この日はオープンがカザフスタンとの対戦でした。カザフスタンと言えば、先日GM Darmen Sadvakasovが来日し、カザフスタンのチェス教育についてレクチャーをしてくれたばかりです。カザフスタンはウズベキスタンほどではないものの、アジアではレベルの高い国です。今は世代交代の時期に来ており、かつてカザフスタンを背負って代表として出場していたGMたちは軒並みナショナルチームから退き、若いプレーヤー中心のチームになっています。私たちはプレーする選手は朝食後、Samの部屋に集まって対策を行い、試合に向かっていきます。
ここで知識が途切れ、どうしようか悩みます。Samとの事前研究で、どこかのタイミングでBc1-Be3ならば、c4,e4のマスを明け渡しても、d5-d4と押し込むのもありだと考えていました。しかし、いざやられてみると、このタイミングでも良いのか、将来的にナイトがどう跳んでくるかを読む必要があります。f7-f6のようにポーンを取り返すよりもギャンビットで勝負するアイディアもありますが、30分以上悩み、d5-d4の作戦にすることにしました。
ポーンは取り返しましたが、d4にポーンを進めたため、a7-g1のダイアゴナルで黒マスビショップが使いづらい状況です。しかし、d3のブロッケードもいつまであるか分からないため、ビショップの働きは今後の白の動き次第でしょう。
f5を取られた際にeファイルを開き、e5に反撃できるようにしたのですが、16... Bxd3 17. Rxd3 h6 18. Nbxd4 Nxd4 19. Nxd4 b4! もポーンの代償ありで戦えたようです。d4をあえて取らせることで、a7-g1のダイアゴナルを開き、ビショップを使えるようにする作戦です。
20... Nxf6!? 21. Bxc6 Qxc6 22. Nbxd4 Bxd4 23. Rxd4 e5 24. Bxe5 Bxf3 25. gxf3 Nd7 26. f4+/= は白がやや良いですが、こちらのほうが良いというのがコンピュータの指摘でした。c6のナイトの交換を許し、d4を差し出す発想は考えたものの怖かったです。本譜はなるべくポーンを守り続けます。
私もf3のナイトを白マスビショップでサポートしたので、ピンを外すこの手は自然だと思っていました。しかし、実際にはeファイルからのプレッシャーが薄まり、f3の守りも薄くなるため良くなかったようです。21. Rfe1 Ref8 22. Rd3+-
f4のナイトを支えると同時に、6段目を開いてh6を落としにいきます。
ここでエクスチェンジを相手が切るのは気を付けていたつもりでしたが、やはり実行してきました。ルークを1つ諦めても、eファイルを突破しなければ白のルークは使えないままでじりじりと白が押されていくでしょう。例えこの結果負けるとしても、こうするしかないという実戦的な判断です。
これはg5を返すつもりではなく、時間切迫による見落としでした。a6を気にして指した手ですが、代わりに35... Kh8! ならば、次のg5-g4が厳しく黒に勝ちのチャンスが残ります。
女子はインド洋の島国、モーリシャスをストレートで破り、こちらも2勝2敗となっています。今日はオープンがモナコ、女子がエルサルバドルとの対戦です。モナコは2012年のイスタンブールオリンピアード最終戦で敗れた相手ですので、そのリベンジを果たしてきたいと思います。 昨日はSamの誕生日ということで、ホテルにケーキを用意してもらい、チームのみんなでお祝いをしました。
Agmanov, Z (GM, KAZ, 2490) - Kojima, S (IM, JPN, 2273)
Samarkand Chess Olympiad (4)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. e5 Bf5 4. h4 a6 5. h5 c5 6. dxc5 Nc6 7. Bd3 Qd7 8. Be3
ここで知識が途切れ、どうしようか悩みます。Samとの事前研究で、どこかのタイミングでBc1-Be3ならば、c4,e4のマスを明け渡しても、d5-d4と押し込むのもありだと考えていました。しかし、いざやられてみると、このタイミングでも良いのか、将来的にナイトがどう跳んでくるかを読む必要があります。f7-f6のようにポーンを取り返すよりもギャンビットで勝負するアイディアもありますが、30分以上悩み、d5-d4の作戦にすることにしました。Samarkand Chess Olympiad (4)
8... d4 9. Bf4 e6 10. Nd2 Bxc5
ポーンは取り返しましたが、d4にポーンを進めたため、a7-g1のダイアゴナルで黒マスビショップが使いづらい状況です。しかし、d3のブロッケードもいつまであるか分からないため、ビショップの働きは今後の白の動き次第でしょう。
11. a3 Nge7 12. Ngf3 Nd5 13. Bg3 O-O?!
私はひとまずキャスリングまでできて一安心だったのですが、13... Bxd3 14. cxd3 f5! がコンピュータの指摘する変化です。本譜でもfファイルを開くために後々fポーンは突きますが、このタイミングはd3にポーンを移動させてd4が狙われづらくした後、e4のマスを抑えてNd2-Ne4を止めるということですね。d3のブロッケードは外してもらったほうがありがたいので、白マスビショップはひたすら取れるのを待つばかりで考えていました。14. Qe2 b5 15. Nb3 Bb6 16. Rd1 Rae8
f5を取られた際にeファイルを開き、e5に反撃できるようにしたのですが、16... Bxd3 17. Rxd3 h6 18. Nbxd4 Nxd4 19. Nxd4 b4! もポーンの代償ありで戦えたようです。d4をあえて取らせることで、a7-g1のダイアゴナルを開き、ビショップを使えるようにする作戦です。
17. h6 g6 18. O-O Bg4!?
ここで白マスビショップはかわし、次にfファイルを開いてf3のナイトにプレッシャーをかけにいきます。19. Be4 f5 20. exf6 Rxf6?!
20... Nxf6!? 21. Bxc6 Qxc6 22. Nbxd4 Bxd4 23. Rxd4 e5 24. Bxe5 Bxf3 25. gxf3 Nd7 26. f4+/= は白がやや良いですが、こちらのほうが良いというのがコンピュータの指摘でした。c6のナイトの交換を許し、d4を差し出す発想は考えたものの怖かったです。本譜はなるべくポーンを守り続けます。
21. Qd2?
私もf3のナイトを白マスビショップでサポートしたので、ピンを外すこの手は自然だと思っていました。しかし、実際にはeファイルからのプレッシャーが薄まり、f3の守りも薄くなるため良くなかったようです。21. Rfe1 Ref8 22. Rd3+-
21... Ref8 22. Rde1 Bxf3! 23. Bxf3 Nf4
ここは典型的なエクスチェンジサクリファイスの機会でした。23... Rxf3! 24. gxf3 Rxf3 25. Qd1 Rf5 黒が優勢かの判断は難しいですが、代償はありそうです。ただ私としては黒マスビショップの働きがまだ定かでない状況で、駒を捨てるのは不安でした。24. Re4 g5!
f4のナイトを支えると同時に、6段目を開いてh6を落としにいきます。
25. Bg4?! Qd5! 26. Rfe1 e5?!
e6のターゲットになるポーンをかわしつつ、f4のナイトをさらに補強して黒の問題は概ね消えたと思いました。しかし、ここはe4のルークがピンであることを利用し、26... Ne5! 27. Bxf4 Nxg4 28. Re5 Nxe5 29. Rxe5 Qc6 30. Rxg5+ Rg6-/+ と進めていれば黒がはっきり優勢でした。27. Nc1 Rxh6 28. Nd3 Bc7 29. Bf3 Qf7 30. Nxe5!
ここでエクスチェンジを相手が切るのは気を付けていたつもりでしたが、やはり実行してきました。ルークを1つ諦めても、eファイルを突破しなければ白のルークは使えないままでじりじりと白が押されていくでしょう。例えこの結果負けるとしても、こうするしかないという実戦的な判断です。
30... Nxe5 31. Rxe5 Bxe5 32. Rxe5 Qg7 33. Qxd4 Rhf6
33... Re6 34. Bd5! Ne2+ 35. Rxe2 Qxd4 36. Bxe6+ Rf7 37. Re3 これは白がクイーンを捨てても粘れそうです。34. Bxf4 Rxf4 35. Qd6 Qf6?
これはg5を返すつもりではなく、時間切迫による見落としでした。a6を気にして指した手ですが、代わりに35... Kh8! ならば、次のg5-g4が厳しく黒に勝ちのチャンスが残ります。
36. Qxf6 R8xf6 37. Rxg5+ Rg6 38. Bd5+ Kf8= 1/2-1/2
マッチの結果が負けになることは分かっていましたが、2ポーンを失えばルークvs.ビショップでも勝てないため、ここで私からドローオファーをしてゲームを終わらせました。私以外の3ボードは負けで、あらためてカザフスタンの層の厚さを感じることになりました。チームは2勝2敗、またここから勝ち上がっていきたいと思います。Open R4 Japan - Kazakhstan 0.5-3.5
Women R4 Japan - Mauritius 4-0
チェスオリンピアード2026 日本代表応援配信
女子はインド洋の島国、モーリシャスをストレートで破り、こちらも2勝2敗となっています。今日はオープンがモナコ、女子がエルサルバドルとの対戦です。モナコは2012年のイスタンブールオリンピアード最終戦で敗れた相手ですので、そのリベンジを果たしてきたいと思います。 昨日はSamの誕生日ということで、ホテルにケーキを用意してもらい、チームのみんなでお祝いをしました。


















































