1日遅くなりましたが、函館チェス大会2日目のレポートです。初日、連勝だった5人は2日目の3R からぶつかり合いを始めます。私は初対戦となる札幌チェスクラブの吉井さんに勝ち、杉本さんはなつみに勝ち、高校生の金城透弥くんはお父さんの康弘さんに負けで、3連勝は私と杉本さんだけになりました。当然4R ではこの2人の対戦です。
Sugimoto, K - Kojima, S
Hakodate Chess Tournament 2017 (4)
1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 Nf6 4. Bg5 Be7 5. Nc3 Nbd7 6. e3 h6 7. Bh4 O-O 8. Rc1 c5!?
Hakodate Chess Tournament 2017 (4)
久々にQueen's Gambit Declined を試してみます。昨年の夏、Misha に敗れてからお蔵入りしていましたが、今回は早めにc7-c5 を仕掛けるProfessional Variation を見つけ、初めて実戦投入しました。
9. Bd3 b6!?
他のラインと混同していました。9... dxc4 10. Bxc4 cxd4 11. exd4 a6 としてIQP にするのが手持ちの本の勧めですが、もちろん本譜でも大丈夫です。
10. cxd5 Nxd5 11. Bxe7 Nxe7 12. Be4 Rb8 13. d5?! Nf6
ここは素直に13... exd5 14. Nxd5 Nxd5 15. Qxd5 Qe7 16. Bb1 Nf6 と進めていたほうが良かったかもしれません。私はBc8-Ba6 にこだわらず、本譜のようにe6 にビショップを展開しても、黒はピースの展開の早さとクイーンサイドポーンマジョリティで十分なポジションだと考えていました。
14. dxe6 Bxe6 15. Bb1 b5! 16. O-O Qb6!
クイーン交換を避け、ルークをセンターに回す準備をします。
17. b3 Rfd8 18. Qc2 Bf5 19. e4 Bh7 20. Qe2 Re8 21. Rfe1 Nc6
これで面白いポジションになったとゲーム中は考えていました。e3-e4 を突かせたことで、e4 をターゲットにするだけでなく、d4 のアウトポストを活用しにいきます。
22. Qd2 Nd4 23. Qf4 Qe6
試合後にゲームを並べなおしていて、ここはすぐにナイト交換をする選択肢もあったと考えなおしました。黒がe4 をターゲットとして徹底的に狙うのであれば、ナイトを捌いてからルークを2つeファイルに重ねるプランもありです。
24. Nd2!? Rbd8 25. f3 Rd7 26. Nf1!
d4 にナイトを残させてくれるのはありがたいと思っていましたが、ナイトを組み替え、白もd5 のアウトポストにナイトを刺す形を目指すプランを軽視していました。残り時間を使い、これを阻止する方法を探しましたが、良い答えは見つかりませんでした。
26... Nh5 27. Qh4 Qe5 28. Ne3 Nf4 29. Ned5 g5 30. Qg3 Rxd5
この手ではアドバンテージのないエンドゲームになることは分かりつつも、もう一つの候補手にはイマイチ自信が持てませんでした。30... b4!? 31. Nxf4 bxc3 32. Nh5! Qe7 33. Rxc3 Bg6 このように進めば、黒はc3 でポーンを1つ取られてしまいましたが、d4 の強力なナイトは残せるため、まだ難しいポジションだったでしょう。
31. exd5 Nde2+ 32. Nxe2 Nxe2+ 33. Rxe2 Qxe2 34. Bxh7+ Kxh7 35. Qf2
エクスチェンジを取り戻し、駒を捌けばイコールのエンドゲームが待っています。ここから先も続けますが、チャンスは作れませんでした。
35... c4 36. bxc4 bxc4 37. Qxe2 Rxe2 38. Rxc4 Rxa2 39. d6 Rd2 40. Rc7 Kg7 41. Rxa7 Rxd6 42. Kf2 Rd2+ 43. Kg3 Kg6 44. Kh3 Rd3 45. Ra2 h5 46. Kg3 h4+ 47. Kf2 h3 48. gxh3 Kh5 49. Ra5 Kh4 50. Rf5 Rd2+ 51. Ke3 Rxh2 52. Rxf7 Ra2 53. Rh7+ Kg3 54. Rg7 Ra5 55. f4 Ra3+ 56. Ke4 Ra4+
今大会は進行の都合上、開始から2時間経過して終わらないゲームは、両者続行の意思を確認したのち、残り時間に3分を足したうえ、1手の増加を2秒にするという変則ルールでした。増加が2秒になったことを忘れ、残り時間が3秒ほどになった瞬間はかなり焦りました(笑)
57. Ke5 Ra5+ 58. Ke4 Ra4+ 59. Ke3 Ra3+ 60. Ke4 Ra4+ 1/2-1/2
策を弄してみても、勝ちは望めませんでした。このドローで全勝者はいなくなり、決着は最終戦に持ち越されます。
最終戦では私は妻のなつみに、杉本さんは渋谷くんにそれぞれ勝ちで、互いに4.5/5 でフィニッシュとなりました。タイブレークは私が0.5P差で敗れ、杉本さんが優勝となっています。杉本さん、おめでとうございます!
1st Place Sugimoto, K 4.5/5
2nd Place Kojima, S 4.5/5
3rd Place Shibata, M 4/5
2nd Place Kojima, S 4.5/5
3rd Place Shibata, M 4/5
今大会、初めてお会いしたり、対戦したりするプレーヤーも複数おり、なじみのメンバーとだけではない交流ができて、有意義な遠征となりました。1月に開催予定の名古屋の同時対局にも参加したいと言ってくれたかたもいて、とても嬉しかったですね。表彰式後は子供たちの持ってくる本やボードにサインを贈り、お世話になったかたに挨拶をして会場を後にします。
空港では夕飯とデザートのソフトクリームをいただき、ぎりぎりまで山田さんとお話をして、2泊3日を過ごした函館を去る... そんな予定でした。ところが、金曜から天気の怪しかった函館は、この日も雪と雨で滑走路のコンディションが悪く、なんと予定していた便が欠航になってしまいました! 私も国内外、多くの遠征をしてきましたが、空港まで着いて飛行機が飛ばないというのは、今回が初めてのことです。仕方がないので1日滞在を伸ばし、函館市内へと戻っていきます。
明けた月曜日の今日は、15時の飛行機までまだ見ぬ函館の観光地を探します。これまで函館に来た際は、必ずと言って良いほど函館駅前の朝市に足を延ばしていましたが、先日弘平くんから地元民が通うという別の市場、自由市場の存在を教えてもらったので、今回はそちらを選びました。喫茶店、マルシェは自由市場内にあり、コーヒーだけではなく市場の新鮮な魚介が楽しめるという一風変わったお店です。こちらで自由海鮮丼を頼み、好きなネタを指定すると、店主がその足で市場を巡ってネタを買い付けてきてくれます。面白いやり方ですが、少し割高だったような気もしますので、次は自分で買ったネタで好みのどんぶりを作ってみましょうかね。
今回の滞在でも、函館の多くの人にお世話になりました。特に山田さんには4日間ほぼ付きっ切りで相手をしていただき、いくら感謝してもし足りません。こうした遠征のたびに、地方の様々なプレーヤーのサポートもあって自分が活動できていると実感しますの、様々な形でこれからも感謝の気持ちを示していけたらと思います。
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