2026/01/24

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第50回予告

2026年最初、1月のチェス講座告知です。今月のYouTubeでの講座は今週末、1/25(日) 20時からスタートです。

今月のYouTubeの講座テーマは『最後の一手』です。チェスの試合は、目を見張るようなタクティクスで終わるゲームもあれば、一見なぜ終わるのか分からないものまで、結末は様々です。今月はどのようにしてゲームが終わったか、その最後の1手に着目してゲームを見ていこうと思います。

プロプレーヤー小島慎也のチェス講座 第50回『最後の一手』|2026.1.25

2026/01/13

Tokai Open 2026 Day2

2024年から国内大会の皮切りとなっている東海オープンが、今年も無事に終了しました。私は2日目も連勝で、昨年の中部快速オープン以来の名古屋大会全勝優勝となりました。東海オープンは4年連続、計8回目の優勝ですが、最近の3回はいずれも1ドローを落としていたので、今年はポイントを落とさずに乗り切れたことを嬉しく思います。各クラス入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2303) 5/5
2nd Place Yamaguchi, Tosei (JPN, 1920) 4/5
3rd Place Sharma, Sameer (JPN, 1871) 4/5

Tokai Open 2026 Final Standings


私は4Rで田中さんに勝ち、最終戦は山口くんに白を持つことになりました。ここまで互いに4連勝ですが、ドローでタイブレーク勝負にするのも気が進みませんし、レイティングをプラスで終えるためには勝つしかありません。序盤、自分の詳しい変化になったのはラッキーでした。

Kojima, S (IM, JPN, 2303) - Yamaguchi, T (JPN, 1920)
Tokai Open 2026 (5)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. e3 a6 5. Nf3 Bf5 6. Qb3 b5 7. cxd5 cxd5 8. a4!

最終戦はSlavのa7-a6, Bc8-Bf5 ミックスの変化になりました。過去に自分でも指しており、黒で嫌だった変化を白で試します。黒のb7-b5を働かせないためには、a2-a4からすぐに崩すのが良いアイディアとなります。

8... b4! 9. Qxb4 Nc6 10. Qc5 Bd7!?


オンラインで一度だけ経験のある手です。過去に調べていたのは、10... Na5 11. Bxa6! Rxa6 12. Qb5+ Rc6 13. Ne5 Bd7 14. Nxd7 Nxd7 15. Bd2 Qa8 16. Nxd5 e6 17. Nf4 Ra6 18. O-O+/= という3ポーンvs. ピースにする変化で、数年前は黒で指そうと思っていましたが、現在は白が指しやすいと考えています。

11. Ne5! e6 12. Nxc6 Qc7 13. Ne7!

初めて見ると驚きそうな手です。貰ったナイトは早々に返し、1ポーンアップを保って白は戦います。

13... Qb7?!


ここはポーンダウンでもクイーンを交換すべきです。13... Qxc5 14. dxc5 Bxe7 15. b4 a5 16. bxa5! Bxc5 17. Bd2+/= これは白が勝てるかどうかという勝負ですが、黒としてもベストだったでしょう。

14. a5! Bxe7 15. Qb6 Qc8 16. Be2 Bd8 17. Qc5 Bc6 18. O-O Be7 19. Qb6 O-O 20. Bd2 Qd7 21. Qb3

白はa4-a5を突くことで、一時的にb6のマスをクイーンの避難場所としておき、最終的にクイーンは自陣に退きます。中盤以降ではa5にポーンを刺したことでa6を固定し、ターゲットにすることで白は1ポーンアップ以上のアドバンテージを得ます。ここまでは作戦として完璧でしたが、この数手後にミスが出てしまいました。

21... Rfc8 22. Rfc1 Rab8 23. Qc2?!


黒のbファイルからの反撃に対して、クイーンをどこに逃がすかは迷うところです。a2と端を選ぶのに抵抗があり、e4にも利くc2を選びましたが、cファイルのピンが予想外の形で利用されてしまいました。代わりに23. Qd1! Qb7 (23... Rxb2 24. Bxa6+-) 24. Qf1! Qxb2 25. Ra2+- と進めば白勝勢でした。b2とa6の交換であれば、白はパスポーンになったaポーンを進める単純な作戦で勝てそうです。

23... Bb5! 24. Bxb5 Rxb5 25. Qd3?!

c3のナイトがピンであることを利用され、黒にとって課題であった白マスビショップを捌くと同時に、上手くa6へのプレッシャーを緩和されてしまいました。1ポーンアップをキープしても、a6を攻めるか、b2-b4-b5と仕掛ける作戦が無ければ局面を進展させられないと焦ってしまいましたが、ここはさらに我慢が必要でした。25. Qb1! Rbb8 26. Na4! Rxc1+ 27. Qxc1 Rb5 28. Nc5! こうしてナイトを活用して攻め込めば、白はまだまだチャンスを残せます。

25... Rxb2! 26. Rcb1 Rcb8??


b2を返してもbファイルを取り返し、a6を再度攻めてチャンスを作ろうとする白に対し、黒はディフェンスを間違えました。26... Rxb1+! 27. Rxb1 Rc4! (こうして白マスでブロックをしてa6をカバーできるのも、白マスビショップを捌いた効果です。) 28. h3= こうしてみると、白はb2を無駄に返しただけで勿体なかったと思えそうです。

27. Qxa6+-

白からb2のルークを交換しなければd2のビショップは取られないので、白は遠慮なくa6をいただいてしまいます。これでaポーンを進める作戦が生まれれば、白として残りはさほど難しくありません。

27... Qc7 28. Rxb2! Rxb2 29. Qd3 Ne4 30. Nxe4 dxe4 31. Qc3 Qb8


31... Qxc3 32. Bxc3 Rb7 33. a6 Ra7 34. d5! exd5 35. Bd4+- クイーンを交換した場合は、1ポーンを返してビショップをアクティブにし、a7を抑えて勝つつもりでした。

32. a6 Rb6 33. a7 Qa8 34. Qc7 Bd8 35. Qd7 Bf6 36. Rc1 1-0

相手のミスに助けられつつも、最後はプロモーションとバックランクメイトを見せて勝ちました。去年からFIDE公式戦は10連勝となり、2026年幸先の良いスタートを切れて嬉しく思います。次の大会は未定ですが、良い内容でプレーを続けていければと思います。また次回もよろしくお願いいたします。
今年も3冊、チェスの書籍を賞品としていただいてきました。Ivanchuk、Mishraの本に、Positional Sacrificeの本です。これから内容を見ていこうと思います。
名古屋最後の食事は味噌煮込みうどんにしました。今回はいわゆる名古屋グルメは少なめだったので、また次回の楽しみにしておきます。

2026/01/11

Tokai Open 2026 Day1

2026年最初の公式戦、東海オープンに参加しています。この大会は2023年から3年連続優勝しており、今年は4連覇がかかっています。初日の今日は赤井さん、戸國さん、Sharmaくんに3連勝でした。今夜は2Rの試合をご紹介します。

Tokuni, S (JPN, 1842) - Kojima, S (IM, JPN, 2303)
Tokai Open 2026 (2)

1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 Nf6 4. g3 Be7 5. Bg2 O-O 6. O-O a5!?

昨年から試しているCatalanの変化です。クイーンサイドで早めにスペースをとっておき、白のセットアップによってはc6でポーンを止めることなく、一気にc7-c5を目指します。

7. a4?!


オンラインでは1試合も指されたことのない手です。弱めたb4に釣り合うものはなく、黒はナイトをb4に刺して満足に指せそうです。

7... Nc6 8. e3 b6 9. Nc3 Ba6 10. Nb5 Nb4 11. Ne5 c6 12. Na3 Nd7

12... Ne4もありましたが、白の唯一アクティブなピースを捌いておき、c4にプレッシャーをかけやすくしておきます。

13. Nxd7 Qxd7 14. Qb3 Rac8 15. Rd1 c5!?


コンピュータは15... h5!からキングに仕掛けるアイディアを推奨します。本譜はシンプルに白のセンターに反撃をし、ルークをアクティブにしてc4を攻めます。

16. e4?

c1のビショップを使いたい気持ちは分かりますが、タクティクスを見落としています。16. dxc5 Bxc5 17. cxd5 exd5 18. Nb5であれば、まだ白は頑張れそうです。

16... dxc4! 17. Nxc4 Bxc4 18. Qxc4 cxd4 19. Rxd4


19. Qxd4 Qxd4 20. Rxd4 Nc2-+ でナイトフォークを決めて黒勝ちです。

19... Qe8!

少し不自然に見えますが、このマスにクイーンを逃げれば次のNb4-Nc2で黒は駒得です。

20. Qf1 Nc2 21. Be3 Nxa1 22. Qxa1 Bc5-+


エクスチェンジアップした後は、どんどんとピースを交換して黒の勝ちとなります。

23. Rd3 Bxe3 24. Rxe3 Qd7 25. Bf1 Rfd8 26. Rd3 Qe7 27. b3 Rxd3 28. Bxd3 Qc5 29. Bc4 Rd8 30. Qc1 Qe5 31. Qe3 Rd4 32. Bd3 Qc5 33. Bf1 g6 34. Kg2 Qb4 35. Bc4 Qd2 36. Qf3 Qc2 0-1

e4への攻撃とクイーン交換を見せて黒の勝ちを決めました。3連勝は5人いますので、2日目の明日も気を抜かずに頑張ります。

Tokai Open 2026 R4 Pairings

2026/01/04

謹賀新年2026

少し遅くなりましたが、明けましておめでとうございます。2026年もどうぞよろしくお願いいたします。

昨年の年始は香港とハノイでの試合でバタバタしており、気づけば年が明けていたという具合でしたが、今年はのんびりと福井で年越しをすることができました。3年前の来訪時とは違い、恐竜博物館、東尋坊、越前松島水族館、芦原温泉、永平寺と福井市近隣の有名どころを巡ることができました。次回福井を訪れる際は大野市、越前市、鯖江市等にも足を運んでみたいですね。

さて年が明け、またチェスオリンピアードの開催年を迎えました。あのブダペストオリンピアードがもう2年前とは信じられません。今年のウズベキスタン、サマルカンドオリンピアードも、代表入りが決まれば全力でプレーしてこようと思います。今年はまずは来週末の東海オープンからスタートです。2023年から三連覇中の大会であり、近年はFIDE公式戦になっていますので、今年の調子を見る大事な試合として頑張ってこようと思います。来週末、名古屋でお会いしましょう!
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