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2026/07/28

2nd Bangkok Summer International Chess Open Day1

バンコクでの大会初日は午前午後の2試合です。9時半から試合なので9時に会場へ、という前日の案内でしたが、ペアリング発表がなかなかされず、試合開始は10時まで遅れることとなりました。私はマレーシアのジュニアプレーヤーとの対戦です。

Kojima, S (IM, JPN, 2309) - Ainul Fikri, A h (MAS, 1881)
2nd Bangkok Summer International Chess Open (1)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 d5 5. Nf3 O-O 6. O-O c5 7. dxc5 dxc4 8. Na3 Qa5 9. Nxc4 Qxc5 10. b3

この手は最もポピュラーですが、10. Nce5!? のほうが良かったかもしれません。5段目を止めておき、白は次にBc1-Be3でピースの配置が良いでしょう。

10... Nc6 11. Bb2 Be6 12. Rc1 Rfd8 13. Qe1 Qh5 14. Nce5 Bd5 15. Nd3!?


15. Nxc6 Bxc6 とする展開ではチャンスが作れないだろうと考え、ナイトを退いてNd3-Nf4を狙います。

15... Bh6 16. Rd1 Be4 17. Qc3 Bg7 18. Nf4 Qb5 19. Qe3 Bc2!?

19... Bf5 20. Ne5! ならば、g2のビショップの利きを開いて良いかと思っていたので、このビショップの跳びこみは意外でした。先にルークを交換しますが、そうなるとa8のルークに移動されてg2ビショップのターゲットができず、黒からのNf6-Ng4も気になります。

20. Rxd8+ Rxd8 21. Ne5 Ng4!?


21... Nxe5 22. Qxe5 Qxe5 23. Bxe5 b6= でもほぼ互角だと思っていたので、このチョイスは驚きました。白にチャンスがきたと思い、実際にそうなったのですが...

22. Bxc6 Nxe3!

22... bxc6 23. Nxg4 Bxb2 24. Qxe7+- ならば、e8の浮いたルークとNg4-Nh6+により、黒は厳しい状況です。これを避けるためには、本譜の2ピースvs.ルークにするしかありません。

23. Bxb5 Nxf1 24. Kxf1 g5?


ルークが侵入し忘れるのは黒にとって痛手で、白は2つのナイトでルークに対して優位に試合を進めることができます。24... Rd1+! 25. Kg2 g5! 26. Nfd3 Rd2! 27. Bc3 Rxe2 28. Nb4 Bxe5 29. Bxe2 Be4+ 30. Bf3 Bxc3 31. Bxe4 Bxb4= ならば、白は2ピースを返さざるをえなくなり、完全にドローでした。

25. Nfd3! a6 26. Bc4 e6 27. a4?!

2ピースを確保でき、どうやって白が勝ちを目指すかという段階になって、少し弱気になってしまいました。クイーンサイドのポーンを捌くのは、ドローを目指す黒にとってありがたいと分かっていながら、27. b4! b5 28. Bb3 Bxb3 29. axb3+- という形が選べませんでした。

27... b5 28. axb5 axb5 29. Bxb5 Bxb3 30. Bc4


30. Nc6 Ra8 31. Bxg7 Kxg7 32. Nd4+- 確実にピースを交換しておくのであれば、黒マスビショップから捌くのがシンプルです。

30... Ba4 31. g4 Rb8 32. Kg2 Bc2 33. Ba3 Rc8 34. Bd6 Rd8 35. Bc5 Rc8 36. Bd6?!

36. Nd7!とナイトをもぐり込ませてビショップを守る形が良く、黒は連携した白のビショップ&ナイトに手出しができません。

36... Rd8 37. Be7? Rd4!


去年の全日本選手権での北神さんとの試合、今年の全日本選手権でのAlexとの試合でも、2ピースvs.ルークになり、相手のルークに余計な反撃を許してしまいました。このマテリアルが苦手であることは自覚しているので、少し練習が必要です。

38. Bc5 Bxd3 39. Bxd4 Bxc4 40. Nxc4 1/2-1/2

最後は2ピースを返さざるをえなくなり、ドローオファーをしました。続く2Rもマレーシアのジュニアにドローで、苦しい立ち上がりとなりました。明日はクラシカルが午前の1試合のみ、午後はブリッツなので、復活のきっかけを掴めればと思います。

2nd Bangkok Summer International Chess Open R3 Pairings
2nd Bangkok Summer International Chess Open R3 Live Games

私は再びマレーシアのジュニアとの対戦です。配信ボードに戻れるよう頑張ります。
近くに手頃なフードコートを見つけ、そちらで食べるようにしています。タイ料理は安くて美味しい!

2026/06/10

Don't create problems for yourself!


今日は「自分で問題を作らないで!」 というテーマで、棋譜解説を行おうと思います。先日名古屋で参加した、中部快速オープンの1局をご紹介します。

Kojima, S (IM, JPN, 2282) - Araki, D (JPN, 1786)
Chubu Rapid Open 2026 (2)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. g3 d5 4. Bg2 c6 5. Nf3 Bg7 6. O-O O-O 7. Nc3!?

c6-d5型のGrunfeldに対しては、これまで7.Qb3と指すことが多かったのですが、初めてこちらの手を試してみることにします。白のアイディアはc4をギャンビットして、センターにポーンの厚みを得ることです。

7... e6?!


時折、キングサイドフィアンケットとe7-e6の組み合わせを見ますが、多くの場合はsolid but passiveと評されます。d5を守るという目的には沿いますが、c8のビショップの働きを制限してしまうという問題が発生します。先述の通り7... dxc4 8. e4 b5 9. Qe2 と進めるのが自然だと思います。また白がポーンを捨てるというリスクを取ったのであれば、黒がそれに乗らないことは、白の7. Nc3!? がリスクなくできてしまったことを意味します。白がポーンを捨てて難しい局面にするリスクを取ったのであれば、黒もそれに乗るリスクを取らなければいけません。

8. Qb3 Nbd7 9. Rd1 Qb6 10. Bf4 Qxb3?!

このクイーン交換も黒から仕掛ける必要があるのか疑問です。白はc4をポーンで守ることができ、開いたaファイルからルークでa7を狙うことができます。この後で黒がa7-a6とポーンをかわしても、b6のマスという余計な黒マスの弱点を作ることになるため、Nc3-Na4-Nb6のような手を警戒しなければいけなくなります。c8のビショップの問題解決が見えない段階で、a1とa8のルークのアクティビティに差を作ってしまうことも、黒から余計な問題を増やしていると考えられるでしょう。

11. axb3 Re8 12. h3!?


最近、ロシアのGM Dreevの試合解説を見ていて、Lavirovanie という知らないチェス用語が出てきました。古いソビエトチェススクールでは戦略的に重要とされる考えで、「自身の局面を強められずとも、弱くすることなく待ち、相手の様子を窺う手」 とでも説明しましょうか。確かに強いGMの試合ほどこうした手が出てきます。私の指した12.h3がそれにあたるかの判定は難しいですが、様子を見てg3-g4と突き、h2-b8ダイアゴナルでビショップをキープできるようにと考えました。クイーンが消えた状態であれば、キング前のポーンを進めることのリスクはそれほどないはずです。

11...Nh5?!

f4のビショップを追い払うために、Catalanなどではよく見る手ですが、ここではc7やd6にビショップの潜り込むマスがある(不要なクイーン交換やe7-e6により)ため、白の黒マスビショップは困っていません。すると直前のh2-h3が必要だったのかという疑問もありますが、白陣が弱くなっていないのであれば、Lavirovanie の考えには沿っています。ビショップをh2-b8ダイアゴナルから追い払う目的を果たせないのであれば、端のh5にナイトが跳ぶ手は良い手とは言えないでしょう。

13. Bc7! dxc4?


このポーン交換は白のセンターを強めるだけですが、すでに黒には多くの問題を解決する手段がありません。

14. bxc4 e5??


最初に抱えたc8のビショップ問題を解決するためには、c8-h3のダイアゴナルを強引に開くほかありませんが、展開の遅い黒が局面を開くことは、新たな問題を生み出すことになります。d1にルークをすでにまわしている白は、センターを喜んで開きます。

15. dxe5 Nxe5 16. Nxe5 Bxe5 17. Bxe5 Rxe5 18. Rd8+ Kg7 19. Ne4!+-

白はバックランクにルークを潜り込ませ、c8のビショップの動きを縛ったうえで、Nc3-Ne4-Nd6からビショップを取りにいきます。ここでもf6からh5に跳んだナイトが、e4のマスの利きを失っている問題を利用しています。

19... Re7 20. Nd6 Rxe2 21. Rxc8 Rxc8 22. Nxc8 Rxb2 23. Rxa7 1-0


c8のビショップを落として、あっさりと試合は終わりました。黒としては力を出し切れず悔いが残るゲームだと思いますが、自分で作り出した問題が新たな問題を招き、自身を苦しめる例として取り上げさせてもらいました。

2025/07/18

Japan Chess Classic 2025 Day1

今日から4日間、北海道の札幌で開催されるジャパンチェスクラシックに参加しています。今回は一昨年の神戸のジャパンチェスクラシック、去年の名古屋のジャパンオープンに続き、3回目の地方でのビッグトーナメントとなります。112名のプレーヤーが集まる中、私は初戦Hehirさん、2RはYuくんに勝って連勝です。今夜は午後のゲームをご紹介します。

Kojima, S (IM, JPN, 2307) - Yu, Z (CHN, 1803)
Japan Chess Classic 2025 (2)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. Nf3 d5 6. O-O c6 7. Qb3 dxc4 8. Qxc4 Nbd7 9. Nc3 Nb6 10. Qd3 Be6 11. Rd1!

序盤はc6-d5型のGrunfeldでした。黒からc4を取ってきた変化ではBe6-Bc4のスレットを外した後に、e2-e4から厚いセンターを主張しにいきます。

11... Qc8 12. e4 Rd8 13. Qc2 Bg4 14. Bf4 Nh5 15. Bg5 Nf6 16. a4!


黒からa7-a5と突くとb6のナイトが浮くため、黒はa2-a4-a5の狙いに対応しづらいと考えました。ナイトをb6から追い出してNb6-Nc4を消しておけば、e3がビショップの安定した位置となります。

16... h6 17. Bc1 Nh7 18. a5 Nc4 19. Ne2!

g4-d1のダイアゴナルをどうするか悩みましたが、e2に退いたナイトがピンを外しつつ、d4を上手く守っていることに気づきました。d5,e4の利きが外れることは問題ではありません。

19... Nd6 20. Ne5! Bh3 21. Bxh3 Qxh3 22. Nf4 Qc8 23. a6 bxa6 24. Nxc6


白はポーンの形を乱しつつ、ポーンを取り返して好位置にナイトを運びました。e7へのプレッシャーは単純ですが、黒がずっと気にし続けなければいけないものです。

24... Rd7 25. Be3 Ng5 26. e5 Nb5 27. e6 Nxe6 28. Nxe6 fxe6 29. Qxg6+-

e7への攻撃だけでなく、黒キング前を崩壊させて決定的なアドバンテージを得ました。後は黒キングにさらにプレッシャーをかけつつ、ポーンを回収していきます。

29... Nd6 30. Bxh6 Nf5 31. Qxe6+ Kh8 32. Qxf5 Bxh6 33. Ne5 Rc7 34. Qh5 Qe6 35. d5 Qf6 36. Ng4


少し悩みましたが、単純なナイトフォークでさらなる駒得を決めます。

36... Qxb2 37. Rxa6 Rac8 38. Qxh6+ Kg8 39. Rg6+ Kf7 40. Qh7+ Ke8 41. Qg8+ Kd7 42. Qe6+ Kd8 43. Rg8# 1-0

最後は黒キングをメイトに追い込みました。初戦に続き内容は良かったので、2日目もこの調子で頑張ります。初日の連勝者は19人で、2日目にはさらに半数以下になります。

Japan Chess Classic 2025 R3 Pairings

今夜はカツにデミグラスソースをかけた根室名物、エスカロップをいただきました。

2025/05/04

Japan Chess Championship 2025 Day3

全日本チェス選手権3日目となる今日は、午前中の試合前に年間表彰が行われました。日本のプレーヤーで最も活躍した者に贈られるベストプレーヤー賞は、ブダペストオリンピアードの1Bで獅子奮迅の活躍を見せたTuさんが受賞しました。日本籍のプレーヤーとして18年ぶりのGMノーム、そしてIMタイトル確定ということで、文句なしの戦績だったでしょう。その他の最多対局賞、ベストアービタ―賞を受賞された横田さん、阿部くんもおめでとうございます!

今日は午前中の試合が初対戦となる森谷くんで、序盤でちょっとした勘違いでポーンダウンになったゲームを、なんとか粘ってドローに持ち込みました。続く6Rは昨年も対戦した長瀧くんです。同じ白番で少し違うGrunfeldの変化になりました。

Kojima, S (IM, JPN, 2315) - Nagataki, K (JPN, 2042)
Japan Chess Championship 2025 (6)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 c6 6. O-O d5 7. Qb3 Qb6 8. Nc3 Rd8 9. Na4

オンラインでは経験がありますが、クラシカル公式戦では初めて試す変化です。クイーンを交換し、c5へのナイトの侵入を目指します。

9... Qxb3 10. axb3 Na6 11. Bf4 Be6 12. Rfc1 Ne8 13. h3!?


オンラインでのゲームは単にeポーンを突いてd4を守りましたが、その後、f4のビショップの行き場に困りました。試合後、長瀧くんからは13. e3 f6 14. h4 h6 15. cxd5 Bxd5 (15... cxd5 16. Bf1) 16. g4 Bxb3 17. Bf1はポーンの代償があることを教えてもらいました。本譜のd4を捨ててダブルビショップを得る展開も実戦があるようです。

13... dxc4 14. bxc4 Bxd4 15. Nxd4 Rxd4 16. b3 Rdd8 17. Be3 Ng7 18. Nc5

ここは18. g4!?としてf5のマスを抑えるか、本譜のポーンをすぐ取り返すかどちらか迷いました。ポーンを取り返すのは安全策ではありますが、黒のa6のナイトとa8のルークを捌かせる手助けをしているとも見ることができます。

18... Nxc5 19. Bxc5 Rd2 20. e3


20. Bxe7 Rxe2 21. Bf6でも黒マスのコントロールで、ポーンの代償が十分あるというコンピュータの形勢評価は、試合中正確にできませんでした。

20... Nf5 21. Bxa7 Nd6 22. Bd4 Raa2 23. Rxa2 Rxa2 24. Rd1 Bf5?

しかし自然に見えたこの手があまり良くありませんでした。24... Ra3 25. Ra1 Rxa1+ 26. Bxa1= ならばドロー模様ですが、白はルークを残し、ダブルビショップを活かす展開が見えてこないので仕方がありません。

25. c5?


25. e4! Be6 (25... Bxe4 26. c5! Bc2 27. cxd6 Bxd1 28. d7 Ra8 29. Bb6 Bxb3 30. d8=Q+ Rxd8 31. Bxd8 Kf8 32. f4+- この変化は難しいですが、3ポーンよりも白のビショップが勝りそうです。25... Nxe4 26. g4!+- こちらはピースの代償がはっきりありません。) 26. e5 Nc8 27. g4+/= こうしてe5までポーンをすぐ押し込めるのであれば、これを選ぶべきでした。

25... Nb5 26. b4 f6 27. e4?!

a1でルークをぶつけるのが安全策だと分かりながら、勝負にいくことにしました。しかし感覚通り、白マスビショップの利きを遮るこのポーンはいまいちです。27. g4 Be6 28. Ra1=

27... Nxd4?!


27... Be6 28. Be3 Ra8=/+ これは試合中考えていましたが、白のダブルビショップはともに味方のポーンに止められていて、黒のほうが少し有利であるというコンピュータの評価です。ただしルークを退かせたので、実戦的にはまだまだ分からないと思います。

28. Rxd4


どちらを取るかとても悩みましたが、ビショップvs.ナイトにしても形勢は互角です。28. exf5 Ne2+ 29. Kh2 Nc3 30. Rd7 Rxf2 31. Rxb7=

28... Ra1+ 29. Kh2 Be6 30. Rd8+ Kf7 31. Rb8 Ra2!

b7のポーンをターゲットにできれば有利だと信じていましたが、f2への反撃を軽視していました。b7とf2の取り合いでは白にアドバンテージはなく、ドローを受け入れることにします。

32. Kg1 Ra1+ 33. Kh2 Ra2 34. Kg1 Ra1+ 35. Kh2 1/2-1/2


今日は2ドローでやはりぴりっとしませんが、最後まで粘り強く指し続けたいと思います。今年の全日本選手権も、残り3試合です。

Japan Chess Championship 2025 R7 Pairings

長期間に渡るチェス界の功績を称える日本チェス殿堂には、ピノーさんが選ばれました。羽生さんからのお祝いのメッセージとともに、本人からのスピーチがありました。

2024/10/19

2nd Matsumoto Open Day1

この週末、松本では4か月ぶりに松本オープンが開催されています。私はこの大会に参加するため、少し早めに木曜日から松本を訪れています。紅葉のシーズンに入りつつある10月後半は宿泊先が埋まりやすく、参加を断念したプレーヤーもいたとのことですが、それでも12名のプレーヤーが集まり、この土日の試合に臨んでいます。

私は前大会と同様に初戦は森安くんに黒で勝ち。続く2Rでは神田さんに白を引きました。今夜はこちらのゲームをご紹介します。

Kojima, S - Kanda, D
2nd Matsumoto Open (2)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 d5 5. cxd5 Nxd5 6. Bg2 O-O 7. O-O c5 8. e4 Nb6?!

Grunfeldのこちらの変化では8... Nf6 9. e5 Nd5 10. dxc5 Na6のように指し、d5にナイトを戻した後にもう1つのナイトでc5を取り返しにいくのがポピュラーです。本譜はc5を取り返すのにナイトで手数をかけすぎており、クイーンサイドの展開の遅れが気になります。

9. dxc5 N6d7 10. Nc3 Bxc3?!


アウトポストになるc5のナイトに期待しますが、黒マスビショップを手放すリスクのほうが大きいでしょう。10... Nxc5 11. Be3で白が有利だと思いますが、ピースの展開の早さをしっかり活かすプランを考えなければいけません。

11. bxc3 Nxc5 12. Bh6 Qxd1 13. Rfxd1 Re8 14. Nd4 Bd7 15. Rab1 Nba6 16. e5 Rab8 17. e6!?

すぐにポーン交換せずにゆっくり進めても良かったのですが、ポーンを取り合い早めにg2の白マスビショップが活きやすい展開を目指します。

17... Bxe6?!


白マスビショップを手放し、白にダブルビショップを与える理由がありません。17... Nxe6 18. Rxb7 Rxb7 19. Bxb7 Nac5 20. Bf3+/=で白が指しやすいと考えていましたが、もちろん勝負はまだこれからです。

18. Nxe6 Nxe6 19. Bxb7 Nac5 20. Bd5 Rb6 21. Be3 Reb8 22. Rxb6 axb6 23. Rb1 Na4 24. Rb3 Nec5 25. Ra3 b5 26. Bc6 b4? 27. cxb4

本譜のように単にポーンを捌いてもダブルビショップの強さが光りますが、2ピースを取っても良かったです。27. Rxa4! Nxa4 28. Bxa4 bxc3 29. Bb3 Rc8 30. Bc2 Rb8 31. Bc1!+- このb2を受ける手を見落としました。

27... Rxb4 28. Kg2 Rc4?! 29. Bh6!


再びh6にビショップを戻す手が強く、黒はキングを使うことができません。1手早くKg8-Kg7と上がっておくべきでした。

29... e6 30. Be8 e5 31. h4 e4 32. Kf1

白はゆっくりやっても勝てそうですが、このタイミングと1手前にRa3-Rb3!がありました。黒がナイトでルークを取ると、ポーンで取り返してフォークとなります。

32... Rb4 33. Bc6 Rd4 34. Be3 Rc4 35. Bd5 Rb4 36. Bh6 Rd4 37. Bc6 Rc4 38. Kg2 Rb4 39. g4!


キングとビショップが右往左往しましたが、ようやく勝つための明確なアイディアを見つけました。h5までポーンを進め、Ra3-Rh3のように活用すれば、a3のルークが働けるようになって白勝勢です。

39... f6 40. Bd5+ Kh8 41. h5 e3 42. Rxe3 1-0

バックランクメイトがあるため、g4を取ることはできず、e4-e3は不発に終わります。初日連勝は私だけですが、油断せず2日目もしっかり指し続けたいですね。2日目もよろしくお願いいたします。

2nd Matsumoto Open R3 Pairings

試合前日の金曜日は上高地に連れていっていただきました。休憩も入れてゆっくり6時間近く、素晴らしい山と水辺の景観を楽しませていただきました。新宿から直通バスも出ていますので、紅葉が終わらぬうちにぜひいらしてください。

2024/09/15

Budapest Chess Olympiad R4 Hungary B - Japan

元ハンガリー代表のGM Balogh CsabaはChess Evolutionのブースにいます。

ブダペストオリンピアード4日目、オープンチームは主催国、ハンガリーのBチームと対戦です。これまで私が参加してきたオリンピアードでは、2008年のドレスデンでドイツCチーム、2016年のバクーでアゼルバイジャンCチームと主催国チームと当たり、いずれも4-0で敗れています。主催国代表は気合の入り方も違いますので、私たちも全員GMのハンガリーBチームに全力でぶつかります。

Kojima, S (IM, JPN, 2299) - Antal, G (GM, HUN, 2554)
Budapest Chess Olympiad (4)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 c6 5. Bg2 d5 6. cxd5 cxd5 7. Nc3 O-O 8. Ne5 Nc6 9. O-O Bf5!?

Grunfeldは予想通りでしたが、ここは9... e6を準備していました。とは言え、違う手順でBc8-Bf5も調べていたので、それに沿って指すようにします。

10. Nxc6 bxc6 11. Bf4 Nh5!?


11... Nd7 12. Na4のような進行を予想していたので、このナイト端跳びは意外でした。f7-f5がないため、e3にビショップを退きます。

12. Be3 c5 13. Bxd5!?

ここは様々な手があるようですが、13. Nxd5 e6 14. Nf4 Nxf4 15. Bxf4 cxd4 16. Bxa8 Qxa8という進行は黒に十分なエクスチェンジの代償があると考えて避けました。13. h3のような手でまずはg3-g4を見せるのもあったようです。

13... cxd4 14. Bxd4 Bxd4 15. Qxd4 e6 16. g4


ピースの取り合いになり、かなりさっぱりした局面まで進みます。キング前のポーンが無くなってもさほど問題無いとこの時点では考えていました。

16... Bxg4 17. Qxg4 Nf6 18. Qd4 Nxd5 19. Nxd5 exd5 20. Rfd1?!

ここでどちらのルークを使うか悩みました。a1のルークはc1に回して黒のルークに対抗するか、あわよくばRa1-Rc1-Rc5のようなことを考えていたのですが、ここはf2の守りのためにf1のルークはこの位置に残すほうが良かったです。20. Rad1 Qg5+ 21. Kh1 Rfe8 22. Qxd5 Qxd5+ 23. Rxd5 Rxe2 24. Rb5= と進めばエンドゲームはドローです。

20... Qg5+ 21. Kf1 Qh5 22. Qxd5 Qxh2 23. e3 Rae8!


この手は読んでおらず、指されてみるとRe8-Re5からキングサイドを攻める絶妙なアイディアであると分かります。

24. Ke2?

h1にクイーンやルークをまわして黒の攻撃力を下げようとした判断が間違いで、キングはf1に留まるべきでした。代わりに24. Qf3 Re5 25. Rd5として粘るべきです。

24... Re5 25. Qh1 Qf4 26. Rac1 Qa4


この手は考えていたつもりでしたが、b5の位置でのチェックからb2取りもあることに指されてから気づき、自分の失敗を悟りました。ポーンが落ちてからはこちらから攻めるポイントがなく、じりじりと差を広げられるのみです。

27. Rd2 Qxa2 28. Qb7 Qe6 29. Rc7 a5 30. Rdd7 Rf5 31. Re7 Qf6 32. f3 Rh5 33. b3 Qb2+ 34. Kd3 Qb1+ 35. Kc3 Qc1+ 36. Kd3 Qd1+ 37. Kc3 Rh2 38. Rxf7 Rc2# 0-1

最後はどうしようもなくメイトになりました。1Bはかなり互角に近い形勢でしたが、時間の無い中ビショップサクリファイスをしかけたTuさんが、その勢いのままGM Kozak Adamのキングを仕留め、チームで唯一のポイントをあげました! このオリンピアードで初めての格上、そしてGMからの勝利です。チームは3-1で敗れたものの、この金星はチームにとって大きいものです。

Open R4 Hungary B - Japan 3-1
Women R4 Japan - Aruba 4-0


女子チームは西インド諸島のアルバをストレートで下し、オープン、女子ともに2勝2敗で4つのマッチを終えています。休憩日に入る前の前半残り2戦、しっかりポイントを取って後半を迎えたいですね。本日のR5はオープンがグアテマラ、女子がベネズエラとともにアメリカ大陸の国との対戦です。
この日はたまたまブダペストを観光中だった知り合いが、会場まで差し入れを届けてくれました。Gerbeaudは150年以上続くブダペストの老舗カフェで、持ち帰りのチョコレートが人気です。私も昨年、初めて足を運びました。

2024/05/04

Japan Chess Championship 2024 Day3 Tournament Report

全日本選手権は折り返しの3日目を迎えました。4連勝のTuさんとの差を詰めたい私は、午前中の試合で麻布の後輩、長瀧くんとの対戦です。昨年の全日本選手権では黒で勝っていますが、別の大会では2敗しており、海外大会の経験も積んできて油断のできない相手です。Grunfeldは予想通りでしたが、早い段階で知らない変化に突入しました。

Kojima, S (IM, JPN, 2299) - Nagataki, K (JPN, 2024)
Japan Chess Championship 2024 (5)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d5 6. cxd5 Nxd5 7. O-O Nc6 8. Nc3 e5!?

8... Nb6を中心に多くの変化をチェックしてきたつもりでしたが、これは記憶にありませんでした。いきなりピース交換が進みそうですが、その中で白が良くなりそうな変化を探します。

9. Nxe5 Nxc3 10. Nxc6 Nxd1 11. Nxd8 Nxf2


f2を取る変化はナイトの行き場が難しく、おかしな手ではないかと読んでいましたが、進めてみると難しかったです。11... Rxd8 12. Rxd1 Rxd4とポーンを取り返す手順もありえるでしょう。

12. Nxb7 Nh3+ 13. Kh1 Bxd4 14. Na5 Bg4

次のNa5-Nc6を食らわないためには、a8のルークを諦めざるをえませんが、これで黒は十分に戦えます。白マスビショップが抜けた後、白はキング周りの弱さを気を付けなければいけません。

15. Bxa8 Rxa8 16. Nb3!?


これは長瀧くんにとって意外だったようですが、私はeポーンを無理に守るよりも返してしまい、ナイトは早くゲームに戻すほうが良いと考えました。

16... Bxe2 17. Nxd4 Bxf1 18. Bh6 Nf2+ 19. Kg1 Ng4

しかし、私もこのナイトの動きがぴったりビショップに当たるため、f1のビショップを無視できることを見落としていました。黒がビショップを逃がすことを優先し、h6にビショップが残るようであれば、バックランクの弱さとナイトの逃げ場のなさでポーンが無くとも有利に戦えると考えていました。

20. Bf4 c5?!


ここでビショップを逃がさないのは小さなミスで、単にc7を返して良かったと思います。私はRa1-Rc1から様子を見てポーンを取り返し、クイーンサイドのポーンマジョリティに期待するつもりでしたが、それで勝ちに繋げられるようなアドバンテージがあるかは疑問です。

21. Rxf1 cxd4 22. Rd1 Rd8 23. h3 Nf6 24. Be5 Ne4 25. Rxd4 Rxd4 26. Bxd4 Nxg3?

d4でポーンを取り返し、ルークも交換してビショップvs.ナイトのエンドゲームになったところで、黒から再び大きなミスが出ました。ここでg3とa7の取り合いにすると、白がクイーンサイドに2コネクテッドパスポーンを持つ、とても勝ちやすいエンドゲームに入ります。ここは26... a6とポーンをかわすべきだと思いますが、それでもクイーンサイドにポーンマジョリティを持ち、キングサイド、クイーンサイド両方に広く利くビショップを持つ白が指しやすいでしょう。

27. Bxa7 Kf8 28. a4 Ke8 29. Kf2 Nf5 30. b4 Kd7 31. b5


ビショップを持つエンドゲームでは、ポーンはビショップの色を逆に置き、白マス黒マス両方を抑えるのが基本です。

31... Kc7 32. Bc5 Nd6 33. Ke3 Nb7 34. Bd4 Nd6 35. Be5! Kd7 36. Bxd6!

このポーンエンディングが1手差で白勝ちだと分かると、このエンドゲームはとても楽に指せるでしょう。

36... Kxd6 37. Kd4 f5 38. a5 f4 39. a6 Kc7


39... f3 40. Ke3ならばポーンを取って勝ちです。

40. Kc5 f3 41. b6+ Kd7

41... Kb8 42. Kc6 f2 43. a7+ Ka8 44. Kc7 f1=Q 45. b7+ Kxa7 46. b8=Q+ Ka6 47. Qb6# があり、黒に先にプロモーションを許しても白が勝つ教科書的なエンドゲームです。

42. a7 f2 43. a8=Q f1=Q


互いにクイーンを作り合いましたが、白の残ったパスポーンとキングの位置が良すぎるため、これは問題なく白勝ちです。

44. Qd5+ Ke7 45. Qe5+ Kd7 46. Qd6+ Ke8 47. b7 Qf2+ 48. Kc6 Qc2+ 49. Qc5 Qe4+ 50. Kb6 Qe6+ 51. Qc6+ 1-0

何度も辛酸をなめたクイーンエンディングでしたが、今回はスタートの局面が良かったため特に事件も起こらず助かりました。クイーンのチェックするマス、正しいキングの逃げかた等、大会後に確認しておこうと思います。

Japan Chess Championship 2024 R7 Pairings


続く午後のラウンドは初戦以来の中継ボードに戻りました。松尾さんを破って上がってきた前嶋くんをここは退け、5連勝でトップグループに追いついています。この日はTuさんが2ドローで連勝が止まったため、5/6が7人並ぶという大混戦です。明日誰かが抜け出すか、目の離せない4日目をこれから迎えます。
中継ボードに戻れたため、スポンサーから配布されている水をようやく受け取れました。明日は1Bで頑張ります!

2024/03/05

Tokyo Chess Championship 2024 Day2 Tournament Report

週末の東京チェス選手権は日曜日に無事に閉幕しました。最終戦でTuさんを下し、逆転で単独トップにたった弘平くんが優勝です。今年は2000未満のプレーヤーが上位勢を削る試合が多く、入賞争いは大混戦でしたね。入賞した皆さん、おめでとうございます!

1st Place Yamada, Kohei (FM, JPN, 2294) 5.5/6
2nd Place Tran Thanh Tu (CM, JPN, 2575) 5/6
3rd Place Aoshima Mirai (FM, JPN, 2471) 5/6
4th Place Furuya Masahiro (JPN, 2004) 5/6
5th Place Togawa Kentaro (JPN, 1455) 5/6

Tokyo Chess Championship 2024 Final Standings


私は全体の調子自体は悪くなかったものの、最終戦で負けて去年同様に4P止まりです。最終戦のBhatiaさんとの試合をご紹介します。

Kojima, S - Bhatia, P
Tokyo Chess Championship 2024 (6)

1. Nf3 Nf6 2. g3 g6 3. Bg2 c5 4. O-O Bg7 5. d4 d5 6. c3

この大会では白番で1回、黒番で1回Grunfeldになり、この最終戦は白番でReversed Grunfeldになりました。4Rの東野さんとの試合では相手のcポーンを取った後でセンターを抑えられ、予想より良い展開にならなかったので、この試合では少しcポーンを取るのを慎重にします。

6... Nc6 7. dxc5!


しかし、ナイトがc6に出たのを見て取ります。Nb8-Na6-Nxc5や、Qd8-Qc7-Qxc5のアイディアが無くなると、黒はポーンを取り返すのが少し大変です。

7... a5 8. a4 O-O 9. Na3 Ne4 10. Be3

ここは4R同様のポーンの守り方をしたのですが、より良い手がありました。10. Ng5! Nf6 (10... Nxc5 11. Bxd5 e6 12. Bg2 Qxd1 13. Rxd1 Nxa4 14. Nc4! (ゲーム中、d5のポーンが消えたことでこの手が可能であることを見落とし、検討戦で指摘されて驚きました。) 14... Nc5 15. Nb6 Ra6 16. Be3 Nb3 17. Ra3 a4 18. Nxa4+-) 11. e4! d4 12. e5 Nxe5 13. cxd4 Nc6 14. Be3+/- g5にナイトを跳ぶアイディアは知っていたのですが、a4が弱点となるので本譜ではあまり働かないと勘違いしてしまいました。

10... e5 11. Nb5 Be6 12. Qc1!?


12. Nd2 Nf6 13. Bg5 h6 14. Bxf6 Bxf6 15. c4 d4 16. Ne4+/- こちらも1つの流れで、ポーンアップをキープしたままナイトをアクティブに使って白優勢です。

12... Qe7 13. Ng5! Nxg5 14. Bxg5 Qxc5 15. Nc7 Rac8 16. Nxe6 fxe6 17. h4?!

ポーンを返しても相手のポーンストラクチャーを崩し、ダブルビショップを持てば有利だと考え、16手目まで上手く進めてきました。ところがこの手が緩手で、黒に十分なプレーを許してしまいます。ここは17. e4! d4 18. Bh3 Rfe8 19. Ra3+/- が良いアイディアでした。e4に先にポーンを刺してしまえば、黒のe5-e4からナイト、黒マスビショップをアクティブにするアイディアを防ぐことができ、はっきりと白が有利でした。通常、g2のフィアンケットビショップの前にポーンを差し出す手は、ビショップの利きを止めてしまって良くないのですが、どうせBg2-Bh3からダイアゴナルを切り替えるつもりだったので、e4にポーンが残ることを気にする必要はありませんでした。

17... e4! 18. Qd1 Ne5 19. Bh3 Rce8 20. Qb3 Qc7 21. Qb5 h6?!


これはビショップをf4に切り替えるチャンスを与えるだけに思えます。21... Nc4 22. Bf4を想定していました。

22. Bf4 Qe7 23. Rad1 Rxf4!?

e8のルークをクイーンで当て、十分に警戒しているつもりだったエクスチェンジサクリファイスを実行してきました。白キングを多少危なくするため、実戦的な判断だと思います。

24. gxf4 Nc6?!


ルークをカバーし、クイーンがh4を取りにいく準備にはなりますが、b7が落ちた際にナイトもターゲットになるのが難点です。ルークはクイーンに当てられたままでも、24... Nc4! 25. e3 Nd6 26. Qe2 Qxh4 27. Kg2 で白が良さそうですがまだまだ分からない局面でした。

25. e3 Qxh4 26. Kg2?

ビショップはe6に当てたままにしておき、Rf1-Rh1のチャンスを作るのが良いと考えたのですが、ビショップの退き場所がなくなるのが予想よりも痛手でした。26. Bg2! Re7 27. f3! exf3 28. Rxf3+- くらいで白は満足でした。hファイルにルークをまわすアイディアは考えていても、fファイルから出てくる手は全く考えていなかったので、今振り返るとかなり視野が狭くなっていたことが分かります。

26... g5! 27. Qe2 h5 28. fxg5?!


ここはg5-g4を受ける手がこれしかないと思い、黒からのパペチュアルチェックを覚悟しました。しかし白から勝負にいく手として、28. Bxe6+! Rxe6 29. Rh1 Qg4+ 30. Qxg4 hxg4 31. Rxd5 gxf4 32. exf4+/- とする手があったようです。ビショップを思い切って捨てる手はどこかであると思いましたが、2ピースvs.ルークの局面が評価できず、なかなか思い切れませんでした。

28... Qxg5+ 29. Kh1 Qh4 30. Kg2 Ne5!?

まさかQg5-Qh4からのパペチュアルチェックを蹴り、勝負にくるとは思いもしませんでした。Nc6-Ne5-Nf3のアイディアは少し考えていましたが、キングが逃げ出す時間が生まれるので、きちんと指せれば白にチャンスがあると感じます。

31. Rh1 Qg5+ 32. Kf1 Nf3?!


ナイトが白キングに急接近して危ないようにも見えますが、f3に入る駒はクイーンかナイトか、保留しておくほうが白も判断が難しかったと思います。32... Re7 33. Qb5 Qf6! だとe6を守りつつ、Qf6-Qf3を見せて形勢不明です。

33. Qb5! Re7 34. Qxa5?!

a5のポーンにさほど価値は無いと思いながらも、とりあえずいただけるものはいただき、Qa5-Qd8+をメインの狙いにしようと思いました。しかしここで代わりに34. c4!が5段目の横利きを利用した厳しい1手で、黒のセンターポーンを崩し、dファイルも突破して一気に白勝勢となります。

34... Qe5 35. Qd8+ Kf7 36. Qc8 Bh6 37. Bg2


f3に刺さるポーンも嫌ですが、ナイトをいつでも消せるように準備しておきます。hファイルも開いたことでh5のポーンもターゲットになります。

37... Qf5 38. Qh8 Qg6 39. Ke2??

残り数秒で指した手が、なかなか出ないレベルのひどいブランダーでした。クイーンは攻め入るだけ攻め入って、帰れなくなることを全く想定していません。しかし代わりにどうすれば良いかは少し難しいです。f3のナイトを消しておくのは考えましたが、f3に残るポーンは厄介で、Qg6-Qg2とQg6-Qc2の狙いが同時に生まれます。正解は39. Rh3! Ng5 (39... Re8 40. Bxf3! Rxh8 41. Bxh5+-) 40. Rh2 としてナイトを追い返してしまうことでした。

39... Re8!


クイーンがトラップされ、ゲームは終わりました。がっくり。

40. Qxe8+ Kxe8 41. Bh3 h4 42. a5 Qh5 0-1

クイーンを落とすブランダーだけでなく、再三あった細かなチャンスを逃した甘さは反省します。またそれだけでなく、エクスチェンジを捨てる、明らかなパペチュアルチェック蹴って勝負するといった相手の姿勢も見習いたいですね。最近、安全に指そうとする傾向が強すぎて良くないように感じます。全日本に向けて、もう少し自分のチェスを見直そうと思います。

最後になりますが、今年最初のビッグトーナメントの運営、お疲れ様でした。これからの時期、各地の地方予選の様子を見るのも楽しみにしながら全日本選手権を迎えようと思います。また次の大会でもよろしくお願いいたします。
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