2026/05/07

Japan Chess Championship 2026 Day5

今年の全日本選手権の入賞者たち Photo by Hasegawa

例年通り1日遅れの更新ですが、昨日全日本選手権が全日程を終えました。私は最終戦、山田くんとの試合がドローになり、6.5/9 での3位でした。そして注目のトップボードですが、中原くんはTuさんを相手に白で大きな有利を築き、最後はドローで7.5/9 での単独優勝を決めました。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Nakahara, Kan (CM,JPN, 2244) 7.5/9
2nd Place Tran, Thanh Tu (IM, JPN, 2402) 7/9
3rd Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2307) 6.5/9
4th Place Otsuka, Shou (FM, JPN, 2322) 6.5/9
5th Place Yamada, Kohei (FM, JPN, 2182) 6.5/9
6th Place Dryglas, Maciej (JPN, 2082) 6.5/9
7th Place Kobayashi, Atsuhiko (CM, JPN, 2130) 6/9
8th Place Nanjo, Ryosuke (IM, JPN, 2301) 6/9
9th Place Matsuo, Tomohiko (CM, JPN, 2032) 6/9
10th Place Yonemitsu, Kohei (JPN, 2080) 6/9
Japan Chess Championship 2026 Final Standings


今年はなんといっても中原くんの強さが目立ちましたね。日本もIM 3人時代に入り、次に初優勝するとなれば大塚くんが最有力候補だと思っていましたが、さらに若い中原くんが7勝1敗1ドローでの見事な優勝でした。現役大学生の全日本選手権優勝は、2013年の池田くん以来、実に13年ぶりのことです。今回の戦績ではまだ2300には到達しなかった中原くんですが、それも時間の問題だと思います。2300台の層が増える日本で、代表争いや大会の優勝争いがさらに過熱していくのがとても楽しみです。

さて私の最終戦ですが、短手数ドローを避けて勝負をした結果、かなり白熱したものとなりました。こちらの棋譜解説を今年の全日本選手権記事の締めくくりとします。

Kojima, S (IM, JPN, 2307) - Yamada, K (FM, JPN, 2182)
Japan Chess Championship 2026 (9)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Nbd7 5. cxd5 exd5 6. Qc2 c6!?

6... Bb4 と指した前日の南條くんとは違い、手堅いチョイスです。通常のQGD Exchange に近いですが、少しひねります。

7. Bf4!? g6!?


このタイミングでのg7-g6は少し驚きましたが、将来的なBc8-Bf5、Nf6-Nh5-Ng7が狙いであることは分かります。

8. e3 Nh5 9. Bg5 Be7 10. Bh6 Ndf6 11. Bg5 Nd7 12. Bxe7 Qxe7 13. h3 Nb6 14. g4 Ng7 15. O-O-O h5?

簡単な3回同一をやめ、ビショップを交換して長い勝負をすることに決めます。このポーン突きはありそうな形ですが、15... Be6 からまずは展開を完了させるべきでした。しかし、早すぎるh7-h5のとがめかたが私も分かっていません。

16. Bd3! Be6 17. Kb1?!


これもcファイルからキングを避けてRd1-Rc1を可能にするポピュラーなアイディアですが、早いh7-h5のとがめになっていません。17. Ne5! Nd7 18. f4! Nxe5 19. dxe5+/- と進めば、e5のナイトを捌かれても、次にf4-f5-f6がスレットになるため、黒は対処に悩みます。いきなりポーンの形を決めたくなくて慎重に進めようと思ったのですが、g2-g4をやった以上はf2-f4も使って早めに動くべきでした。

17... O-O-O 18. Rhg1 hxg4 19. hxg4 Ne8 20. Na4 Nxa4 21. Qxa4 Kb8 22. Ne5 Rc8

22... Nf6 23. Rc1 Nd7! でe5のナイトを捌けば黒は問題ないというのがエンジンの評価です。本譜でも白はa7、c6にプレッシャーをかけて有利だと思ったいたのですが、互いに自分の形勢を過大評価、過小評価しており、実際には黒は守り切って互角のようです。

23. Rc1 Nd6 24. Rc3 Nc4!?


白の攻めを緩和するために1ポーンを捨てる判断ですが、後々のf2への反撃を考えると白もポーンを貰って勝てるのか自身が持てなくなりました。とは言え、e5のナイトをただ消されても仕方が無いので、貰えるポーンは貰います。

25. Nxc4 dxc4 26. Bxc4 Rh2?!

自然に見える反撃ですが、h2-b8のダイアゴナルが気になります。26... Qf6! が正しい手順でのf2への反撃でした。

27. Bxe6 Qxe6 28. d5! Qe5


28... Qf6 29. f4! (29. dxc6?! Qxf2 30. Qf4+ Qxf4 31. exf4 Rxc6 32. Rxc6 bxc6 33. Re1 Rh4= このエンドゲームはドローです。) 29... cxd5?? (29... Rd1) 30. Rxc8+ Kxc8 31. Rc1+ Kd8 32. Qb4!+- このアイディアは検討で見つけられず、黒はd5を取れると思っていました。

29. dxc6 Rxf2 30. Qb4! b6 31. Rgc1

2つ目のルークはcファイルか、dファイルか悩みました。結論としてはポーンを後ろから支えすぎるよりも、dファイルからの侵入を見せてc8ルークをディフェンスに忙しくさせるほうが良かったようです。 31. Rd1! Rf6 32. Qa4!+/-

31... Qd5 32. a4


キングの逃げ道を作りつつ、a4-a5を狙うアイディアは悪くありません。しかしここで決め手があり、32. Qe7! Rc7 33. Qe8+ Rc8 34. Qd7! Qe4+ 35. Ka1 Rc7 36. Qd8+ Rc8 37. c7+! Kb7 38. Rd3!!
Analysis Diagram

バックランクにクイーンを跳びこんでも、ルークを合わされるだけで効果が無いと決めつけてしまいました。c8ルークをクイーンで取るアイディアを見せれば、黒にディフェンスはありません。38... Qe6 39. Rd6 Qxg4 40. Rd7+-

32... f5 33. gxf5 Qxf5+ 34. Ka1?

34. e4! Qe5 35. a5! Qxa5 36. Qd6+ Rc7 37. Rh3+- a2-a4の際に頭にあった、a5までの押し込みを実行すべきでした。いろいろと勝負を決めるアイディアは欠片として思い描きながら、適切なタイミングで踏み込めなかったのは反省です。

34... Qe5 35. Qh4 Rf7 36. Rg1 Qe6 37. Qg3+ Ka8 38. c7 Qe4 39. b3 a5 40. Qxg6!?


バックランクでの反撃は対処でき、b6が当たるタイミングなら取れると思いましたが、勘違いがあります。

40... Rf1+ 41. Kb2 Rf2+ 42. Kc1 Qb4?

42... Rf1+ 43. Kb2 (43. Kd2?? Qd5+! 44. Rd3 Rf2+ 45. Ke1 Qf3 46. Qg4 Rf1+-+ 大逆転の黒勝ちです。) 43... Rf2+= これならばパペチュアルチェックで終わりです。白キングはルークに寄っていけると考えてしまいました。

43. Qd3?


ここは最後のはっきりした勝ちのチャンスでした。43. Qc6+ Ka7 44. Rg6!+- とすれば、b6が問題になります。時間が少ない中、白キングが本当に安全なのか確信が持てませんでした。

43... Ka7 44. Rc2 Rf7 45. Qc4


45. Kb2! Rcxc7 46. Rxc7+ Rxc7 47. Rc1+/= として、c7を諦めてもキングを安全にすべきです。

45... Qa3+ 46. Kb1 Re7 47. Re1 Qd6 48. Qc6 Qd3 49. Qc3 Qh7 50. Rec1 Rexc7 51. Qd2 Qe4 52. Kb2 Rxc2+ 1/2-1/2

リードしていた2つのポーンが落ち、ドローとなります。いくつもあったチャンスをつかめなかったのは残念ですが、この経験をまた次の試合に活かせればと思います。皆さん、9試合お疲れ様でした。運営スタッフの皆さん、スポンサーのアルゼンチン大使館にも、深く感謝いたします。今月末の次のFIDE戦、中部快速オープンでもよろしくお願いいたします。
実力はありながらなかなか大会での優勝スピーチに恵まれなかった中原くんですが、どのように大会に臨んだか等、ためになる話をしてくれました。最後にオチをつけて笑いを誘うのは関西出身ゆえなのでしょうか。
記事の中では触れてきませんでしたが、GWOの入賞者たちもおめでとうございます! 生徒たちが好成績で私も安心しました。

2026/05/05

Japan Chess Chmapionship 2026 Day4

全日本選手権4日目です。今日は2人のIMと当たり、1勝1敗でした。午前中の試合で南條くんを相手に上手く勝てたのは良かったですが、Tuさんとの試合で満足に序盤を乗り切りながら、すぐに方向性が見えずに自滅したのは悔いが残ります... 南條くんと全日本選手権で12回目となる対戦の棋譜をご紹介します。

Kojima, S (IM, JPN, 2307) - Nanjo, R (IM, JPN, 2301)
Japan Chess Championship 2026 (7)

1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Nbd7 5. cxd5 exd5 6. Qc2 Bb4 7. Bf4 Ne4 8. e3 g5 9. Bg3 h5 10. h4!?

先日のCandidatesで優勝したSindarovは、10. Bd3 h4 11. Bxe4 dxe4 12. Qxe4+ Kf8 13. Be5 f6 14. Nxg5 というピースサクリファイスを選んで勝っています。私は今日はこれを避け、もう1つの変化を指すことに決めました。

10... Nxg3 11. fxg3 gxh4 12. gxh4 Qe7 13. Bd3 Nf6


e3ポーンは弱点に見えますが、13... Qxe3+ 14. Kd1 のように進んだ場合、次のRh1-Re1が強力で黒クイーンは危険です。

14. O-O Be6 15. Bf5 O-O-O 16. Ne5 Bd6?!

この手は調べていましたが、ベストではありません。16... Ng4! 17. Nxf7 Qxh4 18. Bxe6+ Kb8 19. Bxg4 hxg4 20. Nxh8 Rxh8 21. Rf4 Qh1+ 22. Kf2 Qxa1= とルークを一時的に捨ててから取り返す変化がおそらく黒としては一番安全でしょう。

17. Bxe6+ Qxe6?!


ここも17... fxe6! 18. Ng6 Qg7 19. Nxh8 Rxh8 と進め、白キングの多少の不安定さに、エクスチェンジの代償があると信じて指すほうが良かったと思います。ここで私の準備は終わり、黒クイーンがe6にきたことの問題点を探ります。

18. Nb5! Kb8 19. Rac1! Ng4?!

c7を全く受けないのは予想外でしたが、e5のナイトが外されるとh4、e3、h2等への反撃が気になります。それでも19... Qe7 20. Nxd6 cxd6 21. Qf5+/- を耐えようとするほうがまだ良かったかもしれません。

20. Nxd6


こちらでも勝勢ですが、20. Nxc7! Qc8 21. Rxf7 Bxe5 22. dxe5 Nxe5 23. Na6+ Ka8 24. Qxc8+ Rxc8 25. Rxc8+ Rxc8 26. Nc7+ Kb8 27. Rf5+- と捌いてエンドゲームに持ち込むほうが明確でした。

20... cxd6 21. Rxf7! Ka8 22. Rxb7?

しかし、決めにいったこの手がだめでした。昨年城崎はルークを捨てたものの仕留め方が分からず、今回はルークを捨てても仕留められないことが読めず... こういた計算の不正確さには課題が残ります。代わりに22. Qg6! Qe8 23. Rcc7+- という手があり、こちらを選ぶべきでした。

22... dxe5 23. Rxa7+ Kxa7 24. Qc7+ Ka8??


こちらはメイトですが、6段目に上がっても勝ちだと思っていました。24... Ka6 25. Rc3 Qd6! これがa3のマスを抑えるぴったりの手になっていることを両者見落としました。こうなるとRc3-Rc6+ からパペチュアルチェックしかありません。

25. Qa5+ Kb8 26. Qb5+ Ka8 27. Rc7 Qc8 28. Qa5+ 1-0

相手の逃げる方向のミスに助けられはしましたが、綺麗にルーク、ナイトを捨ててメイトになりました。

中原くんはこの重要な日に連勝で、7/8 でトップに立っています。明日のトップボードでTuさんと試合をし、ドローか勝ちなら中原くんの初優勝。Tuさん勝ちなら逆転で2連覇となります。私も最後まで気を緩めずに頑張りたいですね。最終日もよろしくお願いいたします。

Japan Chess Chmapionship 2026 9R Pairings

2026/05/04

Japan Chess Championship 2026 Day3

今日は試合後に新しい商業施設、OIMACHI TRACKS へと足を運びました。

全日本選手権3日目です。前日に中原くんに敗れて後退した私ですが、今日は2連勝で浮上しました。昨日と色を変え、黒番で午後に指したDryglasさんとの試合をご紹介します。Dryglasさんは近年、ポーランドから日本に移籍し、現在は札幌でチェスクラブの運営をしているプレーヤーです。

Dryglas, M (JPN, 2082) - Kojima, S (IM, JPN, 2307)
Japan Chess Championship 2026 (6)

1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 Nf6 4. g3 Be7 5. Bg2 O-O 6. O-O a5 7. Qc2 a4!? 8. a3

東海オープンに続き、Catalan Closed a7-a5変化です。白のa2-a3はb4のマスを抑える代わりに、b3のマスが弱まるので一長一短です。しかし、黒がナイトをどこに出すのか様子見をする意味合いもあるでしょう。

8... Nbd7 9. Bg5!? h6 10. Bf4


g5に一度ビショップを出し、h7-h6を突かせる手が黒キング前を弱めることになるかどうか、判断は難しいところです。いずれにせよ、f4にビショップが出る形は準備していたもので、私としては珍しく、Stone Wall型を目指します。

10... c6 11. Rd1 Ne4 12. Nfd2

12. Nc3 Nxc3 13. Qxc3 Nb6 14. Nd2 g5 は、h7-h6無しで準備していたアイディアです。この場合、h7-h6が入っていて、黒は損はないでしょう。

12... f5 13. f3 Nxd2 14. Nxd2 Bf6!


d4への反撃を作り、黒は満足な形です。白の受け方によっては、どこかでe6-e5を突き、白マスビショップの使いづらさも解消したいところです。

15. e3 Qe7 16. g4? fxg4 17. fxg4 Bxd4!

この手が入り、一気に白は崩壊しました。e2-e3の受けは黒マスビショップの行き場が気になるのは分かるので、16. Bc7 と先に潜り込んでおくのが正解です。

18. Bxh6? Ba7!


どうせ落ちるならh6のポーンを巻き添えにというのは理解できますが、黒の黒マスビショップは強力なa7-g1ダイアゴナルでキープしておけば、白の黒マスビショップだけが落ちる展開となります。

19. Rf1 gxh6 20. Qg6+ Qg7 21. Qxe6+ Kh8 22. cxd5 Nf6 23. Qe5 Bxg4 24. dxc6 bxc6 25. Nc4 Be2 26. Rf4 Rae8 27. Rxf6 Qxf6 28. Qxf6+ Rxf6 0-1

最後は駒得を広げて勝ちでした。

この日は南條くんがトップボードで中原くんに勝ち、逆転で単独首位に躍り出ました。5.5/6 の南條くんをトップに、中原くん、私、大塚くんの3人が5/6 で追いかけます。午後のラウンドでは、大塚くんがTuさんに勝ったのも印象的でした。明日、上位勢同士が当たる4日目を終えた時、抜け出すのが誰かはまだまだ分かりません。私は久々にトップボードでの南條くんとの対戦なので、しっかり指してこようと思います。

Japan Chess Championship 2026 R7 Pairings
夕飯はOIMACHI TRACKS 内の鰹水・肉汁つけうどん凛にしました。オープンしたばかりで迎えたGWということもあり、どこのお店も混雑しているようです。全日本選手権最終日最終戦終了後に、遅めのランチ or 早めのディナーが狙い目かもしれません。

2026/05/03

Japan Chess Championship 2026 Day2

全日本選手権2日目です。この日は1勝1敗でした。午前中はAlexとの対戦で、全日本選手権だけでも8回目のペアリングです。以前と同じStone Wall Dutchをメインで準備していましたが、King's Indianでした。対局全体をささっと見たいかたはこちらから。

Kojima, S (IM, JPN, 2307) - Averbukh, A (CM, JPN, 2126)
Japan Chess Championship 2026 (3)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 d6 5. Nc3 O-O 6. Nf3 c6 7. e4!?

おそらくですが、7. 0-0 Bf5! が彼のメインの準備で、それを外す手順にしました。黒のチョイスはいくつかありますが、オーソドックスなNbd7変化になります。

7... e5 8. h3 Qc7 9. O-O Nbd7 10. Be3 Re8 11. Qc2 Nf8!?


11... exd4 12. Nxd4 a5 13. Rad1 Nc5 14. Ndb5! が知られたタクティクスで、オンラインでの経験も豊富にあり、自信があります。本譜は白のセンターに挑むには消極的に見え、じっくり構えることにします。

12. Rfd1 Be6 13. b3 Rad8 14. Rd2 exd4 15. Nxd4 d5?! 16. exd5?

しかし、ここはひどい勘違いでした。16. Nxe6 くらいでビショップを貰って満足すべきで、強烈なカンターパンチを見落としています。

16... cxd5?


16... Bxh3!! 17. Bxh3 Rxe3! このようにc7のクイーンが働いてくるとは予想していませんでした。

17. cxd5? Nxd5?


黒は再度、17... Bxh3! のチャンスを見落とし、駒損で不利な終盤へと突入します。

18. Nxd5 Qxc2 19. Nxc2 Bxa1 20. Nxa1

ナイトでa1のビショップを取り返せるのがポイントで、2ピースvs.ルークのエンドゲームになります。しかし昨年もこのマテルアルでルーク側に余計な反撃を許して難しくしたゲームがあるため、油断は禁物です。

20... Bxd5 21. Rxd5 Rxd5 22. Bxd5 Rd8 23. Bf3 Ne6 24. Nc2 b6 25. h4 Kg7 26. Kf1 h6 27. Ke2 f5 28. b4 Rd6 29. b5 g5 30. hxg5 hxg5 31. Bc1 Kg6 32. Bb2 Nc5 33. Nd4 a6 34. Bc6 axb5 35. Be8+


一度黒キングを遠ざけておき、f5を狙いやすくします。

35... Kh7 36. Bxb5 Rd5 37. Bc4 Re5+ 38. Kf1?

センターからサイドにキングが戻るのは不自然だと思いつつも、ルークに狙われない位置のほうが良いと思ってしまいました。38. Kd1 にすべきです。

38... Na4! 39. Ba1 Rc5 40. Bb3 Rc1+ 41. Kg2 Rxa1?


本当は残しておきたかった黒マスビショップを取らせますが、次の手があるので大丈夫だと思っていました。白は白マスビショップを残せるとaポーンを守りやすいので、41... b5! 42. Bxa4 bxa4 43. Bb2 のほうが黒は良かったでしょう。

42. Nc2! Rc1 43. Bxa4

ルークをa1から追い出すことで、aポーンを取らせずに駒交換を進めました。黒マスビショップは消されましたが、この安定した白マスビショップ+ナイトなら白は勝ちのチャンスを目指せます。

43... Kg6 44. Bb3 Kf6 45. f4 Rd1 46. Kf2 Rd2+ 47. Ke3 Rg2 48. Kf3 Rd2 49. Ne1 Rd8?


ここはf4のポーンにプレッシャーをかけるように、49... Rd4! が勝りました。

50. Ke3 Re8+ 51. Kf2 Re4 52. Bd5 Rd4 53. fxg5++-

ナイトフォークのチャンスを絡め、絶好のタイミングでg5を取ることができました。これで安心して勝ちを目指せます。

53... Kg6 54. Bb3 f4 55. Nf3 fxg3+ 56. Kxg3 Rb4 57. Bc2+ Kh5 58. Bf5 b5 59. Bd7 Kg6 60. Be8+ Kf5 61. Bxb5!


再度、ナイトフォークを絡めたタクティクスでポーンを掠めとります。

61... Rg4+ 62. Kf2 Kf4 63. a4 Ke4 64. Bc6+ Kf4 65. a5 Rg3 66. a6 1-0

上手く指したかなと思いましたが、振り返ってみると色々と荒いところがあり、勉強になりました。

2日目まで終わり、中原くんが唯一4連勝。3.5/4の5人が追いかける展開となっています。私も上のグループに追いつけるよう、引き続き頑張ります。明日からはゴールデンウイークオープンも始まり、にぎやかになると思います。そちらの参加者の皆さんも、よろしくお願いいたします。

Japan Chess Championship 2026 R5 Pairings

2026/05/02

Japan Chess Championship 2026 Day1

今日から全日本チェス選手権が始まりました。私はここ数年、初日でポイントを落とす展開が続きましたが、今年はなんとか連勝スタートを切ることができました。午後に指した松尾さんとの試合を、今夜はお届けします。松尾さんとも長い付き合いですが、黒番での対戦は12年前の全日本選手権以来です。

Matsuo, T (CM, JPN, 2032) - Kojima, S (IM, JPN, 2307)
Japan Chess Championship 2026 (2)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7 8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bd2 Ngf6 12. O-O-O Be7 13. c4!? b5!?

13... O-O も普通だと思いますが、ここは典型的なbポーンを捨ててオープンファイルを作る作戦を試してみました。白はこれを取るのは躊躇いそうです。

14. Kb1 O-O 15. Ne4 bxc4 16. Nxf6+ Nxf6 17. Qxc4 Qb6 18. Rc1 Rab8?!


この後少し進んで、自分の満足するポジションではなくなりました。何が変だったのかと思いましたが、このb2でのメイトを直接狙う手が遅く、効果的ではありませんでした。代わりに18... Rfc8 から早めのc6-c5を狙うほうが良かったでしょう。

19. Rc2 Rfc8 20. Be3 Nd5 21. Ne5 Rc7 22. Rhc1 Rbc8 23. Qa4! Qb4?!

孤立のc6を狙われ、あまり黒の感触が良くなくなりました。これをどう守りきるべきか悩み、我慢の展開を選択しましたが、ここは早めにポーンを捨てる決断をするべきです。23... Nxe3! 24. fxe3 c5! 25. Nd7 Qb7! 26. dxc5 Rc6! 27. Qd4 Rd8 28. Rd2 Rc7 29. Qa4 Rdc8 30. Qd4 Rd8= 働きの悪いe3のビショップを取るのは考えましたが、ポーンダウンの代償が分かりませんでした。このように進めば、確かに白には進展の方法がなく、ドローでしょう。

24. Qa6!?


松尾さんはクイーン交換を避けましたが、素直に取られるほうが嫌でした。24. Qxb4 Nxb4 25. Rc4 Bd6 26. g3+/- ならば、c6の問題は残っています。

24... c5 25. dxc5?

この単純なポーン取りが大きなミスでした。25. Nd3! Qb6 26. Qxb6 axb6 27. dxc5 Nxe3 28. fxe3 bxc5 29. Rc4+/- このポジションは私も考えていましたが、白の乱れたポーンはあまり重要ではなく、aファイルのパスポーンとc5の弱点で白が有利でした。

25... Qe4! 26. Nd3 Rd8!


h7-b1ダイアゴナルからの反撃を見せることで、一気に黒が息を吹き返しました。d3の浮いたナイトは心配の種で、黒はポーンを取り返すことができます。

27. Re1 Nxe3! 28. Rxe3 Qxg2-+

経験上、安全にgポーンが取れると白の残ったポーンはバラバラで弱く、黒が勝勢となります。

29. a3 Qh1+ 30. Rc1 Qxh5 31. c6 Qf5 32. Ka1 Bf6 33. Rc5 Qg4 34. Ne5 Qg1+ 35. Ka2 Qxf2


f2も落とし、白キングへ迫る攻撃を作れたことで勝負は決まりました。

36. Rcc3 Rb8 37. Re2 Qb6 0-1

最後はクイーン交換を迫り、c6を落とせば黒勝ちのエンドゲームです。

連勝は11人いるようで、2日目の3Rでは段々対戦者同士のレイティングが近くなってきます。私はAlex相手に白になりましたので、2日目もしっかり指してきたいと思います。皆さん、全日本選手権2日目もよろしくお願いいたします。

Japan Chess Championship 2026 R3 Pairings
Chess.com 中継
大会期間中は大井町に滞在しています。初日の夕飯は中華へ行きました。
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