2024/12/03

Kyoto Gion Open 3 Day3

更新が遅くなりましたが、京都祇園オープン3は12/1の日曜日に最終日を迎え、無事に全試合を終了しました。私は5Rで野口さんに勝ったのは良かったものの、最終戦で木下さんに必勝のエンドゲームを落とし、4勝1敗1ドローの3位に終わりました。優勝は5勝1ドローの松村くんで、私以外のIM戦も危なげない内容でドローにしています。入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Matsumura Cocoro (CM, JPN, 2036) 5.5/6
2nd Place Song Julien (IM, FRA, 2307) 5/6
3rd Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2320) 4.5/6
4th Place Noguchi Koji (JPN, 1999) 4.5/6
5th Place Nagai Toshiyuki (JPN, 1806) 4.5/6

Kyoto Gion Open 3 Final Standings


最終日のゲーム解説は5Rにします。野口さんとはトータルのスコアは良いものの、昨年はジャパンオープンという大舞台で負けており、悔しい思いをしました。それ以来ほぼ1年ぶりの対戦となります。

Kojima, S (IM, JPN, 2320) - Noguchi, K (JPN, 1999)
Kyoto Gion Open 3 (5)

1. d4 g6 2. g3 Bg7 3. Bg2 c5 4. dxc5 Qa5+ 5. c3 Qxc5 6. Nf3 Nf6 7. O-O O-O 8. Na3 d6 9. Qa4 Nc6 10. Qh4 Qh5 11. Qxh5 Nxh5

11手でクイーンが消え、シンプルな局面になりました。ポーンが無く、ルークを使いやすいセミオープンファイルの場所が違うのがポイントなりそうです。

12. Rd1 Rb8 13. Nb5 Bd7 14. a4 Rfc8 15. Be3 a6 16. Nbd4 Na5


この手は少し気にしていましたが、c4を狙う手はさほど脅威ではありません。白はナイトでc4をカバーしつつ、白マスビショップをクイーンサイドに利かせます。

17. Nd2 Nf6 18. Nc2! Bc6 19. Ba7 Ra8 20. Bb6 Bxg2 21. Kxg2 Nc4 22. Nxc4 Rxc4 23. Ne3 Rc6 24. a5 e6 25. c4

24... Nd7 25. Nd5!は白がd5のマスを早めに活用し、指しやすそうです。黒はそれを嫌ってe7-e6を突き、d5のマスを抑えますが、代わりにd6を弱めています。白はそこにつけこみ、c4まで伸ばしたポーンでd5のマスを抑えつつ、d4-c3にビショップを退けるようにします。

25... Nd7 26. Bd4 Bxd4 27. Rxd4 Kf8 28. Rad1 Ke7 29. b4


c4への反撃がもう少しありそうなら、b2-b3とするつもりでしたが、逆にc5のマスを使われた反撃が鬱陶しいでしょう。白は早めにb2-b4の形を決めておき、タイミングを見てb4-b5、c4-c5のいずれかを狙います。

29... Nf6 30. g4! h6 31. h4 Rb8 32. f4

g5までポーンを突き進めてポーン交換が行った際に、hファイル、fファイルをどちらも開けるようにしておき、さらにg5に残ったポーンを守れるようにしておきます。

32... b6 33. g5 hxg5 34. fxg5!?


ポーンはセンターに向かって取るが原則ですが、ここはf4に残ったポーンがターゲットになることを嫌い、さらにfファイルを開くことで将来的にf7を狙えるチャンスがあると考えました。

34... Nh5?!

f4にターゲットになるポーンが無くなった以上、端にナイトが跳ぶのは不自然です。34... Ne8! 35. axb6 Rbxb6! 36. c5 Rb7!=ならば7段目への白ルークの侵入を防ぎつつ、d6も守り駒の数がぴったり足りて形勢互角でした。

35. b5 axb5 36. cxb5 Rc3 37. Re4!


この試合で最も気に入っている手です。d6へのプレッシャーは緩和してしまいますが、代わりにナイトを守りつつ、Ne3-Nd5+をスレットにしています。

37... Rb3 38. Nd5+ Kd8 39. Nxb6 Rxb5 40. Rxd6+

この試合、初めてマテリアルのリードを取りました。後は黒の反撃を抑えつつ、aポーンを武器に決め手を探します。

40... Ke7 41. Rd7+ Ke8 42. Ra7 Rd8 43. Rc4 Rf5 44. a6! Nf4+ 45. Kh2 Nxe2 46. Rc8!


ここでルークを交換しておかなければ、Rf5-Rf4+から2つ目のルークも跳びこまれ、白キングが先にメイトされてしまいます。どちらのルークを残すか少し悩みましたが、a7のルークは7段目を抑える役割があるうえ、後でも別ファイルに動くことでaポーンの進路を確保できます。

46... Rf2+ 47. Kh3 Rf3+ 48. Kg2 Rb3 49. Rxd8+ Kxd8 50. Rd7+ Ke8 51. Rb7 Nf4+ 52. Kf1 Rb1+ 53. Kf2 Nd3+ 54. Ke3 Ne5 55. a7 Rxb6 56. a8=R# 1-0

ブダペストから4大会、FIDE公式戦の大会はレイティングプラスで終わっていたので、この流れでさらにレイティングを戻したかったですが、今回はさすがにマイナスです。次のFIDE公式戦の大会は、年末年始のHong Kong Internationalに参加する予定ですので、そちらではまた良いゲーム、良い結果を出せるように頑張ってきます。今大会も運営、参加者の皆さん、ありがとうございました。
参加者全員の参加記念品は、チェス柄のネクタイをいただきました。良い本は早い者勝ちでしたが、残っていたこちらも嬉しいです。
京都を発った後は山口県下関市に来ています。こちらで週末まで過ごし、日曜日は佐賀県有田市の非公式大会に参加します。

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