2022/08/06

Chennai Olympiad R7 Japan - Nepal

ホテルと会場を往復するバスもオリンピアードの特別仕様です。

休憩日明けの7R はオープンがネパール、女子がエチオピアとの対戦となりました。ネパールはこれまでオリンピアード、アジア大会などいくつかの海外大会で対戦しています。私はヨーロッパのIMトーナメントにも参加している若いプレーヤーとの試合になりました。

Thing, B (CM, NEP, 2260) - Kojima, S (IM, JPN, 2346)
Chennai Olympiad (7)

1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bc4 Nf6 4. d3 Bc5 5. c3 d6 6. a4 a5 7. O-O h6 8. Nbd2 O-O 9. h3 Ba7 10. Re1 Be6 11. Bb3 Re8 12. Bc2 Qd7 13. Nf1 Rad8 14. Ng3 d5

Italian の変化ですが、基本的にa2-a4、a7-a5 と付き合う形は黒が良いと思っています。私も白番でこのフォーメーションを指しますが、a2-a4 は突かず、1手得をした形にします。

15. Qe2 Bc5!?


少し違う形ですが、Topalov の試合で黒のビショップがBa7-Bc5-Bf8 を見たことがあったので、それを試してみようと思いました。しかし、相手の次の手を見てまた違った試みをします。

16. Nh4 Bxh3!? 17. exd5 Nxd5?

思い切ってビショップを切りましたが、メインの読みはドローでした。17. gxh3 Qxh3 18. Nhf5 Ng4 19. Ne3 Bxe3 20. Bxe3 Qh2+ 21. Kf1 Qh3+= からパペチュアルチェックです。本譜のd5 を先に取る手はすっかり読み抜かしており、ここで対応を誤りました。17... Ne7! とかわせば良かったのですが、本譜は白キングへのアタックを過信しています。

18. gxh3 Nf4 19. Bxf4?


19. Qf3 Nxh3+ 20. Kg2 Nxf2 21. Nhf5+/- と進んだ形は黒にこれ以上期待できるアタックがなく、3ポーンピースでも白が大きく有利なポジションです。本譜はピースを返してくれて勝負できるようになりました。

19... exf4 20. Qf3 fxg3 21. Qxg3 Bd6 22. Qg4 Ne5 23. Qxd7 Nxd7 24. d4 Nf6

駒数はイコールでクイーンを捌き、一気にエンドゲームに入ります。白のポーンはバラバラであるため、チャンスはあると考えていました。

25. Nf5 Bf8 26. Ne3 c5 27. dxc5 Bxc5 28. Nc4 b6 29. Kf1 g6 30. Rxe8+ Rxe8 31. Re1 Rxe1+ 32. Kxe1 Nd5


狙いはNd5-Nf4 でh3 のポーンを狙い、白のピースをディフェンスに縛らせることです。

33. Bd3 Nf4 34. Bf1 f6 35. f3 Kf7 36. Kd1 Nd5 37. Nd2 f5 38. Bc4 Ke6 39. Ke2 Ke5 40. Bxd5 Kxd5

ビショップナイトの交換になり、ナイトよりも働いているビショップ+アクティブなキングを得ました。少し黒が有利な局面で、どう進めるかを考えます。

41. f4 Bd6 42. Kf3 g5 43. fxg5 hxg5 44. b3 Be5 45. Nb1 Kc5 46. Ke3 Bf4+ 47. Kd3 Bc1 48. Kc2 Be3 49. Kd3 Bf4 50. Na3 g4


Na3-Nb5 の動きでc3 を守られることが分かり、おそらく勝つことはできないと分かりました。チームの勝ちはこの時点ですでに決まっていたため、ドロー模様でもとことんやることにします。

51. hxg4 fxg4 52. Nc2 g3 53. Ne1 Kd5 54. Ng2 Bg5 55. Ne1 Ke5 56. Ng2 Kf5 57. b4 Kg4 58. bxa5 Kf3??

残り時間数秒まで考え、実行した1つのブランダーで試合を崩してしまいました。58... bxa5 59. Ke4= でドローです。

59. a6!


指されてみると当然の1手なのですが、59. axb6 しか見えていませんでした。

59... Kxg2 60. a7 Kf2 61. a8=Q g2 62. Qb8 Be3

一瞬、白はクイーンの位置を間違えてドローに持ち込めるのではないかと思いました。ビショップはb6 ポーンを守ると同時に、g1 のプロモーションをサポートする好位置です。

63. Qh2 Bc5 64. Kc4 Kf1


試合後にビショップが戻ればドローだったのではないかと考えました。実際には64... Be3 65. Kd5 Kf1 66. Qh3 Kf2 67. Ke4!+- が白の勝ちを決める手で、g1 は確保しているものの、ビショップ取りとf3 でのクイーンチェックを同時に狙われて黒の負けになります。しかし、白が残り少ない持ち時間でこれを見つけていたかは定かではありません。

65. a5 g1=Q 66. Qxg1+ Bxg1 67. a6 b5+ 68. Kxb5 Ke2 69. c4 1-0

6R と違い、自分がずっと優勢で押す側だったため、1つのブランダーで形勢がひっくり返ってしまう悔しい敗戦でした。気を取り直して次の試合に向かいます。

Open R7 Japan - Nepal 2.5-1.5

Tran, Thanh Tu (CM, JPN, 2376) - Chaulagain, Purushottam (NEP, 1975) 1-0
Kojima, Shinya (IM, JPN, 2346) - Thing, Bibek (CM, NEP, 2260) 0-1
Averbukh, Alex (CM, JPN, 2155) - Bhandari, Kshitiz (FM, NEP, 2071) 1-0
Kobayashi, Atsuhiko (JPN, 2156) - Jaiswal, Rupesh (FM, NEP, 2083) 1/2-1/2

Women R6 Ethiopia - Japan 2-2

Haile, Lidet Abate (ETH, 1624) - Sakai, Azumi (WCM, JPN, 1759) 1-0
Bantiwalu, Aster Melake (ETH, 1425) - Kojima Natsumi (WCM, JPN, 1782) 1-0
Abera, Mekdes Demssie (ETH, 1342) - Misawa, Yuki (JPN, 1587) 0-1
Ayele, Hana Mulugeta (ETH, 1437) - Mitsuyama, Rikka (JPN, 1157) 0-1


オープンチームは私こそ負けたものの、マッチには勝てて一安心です。これでチームは4勝3敗と1つ勝ち越し、再び上位の国にチャレンジすることになります。女子チームは6R のフィジー戦と逆で、上位2つのボードが負けたものの、下位2つが勝ってタイになりました。今日こそチームとして勝つことを願っています。


今日の組み合わせはオープンがモンゴル、女子がキプロスです。私の対戦相手であるGM Gundavaa とは、互いに高校生だった2006年のドーハアジア大会からの付き合いです。今回が初対戦となるので、良いゲームができるよう頑張ってきます。

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