2026/07/30

2nd Bangkok Summer International Chess Open Day3

対局の様子は運営が撮影&公開してくれています。

バンコク3日目は1敗1ドローでした。前日はブリッツも好成績で、少し復調だと思ったのですが... 自戒のため、今日は負けた試合を振り返ろうと思います。

Abris, C K (PHI, 2007) - Kojima, S (IM, JPN, 2309)
2nd Bangkok Summer International Chess Open (5)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. Nf3 e6 5. Be2 a6!? 6. O-O Bg6 7. a4 Ne7

ここはすぐにc6-c5を仕掛けるべきでした。7... c5 8. c4 dxc4 9. Na3 cxd4 10. Nxd4 Bxa3! 11. Rxa3 Ne7 12. Bxc4 Nbc6= a3にきたナイトをどうするか分からなかったのですが、黒マスビショップとの交換で構わず捌いてしまって黒に問題の無い局面でした。

8. Nbd2 c5!


8. c3 のようにナイトの展開を待たれるほうが、c6-c5が仕掛けづらく嫌でした。この形はa2-a4、a7-a6を含めない局面で経験と十分な研究があり、この変化に入れたのはラッキーでした。

9. dxc5 Nec6 10. c3 Bxc5 11. Nb3 Ba7 12. Nbd4 O-O 13. Bf4 Bh5!?

すでに黒満足ですが、ここでどうすべきか悩みました。13... Nxd4 14. Nxd4 Nd7くらいでも黒満足なことは分かっていましたが、さらにピースを捌いて単純化し、本譜の局面をイメージしました。

14. h3 Nxd4 15. Nxd4 Bxe2 16. Qxe2 Bxd4!


白の黒マスビショップは働きが悪いため、ここでナイトvs.ビショップにするのはさほど危険ではなく、d4やクイーンサイドの弱点を狙える黒に分があると考えました。

17. cxd4 Nc6 18. Rfd1 Rc8 19. Ra3 Qd7 20. Bg5 Kh8

20... Ne7 21. Bxe7 Qxe7 22. Qd2= はおそらく勝てないだろうと思い、まだナイトキープしておきます。

21. Qh5 Ne7 22. Rf3?


これは単純な見落としだと思います。ポーンをただで取り、黒は駒得です。22. Bxe7 Qxe7 23. Rf3= と白はすべきでした。

22... Qxa4 23. Rdd3 Qe8


f7とナイトを同時に受け、次にあわよくばf7-f6からクイーンを交換しようと考えました。代わりに23... Ng6! もシンプルな手で、gファイルに蓋をすることでg7を簡単に攻めさせず、黒の大きな優勢です。

24. Rf6 Ng8?

f6にルークを運ばれる手には動揺しましたが、ここで時間をかけて正しいディフェンスを見つけたつもりでした。ナイトがf6に利いていれば、何かしらでf6のルークは取れると勘違いしていました。代わりに24... Kg8! 25. Rg3 Ng6 26. Kh2 Rc4-+ くらいで黒勝勢でした。g6のナイトは次の行き場がないことを嫌って選ばなかったのですが、ここではなんとかしてもキングを守り切ることが優先なので、gファイルと6段目のどちらもカットするg6の位置はディフェンスとして最適でした。

25. Rg3! Qa4


私は自分の勘違いに気づいて愕然としました。ポーンは無理にしても、ナイトではf6のルークを取れると思っていたのです。25... gxf6 26. Bh6! Nxh6 27. Qxh6 がメイトなのは当然として、25... Nxf6 26. exf6 g6 27. Qh6 Rg8 28. Rg4 Qf8 29. Qxh7+! この教科書的なクイーンサクリファイスのメイトが見えていませんでした。本譜はクイーンがc2の位置を目指してh7のディフェンスを狙いますが、それならば白はf7を取るだけです。

26. Rxf7 Qe8 27. Rxf8 Qxh5?

27... Qxf8 28. Rf3 Qe8 29. Qf7+/- もナイトがすぐに戻れず苦しいですが、せめてこちらを選ぶべきでした。

28. Rxc8 Qd1+ 29. Kh2 Qxd4 30. Bf6 1-0


午後の試合も肝心なところでブランダーが出て、困っていたところに相手からドローの誘いがあり、ありがたく乗ることにしました。久々に下相手に勝ちがつかめない大会になっていますが、なんとか後半浮上したいと思います。明日はシンガポールのジュニアとの対戦です。

2nd Bangkok Summer International Chess Open R6 Pairings
2nd Bangkok Summer International Chess Open R6 Live Games

2026/07/29

2nd Bangkok Summer International Chess Open Day2

今大会の入賞トロフィーです。

バンコク2日目は午前にクラシカル1試合、午後にブリッツ9試合というスケジュールです。クラシカルの3Rは1-2から連続でマレーシアのジュニアとの対戦でした。昨日は弱気な部分が出てポイントを落としてしまいましたが、今日は自分らしく無理のないチェスができたと思います。

Kojima, S (IM, JPN, 2309) - Leong, K S (MAS, 1886)
2nd Bangkok Summer International Chess Open (3)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Nbd7 5. cxd5 exd5 6. Qc2 c6 7. Bg5 Be7 8. h3!?

かなり珍しい手ですが、試合中に思いついて指してみました。アイディアはNf6-Nh5を避けてBg5-Bf4と退きたいので、その際にh2までビショップが下がるマスを確保しておくことです。

8... Nf8 9. Bf4 g6 10. e3 Bf5 11. Qb3!


11. Bd3 Bxd3 12. Qxd3 だと黒の注文通りの白マスビショップ交換になってしまいます。そこでテンポロスでもクイーンを避けておき、g2-g4からf5のビショップを狙うことにします。近年だと、2024年の世界選手権でも登場したアイディアです。

11... Qb6 12. g4 Qxb3 13. axb3 Be6 14. Bd3

狙った局面を迎えました。白のダブルポーンはさほど痛手ではなく、黒に白マスビショップを残させた価値が勝ります。ここから白はキングサイド、クイーンサイドどちらからも仕掛けにいきます。

14... a6 15. Ke2 N8d7 16. Ng5 O-O 17. f3!


Nf3-Ng5は、e6のバッドビショップを消すことではなく、g4を守った後にh3-h4-h5とポーンを伸ばすアイディアです。

17... Rfd8?!


f8のマスを活用したい気持ちは理解できますが、少し消極的です。17... c5 18. h4 cxd4 19. exd4 Nb8! 20. h5 Nc6 ならば、d4に反撃を作って面白い展開でした。

18. h4 Nf8 19. h5 Bd6 20. Bxd6

ここはかなり悩んだ末、黒マスビショップの交換を素直に受け入れることにしました。白マスビショップ同士であれば白が良いのは明らかですし、黒マスビショップが消えることでc5のマスも使いやすくなったと感じました。

20... Rxd6 21. hxg6 fxg6 22. Na4 Re8 23. Nc5 Bc8 24. Kd2 Re7 25. b4 Rd8 26. Rae1 Kg7 27. Bc2!?


c5に跳んだナイトは一時的にb7を攻撃していましたが、黒のfポーンの不在によりe5がアウトポストになっており、Nc5-Nd3-Ne5というマヌーバリングが強力であることに気が付きました。

27... Ne8 28. Nd3 Nd6 29. b3 Be6 30. Re2 Bg8 31. Reh2 Rde8 32. Ne5!

丁寧に準備をしてからe5へナイトを送り込みました。これでe3への反撃を気にしなくて済むうえ、g6,h7へのプレッシャーを黒は気にしなくてはいけません。

32... Rd8 33. Rh6 Kf6 34. f4 Rg7 35. f5!?


時間の少ない中、このポーンの押し込みを実行しました。直前にg5のナイトを守ったfポーンでしたが、ここではg6を崩すのに使います。黒のルークが直前でg7に移動していることも、このfポーン突きを成功させるポイントになっています。

35... Kxg5 36. Nf3+ Kxg4?

36... Kf6 37. g5+ Kf7 38. f6 Nd7 39. fxg7 Kxg7 40. R6h4+/= 黒はエクスチェンジを捨て、キングを自陣に戻すしかありません。

37. R6h4+ Kxf3 38. Bd1+ Kf2 39. Rf4+


39. R4h2+ Kg3 40. Ke1 Ne4 41. Rh3+ Kg2 42. Bf3# という形もあったようですが気が付きませんでした。

39... Kg2! 40. Bf3+ Kg3 41. Ke2 Nxf5 42. Rg4# 1-0

最後はキングハントで勝負を決めました。41... h5 42. Rfh4でも、次のR4h3がメイトです。自分らしいゲームで今大会初勝利を挙げました。
続く午後のブリッツ大会は9試合を指して6勝1敗2ドローの7Pで、タイブレークの結果7位でした。タイブレーク0.5差で5,6位が決まっているので、とても惜しかったです。最後は壇上にあがり、GMとの対戦でしたが、焦って勝ちを逃がしてしまいました。この反省はクラシカルの後半戦に活かしたいと思います。

2nd Bangkok Summer International Chess Open R4 Pairings
2nd Bangkok Summer International Chess Open R4 Live Games

明日はフィリピンのプレーヤーとの対戦です。ブリッツ大会でもフィリピン勢は力を見せているので、私も負けないよう頑張ってきます。明日もよろしくお願いいたします。
19時からはGM Gareyevによる目隠し同時多面指しが行われていました。なんとエアロバイクをこぎながら、読み上げられる棋譜を聞き、手を返しています。クラシカルで3連勝、ブリッツも8勝1敗と好調なうえ、タフなプレーヤーです。

2026/07/28

2nd Bangkok Summer International Chess Open Day1

バンコクでの大会初日は午前午後の2試合です。9時半から試合なので9時に会場へ、という前日の案内でしたが、ペアリング発表がなかなかされず、試合開始は10時まで遅れることとなりました。私はマレーシアのジュニアプレーヤーとの対戦です。

Kojima, S (IM, JPN, 2309) - Ainul Fikri, A h (MAS, 1881)
2nd Bangkok Summer International Chess Open (1)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 d5 5. Nf3 O-O 6. O-O c5 7. dxc5 dxc4 8. Na3 Qa5 9. Nxc4 Qxc5 10. b3

この手は最もポピュラーですが、10. Nce5!? のほうが良かったかもしれません。5段目を止めておき、白は次にBc1-Be3でピースの配置が良いでしょう。

10... Nc6 11. Bb2 Be6 12. Rc1 Rfd8 13. Qe1 Qh5 14. Nce5 Bd5 15. Nd3!?


15. Nxc6 Bxc6 とする展開ではチャンスが作れないだろうと考え、ナイトを退いてNd3-Nf4を狙います。

15... Bh6 16. Rd1 Be4 17. Qc3 Bg7 18. Nf4 Qb5 19. Qe3 Bc2!?

19... Bf5 20. Ne5! ならば、g2のビショップの利きを開いて良いかと思っていたので、このビショップの跳びこみは意外でした。先にルークを交換しますが、そうなるとa8のルークに移動されてg2ビショップのターゲットができず、黒からのNf6-Ng4も気になります。

20. Rxd8+ Rxd8 21. Ne5 Ng4!?


21... Nxe5 22. Qxe5 Qxe5 23. Bxe5 b6= でもほぼ互角だと思っていたので、このチョイスは驚きました。白にチャンスがきたと思い、実際にそうなったのですが...

22. Bxc6 Nxe3!

22... bxc6 23. Nxg4 Bxb2 24. Qxe7+- ならば、e8の浮いたルークとNg4-Nh6+により、黒は厳しい状況です。これを避けるためには、本譜の2ピースvs.ルークにするしかありません。

23. Bxb5 Nxf1 24. Kxf1 g5?


ルークが侵入し忘れるのは黒にとって痛手で、白は2つのナイトでルークに対して優位に試合を進めることができます。24... Rd1+! 25. Kg2 g5! 26. Nfd3 Rd2! 27. Bc3 Rxe2 28. Nb4 Bxe5 29. Bxe2 Be4+ 30. Bf3 Bxc3 31. Bxe4 Bxb4= ならば、白は2ピースを返さざるをえなくなり、完全にドローでした。

25. Nfd3! a6 26. Bc4 e6 27. a4?!

2ピースを確保でき、どうやって白が勝ちを目指すかという段階になって、少し弱気になってしまいました。クイーンサイドのポーンを捌くのは、ドローを目指す黒にとってありがたいと分かっていながら、27. b4! b5 28. Bb3 Bxb3 29. axb3+- という形が選べませんでした。

27... b5 28. axb5 axb5 29. Bxb5 Bxb3 30. Bc4


30. Nc6 Ra8 31. Bxg7 Kxg7 32. Nd4+- 確実にピースを交換しておくのであれば、黒マスビショップから捌くのがシンプルです。

30... Ba4 31. g4 Rb8 32. Kg2 Bc2 33. Ba3 Rc8 34. Bd6 Rd8 35. Bc5 Rc8 36. Bd6?!

36. Nd7!とナイトをもぐり込ませてビショップを守る形が良く、黒は連携した白のビショップ&ナイトに手出しができません。

36... Rd8 37. Be7? Rd4!


去年の全日本選手権での北神さんとの試合、今年の全日本選手権でのAlexとの試合でも、2ピースvs.ルークになり、相手のルークに余計な反撃を許してしまいました。このマテリアルが苦手であることは自覚しているので、少し練習が必要です。

38. Bc5 Bxd3 39. Bxd4 Bxc4 40. Nxc4 1/2-1/2

最後は2ピースを返さざるをえなくなり、ドローオファーをしました。続く2Rもマレーシアのジュニアにドローで、苦しい立ち上がりとなりました。明日はクラシカルが午前の1試合のみ、午後はブリッツなので、復活のきっかけを掴めればと思います。

2nd Bangkok Summer International Chess Open R3 Pairings
2nd Bangkok Summer International Chess Open R3 Live Games

私は再びマレーシアのジュニアとの対戦です。配信ボードに戻れるよう頑張ります。
近くに手頃なフードコートを見つけ、そちらで食べるようにしています。タイ料理は安くて美味しい!

2026/07/27

2nd Bangkok Summer International Chess Open

昨日からタイの首都、バンコクに来ております。今回参加するのは、2nd Bangkok Summer International Chess Open で、12年前に参加したBangkok Chess Club Open とは別の大会です。明日から6日間でクラシカル、ラピッド、ブリッツの公式戦が行われ、GMも複数参加します。オリンピアード前に調子を見る国際大会として、良い結果を残せればと思います。

2nd Bangkok Summer International Chess Open Standard Entry List
2nd Bangkok Summer International Chess Open Live Games

ボード中継はトップ11ボードまでということで、スタンダードはリストがぎりぎりのところです。登録はすでに締め切っているので、もう少しでリスト確定、初戦ペアリング発表になると思うので、それを待とうと思います。スケジュールも記しておきます。

7/28 9:30 R1, 15:00 R2
7/29 9:30 R3, 15:00 Blitz R1-9
7/30 9:30 R4, 15:00 R5
7/31 9:30 R6, 15:00 R7
8/01 9:30 Rapid R1-7, 15:00 R8
8/02 9:30 R9, 15:00 Duo Blitz

タイと日本の時差は2時間ですので、明日は日本の朝11時半からのスタートです。良いゲームをお届けできるよう、頑張ってきます!
試合前日の今日はバンコク三大寺院であり、巨大な寝釈迦仏のあるワット・ポーへと足を運びました。

2026/07/25

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.14


こちらのシリーズ最終回です。昨年のジャパンオープンは、GM,IMを複数招き、日本で初めてのノームチャンスのある大会として、画期的な企画だったと思っています。今年も幕張で開催予定のジャパンオープンが楽しみです。さて、その昨年のジャパンオープンから、未公開であった試合を1つご紹介します。前半かなり苦戦し、後半挽回する中で指した松永くんとのゲームです。

Matsunaga, T (JPN, 2001) - Kojima, S (IM, JPN, 2318)
Japan Open 2025 (8)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. exd5 cxd5 4. Bd3 Nc6 5. c3 e6!?

Caro-Kann Exchange 対策としては、5... Qc7, 5... Nf6 を併用して使ってきましたが、JobavaのCreative Caro-Kannで勧められている、5... e6!? をこの試合では始めて試してみました。c8のビショップの展開を諦めますが、Bf8-Bd6, Ng8-Ne7, f7-f6 と組み、タイミングを見てe6-e5と突くのがメインのアイディアです。

6. Nf3 Bd6 7. O-O Nge7 8. b3!? O-O 9. Bb2


白がBc1-Bf4をしてこなかったため、b8-h2ダイアゴナルは黒が抑えました。これに対抗するために、9. Ba3から黒マスビショップの交換を目指す手もあったと思います。本譜はピース交換を避け、互いにゆったりとピースの改善を行います。

9... Bd7 10. Nbd2 f6! 11. c4!

黒は白がc3-c4,Nb1-Nc3ができないよう、d2にナイトを展開したのを見てからf7-f6を突き、白はそれでもc4を突く自然な流れです。黒はd5へのプレッシャーで、e6-e5が簡単にできないため、再度ゆっくりとピースの位置改善を目指します。

11... Be8! 12. Rc1 Rc8 13. Re1 Bf7!


QGD Exchangeでは、白の黒マスビショップがBc1-Bg5-Bh4-Bf2と組み替えられるので、逆に黒がBc8-Bd7-Be8-Bf7としても、なんらおかしくはありません。最初の5... e6!? によって閉じ込めたビショップの問題は、ひとまず解決できたと言えるでしょう。

14. a3 Bb8 15. b4!? dxc4 16. Bxc4 Nd5

白がクイーンサイドのポーンを伸ばしてきたところで、黒からポーンストラクチャーを決め、d4をIQPにしたうえ、d5のマスをナイトで抑えてしまいます。d4のポーンは簡単に動けないため、b2のビショップはしばらく脅威になりません。

17. Ne4 b6 18. Nc3?


互いに駒かなピースの改善をさらに進める段階で、白にタクティクスの見落としが発生しました。d5のナイトに対抗したい気持ちは分かりますが、c4のビショップが浮くことを忘れています。

18... Ncxb4! 19. Bb3 Nxc3 20. Bxc3 Nd5 21. Bb4 Re8 22. Ba4 Rxc1 23. Qxc1 Nxb4!

これでd3のフォークを目指せれば、黒はポーンアップのまま、駒を捌いてエンドゲームを迎えることができます。

24. Bxe8 Nd3 25. Bxf7+ Kxf7 26. Qc3 Nxe1 27. Qxe1 Qd5!


Centralization! 黒もようやくクイーンの出番です。d5の好位置を抑えたクイーンは、キングサイド、クイーンサイドの両方をにらみます。

28. Qb1 Bd6 29. Qb2 Qa5 30. g3 Qxa3 31. Qe2 a5 32. Qe4 Qb3 33. Kg2 Qd5 34. Qxh7 a4 35. Qb1 b5 36. h4 a3 37. g4 a2-+

h7ポーンを返しても、クイーンサイドに2コネクテッドパスポーンを作り、それを押していけば黒の勝ちです。

38. Qh7 a1=Q 39. g5 Qd1 40. g6+ Ke8 41. Qg8+ Kd7 42. Qxg7+ Be7 0-1


ようやく2024-25の未公開シリーズが終わりました。2026年の試合はまだ半分ですので、オリンピアード以降にまた面白い試合をご紹介できるか考えてみようと思います。明日からはタイのトーナメントに遠征しますので、そちらからもゲームをお届けできればと思います。

2026/07/16

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.13


このシリーズもそろそろ終わりです。第13弾として紹介するのは、昨年の中部快速オープンの野田くんとの試合です。昨年の大会時のレポートでは、4Rの東芝さんとの試合をご紹介しましたが、最終戦は4連勝同士で野田くんとの対戦でした。2年連続のカデッツチャンピオンであり、現在U12の日本ランキング1位でもある彼には、ここ2年でポイントを落とした大人たちも多いと思います。

Noda, R (JPN, 1796) - Kojima, S (IM, JPN, 2278)
Chubu Rapid 2025 (5)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. h4 a6!?

Caro-Kann Advance の変化は、Shirov Variation (4. Nc3)、Short Variation (4. Nf3) の流行を経て、この10年で最も注目のラインの1つが、このTal Variation (4. h4) です。これに対して、Batumi Olympiad (2018) の時は4... Qc7 を指していましたが、現在はJobava がCreative Caro-Kann の中で進める4... a6 を指しています。Advance Variationでは他の変化でも見られるアイディアで、g2-g4に対してBf5-Bd7と戻る含みを持たせつつ、1手待って様子を見る狙いがあります。

5. Bd3


4... h5 5. Bd3! ならば普通の手順で、白は将来的に黒が弱めたg5のマスを使うことで優勢を築こうとします。本譜では黒が余計なh7-h5を入れていないため、キングサイドが弱くなっておらず、単純な白マスビショップ交換からキングサイドでチャンスを作れるのかは疑問です。

5... Bxd3 6. Qxd3 e6 7. Nf3 c5 8. c3 Nc6 9. Be3 cxd4 10. cxd4 Nge7 11. Nc3 Rc8 12. a3 Na5!

白マスビショップをすでに交換していること、さらにNc6-Nb4を嫌ったa2-a3を指させたことで、b3、c4のマスが弱くなっていることを利用します。

13. Nd2 Nf5 14. h5 Be7 15. g4


白はポーンストラクチャーから、e3のビショップは働きが悪く、交換させても良いと考えるかもしれません。しかし片方のビショップを交換し、残ったビショップの働きが悪いのであれば、それはそもそも白の進め方としておかしいと言えるでしょう。黒はe3のビショップの働きが悪かろうと、交換してスペースの狭さの問題を解決し、白の攻撃チャンスを減らせれば満足です。

15... Nxe3 16. Qxe3 O-O!

白のキングサイドのポーンストームは脅威ではなく、黒キングはキングサイドへの避難で十分に安全、そしてルークの連携の価値が高いと考えます。

17. f4 Nc4 18. Nxc4 Rxc4 19. g5 Qb6 20. O-O-O Qb3 21. Rd3 Rfc8 22. Rh3 b5


ポーンのみでくる白のキングサイドアタックに対し、ルークを素早く連携させて行う黒のクイーンサイドアタックのほうが強力です。ここはbポーンが伸びる前に、Qb3-Qa2と潜り込む手も有効です。

23. g6 a5! 24. gxh7+ Kh8

Sicilian の逆サイドキャスリングの攻め合い等で多く出てくる形で、黒はh7ポーンに蓋をさせ、hファイルから攻めさせなければ、黒キングはさほど危険ではありません。この形でg7を攻める戦力が不十分であることが、白の不満な点です。

25. Kb1 b4 26. Ne2 Qc2+ 27. Ka2 bxa3 28. Rd2 Qf5 29. Qd3 Qxd3 30. Rhxd3 axb2 31. Rxb2 a4


少し悩みましたが、クイーン交換を受け入れてエンドゲームに持ち込めば、aポーンの存在で十分に黒勝勢です。互いのダイレクトアタックのチャンスが消えれば、h7のポーンは隙を見て回収できます。

32. Rdd2 a3 33. Rb7 Bb4 34. Rd1 Rc2+ 35. Ka1 Rxe2 36. Rxb4 Rcc2 37. Rb3 Ra2+ 38. Kb1 Kxh7 39. Rdd3 Rab2+ 40. Rxb2 axb2-+

マイナーピースと1組のルークも交換してしまえば、黒に不安のないルークエンディングとなります。b2に残ったポーンで決着をつける必要はなく、d4、f4を狙ってさらなる駒得を目指します。

41. Rg3 Kh6 42. Rg4 Rd2 43. Ka2 Rxd4 44. Kxb2 Kxh5 45. Rxg7 Rxf4 46. Kc3 Kh6 47. Rg3 Re4 48. Rf3 Kg7 49. Rg3+ Kf8 50. Rg5 f6 51. exf6 Kf7 52. Kd3 Kxf6


白のポーンを全て消し、2コネクテッドパスポーンが残れば後は時間の問題です。

53. Rg1 Ke7 54. Ra1 Kd6 55. Rb1 Rh4 56. Ke3 Rh3+ 57. Kf4 e5+ 58. Kf5 Rf3+ 59. Kg4 e4 60. Re1 Ke5 61. Re2 d4 62. Kh5 Rg3 63. Kh4 Rg8 64. Kh3 e3 65. Ra2 Ke4 66. Ra1 d3 67. Kh2 e2 68. Ra4+ Kf3 69. Ra1 Kf2 70. Rb1 Rh8# 0-1

中部快速オープンだけでなく、先日参加した町田サマーラピッドのように、関東でもFIDEラピッド大会が増えていて嬉しいです。1日で気楽に参加でき、FIDEレイティングの増減がある大会は、今後も需要が増えていくのではないかと思います。

2026/07/14

My Memorable Games of 2024-2025 Vol.12


久々にブログでの未公開棋譜を振り返るシリーズです。大会での遠征で日本各地に毎年足を運びますが、昨年は例会に参加する目的で大阪を訪れました。その際に蛭川さんと指した試合をご紹介します。これまで扱ってきたゲームに比べると、どこが見どころかの判断は難しいですが、大きく動かず様子を見るプレーをご覧いただければと思います。

Hirukawa, Y - Kojima, S
Osaka

1. c4 c6 2. Nf3 d5 3. e3 Nf6 4. Nc3 a6 5. d4 Bf5!?

a7-a6とBc8-Bf5のミックスは以前から時々指していました。e7-e6を遅らせているため、ビショップナイトの交換を狙う典型的なアイディアであるNf3-Nh4が使えないので、白は優位を得るのに工夫が必要です。

6. Be2!?


私は白番では6. Qb3としてb7をすぐ攻撃する手を使っていましたが、最近は6. Ne5 Nbd7 7. Qb3 Qc7 8. cxd5 Nxe5 9. dxe5 Nxd5 10. e4!? という変化が面白いのではないかと思っています。

6... h6! 7. O-O e6 8. Qb3

白のセットアップはおとなしくも自然に見えますが、ここは8. Bd3!? と1手損でもビショップを交換するアイディアが面白いでしょう。白マスビショップを交換するなら、最初から6. Bd3 で良いように思えますが、黒には6... Bg6!? とビショップを退いて交換を待つ手があります。本譜ではNf3-Nh4を警戒するh7-h6が入っているため、黒はBf5-Bg6が使えず、白マスビショップの交換にはd3で応じるしかありません。

8... Qc7 9. Bd2 Nbd7 10. Rac1 Bd6 11. h3 O-O 12. Rfd1 Rfe8


黒はa7-a6、h7-h6と端ポーンに2手かけているため、全体のピースの展開では遅れています。しかし、局面は閉じていて白がピースの展開の早さを活かすプランがありません。黒はゆっくりとピースの展開の遅れを取り戻せば、満足な局面を迎えることになります。

13. a4 Rad8 14. Be1 Qb8 15. Nd2 Bh7 16. Qa2 Bb4!?

黒もどこで動くか悩むところですが、c3のナイトを当ててe4のマスのコントロールを奪い、白のe3-e4を警戒しておきます。

17. Bf3 a5 18. Nf1 dxc4! 19. Qxc4 e5!


ここでセンターで大きく動きます。d4のポーンは孤立ポーンとして残してくれれば弱点になるので黒としては不満がなく、e5ポーンと素直に交換してくれれば、e5のマスを奪えてこちらも満足です。

20. Be2 Nb6 21. Qa2 exd4 22. exd4 Re7!?

開いたeファイルでルークを重ねるのも、d4をターゲットにdファイルでルークを重ねるのも、どちらも黒にとって良く、その準備となるルークを上げる手は柔軟なアイディアです。

23. Ng3 Red7 24. Nh5 Nfd5 25. Bg4 Re7 26. Nxd5 Nxd5 27. Bxb4 Nxb4 28. Qc4 Rde8 29. Ng3 Qf4 30. Rc3?


すでに白は盤全体で揺さぶりをかけられ、その全てに対応するのが難しい状況ですが、バックランクを弱めてしまうとあっという間に決着になってしまいます。

30... Re1+ 31. Rxe1 Rxe1+ 32. Kh2 Qxf2 33. Ne2 Be4 34. Rg3 Qf1 0-1

昨年の主だった試合はほとんど紹介済みなので、このシリーズも残りは2試合の予定です。

2026/07/09

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第56回予告

2026年7月のチェス講座告知です。今月のYouTubeでの講座は今週末、7/12(日) 20時からスタートです。今月は少し早めの日程にさせていただきました。

今月のYouTubeの講座テーマは『不可思議なキングの動き』です。キングは序中盤ではキャスリングで隅に逃げて安全に、逆に終盤では積極的に出てきて戦うのが基本とされます。しかし、時に驚くようなキングの動きも登場します。今月の講座ではキングの動きに注目し、その狙いを考えていきましょう。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第56回『不可思議なキングの動き』|2026.7.12

2026/07/06

Machida Summer Rapid Open 2026

町田サマー快速オープン2026の入賞者たち

昨日は町田チェスクラブ主催の、町田サマー快速オープン2026に参加してきました。前週に開催されたサマーオープン同様、オープンクラストップリストは私たち3人のIMで、そのまま入賞となっています。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Tran, Thanh Tu (IM, JPN, 2359)
2nd Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2283)
3rd Place Nanjo, Ryosuke (IM, JPN, 2353)

Machida Summer Rapid Open 2026 Final Standings
Machida Summer Rapid Open 2026 Live Games


今回、少し面白かったのはタイブレークにアルマゲドンを採用したことです。2-3位の結果はChess Resultsの表記と同じですが、実は4/5だった私、南條くん、長瀧くんの3人でアルマゲドンを行い、2人に勝った私が2位、1勝1敗だった南條くんが3位に決まりました。アルマゲドンについては棋譜解説の後で詳しく書こうと思います。

私は安田くん、野田くん、桑田くんに3連勝後、同じ全勝の南條くんと対戦になりました。全日本選手権と同じ白番で、勝ちを目指します。

Kojima, S (IM, JPN, 2283) - Nanjo, R (IM, JPN, 2353)
Machida Summer Rapid Open 2026 (4)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Bb4 5. Bg5 Nbd7 6. cxd5 exd5 7. Qc2 h6 8. Bh4 c5 9. e3 O-O 10. Bd3 c4 11. Bh7+

ここはチェックをすべきか少し悩みました。h8にキングを寄せておくと、f7の守りが減る、エンドゲームでキングがセンターに出てくるのが遅れるといった弱点があります。

11... Kh8 12. Bf5 Qa5 13. O-O Re8 14. Nd2 Bxc3 15. bxc3 b5 16. e4 g6 17. e5!


eポーンを早めに押せたため、その勢いのままe5まで刺しておきます。ナイトをf6の好位置から追い出すだけでなく、続いてf2-f4-f5を狙い、e-hファイルにポーンのマジョリティがあることを利用します。

17... Nh7 18. Bh3 Ndf8 19. Bxc8 Raxc8 20. f4!?

ここは20. a3!としてb5-b4を止めておく手も有効です。黒としてはどこかで反撃を作りたいため、d4を弱め、cポーンをパスポーンにするb5-b4は必須です。しかし、あえてそれを許すことでbファイルを取れるチャンスが白にはあり、試合ではb5-b4のブレイクを止めずにキングサイドでの攻めを優先しました。

20... b4 21. cxb4 Qxb4 22. Rab1 Qa5 23. f5 g5 24. Bg3 c3 25. Nb3 Qa4 26. Rf3 Rc4 27. Rxc3 Rxc3


素直なルーク交換は意外でしたが、27... Rec8 28. Rxc4 dxc4 29. Na1! があるため、白はポーンを安全に取れたことになります。

28. Qxc3 Qxa2 29. Ra1 Qe2 30. e6! f6

eポーンの押し込みは狙っていた1手で、e5にマスができれば黒マスビショップが躍動します。30... fxe6 31. Be5+ Kg8 32. Qc7+- 本譜ではこれを避けるためにfポーンをかわしますが、代わりにe6に厄介なパスポーンが刺さり、ナイトがどこにも動けない状況になります。

31. Rxa7


本譜でも白の勝勢ですが、31. Qc6 Re7 32. Re1 Qc4 33. Qxc4 dxc4 34. Nc5+- は黒に反撃の無い形です。

31... Nxe6! 32. fxe6 Rxe6 33. Nd2! Qe3+ 34. Qxe3 Rxe3 35. Bf2

黒は動けないナイトを捨て、クイーンを交換してピースダウンのエンドゲームを粘りにきます。客観的には白の勝勢は変わりないですが、不安定な黒キングを攻めるチャンスが無くなったため、残り時間の少ない中で正確に指して勝つのは大変そうだと感じました。ビショップを退く本譜の代わりに35. Kf2!は積極的で良かったと思います。慎重を期すあまり、消極的になったのはこの辺りの反省点です。

35... Rd3 36. Nf1 f5 37. h3 f4 38. Ra2 Nf6 39. Nd2 Ne4 40. Nf3 h5 41. Be1 g4 42. hxg4 hxg4 43. Ne5 g3?? 44. Ng6+??


試合後に南條くんに指摘されるまで、逃げなかったルークを44. Nxd3とただで取れることに気づいていませんでした...

44... Kh7 45. Nxf4 Rxd4 46. Ra5 Rd1 47. Kf1 d4 48. Rd5 Nf6 49. Rd6 Ng4 50. Ke2 Ne3 51. Bxg3 Ra1 52. Kf3 Ra3 53. Ke4 Nxg2 54. Bh2?

うっかり全てのポーンを捌いてしまいましたが、まだ白に勝つチャンスはあります。ルーク+ナイトvs. ルークは勝てないことが分かっているので、ビショップを残すことにしましたが、よくよく考えればナイトも残っているほうが勝ちやすいはずです。54. Rd7+ Kh6 55. Nd3!+- ならば、ナイトもビショップも残せて白勝勢です。

54... Nxf4 55. Bxf4 d3 56. Kf5 Kg7 57. Rd7+ Kg8 58. Kg6 Ra6+??


もっと明確な勝勢だったのになぜこうなってしまったのかと思いつつ、残り時間のほぼない中でビショップ+ルークvs. ルークのエンドゲームで勝ちを目指します。黒のこのチェックは失敗で、58... Kf8! 59. Bg5 Ra6+ 60. Bf6 Re6! (60... Ra8? 61. Rh7!+-) 61. Rxd3 Re1= としてキングの脱出をさきに図るべきでした。

59. Bd6! Ra8 60. Be5?

Bg3-Bd6を指した瞬間はf8のマスをビショップで抑え、Kg8-Kf8を許さないことがポイントだと理解していました。しかし、ここでそのアイディアがふっと頭から抜け、ビショップをf6に切り替えるのに間違ったルートを選んでしまいました。正しくは60. Be7! d2 61. Rxd2 Rc8 62. Rd7 Ra8 63. Bf6 Kf8 64. Rh7+- とすべきです。本譜と最終形は同じですが、Bd6-Be7-Bf6のルートを使うことで、黒キングがf8に行くタイミングを消しています。このアイディアは覚えておかなければいけないと強く思いました。

60... Ra6+??


2回目のルーク6段目チェックが致命的なミスで、黒は自身のキング位置を改善することなく、白のビショップにだけ位置を改善させてしまいます。60... Kf8! 61. Bf6 d2 62. Rxd2 Ke8= ならば黒はドローチャンスがあります。しかし棋譜を取っていないラピッド戦では、アービタ―に50手のカウントを頼んだうえ、短い残り時間で正確にディフェンスしなければいけないため、黒が間違えることで白に勝つチャンスも十分にあり得ます。

61. Bf6! Ra8 62. Rh7! 1-0

この最終形はスムーズに見えましたが、ビショップの位置の切り替えルートを間違えていることには、コンピュータ評価を見るまで気づきませんでした。もっと早く確実に勝つべきであったという反省点はあれど、このエンドゲームのアイディアを知れただけでもこのゲームを指した甲斐があると思えます。

この勢いで最終戦も勝って優勝といきたかったのですが、Tuさんにサマーオープンのリベンジとばかりに敗れて目前の優勝が逃げていきました。南條くん、長瀧くんは最終戦でともに勝ったため、大会規約にあった通り、タイブレークはアルマゲドンにて決定されます。日本の公式戦でタイブレークにアルマゲドン採用は、これまでほぼ無かったと思います。(先月のWRくらいですが、あれはノックアウト形式なので当然と言えば当然です。)
アルマゲドンとは何か。簡単に言えば、白が有利なチェスでも、1回の勝負で決着をつけられるシステムです。白は持ち時間4分で確定、黒はそこからいくばくか持ち時間を引きます。プレーヤーは試合前に、何分なら黒を持ちたいかを互いに書いて提出し、より少ない持ち時間を示したプレーヤーが黒を持つことになります。不利な黒が時間を減らしたら、ますます不利じゃないかと思われそうですが、黒はドローでも勝ち扱いとなります。つまり4分の持ち時間で勝たなければいけない白を持ちたいか、少ない持ち時間でもドローで十分な黒を持ちたいか、その駆け引きからアルマゲドンは始まるのです。

ちなみに私はアルマゲドン初戦で3分20秒で提出し、3分35秒を出してきた長瀧くんから黒を奪って、結果はドロー。南條くんは長瀧くんに驚きの2分を提出し、半分の持ち時間で黒を持って勝っていました。私と南條くんの最終戦では、私が白を絶対持つの4分で提出し、(相手に読まれて3分59秒と出されたら大変だったかも...) 2分20秒の南條くんをなんとか下して、タイブレーク2位を決めました。今回は慣れていないので大変でしたが、アルマゲドンはなかなか面白いシステムなのでもっと練習の機会を設けたいですね。日本からもワールドカップのようなアルマゲドン採用の大会に選手を派遣するようになっているわけですしね。

話が長くなりましたが、今大会の記事はこれくらいにします。参加者、運営の皆さん、お疲れ様でした。町田チェスクラブの次回の大会も盛況であることを願っています。
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