サマーオープンの初戦で負けてしまった私は、2日目で巻き返しを図ります。この日の3試合はタフなエンドゲームが続きました。どれも勉強になりましたが、4R の東野さんとのゲームをご紹介します。
45. Kf2 Rc3 46. Re2
ここは白の作戦が分かれるところですが、東野さんはルークでポーンを取りあうのではなく、ルーク交換からのディフェンスを選びました。どちらでも白には十分なドローチャンスがあり。どちらが白にとって分かりやすいかは、判断の分かれるところです。46. Rd7+ (検討では46. Rd6 とすぐにb6 を当てる変化を考えましたが、チェックしてキングの位置をずらすほうが白にとっては分かりやすいでしょう。) 46... Ke8 47. Rd6 これでポーンを取りあえば、白はさほど困っていません。
46... a4 47. Re3 Rc2+ 48. Re2 Rc3 49. Re3 Rc1 50. Re1 Rxe1 51. Kxe1 Ke6
a4 のポーンは取られても白にパスポーンができるわけではないため、私はキングとポーンのテンポを計算し、これで黒が勝てるのではないかと判断しました。その結論は試合後も間違いないと思っていたのですが、コンピュータは一つだけ白にディフェンスがあると指摘します。
52. Ke2 Kf5 53. Ke3??
これが白のミスで、ドローを取るためには1手も間違えることはできません。53. Kf3 a3 (試合中、これで1テンポ使って白に手番を渡せば黒勝ちだと思っていました。) 54. Kf2 Ke4 (54... Kg4 55. Kg2 f5 56. Kf2 Kh3 57. Kf3 Kh2 58. Kf2 Kh1 59. Kf1= これは分かりやすいくドローなので、黒キングはクイーンサイドに向かいます。) 55. Ke2 f5 56. Kf2 Kd3 57. Kf3 Kc2 58. Ke2 Kb2 59. Kd2 Kxa2 60. Kc2 Ka1 61. Kc1 Ka2 62. Kc2= 黒はどこのポーンも動かすことができないため、ポーンが複数残っていても白はaファイルのパスポーン時のディフェンス、相手キングのaファイル閉じ込めアイディアが使えます。これは私と東野さんにとって完全な盲点でした。
53... Kg4 54. Kf2 axb3!
本譜ではここでポーンを交換するのがミソで、f6-f5 のテンポとあわせて白をツークツワンクに追い込むことができます。54... Kh3? 55. bxa4! f5 56. Kf3=
55. axb3 Kh3 56. f5
56. Kf3 f5 57. Kf2 Kh2 58. Kf3 Kg1-+ こうしてg1 まで潜り込めれば、g3 のポーンを取って黒の勝ちです。
56... gxf5 57. Kf3 Kh2 58. Kf2 f4! 59. gxf4 f5 0-1
ここまでくれば、あとは白のh4 のポーンを取って黒の勝ちです。キングがかなり前進でき、a4-a3 とf6-f5 のテンポもあれば、ポーンエンディングは黒勝ちだと思っていましたが、あのようなディフェンスがあるとは予想外でした。まだまだ勉強しなければいけないことはたくさんありますね。
この後のラウンドでは、山田くんに勝ち、南條くんにドローで、4.5/6 で3位タイフィニッシュとなりました。最終戦はかなり有利な中盤だっただけに、勝てなかったのは残念です。この結果で4勝2ドローの南條くんと、5勝1敗の馬場さんが5/6 でトップをシェアすることになりました。2人とも、おめでとうございます!
サマーオープン参加者と運営の皆さん、お疲れ様でした。今週は続いてジュニア、シニア選手権と小学生選手権が開催されます。私は1日中かはわかりませんが、会場に毎日顔は出すと思いますので、またそちらでお会いしましょう。私自身の次の大会は、来月のジャパンリーグになると思います。全日本に続くFIDE 公式戦も、もちろん楽しみです。
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