2024/06/17

1st Matsumoto Open Day2 Tournament Report

昨日、第1回松本オープンは2日目の試合も終え、無事に閉幕しました。私は初日2連勝でしたが、2日目は1勝2ドローと星が伸びずに2位止まりでした。入賞者の皆さん、おめでとうございます! また17名の参加者と運営の皆さん、2日間お疲れ様でした。

1st Place Nakamura Naohiro 4.5/5
2nd Place Kojima Shinya 4/5
3rd Place Ryu Chanyue 3.5/5

1st Matsumoto Open Final Standings


3Rでは中村くんと手堅くドローでしたが、途中有利だと感じた局面もあったので、そちらはまたじっくり自分で振り返ろうと思います。今夜は4Rで対戦した真鍋さんとの試合をご紹介します。真鍋さんは3R終了時に唯一の3連勝しており、私が止めにいく形となります。

Kojima, S - Manabe, H
1st Matsumoto Open (4)

1. d4 e6 2. c4 d5 3. Nc3 Nf6 4. cxd5 Nxd5 5. Nf3 c5 6. e3 Nxc3 7. bxc3 cxd4 8. exd4 Be7

Semi-Tarraschに対してはe2-e4をせず、IQPポジションを持つことにしました。c3でのナイト交換を黒からすぐにする際には、8... Qc7 9. Bd2 Bd6 10. Bd3といった進め方もあると思います。

9. Bd3 O-O 10. O-O Bd7 11. Qe2 Bc6 12. Rd1 Bf6 13. Rb1 Qc7 14. Ng5!


黒クイーンがd8-h4ダイアゴナルから離れたことを見て、素早く黒キングに迫るのは良い判断だったと思います。e5のコントロールが減るのはやや気がかりですが、白の攻めは強烈でe6-e5を仕掛ける暇がありません。

14... g6 15. h4 Nd7 16. h5 Qa5 17. hxg6?!

ここは単に17. Qg4としてナイトを守る手が堅実でした。黒からのナイト取りはリスクがあると思い、先にポーン交換を挟んでおくことにしましたが...

17... hxg6


17... Bxg5! 18. Qh5 hxg6! (18...h6 19. f4 Qd5 20. Rb1!) 19. Qxg5 Qxg5 20. Bxg5+/=と進んだ場合、白はピースこそ取り返せてダブルビショップを持ちますが、クイーンを交換したことで直接的な黒キングへの攻撃チャンスは失ってしまいます。黒はまだ劣勢ですが、これで粘るべきだったでしょう。

18. Qg4! Bxg5 19. Bxg5 Kg7 20. c4!?

c3を取られないようにするだけでなく、次にd4-d5からc6のビショップを狙う、a1-h8ダイアゴナルを開き、黒マスビショップを活用する狙いがあります。しかし、このcポーンの協力無しですぐにdポーンを突く手が強力でした。20. d5! Qxd5 21. Bb5! Qc5 22. Bxc6 Qxc6 23. Qd4++- d4のマスを開くことでクイーンのチェックのチャンスも生まれるため、黒のピースを落とすことができます。

20... Rh8 21. d5


直前にcポーンを突く手から自然な流れだと思いましたが、ビショップをいきなりサクリファイスする手もあったようです。21. Bxg6! fxg6 22. d5 Ba4 23. Rxb7!+-

21... exd5 22. Bd2 Qc7 23. Bc3+ f6??


これは即メイトになってしまうブランダーでした。検討ではdポーンを先に押し進める手も出ましたが、23... d4 24. Bxd4+ f6 25. Bxf6+!+-という手を見落としていました。23... Nf6 24. Qg3!? Qxg3 25. fxg3+/-はメインで読んでいた手で、白はポーンストラクチャーを崩す代わりにfファイルを開くことでルークをf1にまわすアイディアが生まれ、f6のナイトを素早く攻めて有利でしょう。

24. Qxg6+ Kf8 25. Bb4+ 1-0

こうしたIQPからのキングサイドへの攻めは、昨年のチェコ遠征の際に難しさを自覚していたため、今回は上手く指しきれて良かったです。最終戦ではRyuくんとの試合では序盤から小さな優位を残して最終的に勝てるはずのポーンエンディングになりましたが、ひどい勘違いでドローにしてしまい、中村くんに0.5P差をつけられての準優勝でした。しかし、Ryuくんは要所ではしっかり指してきて、2月に対戦した時とは別人のようでした。まさに、男子三日会わざれば刮目して見よですね。また次に試合ができる機会を楽しみにしています。

今回、松本で初めてとなるスタンダード公式戦大会でしたが、運営による事前の入念な準備と大会期間中の気配りにより、快適に過ごすことができました。連盟主催の大きな大会がない月に、こうした松本での大会を企画するとのことですので、年内にまた開催されるようであればなるべく足を運びたいと思います。大会を運営してくださった松本チェスクラブの3名に、心より感謝いたします。
大会2日目の昼食で入店したカフェでは、たまたまチェスセットを見つけました。松本に足を運ばれるチェスプレーヤーは、写真のバーガーをヒントにどの店か探してみてください。店内には他のボードゲームも多数あり、自由に遊んで良いそうです。
2位の賞品としていただいた松本てまりです。八重菊は松本てまりのオーソドックスな柄で、健康や長寿を願うものです。松本てまりを自作できるワークショップを行うお店もあるようですので、次回の松本訪問時はそうした体験もしてみたいですね。

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