2026/07/06

Machida Summer Rapid Open 2026

町田サマー快速オープン2026の入賞者たち

昨日は町田チェスクラブ主催の、町田サマー快速オープン2026に参加してきました。前週に開催されたサマーオープン同様、オープンクラストップリストは私たち3人のIMで、そのまま入賞となっています。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Tran, Thanh Tu (IM, JPN, 2359)
2nd Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2283)
3rd Place Nanjo, Ryosuke (IM, JPN, 2353)

Machida Summer Rapid Open 2026 Final Standings
Machida Summer Rapid Open 2026 Live Games


今回、少し面白かったのはタイブレークにアルマゲドンを採用したことです。2-3位の結果はChess Resultsの表記と同じですが、実は4/5だった私、南條くん、長瀧くんの3人でアルマゲドンを行い、2人に勝った私が2位、1勝1敗だった南條くんが3位に決まりました。アルマゲドンについては棋譜解説の後で詳しく書こうと思います。

私は安田くん、大井くん、桑田くんに3連勝後、同じ全勝の南條くんと対戦になりました。全日本選手権と同じ白番で、勝ちを目指します。

Kojima, S (IM, JPN, 2283) - Nanjo, R (IM, JPN, 2353)
Machida Summer Rapid Open 2026 (4)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Bb4 5. Bg5 Nbd7 6. cxd5 exd5 7. Qc2 h6 8. Bh4 c5 9. e3 O-O 10. Bd3 c4 11. Bh7+

ここはチェックをすべきか少し悩みました。h8にキングを寄せておくと、f7の守りが減る、エンドゲームでキングがセンターに出てくるのが遅れるといった弱点があります。

11... Kh8 12. Bf5 Qa5 13. O-O Re8 14. Nd2 Bxc3 15. bxc3 b5 16. e4 g6 17. e5!


eポーンを早めに押せたため、その勢いのままe5まで刺しておきます。ナイトをf6の好位置から追い出すだけでなく、続いてf2-f4-f5を狙い、e-hファイルにポーンのマジョリティがあることを利用します。

17... Nh7 18. Bh3 Ndf8 19. Bxc8 Raxc8 20. f4!?

ここは20. a3!としてb5-b4を止めておく手も有効です。黒としてはどこかで反撃を作りたいため、d4を弱め、cポーンをパスポーンにするb5-b4は必須です。しかし、あえてそれを許すことでbファイルを取れるチャンスが白にはあり、試合ではb5-b4のブレイクを止めずにキングサイドでの攻めを優先しました。

20... b4 21. cxb4 Qxb4 22. Rab1 Qa5 23. f5 g5 24. Bg3 c3 25. Nb3 Qa4 26. Rf3 Rc4 27. Rxc3 Rxc3


素直なルーク交換は意外でしたが、27... Rec8 28. Rxc4 dxc4 29. Na1! があるため、白はポーンを安全に取れたことになります。

28. Qxc3 Qxa2 29. Ra1 Qe2 30. e6! f6

eポーンの押し込みは狙っていた1手で、e5にマスができれば黒マスビショップが躍動します。30... fxe6 31. Be5+ Kg8 32. Qc7+- 本譜ではこれを避けるためにfポーンをかわしますが、代わりにe6に厄介なパスポーンが刺さり、ナイトがどこにも動けない状況になります。

31. Rxa7


本譜でも白の勝勢ですが、31. Qc6 Re7 32. Re1 Qc4 33. Qxc4 dxc4 34. Nc5+- は黒に反撃の無い形です。

31... Nxe6! 32. fxe6 Rxe6 33. Nd2! Qe3+ 34. Qxe3 Rxe3 35. Bf2

黒は動けないナイトを捨て、クイーンを交換してピースダウンのエンドゲームを粘りにきます。客観的には白の勝勢は変わりないですが、不安定な黒キングを攻めるチャンスが無くなったため、残り時間の少ない中で正確に指して勝つのは大変そうだと感じました。ビショップを退く本譜の代わりに35. Kf2!は積極的で良かったと思います。慎重を期すあまり、消極的になったのはこの辺りの反省点です。

35... Rd3 36. Nf1 f5 37. h3 f4 38. Ra2 Nf6 39. Nd2 Ne4 40. Nf3 h5 41. Be1 g4 42. hxg4 hxg4 43. Ne5 g3?? 44. Ng6+??


試合後に南條くんに指摘されるまで、逃げなかったルークを44. Nxd3とただで取れることに気づいていませんでした...

44... Kh7 45. Nxf4 Rxd4 46. Ra5 Rd1 47. Kf1 d4 48. Rd5 Nf6 49. Rd6 Ng4 50. Ke2 Ne3 51. Bxg3 Ra1 52. Kf3 Ra3 53. Ke4 Nxg2 54. Bh2?

うっかり全てのポーンを捌いてしまいましたが、まだ白に勝つチャンスはあります。ルーク+ナイトvs. ルークは勝てないことが分かっているので、ビショップを残すことにしましたが、よくよく考えればナイトも残っているほうが勝ちやすいはずです。54. Rd7+ Kh6 55. Nd3!+- ならば、ナイトもビショップも残せて白勝勢です。

54... Nxf4 55. Bxf4 d3 56. Kf5 Kg7 57. Rd7+ Kg8 58. Kg6 Ra6+??


もっと明確な勝勢だったのになぜこうなってしまったのかと思いつつ、残り時間のほぼない中でビショップ+ルークvs. ルークのエンドゲームで勝ちを目指します。黒のこのチェックは失敗で、58... Kf8! 59. Bg5 Ra6+ 60. Bf6 Re6! (60... Ra8? 61. Rh7!+-) 61. Rxd3 Re1= としてキングの脱出をさきに図るべきでした。

59. Bd6! Ra8 60. Be5?

Bg3-Bd6を指した瞬間はf8のマスをビショップで抑え、Kg8-Kf8を許さないことがポイントだと理解していました。しかし、ここでそのアイディアがふっと頭から抜け、ビショップをf6に切り替えるのに間違ったルートを選んでしまいました。正しくは60. Be7! d2 61. Rxd2 Rc8 62. Rd7 Ra8 63. Bf6 Kf8 64. Rh7+- とすべきです。本譜と最終形は同じですが、Bd6-Be7-Bf6のルートを使うことで、黒キングがf8に行くタイミングを消しています。このアイディアは覚えておかなければいけないと強く思いました。

60... Ra6+??


2回目のルーク6段目チェックが致命的なミスで、黒は自身のキング位置を改善することなく、白のビショップにだけ位置を改善させてしまいます。60... Kf8! 61. Bf6 d2 62. Rxd2 Ke8= ならば黒はドローチャンスがあります。しかし棋譜を取っていないラピッド戦では、アービタ―に50手のカウントを頼んだうえ、短い残り時間で正確にディフェンスしなければいけないため、黒が間違えることで白に勝つチャンスも十分にあり得ます。

61. Bf6! Ra8 62. Rh7! 1-0

この最終形はスムーズに見えましたが、ビショップの位置の切り替えルートを間違えていることには、コンピュータ評価を見るまで気づきませんでした。もっと早く確実に勝つべきであったという反省点はあれど、このエンドゲームのアイディアを知れただけでもこのゲームを指した甲斐があると思えます。

この勢いで最終戦も勝って優勝といきたかったのですが、Tuさんにサマーオープンのリベンジとばかりに敗れて目前の優勝が逃げていきました。南條くん、長瀧くんは最終戦でともに勝ったため、大会規約にあった通り、タイブレークはアルマゲドンにて決定されます。日本の公式戦でタイブレークにアルマゲドン採用は、これまでほぼ無かったと思います。(先月のWRくらいですが、あれはノックアウト形式なので当然と言えば当然です。)
アルマゲドンとは何か。簡単に言えば、白が有利なチェスでも、1回の勝負で決着をつけられるシステムです。白は持ち時間4分で確定、黒はそこからいくばくか持ち時間を引きます。プレーヤーは試合前に、何分なら黒を持ちたいかを互いに書いて提出し、より少ない持ち時間を示したプレーヤーが黒を持つことになります。不利な黒が時間を減らしたら、ますます不利じゃないかと思われそうですが、黒はドローでも勝ち扱いとなります。つまり4分の持ち時間で勝たなければいけない白を持ちたいか、少ない持ち時間でもドローで十分な黒を持ちたいか、その駆け引きからアルマゲドンは始まるのです。

ちなみに私はアルマゲドン初戦で3分20秒で提出し、3分35秒を出してきた長瀧くんから黒を奪って、結果はドロー。南條くんは長瀧くんに驚きの2分を提出し、半分の持ち時間で黒を持って勝っていました。私と南條くんの最終戦では、私が白を絶対持つの4分で提出し、(相手に読まれて3分59秒と出されたら大変だったかも...) 2分20秒の南條くんをなんとか下して、タイブレーク2位を決めました。今回は慣れていないので大変でしたが、アルマゲドンはなかなか面白いシステムなのでもっと練習の機会を設けたいですね。日本からもワールドカップのようなアルマゲドン採用の大会に選手を派遣するようになっているわけですしね。

話が長くなりましたが、今大会の記事はこれくらいにします。参加者、運営の皆さん、お疲れ様でした。町田チェスクラブの次回の大会も盛況であることを願っています。

2026/06/28

Summer Open 2026 Day2

今年のサマーオープン入賞者たち

2日間のサマーオープンは本日、無事に終了しました。優勝は5連勝から最終戦のみドローの南條くんです。私は4Rでbyeを取り、弘平くんとドローの後、最終戦ではTuさんを破って3位入賞でした。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Nanjo, Ryosuke (IM, JPN, 2437) 5.5/6
2nd Place Yamada, Kohei (FM, JPN, 2295) 5/6
3rd Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2391) 5/6
4th Place Higashino, Tetsuo (JPN, 2106) 5/6
5th Place Nagataki, Kota (JPN, 2049) 5/6
Summer Open 2026 Final Standings


Tuさんとの最終戦は、自分にとって形勢判断とアイディア出しが得意な変化になり、完勝と言って良い内容だったと思います。今夜はこちらのゲームをご紹介します。

Kojima, S - Tran, T T
Summer Open 2026 (6)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. e3 a6 5. Nf3 e6

Semi-Slav Accelerated Meran! 黒番では何度か指したことがありますが、白番は初めてです。通常のAnti-Meranに近い、好きな形をチョイスします。

6. b3 Bb4 7. Bd2 Nbd7 8. Bd3 Bd6


白のビショップをb2ではなく、d2に展開させたことで満足し、黒はd6にビショップを退くのがメインのアイディアです。8... 0-0 9. 0-0 Re8? (9... Bd6!) 10. Nxd5! Nxd5 11. cxd5 Bxd2 dxc6! は知られたトリックで、白がポーンを得します。

9. O-O O-O 10. Qc2 Re8 11. Rad1 e5

ここは11... h6くらいで待ち、様子を見るほうが良かったと思います。本譜の流れは白が優位を作りやすいでしょう。

12. cxd5 cxd5 13. e4!


e5を取る実戦もありましたが、黒はd5を弱める代わりにセンターにピースを運んで満足に戦えると思います。それよりも白ポーンもeポーンを伸ばして応戦し、クイーンサイドのビショップ、ルークの展開の差を主張したほうが良いでしょう。

13... exd4 14. Nxd5 Ng4?

指された直後は少し悩みましたが、h2へのプレッシャーを上手く捌けば白はピースの展開も早く、d4を落とすチャンスもあるので大きく優勢です。14... Nxd5 15. exd5 Nf6 16. h3+/= でも白は次にd4を狙って有利ですが、こちらのほうが黒はまだ戦えます。

15. Bg5! f6 16. Bf4 Bxf4


f7-f6を誘っておき、d8-h4ダイアゴナルを閉じ、逆にa2-g8ダイアゴナルを開いてからビショップ交換を仕掛けます。16... Nde5 17. Nxd4! でも白は良いタイミングでd4を落とせています。

17. Nxf4 Nde5 18. Bc4+ Kh8 19. Nxd4 Bd7 20. Bd5

ここでひと段落し、白が大きく有利であると確信しました。d5は強いナイトからビショップに切り替わっていますが、e4を守り、g8のマスを抑えることでビショップでも十分な働きがあると判断できます。

20... Rc8 21. Qd2 Qb6 22. h3 Nh6 23. Kh1 Re7 24. Rc1 Rce8 25. Rc3!?


cファイルに重ねるか、3段目で横に振るかは未定でしたが、様々な狙いを埋めそうなルークの手です。

25... g5 26. Nfe2 Ng6 27. f4!

黒は手を作る箇所が難しいですが、g7-g5に対してはf2-f4とfファイルを開きにいく手が良いと感じました。ただでさえa2-g8ダイアゴナルを抑えられ、黒キングは危ない状況ですので、a1-h8ダイアゴナルとfファイルを開くことは、さらに黒キングを脅かすのに効果的でしょう。

27... Nf7 28. Bxf7! Rxf7 29. fxg5 Rxe4 30. Rcf3!


白はビショップを差し出してしまいましたが、2つの安定したナイトとfファイルからの突破があれば勝ちには十分です。

30... Nh4 31. Rxf6 Rxf6 32. gxf6 1-0

最後はf6にポーンを刺し、f6-f7-f8のプロモーションと、Qd2-Qh6-Qg7#を狙って白の勝ちとなりました。全日本でのTuさんとの試合は悔いが残る内容でしたので、こうして好ゲームで星を挙げられたことを嬉しく思います。来週末の町田ラピッドもリスト上位は同じメンバーですので、しっかり指して結果を残せるように頑張ります! 今大会もスムーズな運営をありがとうございました。

2026/06/27

Summer Open 2026 Day1

今日から2日間はサマーオープンに参加しています。日本チェス連盟としては新設大会ですが、過去に日本チェス協会の主催で同名の大会があったため、私としては懐かしい響きです。台風の影響も予想よりは少なく、119名の参加者が大井町に集まっています。

私は64名のオープンクラスに参加し、初日はBhatiaさん、北神さん、田中さんに勝ちでした。内容としては3Rが最も面白いですが、長くなってしまいそうですので、2Rの北神さんとの試合を今夜はご紹介します。

Kitagami, S - Kojima, S
Summer Open 2026 (2)

1. d4 d5 2. Nf3 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 Nbd7 5. g3 Be7 6. Bg2 O-O 7. O-O c6

Nbd7 QGDからの、Catalan型になりました。ここでは7... dxc4 8. e4 b5!? を準備していたようですが、全く覚えてなかったのでよく知るClosed Catalan型にし、c4は様子を見て取ることにします。

8. e3 a5 9. b3 b6 10. cxd5 cxd5


このポーン交換が入るとポーンは対称型で、黒にとっては楽な展開になると感じていました。この後a6に配置するビショップは働きが良く、キングサイドのビショップの利きを見比べても黒は満足です。

11. Bb2 Ba6 12. Re1 Rc8 13. Ne5? Nxe5

13... Bb4 14. Rc1 Ne4 15. Bxe4 dxe4=/+ としてビショップナイト交換を強制させるのも良かったでしょう。g2のビショップの働きはあまり脅威ではなかったですが、ナイトと交換で白のキング周りを弱められるのでは大きなプラスです。

14. dxe5 Nd7 15. Ne2 Bb4!


これを見落としていたようです。ルークをf1に押し返してe2のナイトをピンにできると、白が希望していたNe2-Nd4はすぐにできず、e5のポーンは負担になってしまうでしょう。

16. Rf1 Qc7 17. Rc1 Qb8 18. Rxc8 Rxc8 19. a3 Bc5 20. Re1 Nxe5 21. Nf4 Bf8!?

e5のポーンを落として満足ですが、ここはどう指すか悩みました。ビショップを退いたのはcファイルを開きつつ、g7への反撃に備えるためです。次のe3-e4は分かっていましたが、ビショップをa7-g1ダイアゴナルに残して攻撃をするよりも、安全策を選びました。

22. e4 dxe4 23. Bxe4 Ng6 24. Nxg6 hxg6 25. h4 Qd6 26. Qf3 Qd2!


反撃したい白に対して、黒はクイーン交換を迫りつつクイーンを侵入させます。

27. Rb1 Be2

クイーンが残っている状況でキング周りを弱めるのは少し怖いですが、27... f5!としてビショップを捉えても良さそうです。本譜はクイーンを交換して白の反撃をシャットアウトしつつ、ポーンストラクチャーを崩しておきます。

28. Qe3 Qxe3 29. fxe3 f5! 30. Kf2 Ba6 31. Bf3 Rc2+ 32. Ke1 Bc5 33. Bd4 Bxa3!


この手が見えて勝ちを確信しました。ポーンの取り合いになると白のキングは風前の灯火です。

34. Bxb6 Bb4+ 35. Kd1 Rf2 36. Bc6 Bd3 0-1

ルークを狙いつつ、バックランクのメイトスレットを作って黒勝ちとなりました。3連勝は8人ですが、私が仕事でbyeを取るため、ペアリングは以下のようになっています。5Rから合流しますので、明日もよろしくお願いいたします。

Summer Open 2026 R4 parings
今朝は遅延の可能性を考慮し家を早く出たのですが、2時間前に大井町に着きそうだったため、寄り道して明治神宮前の小杉湯原宿へ。ミルク湯、数日ごとに香りが替わるあつ湯、水風呂と浴槽3つだけのシンプルな作りですが、都内でも知る人ぞ知る人気の銭湯です。

2026/06/19

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第55回予告

2026年6月のチェス講座告知です。今月のYouTubeでの講座は今週末、5/21(日) 20時からスタートです。

今月のYouTubeの講座テーマは『ナイトのマヌーバリング』です。ナイトは白マス黒マスの両方を移動できる代わりに、一度に動ける距離が短いという弱点を持ちます。そのためナイトの活用においては、今どこに動けるかだけでなく、数手後にどこに移動しているのが理想的かという、先を見据えたプレーが重要です。今月の講座ではそんなナイトを主役に、理想的なマスやそこに至るルートの探し方を見ていきましょう。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第55回『ナイトのマヌーバリング』|2026.6.21

2026/06/18

帝王賞CM「帝王賞STAR☆T」篇


昨日、xの投稿ではお伝えしましたが、7月1日に大井競馬場で開催される帝王賞のテレビCMに、チェスが登場しています。こちらはテレビCMとして以外、東京シティ競馬のYoutubeチャンネルでもご覧いただけます。


こちらに登場するチェスの局面の作成、およびチェスシーンの監修は私が担当しました。局面が映るのは11-13秒あたりの数秒ですが、チェスブログらしく、どういった局面になっているかを解説をしようと思います。
Position after 1. Ke4

白がキングをe4に置いて黒番になり、白勝ちが決まったという状況です。白はオポジションを取って楽に勝てそうに見えますが、ここから間違えて勝ちを逃す人は一定数いると思います。

1... Kf6 2. Kd5! Kf7 3. Ke5!


ここですぐにaポーンを取りにいくのは、十分に起こりうる間違いです。3. Kc6? Ke6! 4. Kb7 Kd7 5. Kxa7 Kc7!= aポーンを取らせても、白キングをaファイルに閉じ込めてしまえば白はプロモーションができずにドローになります。

3... Kg6 4. Ke6 Kg7 5. Kf5 Kh6 6. Kf6 Kh7 7. Kxg5

白は勝つためには、手間を惜しまずにg5のポーンを取りにいくのが必須です。

7... Kg7 8. Kf5 Kf7 9. Ke5!


gポーンを多少進めても良いですが、gポーンをプロモーションすることはできません。黒のgポーンを取ったのは、白のgポーンをプロモーションするためではなく、黒キングに白のgポーンを取らせて時間を稼ぐためです。

9... Kg6 10. Kd6 Kg5 11. Kc7 Kxg4 12. Kb7+-

今度は白キングがaポーンを取った際、黒キングは遠すぎてなにもできません。すぐにaポーンを取りにいくと勝てなくなってしまうのは、しばしば見落としてしまう形です。ポーンが3個ずつで単純に見えても、面白い終盤の局面を作れたと思います。

2026/06/10

Don't create problems for yourself!


今日は「自分で問題を作らないで!」 というテーマで、棋譜解説を行おうと思います。先日名古屋で参加した、中部快速オープンの1局をご紹介します。

Kojima, S (IM, JPN, 2282) - Araki, D (JPN, 1786)
Chubu Rapid Open 2026 (2)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. g3 d5 4. Bg2 c6 5. Nf3 Bg7 6. O-O O-O 7. Nc3!?

c6-d5型のGrunfeldに対しては、これまで7.Qb3と指すことが多かったのですが、初めてこちらの手を試してみることにします。白のアイディアはc4をギャンビットして、センターにポーンの厚みを得ることです。

7... e6?!


時折、キングサイドフィアンケットとe7-e6の組み合わせを見ますが、多くの場合はsolid but passiveと評されます。d5を守るという目的には沿いますが、c8のビショップの働きを制限してしまうという問題が発生します。先述の通り7... dxc4 8. e4 b5 9. Qe2 と進めるのが自然だと思います。また白がポーンを捨てるというリスクを取ったのであれば、黒がそれに乗らないことは、白の7. Nc3!? がリスクなくできてしまったことを意味します。白がポーンを捨てて難しい局面にするリスクを取ったのであれば、黒もそれに乗るリスクを取らなければいけません。

8. Qb3 Nbd7 9. Rd1 Qb6 10. Bf4 Qxb3?!

このクイーン交換も黒から仕掛ける必要があるのか疑問です。白はc4をポーンで守ることができ、開いたaファイルからルークでa7を狙うことができます。この後で黒がa7-a6とポーンをかわしても、b6のマスという余計な黒マスの弱点を作ることになるため、Nc3-Na4-Nb6のような手を警戒しなければいけなくなります。c8のビショップの問題解決が見えない段階で、a1とa8のルークのアクティビティに差を作ってしまうことも、黒から余計な問題を増やしていると考えられるでしょう。

11. axb3 Re8 12. h3!?


最近、ロシアのGM Dreevの試合解説を見ていて、Lavirovanie という知らないチェス用語が出てきました。古いソビエトチェススクールでは戦略的に重要とされる考えで、「自身の局面を強められずとも、弱くすることなく待ち、相手の様子を窺う手」 とでも説明しましょうか。確かに強いGMの試合ほどこうした手が出てきます。私の指した12.h3がそれにあたるかの判定は難しいですが、様子を見てg3-g4と突き、h2-b8ダイアゴナルでビショップをキープできるようにと考えました。クイーンが消えた状態であれば、キング前のポーンを進めることのリスクはそれほどないはずです。

11...Nh5?!

f4のビショップを追い払うために、Catalanなどではよく見る手ですが、ここではc7やd6にビショップの潜り込むマスがある(不要なクイーン交換やe7-e6により)ため、白の黒マスビショップは困っていません。すると直前のh2-h3が必要だったのかという疑問もありますが、白陣が弱くなっていないのであれば、Lavirovanie の考えには沿っています。ビショップをh2-b8ダイアゴナルから追い払う目的を果たせないのであれば、端のh5にナイトが跳ぶ手は良い手とは言えないでしょう。

13. Bc7! dxc4?


このポーン交換は白のセンターを強めるだけですが、すでに黒には多くの問題を解決する手段がありません。

14. bxc4 e5??


最初に抱えたc8のビショップ問題を解決するためには、c8-h3のダイアゴナルを強引に開くほかありませんが、展開の遅い黒が局面を開くことは、新たな問題を生み出すことになります。d1にルークをすでにまわしている白は、センターを喜んで開きます。

15. dxe5 Nxe5 16. Nxe5 Bxe5 17. Bxe5 Rxe5 18. Rd8+ Kg7 19. Ne4!+-

白はバックランクにルークを潜り込ませ、c8のビショップの動きを縛ったうえで、Nc3-Ne4-Nd6からビショップを取りにいきます。ここでもf6からh5に跳んだナイトが、e4のマスの利きを失っている問題を利用しています。

19... Re7 20. Nd6 Rxe2 21. Rxc8 Rxc8 22. Nxc8 Rxb2 23. Rxa7 1-0


c8のビショップを落として、あっさりと試合は終わりました。黒としては力を出し切れず悔いが残るゲームだと思いますが、自分で作り出した問題が新たな問題を招き、自身を苦しめる例として取り上げさせてもらいました。

2026/06/01

Chubu Rapid Open 2026

今年の中部快速オープン入賞たち

昨日は名古屋で開催された中部快速オープンに参加してきました。私は4連勝後からの最終戦ドロー、4/5/5での単独優勝でした。2010年から参加している中部快速オープンは、これで通算10回目の優勝です。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2282)
2nd Place Tanaka Satoshi (JPN, 2016)
3rd Place Shinoda Taro (JPN, 1966)
4th Place Higashishiba Teruomi (JPN, 1929)
Chubu Rapid Open 2026 Final Standings


トップボードの試合は中継されていたようですが、エラーなく最後まで棋譜を見ることができたのは最終戦くらいのようです。今夜は単独トップに立った4Rの試合をご紹介します。

Kojima, S (IM, JPN, 2282) - Shinoda, T (JPN, 1966)
Chubu Rapid Open 2026 (4)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 c5 4. e3!?

少し悩みましたが、この日はBenoni Defenceを避け、指しなれているSemi-TarraschやPanov Botvinnikを目指すことにします。

4... d5 5. cxd5 exd5 6. Bb5+ Bd7 7. Bxd7+ Qxd7!?


この変化では7... Nbxd7 から将来的にc5はナイトで取り返し、Nc5-Ne4 or Nc5-Ne6 のようなナイトのマヌーバリングを見せるのが一般的だと思います。

8. O-O Nc6 9. b3 Be7 10. dxc5 Bxc5 11. Bb2 O-O 12. Nc3

似た局面で、f6のナイトを取ってポーンストラクチャーを崩したこともありますが、ここはa1-h8ダイアゴナルを抑える強力なビショップを残すことにしました。ただ白マスビショップの交換が済んでいることを考えれば、ここはf6を取っても良かったでしょう。12. Bxf6 gxf6 13. Nc3 Rad8 14. Rc1 d4?! 15. Ne4 Be7 16. Nxd4 Nxd4 17. exd4 Qxd4 18. Qf3! 単純な手ですが、d5-d4を許しても、ピースを交換しすぎなければ白の優位が大きいことを見落としていました。

12... a6 13. Rc1 Ba7 14. Ne2 Ne4 15. Ned4 Rac8 16. Qe2 Nxd4 17. Nxd4 Bb8


ここはさらにd4での交換を進めても良かったでしょう。17... Bxd4 18. Bxd4 Rxc1 19. Rxc1 Rc8= d4のビショップは強そうに見えますが、ここまでピース交換を進めればg7だけ気を付けておけば黒は大丈夫です。どこかでf7-f6と突いて対応しても良いでしょう。

18. Rfd1 Rxc1 19. Rxc1 Qd6 20. g3 Qg6 21. Qf3!

ここはチャンスが来たと感じました。白マスビショップがいないため、白キングへの攻撃チャンスは限定されており、g3へのサクリファイスに気を配ればひとまずは大丈夫でそうです。f3にクイーンを置くと次のNd4-Nf5が嫌な狙いとなり、それを防ぐ本譜もf5のポーン自体と、a2-g8ダイアゴナルが弱点になります。

21... f5 22. Ne2


f4にナイトを切り替える構想はよくあるのでぱっと指してしまいましたが、直後にf8のルークに揺さぶりをかけるほうが良いことに気づきました。22. Ba3! Bd6 23. Bxd6 Qxd6 24. Kg2+/- 黒マスビショップも交換してしまえば、黒のアタックチャンスはほとんどなくなり、d5、f5のポーンの負担が大きくなります。

22... Qg4! 23. Nd4 Be5 24. Qd1 Qg6?!

24... Qxd1+ 25. Rxd1 Bxd4 26. Rxd4 Rc8 上記の変化にもありましたが、黒が思い切ってビショップを手放してしまい、ビショップvs.ナイトにする構想は私も過小評価していました。確かに白のマイナーピースがビショップになれば、d5、f5は直接狙われづらくなります。

25. Rc2! f4 26. exf4 Bxf4 27. Ne2?!


この手がビショップを当てつつ、クイーンの前を開いてd5を狙う絶好の手になっていると試合中は思いましたが、黒に生き延びるチャンスを与える緩手でした。代わりに27. Nf3! Rd8 28. Nh4 Qg5 29. Qd4 としてd5、g7へのプレッシャーをためるくらいで白は十分なアドバンテージです。

27... Bb8?

27... Nxf2! 28. Nxf4 Nxd1 29. Nxg6 hxg6 30. Bd4 Rf3!= クイーンを取り合う変化は読んでいましたが、Bb2-Bd4がd1ナイトを閉じ込める手になるかと思いきや、f3から横利きのサポートを得て、e3に脱出する手がありました。g7へのプレッシャーは気になりますが、この変化ならば黒は戦えそうです。

28. Qxd5+ Kh8 29. Qxb7 Ng5


ここではf2を取る手は本譜と同じナイトを挟む手でバックランクの反撃を止め、白勝ちです。29... Nxf2 30. Rc8 Qb1+ 31. Nc1+-

30. Rc8 Nf3+ 31. Kh1 Qb1+ 32. Nc1 Bd6 33. Qxg7# 1-0

最後はバックランクとg7での二つの狙いに対応できず、メイトになりました。綺麗なフィニッシュになったのは良かったですが、複数の見落としは反省です。

今年は名古屋オープンがオリンピアードとかぶっているため、これで名古屋の大会参加は終わりになると思います。今年も東海オープン、中部快速オープンのどちらも優勝することができ、嬉しく思います。いつも良い運営をして、また次も来たいと思わせてくれる名古屋チェスクラブのメンバーには感謝しています。
夜は名古屋コーチンのお店にしました。週末の夜はどこも混み合うので、お店選びが大変です。

2026/05/23

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第54回予告

2026年5月のチェス講座告知です。今月のYouTubeでの講座は今週末、5/24(日) 20時からスタートです。

今月のYouTubeの講座テーマは『ウズベキスタンのチェス』です。2022年にオリンピアードでウズベキスタンオープンチームが優勝、2026年にウズベキスタンのサマルカンドでオリンピアード開催。そして次の世界チャンピオン挑戦者には、ウズベキスタンのSindarovがつい先日決定と、ウズベキスタンは今最もチェス界で注目されている国です。今回は少し趣向を変え、ウズベキスタンという一国に着目して、これまでのマスターの活躍やゲームをご紹介していこうと思います。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第54回『ウズベキスタンのチェス』|2026.5.24

2026/05/07

Japan Chess Championship 2026 Day5

今年の全日本選手権の入賞者たち Photo by Hasegawa

例年通り1日遅れの更新ですが、昨日全日本選手権が全日程を終えました。私は最終戦、山田くんとの試合がドローになり、6.5/9 での3位でした。そして注目のトップボードですが、中原くんはTuさんを相手に白で大きな有利を築き、最後はドローで7.5/9 での単独優勝を決めました。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Nakahara, Kan (CM,JPN, 2244) 7.5/9
2nd Place Tran, Thanh Tu (IM, JPN, 2402) 7/9
3rd Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2307) 6.5/9
4th Place Otsuka, Shou (FM, JPN, 2322) 6.5/9
5th Place Yamada, Kohei (FM, JPN, 2182) 6.5/9
6th Place Dryglas, Maciej (JPN, 2082) 6.5/9
7th Place Kobayashi, Atsuhiko (CM, JPN, 2130) 6/9
8th Place Nanjo, Ryosuke (IM, JPN, 2301) 6/9
9th Place Matsuo, Tomohiko (CM, JPN, 2032) 6/9
10th Place Yonemitsu, Kohei (JPN, 2080) 6/9
Japan Chess Championship 2026 Final Standings


今年はなんといっても中原くんの強さが目立ちましたね。日本もIM 3人時代に入り、次に初優勝するとなれば大塚くんが最有力候補だと思っていましたが、さらに若い中原くんが7勝1敗1ドローでの見事な優勝でした。現役大学生の全日本選手権優勝は、2013年の池田くん以来、実に13年ぶりのことです。今回の戦績ではまだ2300には到達しなかった中原くんですが、それも時間の問題だと思います。2300台の層が増える日本で、代表争いや大会の優勝争いがさらに過熱していくのがとても楽しみです。

さて私の最終戦ですが、短手数ドローを避けて勝負をした結果、かなり白熱したものとなりました。こちらの棋譜解説を今年の全日本選手権記事の締めくくりとします。

Kojima, S (IM, JPN, 2307) - Yamada, K (FM, JPN, 2182)
Japan Chess Championship 2026 (9)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Nbd7 5. cxd5 exd5 6. Qc2 c6!?

6... Bb4 と指した前日の南條くんとは違い、手堅いチョイスです。通常のQGD Exchange に近いですが、少しひねります。

7. Bf4!? g6!?


このタイミングでのg7-g6は少し驚きましたが、将来的なBc8-Bf5、Nf6-Nh5-Ng7が狙いであることは分かります。

8. e3 Nh5 9. Bg5 Be7 10. Bh6 Ndf6 11. Bg5 Nd7 12. Bxe7 Qxe7 13. h3 Nb6 14. g4 Ng7 15. O-O-O h5?

簡単な3回同一をやめ、ビショップを交換して長い勝負をすることに決めます。このポーン突きはありそうな形ですが、15... Be6 からまずは展開を完了させるべきでした。しかし、早すぎるh7-h5のとがめかたが私も分かっていません。

16. Bd3! Be6 17. Kb1?!


これもcファイルからキングを避けてRd1-Rc1を可能にするポピュラーなアイディアですが、早いh7-h5のとがめになっていません。17. Ne5! Nd7 18. f4! Nxe5 19. dxe5+/- と進めば、e5のナイトを捌かれても、次にf4-f5-f6がスレットになるため、黒は対処に悩みます。いきなりポーンの形を決めたくなくて慎重に進めようと思ったのですが、g2-g4をやった以上はf2-f4も使って早めに動くべきでした。

17... O-O-O 18. Rhg1 hxg4 19. hxg4 Ne8 20. Na4 Nxa4 21. Qxa4 Kb8 22. Ne5 Rc8

22... Nf6 23. Rc1 Nd7! でe5のナイトを捌けば黒は問題ないというのがエンジンの評価です。本譜でも白はa7、c6にプレッシャーをかけて有利だと思ったいたのですが、互いに自分の形勢を過大評価、過小評価しており、実際には黒は守り切って互角のようです。

23. Rc1 Nd6 24. Rc3 Nc4!?


白の攻めを緩和するために1ポーンを捨てる判断ですが、後々のf2への反撃を考えると白もポーンを貰って勝てるのか自身が持てなくなりました。とは言え、e5のナイトをただ消されても仕方が無いので、貰えるポーンは貰います。

25. Nxc4 dxc4 26. Bxc4 Rh2?!

自然に見える反撃ですが、h2-b8のダイアゴナルが気になります。26... Qf6! が正しい手順でのf2への反撃でした。

27. Bxe6 Qxe6 28. d5! Qe5


28... Qf6 29. f4! (29. dxc6?! Qxf2 30. Qf4+ Qxf4 31. exf4 Rxc6 32. Rxc6 bxc6 33. Re1 Rh4= このエンドゲームはドローです。) 29... cxd5?? (29... Rd1) 30. Rxc8+ Kxc8 31. Rc1+ Kd8 32. Qb4!+- このアイディアは検討で見つけられず、黒はd5を取れると思っていました。

29. dxc6 Rxf2 30. Qb4! b6 31. Rgc1

2つ目のルークはcファイルか、dファイルか悩みました。結論としてはポーンを後ろから支えすぎるよりも、dファイルからの侵入を見せてc8ルークをディフェンスに忙しくさせるほうが良かったようです。 31. Rd1! Rf6 32. Qa4!+/-

31... Qd5 32. a4


キングの逃げ道を作りつつ、a4-a5を狙うアイディアは悪くありません。しかしここで決め手があり、32. Qe7! Rc7 33. Qe8+ Rc8 34. Qd7! Qe4+ 35. Ka1 Rc7 36. Qd8+ Rc8 37. c7+! Kb7 38. Rd3!!
Analysis Diagram

バックランクにクイーンを跳びこんでも、ルークを合わされるだけで効果が無いと決めつけてしまいました。c8ルークをクイーンで取るアイディアを見せれば、黒にディフェンスはありません。38... Qe6 39. Rd6 Qxg4 40. Rd7+-

32... f5 33. gxf5 Qxf5+ 34. Ka1?

34. e4! Qe5 35. a5! Qxa5 36. Qd6+ Rc7 37. Rh3+- a2-a4の際に頭にあった、a5までの押し込みを実行すべきでした。いろいろと勝負を決めるアイディアは欠片として思い描きながら、適切なタイミングで踏み込めなかったのは反省です。

34... Qe5 35. Qh4 Rf7 36. Rg1 Qe6 37. Qg3+ Ka8 38. c7 Qe4 39. b3 a5 40. Qxg6!?


バックランクでの反撃は対処でき、b6が当たるタイミングなら取れると思いましたが、勘違いがあります。

40... Rf1+ 41. Kb2 Rf2+ 42. Kc1 Qb4?

42... Rf1+ 43. Kb2 (43. Kd2?? Qd5+! 44. Rd3 Rf2+ 45. Ke1 Qf3 46. Qg4 Rf1+-+ 大逆転の黒勝ちです。) 43... Rf2+= これならばパペチュアルチェックで終わりです。白キングはルークに寄っていけると考えてしまいました。

43. Qd3?


ここは最後のはっきりした勝ちのチャンスでした。43. Qc6+ Ka7 44. Rg6!+- とすれば、b6が問題になります。時間が少ない中、白キングが本当に安全なのか確信が持てませんでした。

43... Ka7 44. Rc2 Rf7 45. Qc4


45. Kb2! Rcxc7 46. Rxc7+ Rxc7 47. Rc1+/= として、c7を諦めてもキングを安全にすべきです。

45... Qa3+ 46. Kb1 Re7 47. Re1 Qd6 48. Qc6 Qd3 49. Qc3 Qh7 50. Rec1 Rexc7 51. Qd2 Qe4 52. Kb2 Rxc2+ 1/2-1/2

リードしていた2つのポーンが落ち、ドローとなります。いくつもあったチャンスをつかめなかったのは残念ですが、この経験をまた次の試合に活かせればと思います。皆さん、9試合お疲れ様でした。運営スタッフの皆さん、スポンサーのアルゼンチン大使館にも、深く感謝いたします。今月末の次のFIDE戦、中部快速オープンでもよろしくお願いいたします。
実力はありながらなかなか大会での優勝スピーチに恵まれなかった中原くんですが、どのように大会に臨んだか等、ためになる話をしてくれました。最後にオチをつけて笑いを誘うのは関西出身ゆえなのでしょうか。
記事の中では触れてきませんでしたが、GWOの入賞者たちもおめでとうございます! 生徒たちが好成績で私も安心しました。
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