4月の春合宿に引き続き、母校、麻布学園チェス部の夏合宿の指導に行ってきました。ここ数年は山中湖、会津若松などが印象的な合宿地でしたが、今回は千葉の幕張です。いつものように合宿前後に観光という具合ではありませんでしたが、その分、近場で足を運ぶのは楽でした。私が指導をするスケジュールは例年通りで、1日目の昼に合流してレクチャーをし、夜は同時対局です。
Loyd, Samuel, The Musical World, 1859
White to move and Mate in Two
レクチャーは「隠された情報」をテーマに話をしました。こちらは有名なチェスプロブレム作家、サムロイドの作品です。簡単に見えて、ちょっとした見抜かなければいけない題意が存在します。ぜひ考えてみてください。一般の対局でも、盤上には様々な情報が潜んでいて、それを見抜くことが上手く指すうえで重要です。弱点はどこか、相手のアイディアは何か、適切なプランは何か、などです。マテリアルのような分かりやすい情報に引きずられすぎず、適切な情報を見抜いていくことを話しました。Kojima, S - Onuma, K
Azabu Summer 2026 Simul
Position after 31... f6
夜の同時対局は14面指しで、部長の大沼くんとの試合が一番難しいものでした。白はパスポーンを作ってプレッシャーをかけたつもりでしたが、互いに細かなミスがあります。
試合後、大沼くんには一度b5を抑えるべきでないかと指摘しました。32... Rb8! 33. Nb7 a4 34. b4 Rb6 35. a3 Ke7= ならば、黒はc7のナイトを残して守り切れています。
クイーンサイドのポーンは捌かず残しておくべきとの判断をしましたが、37. f4! がe5を崩してeファイルを活用できるようにする好手でした。
f5、h5のマスを抑え、キングの動けるマスを作るつもりで指しましたし、実際良い手なのですが、この後の展開で間違えたかと思いました。a2-a3を先に入れておくと本譜の流れになりませんが、それでも白は勝てないようです。38. a3? Rcxc7! 39. Rxc7+ Rxc7 40. Ra5 h5! 41. Rxa4 Rc1+ 42. Kh2 f5= この形は2コネクテッドパスポーンを作っても、白キングがプレーに戻ることが難しい状況です。黒はeファイルにパスポーンを作れば、それを止めさせる間に2コネクテッドパスポーンを崩せそうです。
これはひどい勘違いでした。c7を取られた際に白は2コネクテッドパスポーンを作れず、互角のエンドゲームになります。39. Rd3! ならば横からa3を当て、c7を取られた際にすぐa3を落とすことができます。
aポーンを進める算段はないので、このエンドゲームが勝てないことは分かっていました。しかし、せっかくですので結果が分かりやすい局面まで続けることにします。
互いに分かりやすいドローを目指していて、白が危険な状況であると気づいていません。60... Kh3! 61. Kb4 Kg2! このキングのルートでルークを狙いにくるのは見えませんでした。62. g4 Re8 63. Kc5 Kf2 64. Re4 Kf3 65. Re1 Kxg4-+ gポーンが落ちれば、2コネクテッドパスポーンを持つ黒の勝ちです。
White to move and Mate in Two
レクチャーは「隠された情報」をテーマに話をしました。こちらは有名なチェスプロブレム作家、サムロイドの作品です。簡単に見えて、ちょっとした見抜かなければいけない題意が存在します。ぜひ考えてみてください。一般の対局でも、盤上には様々な情報が潜んでいて、それを見抜くことが上手く指すうえで重要です。弱点はどこか、相手のアイディアは何か、適切なプランは何か、などです。マテリアルのような分かりやすい情報に引きずられすぎず、適切な情報を見抜いていくことを話しました。
Azabu Summer 2026 Simul
Position after 31... f6
夜の同時対局は14面指しで、部長の大沼くんとの試合が一番難しいものでした。白はパスポーンを作ってプレッシャーをかけたつもりでしたが、互いに細かなミスがあります。
32. Nd6 Rca8?
試合後、大沼くんには一度b5を抑えるべきでないかと指摘しました。32... Rb8! 33. Nb7 a4 34. b4 Rb6 35. a3 Ke7= ならば、黒はc7のナイトを残して守り切れています。
33. Nb5! Nxb5 34. Rxb5 Rc8 35. c7 Ke7 36. Rxd5
c7のブロッケードを外し、白がポーンアップしましたが、これで勝てるかはまだ分かりません。c7を取らせる間にaポーンを落として2コネクテッドパスポーンを作るのが勝ちに必要なプランだと思いましたが、そこに少し勘違いがあったようです。36... a4 37. b4?
クイーンサイドのポーンは捌かず残しておくべきとの判断をしましたが、37. f4! がe5を崩してeファイルを活用できるようにする好手でした。
37... Ra7 38. g4
f5、h5のマスを抑え、キングの動けるマスを作るつもりで指しましたし、実際良い手なのですが、この後の展開で間違えたかと思いました。a2-a3を先に入れておくと本譜の流れになりませんが、それでも白は勝てないようです。38. a3? Rcxc7! 39. Rxc7+ Rxc7 40. Ra5 h5! 41. Rxa4 Rc1+ 42. Kh2 f5= この形は2コネクテッドパスポーンを作っても、白キングがプレーに戻ることが難しい状況です。黒はeファイルにパスポーンを作れば、それを止めさせる間に2コネクテッドパスポーンを崩せそうです。
38... a3
38... Raxc7 39. Rxc7+ Rxc7 40. Ra5 Rc1+ 41. Kh2 Rb1 42. Rxa4 g6+/- と進んだ場合、上記の変化と比べてg3-g4が入っている分、白キングのマスがあって白にチャンスが生まれます。39. Rc4?
これはひどい勘違いでした。c7を取られた際に白は2コネクテッドパスポーンを作れず、互角のエンドゲームになります。39. Rd3! ならば横からa3を当て、c7を取られた際にすぐa3を落とすことができます。
39... Raxc7 40. Rxc7+ Rxc7 41. Ra5 Rc1+ 42. Kh2 Rb1!
黒はbポーンの裏にルークが回る好判断で、a3を落とされてもb4を取り返せるようにしました。白からa2-a3ができない効果がこうして現れることを見落としたのは反省です。43. b5 Rb2 44. Ra7+ Kf8 45. Rxa3 Rxb5 46. Rb3 Ra5 47. a3 Ra4
aポーンを進める算段はないので、このエンドゲームが勝てないことは分かっていました。しかし、せっかくですので結果が分かりやすい局面まで続けることにします。
48. Kg3 Kf7 49. Kf2 Kg6 50. Ke3 Kg5 51. Kf2 g6 52. Re3 h5 53. gxh5 Kxh5 54. Ke2 Kg5 55. g3 Kf5 56. Kd2 g5 57. Kc2 g4 58. Kb3 Ra8 59. fxg4+??
このポーンは白から取っても、黒から取るのを待っても同じだと思いましたが、待つしかないというのは勉強になりました。59. a4 gxf3 60. Rxf3+ Ke6 61. g4= ならば進展がなくドローです。59... Kxg4 60. a4 Re8?
互いに分かりやすいドローを目指していて、白が危険な状況であると気づいていません。60... Kh3! 61. Kb4 Kg2! このキングのルートでルークを狙いにくるのは見えませんでした。62. g4 Re8 63. Kc5 Kf2 64. Re4 Kf3 65. Re1 Kxg4-+ gポーンが落ちれば、2コネクテッドパスポーンを持つ黒の勝ちです。


















































