先週末の日曜日に久々の、そして今年最後のIVL が開催されました。私は前半の3試合を指し、後半は篠田くんに交代することにして参加してきました。10名でのスイス式ですが、参加者のレベルが高いため、前半から当たりはかなり厳しいものになります。私は初戦で東野さんに勝った後、馬場さんとの対戦になりました。今年はJapan League、名古屋オープンと、大事な試合で敗れています。
Baba, M (FM, JPN, 2306)- Kojima, S (IM, JPN, 2402)
26th IVL (2)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 e6 8. h5
26th IVL (2)
少し考えて、7... Nd7 ではなく7... e6 のラインにしてみることにしました。馬場さんは7... Nd7 と同じようにh4-h5 と進めますが、私は8. Ne5 と指すほうが良いと思っています。(黒がd7 にナイトを出すのを遅らせたため、この手が可能になります。) 7... Nd7 のラインに手順前後することも十分あり得ますが、私は途中で外します。
8... Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 Nf6 11. Bd2 Be7 12. O-O-O c5!?
b8 のナイトの位置を決めていないため、早いのこのブレイクが面白いと思っています。
13. Be3 Qa5 14. Kb1 Nc6 15. Ne5?!
アグレッシブではありますが、黒マスビショップを諦めてしまうのは、キングサイドを攻めようとしても、エンドゲームを戦ううえでも白にとって得策とは言えないでしょう。
15... Nxd4 16. Bxd4 cxd4 17. f4 Rd8 18. Ne2 O-O 19. g4 Nd5
私はナイトをアクティブに使おうとしましたが、e5 のナイトを交換するのが安全、という判断もあったようです。19... Nd7 20. Nxd7 Rxd7 21. Nxd4 Rfd8 22. c3 Bf6 23. Qe3 Bxd4 24. cxd4 Qa4-/+ とすれば、ポーンを返しても黒が有利なエンドゲームであることは間違いありません。
20. Qg3 Nc3+!?
時間を使い、このアイディアを見つけました。黒はポーンを返しても、エンドゲームに持ち込むアイディアが安全です。
21. bxc3?
白はキングを危険にさらして攻め合うのは少し無茶でしょう。ここは21. Nxc3 dxc3 22. Qxc3 Qxc3 23. bxc3 Bd6 として、ポーンストラクチャーの乱れたエンドゲームを戦うべきだったと思います。
21... Qb5+ 22. Ka1 Qxe2 23. Qd3 Qxd3 24. Rxd3 dxc3 25. Rxc3 Bf6
e2 に侵入してきたクイーンを無視できないため、白は気が進まなくともクイーンを交換するしかありません。こうなれば黒ははっきり駒得のエンドゲームで、上記の変化よりも勝ちやすいでしょう。
26. Rc4 Rc8! 27. Rxc8 Rxc8 28. Kb1 Bxe5 29. fxe5 Rc4
ビショップナイトを交換しても、g4、e5 を弱点にし、ルークエンディングでの勝ちを目指します。これはさらに駒得を拡大し、勝てるだろうと読みましたが、ここから少し不正確なプレーで局面を難しくしてしまいます。
30. Rd1 Rxg4 31. Rd8+ Kh7 32. Rd7 Rb4+
32... b5! 33. Rxa7 Rg5 34. Rxf7 Rxh5 35. Kb2 Rxe5-+ ならば、本譜と違いaポーンではなくbポーンが黒に残るため、白にはまだパスポーンができておらず、黒の勝勢だったでしょう。
33. Kc1 Rb5 34. Rxf7 a5 35. Kd2 Rxe5 36. Rxb7 Rxh5 37. c4 Rh2+?
ここでaポーンを取りにいったのが大きな判断ミスでした。白は残ったcポーンと、aポーンを犠牲にする間に上がったキングで勝負ができます。代わりに37... Kg6! 38. Kc3 Kf6 39. Kd4 Rh2 40. c5 Rxa2 41. c6 Rc2 42. c7 g5-+ ならば、黒のパスポーンも早く、本譜よりも難しくなかったと思います。
38. Kd3 Rxa2 39. c5 Ra1 40. Rb2! Rf1 41. c6 Rf8 42. Kd4 g5 43. Ke5 Kg6
私は白のパスポーンを正面からルークで攻撃する必要はないと感じました。43... Rc8!? 44. Kd6 g4 45. c7 h5 46. Kd7 Rxc7+ 47. Kxc7 h4 48. Kd6 g3 49. Kxe6 h3 50. Rb7+ Kh6 51. Kf6 g2 52. Rb8 Kh5 53. Kf5 Kh6 54. Kf6= こうしてメイトスレットを絡めながらドローにするアイディアは、ぜひとも覚えておきたいと思います。
44. Kxe6 h5 45. Ke7 Rg8?!
ここは45... Rf7+! 46. Kd6 g4 47. Rb7 Rf6+ 48. Kd7 g3 49. c7 Rf8! 50. Rb8 Rf7+ 51. Kd8 Rxc7 52. Kxc7 h4-+ と指していれば、白はルークでも黒の2コネクテッドパスポーンを止めることができず、黒勝ちでした。本譜ではチェックでテンポを稼いでいない分、1手遅くなっています。
46. c7 g4 47. Rb8 Rg7+ 48. Kd6 Rxc7 49. Kxc7 Kg5?
残り時間の少ない中、正しい手を選べませんでした。こういったルークvs. コネクテッドパスポーンの勝負では、ポーンを先に進めるかキングを先に進めるか悩むものですが、ここではポーンを単に進めるだけで白は困っていました。49... h4! 50. Kd6 h3 51. Ke5 h2 52. Rh8 g3-+ 確かにこれでプロモーションは防げません。
50. Kd6 Kf4 51. Rf8+ Kg3 52. Ke5 h4 53. Ke4?
最後は馬場さんから決定的なミスで勝負ありです。試合後に私が指摘したのは、53. Kf5! からg4 のポーンを狙うアイディアで、これならばドローになります。53. Kf5 Kh3 (53... h3 54. Rg8 h2 55. Rxg4+ Kh3 56. Rg8=) 54. Rd8 g3 55. Rd3 a4 56. Kg5 Kh2 57. Kxh4 g2 58. Rh3+ Kg1 59. Ra3 Kf2 60. Ra2+ Kf3 61. Ra1=
53... h3 54. Ke3 h2 55. Rf1 Kg2 0-1
最後は相手のミスに助けられはしましたが、非公式戦とはいえ久々に馬場さんに黒で勝てたのは嬉しかったです。それにしても、ルークvs. パスポーンの計算は難しいですね。私はこの後の3R では青嶋くんに勝ち、3連勝で篠田くんにバトンタッチとなりました。私と代わった篠田くんは汐口くんに敗れたものの、最終戦で塩見さんに勝って小島、篠田組が4/5 でフィニッシュ。一方で馬場さんは私に敗れた後、Antonさん、東芝さん、汐口くんに3連勝で4/5 となり、ダブル優勝となっています。
3R での交代後、私は妻と生徒宅のクリスクマス会へ。その会終了後はIVL の集まりに戻り、忘年会でした。(写真を撮り忘れたのは失敗でした...) 今年もまだ残っていますが、忘年会をやると1年の締めという気がして、今年を振り返ってしまいますね。来年も国内外の公式戦、そしてIVL でも良い試合と結果を出せるようにしたいと思います! IVL メンバーの皆さん、2017年もありがとうございました!
忘年会解散後は三々五々、麻雀組、帰宅組などに分かれます。私は馬場夫妻たちと新宿のタピオカミルクティーの有名店、春水堂へ。私はお酒を飲まないので、飲み会の後は2次会というよりも、一杯お茶やコーヒーが欲しくなります。
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