2023/12/07

有田セラミック・チェス大会2023 - 佐賀編 - Vol.2

有田のチェス大会についての最後の記事となります。今回の大会は非公式戦でかなりカジュアルです。基本は15分+10秒、4Rのスイス式ですが、なるべく同じチェスクラブ、所属を当てないように調整します。ボード番号も決まっておらず、対戦相手との相談でどこの有田焼のチェスピースを使うかを決めます。参加者は佐賀、福岡、熊本、長崎の九州4県と東京からで計18名でした。私は長崎の東さん、福岡の樋口さんに勝って、次は熊本の中山さんとの対戦となります。中山さんとは6年前に福岡で一度試合をしています。

Kojima, S - Nakayama, R
Arita Ceramic Chess Tournament (3)

1. c4 Nf6 2. g3 g6 3. Bg2 Bg7 4. Nc3 d6 5. d4 c6 6. h3 O-O 7. Nf3 c5?!

私のh2-h3を見てc6-c5の突き直しを決めたそうですが、特に白の手は無駄にならず、黒の1手損である感は否めません。初戦もKing's Indianで、7...Nbd7 8.0-0 e5 9. e4 というスタンダードな進行でした。

8. d5 Na6 9. O-O Nc7 10. e4 a6 11. a4 Rb8 12. a5 b5 13. axb6 Rxb6


黒はe7-e6をしてこなかったのでBenoni Defenceとは違いますが、クイーンサイドでの互いのアクションはBenoniでよく見られるものです。黒はbファイルを開いてb2にプレッシャーを作りますが、代わりにaポーンを弱点にしています。

14. Re1

最も自然だと思える手でe4-e5を狙いますが、コンピュータは面白いアイディアを示しました。14. Nd2! Bd7 15. Nb3!+- 白の狙いはNb3-Na5-Nc6の跳びこみで、黒のbポーンが消えたことでa5がアウトポストになったことを利用しています。黒はビショップでc6のマスを受けますが、c6をずっと気にして窮屈な状況が続けば黒は厳しいでしょう。

14... Nd7 15. Qc2 Ne5 16. Nd2 f5


f2-f4の際にd7にナイトが戻るようでは面白くないので、f7にナイトの退くマスを作りますが、キングの周辺やe6のマスを弱める欠点があります。代わりに16... g5!?は面白い手で、f2-f4を牽制しつつ、g6にナイトを退けるマスを作ります。

17. f4 Nf7 18. Nf3 fxe4 19. Nxe4 Nh6?

これは決定的なミスだったのではないかと思います。しかし、代わりに満足なアイディアも見つけられません。e7-e6からブレイクを仕掛け、ナイトをd4に向かうプランはゲーム中に気にしましたが、白もd5を使えるため依然として大きく優勢です。19... e6 20. dxe6 Nxe6 21. Nc3 Nd4 22. Nxd4 Bxd4+ 23. Kh2+/-

20. g4! Bd7 21. Ra2!?


少し奇妙な手ではありますが、c1のビショップを展開した際にb2が取られないようにしなければいけません。この手を挟まずに本譜同様にg5にナイトを跳ばせても良かったと思います。

21... Qb8 22. Neg5! Re8 23. Nxh7!

g5にナイトを置く手が強力で、eファイルを開いてe7を取る狙いを作ると同時に、このキングに迫る決定的なタクティクスを準備していました。

23... Kxh7 24. Ng5+ 1-0


ここで黒の時間が落ちましたが、24... Kg8 25. Qxg6の後、黒のディフェンスは厳しいでしょう。白はBc1-Bd2-Bc3, Bg2-Be4 など複数の狙いがあり、全てを受けきることは黒はできません。g6からクイーンを追い出すアイディアがないことも苦しい要因ですね。

最終戦は同じ東京から参加した古瀬くんに勝ち、2年連続での全勝優勝を決めました。今年も色とりどりの有田焼のチェスピースでチェスを楽しませていただき、佐賀まで足を運んだ甲斐がありました。参加された皆さん、お疲れ様でした。運営を行った伊万里チェスクラブの皆さんにも心より感謝いたします。こうした非公式の地方大会も、盛況が続いていくことを願っています。
こちらのショーケースに入れられた有田焼のチェスピースは、試合では使わなかった展示用です。九州陶磁文化会館に常設されるようになったのかと思いましたが、そうではなく大会1週間前からイベントのプロモーション用に置かせてもらっていたそうです。一般のお客さんの中にも「チェスやってる」と興味を示してくださったかたがいました。
昼食をいただいた2階のカフェにあった有田焼の箸置きや小皿です。昨年は新型コロナの影響で一時閉鎖していたため、今年初めて利用しました。開通したばかりの九州新幹線の他、紅葉やカボチャがありました。個人的にはウチワエビ(おそらく)がいて、ポイント高いです。
大会終了後は車で送っていただき、アリタセラで開催中だったフィンランドフェアに顔を出してきました。このマシュマロツリーの裏では、フィンランドから来た本場のサンタクロースと記念撮影ができるイベントが行われていました。私も撮りたかったですが、事前に配布された整理券がないと列に並べず、断念しました。
日曜日の宿は博多に取っていたため、行きと同じリレーかもめで名残惜しく有田を後にします。こちらはJR同様有田駅を通る松浦鉄道の電車で、有田と並び焼き物で有名な伊万里や、日本最西端のたびら平戸口駅などを通り、のんびりと長崎県の佐世保駅に向かいます。来年以降、私も乗ってみたいです。
博多での夕飯は天ぷらをいただきました。博多と言えば、ラーメンやもつ鍋、鉄なべ餃子などがよく知られていると思いますが、天ぷらも良い店が多いと思います。この日はキャナルシティにある博多天ぷら たかおにお邪魔しました。まとめて天ぷらが出るのではなく、何品かずつ揚げたてを運んでくれるのが嬉しいですね。夜でも安く、利用しやすい店だと思います。かなり気に入ったので、東京、神奈川の店舗にも今後足を運んでみるつもりです。

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