6より良いマスは盤上にありません。

20. Re2 Rc7 21. g4 Nd6 22. h4 Kc8 23. g3


23. g5 hxg5 24. hxg5 Kd7 もし白がg5-g6を早く狙ってきた場合は、キングをd7に戻して対処する予定でした。

23... Kd7 24. Kg2 Ke7 25. Rf3 b5!

白はどこかで早めにa2-a4と突き、黒のマイノリティアタックを止めておくべきだったでしょう。ナイトをd6、キングをe7まで組み替えられれば、黒は後はクイーンサイドを突破するアクティブな作戦に集中できます。

26. a3 a5 27. Ree3 Rb8 28. Re2 b4! 29. cxb4


29. axb4 axb4 30. Bc2 Rbc8 も典型的な形で、c3が負担になった白は厳しそうです。d6のナイトはe4、c4どちらのマスにも跳びこめる絶好の位置におり、白のビショップよりも働いています。

29... axb4 30. a4 b3! 31. Ree3 Rb4-+

d4を狙って落とせば黒の勝勢です。黒にd-eのコネクテッドパスポーンができてしまうと決定的で、白は序盤でfxg3とfポーンを消したことが痛手になります。

32. a5 Rxd4 33. a6 Nc4 34. Re2 Ra7 35. Bh7 Rxa6 36. Rxb3 Rb6!


ルーク交換で白の反撃をシャットアウトします。2つ目のルークも交換し、ビショップvs.ナイトのピースエンディングに持ち込んでも黒は良いでしょう。

37. Rxb6 Nxb6 38. Kf3 Rb4 39. Rc2 Nc4 0-1

b2も落ちることが確定した時点で白がリザインしました。今年も全勝でこの大会を優勝できることができて嬉しいです。賞品は家に帰ってからゆっくり中身を確認しようと思います。参加者、運営の皆さん、今年もありがとうございました。

佐賀県は2014年からロマンシングサガとコラボしていますが、今年は伊万里、有田での企画が多いようです。伊万里駅前やアリタセラでは、ロマンシングサガの焼き物が販売されていました。九州陶磁文化館でも、明後日16日(火)からロマンシングサガの特別展が始まります。
私は試合後、3年ぶりに長崎県の佐世保を訪れています。佐世保はJR最西端の駅ですが、佐世保、あるいは伊万里から松浦鉄道を使えば、さらに西に位置するたびら平戸口へと足を運ぶことができます。そして私は明日、路線の通っていないさらに西の町へ旅立ちます。

2025/11/28

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第48回予告

11月のチェス講座告知です。今月のYouTubeでの講座は今週末、11/30(日) 20時からスタートです。

今月のYouTubeの講座テーマは『特徴的なポーンストラクチャー』です。ポーンストラクチャーは局面の特徴を決める大きな要素の一つとなります。特定のポーンストラクチャーにおける白黒互いの強み、弱みを理解していれば、ゲームを上手く進めることができるでしょう。今回はそんなポーンストラクチャーに着目し、特徴的なポーンストラクチャーでの戦い方を考えていこうと思います。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第48回『特徴的なポーンストラクチャー』|2025.11.30
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