ジャパンチェスクラシック2日目です。この日の午前のラウンドでは少し上位勢でポイントを落とすプレーヤーが出てきました。1Bで指していたTuさんはフランスのCharronさんにドロー、3Bで指していた南條くんは汐口くんとドローでした。私は久々となる藤井さんとの対戦で、黒番を持ちます。
Fujii, C (JPN, 1995) - Kojima, S (IM, JPN, 2296)
Japan Chess Classic 2024 (3)
1. d4 d5 2. Bf4 c5 3. e3 Nc6 4. c3 Qb6 5. Qb3 c4 6. Qc2 e5!?
London Systemについてはいくつかの変化を試してきましたが、この日はNg8-Nf6を遅らせてこの手を仕掛けます。黒は一時的にポーンを捨てても、早い展開とスペースで十分に戦えます。Japan Chess Classic 2024 (3)
7. dxe5 Bf5 8. Qc1 g5 9. Bg3 h5 10. h4 g4 11. Nd2 Bg7 12. e4?!
この手は白のポーン捨て返しで、このストラクチャーではよく見られる手です。しかし、ここではこのブレイクを断念し、12.Ne2から展開を急いだほうが良かったでしょう。それでも黒はポーンを取り返して満足です。
12... Bxe4?!
12... Bxe5!! 13. Bxe5 (13. exf5 Bxg3 14. fxg3 Qe3+ 15. Kd1 O-O-O-+) 13... Nxe5 14. exf5 O-O-O-+ このピースを捨ててもe5を早く回収し、白ピースを抑え込んで黒勝勢というコンピュータの評価は難しいです。13. Nxe4 dxe4 14. Qc2?
e4の取り返しとキャスリングを目指す手ですが、また遅くなってしまいます。ここは早くc4を取り返しておくべきでしょう。
14... O-O-O! 15. Bxc4 Nxe5 16. Bxe5 Bxe5 17. Ne2 g3!
黒マスビショップを黒だけ持つため、こうした黒マスを崩すアクションが有効です。18. Nxg3 Bxg3 19. fxg3 Nf6?!
しかし、この自然に見えるピースの展開がやや不正確でした。どうせg4にナイトを向かわせるのであれば、f7を一時的に守りつつ、f5のマスを抑えてQc2-Qf2-Qf5を防ぐためにh6にナイトを出すべきでした。19... Nh6! 20. Qf2 e3 21. Qf3 e2-+
20. Qf2 Qxf2+ 21. Kxf2 Rd2+ 22. Ke3 Rxb2
クイーン交換から大きく局面の特徴が変わりました。直接的なアタックのチャンスは減りましたが、まだ白キングは安全とは言えません。23. Rhf1 Ng4+ 24. Kxe4 Re8+ 25. Kf4 Nh2?
ここは最初に考えた手がシンプルなメイト受け無しでないことに愕然とし、何か良い手がないかを必死に探したのですが、うまく考えがまとまりませんでした。実は最初に考えていた手が正解で、25... Rb6! 26. Bd3 Ne3!が上手い手の組み合わせです。Rb2-Rb6-Rf6からのメイトにはビショップを挟んでチェックする手を見落としていたのですが、これに対してナイトをe3に入れる手が絶妙のタイミングでした。f5のマスをカバーしつつ、f1ルークとg2ポーンを狙っています。25...Rb6を断念して25...Ne3も読んだのですが、f7が取られてしまいます。しかし、この2つの手を組み合わせれば良いという発想がなぜか出ませんでした。
26. Rfe1??
ここは相手のミスに助けられました。白はルークを諦めるのが正解で、キングサイドのポーンでむしろ勝ちのチャンスがあります。26. Bxf7! Rf8 27. Kg5 Nxf1 28. Rxf1 Rh826... Rf2+ 27. Kg5 Rg8+ 28. Kxh5 Rf5+ 29. Kh6 Ng4+ 30. Kh7 Nf6+
このナイトが戻ってくる手がぴったりg8のルークも守っています。
31. Kh6 Rh5# 0-1
最後は綺麗なキングハントでした。午後の試合は不戦勝で上がった中国のジュニアプレーヤー、Li Yanくんを破り、ここまで4連勝で2日目を終えています。4試合を終え、オープンの4連勝は3名まで絞られました。明日はドローで半歩下がったTuさんとの試合です。昨年神戸でのクラシックでは、黒番で面白い試合を勝ったので、明日もしっかり指してポイントを上げたいですね。3日目もよろしくお願いいたします。
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