昨日は今年最初のイベントとして、名古屋で同時対局を行ってきました。これまで名古屋ではTuさん、南條くんが同時対局を行っておりますが、私は初めてでした。昨年は自身最多となる1年に3回の名古屋大会への参加があり、年々名古屋チェスクラブとの付き合いも増えているように思えます。
今回の参加者は8名で、11月の函館と比べれば少ないですが、その分レイティング2000オーバーも参加しており、全体的にレベルは高いです。そのような中でいくつか難しいポジションも現れてハラハラしましたが、大きく崩れることなく指し続けられたと思います。
鈴木さんとのゲームは細かなマヌーバリングを繰り返し、このようなポジションになりました。e4-e5 を警戒し、黒がクイーンをQf6-Qd8 と退いたところで勝負に出ます。
34. Ne6!? fxe6 35. Qxg6 h5 36. Bd4?!
ナイト交換をしたことで、もう少しで黒キングに迫れると考えましたが、少し見込みが甘かったです。ダイレクトなメイトスレットを作りますが、黒のディフェンスをきちんと計算していませんでした。代わりに36. e5! h4 37. g4 h3 38. Be4+/- ならば、白優勢でゲームは続いたでしょう。
36... Qe7??
これはディフェンスになっておらず、すぐに黒のピースが落ちます。36... e5! 37. fxe5 Nxe5 38. Rf7 Rh7 39. Bxe5 Rxe5 40. Ref2 Kh8 と進んだ場合、形勢判断は非常に難しいポジションになっていたでしょう。互いにfファイルが開けば、黒キングは危ないと思い込んでいました。
37. dxe6 Bxe6 38. f5+- Ne5 39. Bxe5 Bc4 40. Bxg7 Qxg7 41. Qxe8+ Kh7 42. Qg6+ Qxg6 43. fxg6+ 1-0
もう1つ難しかったのが藤沢さんとのゲームです。私がミドルゲームでのワンチャンスを逃し、エンドゲームに突入することになります。
黒は1ポーンダウンですが、キングの位置の良さとダブルビショップ、e5 の分かりやすいターゲットにより、ポーンの代償はありそうです。
34. f3 g5! 35. Kf2 h5?!
g7-g5 はg7 のマスを空け、f4 のマスを抑える手として良いでしょう。しかし、h7-h5 は余計です。この時点で藤沢さんはg5-g4 を仕掛けるつもりなのかと思いましたが、キングサイドの4対2のポーンを捌き、白にコネクテッドパスポーンを与えることは、黒にとって得になりません。35... Bg7 から、すぐにe5 をアタックしておいたほうが良かったでしょう。
36. Ke3 g4?! 37. hxg4 hxg4 38. Bf4 gxf3 39. gxf3
白はBg7-Bh6 も恐れる必要はありません。黒に助けてもらってパスポーンとオープンファイルを作り、eポーンを進める方法をここから考えます。
39... Bg7 40. Rg1!
40. Bg5 Rd7 41. f4 と迷いましたが、せっかくオープンファイルができたのであれば、ルークを積極的に使うべきでしょう。
40... Rd7 41. Rg6+ Kd5 42. Ne4 Kc4
42... Bxe5 43. Bxe5 Kxe5 44. f4+ Kd5 (44... Kf5 45. Rf6+ Kg4 46. Rxc6! bxc6 47. Nf6++-) 45. Nf6++- e5 のポーンを取ってしまえば、ナイトフォークが避けられません。
43. e6 Bd4+ 44. Ke2 Re7 45. Nd6+ Kc3?
このゲーム最後のミスです。黒が粘るのであれば、キングはせめて下がらなければいけません。45... Kd5 46. Nf5 Re8 47. Nxd4 Kxd4 48. Bd6+/- このエンドゲームはまだ異色ビショップで難しいですが、私の経験上、白の2コネクテッドパスポーンに黒が対抗するのはかなり大変だと思います。
46. Bd2+!
この手がポイントで、黒キングをd4 のビショップから離しておくことで、Nd6-Nf5 での駒得を確定させます。
46... Kc2 47. Nf5! Bb5+ 48. Ke1 Bc5 49. Nxe7 Bxe7 50. Bg5 Bd6 51. Kf2 Bd3 52. Rg8 1-0
50手目で黒にBe7-Bh4+ の大逆転メイトを許すこともなく、なんとか勝ち切ることができました。最後まで残った藤沢さんとの試合も勝ったことで、今回の同時対局は私の8戦全勝という結果でした。私にとっても勉強になるゲームが多く、名古屋まで足を運んだ甲斐がありました。今回のイベントを企画してくださった名古屋チェスクラブの堀江さん、参加者の皆さん、同時対局のサポートをしてくれた妻に感謝したいと思います。ありがとうございました!
イベント後は手羽先で有名な世界の山ちゃんで、参加者たちとの打ち上げです。ここでもチェスボードを出していくつかポジションを考えたり、チェスの勉強について話し合ったり、ジャパンチェスマガジンについて説明をしたりと、楽しい時間を過ごすことができました。次回、名古屋に足を運ぶのは夏の大会でしょうかね。また名古屋にいける機会を今から楽しみにしています。
2 件のコメント:
奥様は同時対局はされなかったのですか
当日までに集まった人数が、私に7名、妻に1名だったため、妻の同時対局に参加予定だった小学生が私の同時対局に移り、8名となりました。代わりに遅れてきた小学生と、私の同時対局が早めに終わった小学生、計2人と妻でクロックサイマル(時計を使った持ち時間ありの同時対局)をしました。
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