今日から香港のQueen Elizabeth Stadiumで、Hong Kong International 2024が始まりました。14時前に会場に足を運び、エントリーの確認をしてネームカードを貰います。今大会は電子機器は当然としても、ペンなども持ち込みは禁止で、プレーヤーは全て会場入り口で荷物を預け、金属探知機をくぐって試合をする部屋へ入ることとなります。この厳重さはオリンピアードと遜色ありません。さらに会場内で驚いたのは棋譜が紙ではなく、iPad上のアプリで記録する形式だったことです。
少し慣れない形式に戸惑いもしましたが、大きなトラブルもなく初戦がスタートしました。フィリンピンのGM2人を始め、14名ほどエントリーしながら来なかったプレーヤーがおり、オープンセクションは計57名となっています。私の初戦の相手は地元、香港の若いプレーヤーです。
Slav Exchangeのf2-f3ラインは10年以上前に上杉くんから教えてもらい、いくつか対策を見ていました。黒からe7-e5と突くプランはCaro-Kann Fantasyと通じる局面になり、私の好みです。これに対して白がd4をナイトで守る手は珍しく、どうするか悩みました。8. Bb5+ Nc6 9. d5 Bb4 10. Qd3 a6 11. Ba4 Qa5 12. Bd1 Nd4が私に知っている変化です。
a7-g1ダイアゴナルを抑え、白のキャスリングを止めている点は黒が良いですが、白のナイトの跳びこみで応戦します。ここでは11... Bf2+! 12. Kd1 Qd8 13. Bb5+ Nc6 14. Ke2 O-Oと進めるのが良いようで、黒はクイーンを退いて守り、満足な局面です。これに対し、本譜のピースを捨てる変化も、白がキングの安全を確保するのが難しく面白い流れになります。
白は冷静です。g7を取るのは危険で、13. Qxg7? O-O-O! 14. dxe6 Qxe6+ 15. Kd1 Ne5+! 16. Bd2 Nxf3 17. gxf3 Bb4ならば黒はアタックを続けられます。
c,d,eファイルの3つのファイルを最大限活用することが、黒がピースの代償を取る一番の方法だと思ったのですが、少し安直でした。代わりに17...a6でクイーンを追い払い、様子を見るべきです。
この手でピースが返ってくることが決まり、黒は一安心です。検討ではc4にクイーンを逃がす手はどうかと話し合いました。19. Qc4! b5 20. Qc3 b4 21. Qc4 Nb6 22. Qb3 (22. Qxa6? Nd5! 23. Qc4 Rc6! 24. Kb1 Be3!-+) 22... Nd5 23. Bc4 Be3 24. Kb1 Rc8 25. Nd4 Bxd4 26. Bxd5 Re2 この変化はコンピュータの解析で見つけたもので、試合では指せた自信がありません。
26. Ra2 Qe7は次にQe7-Qe4が厳しい狙いとなります。
12/27 15:30 Player's Meeting, 16:00 R1 Wong, C (HKG, 1925) - Kojima, S (IM, JPN, 2326) 0-1
12/28 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Sethuraman, S.P (GM, IND, 2586), 16:00 R3
12/29 10:00 R4
12/30 10:00 R5. 16:00 R6
12/31 10:00 R7
01/01 10:00 R8
01/02 10:00 R9
Hong Kong International 2024 R2 Pairings
Hong Kong International 2024 Live Games
香港ではお茶の時間と称し、14時過ぎにお昼とは別メニューを出す店がちらほら見られます。この日の昼食は少し遅めにシンガポールレストランで、ティータイムメニューにあった麺類をいただきました。おそらくお昼時を少し過ぎるとお得になるのだと思います。
少し慣れない形式に戸惑いもしましたが、大きなトラブルもなく初戦がスタートしました。フィリンピンのGM2人を始め、14名ほどエントリーしながら来なかったプレーヤーがおり、オープンセクションは計57名となっています。私の初戦の相手は地元、香港の若いプレーヤーです。
Wong, C (HKG, 1925) - Kojima, S (IM, JPN, 2326)
Hong Kong International 2024 (1)
1. d4 d5 2. c4 c6 3. cxd5 cxd5 4. Nc3 Nf6 5. f3!? Qb6 6. e4 dxe4 7. fxe4 e5 8. Nf3!?
Slav Exchangeのf2-f3ラインは10年以上前に上杉くんから教えてもらい、いくつか対策を見ていました。黒からe7-e5と突くプランはCaro-Kann Fantasyと通じる局面になり、私の好みです。これに対して白がd4をナイトで守る手は珍しく、どうするか悩みました。8. Bb5+ Nc6 9. d5 Bb4 10. Qd3 a6 11. Ba4 Qa5 12. Bd1 Nd4が私に知っている変化です。 Hong Kong International 2024 (1)
8... exd4 9. Qxd4 Bc5 10. Qe5+ Be6 11. Nd5 Nxd5!?
a7-g1ダイアゴナルを抑え、白のキャスリングを止めている点は黒が良いですが、白のナイトの跳びこみで応戦します。ここでは11... Bf2+! 12. Kd1 Qd8 13. Bb5+ Nc6 14. Ke2 O-Oと進めるのが良いようで、黒はクイーンを退いて守り、満足な局面です。これに対し、本譜のピースを捨てる変化も、白がキングの安全を確保するのが難しく面白い流れになります。
12. exd5 Nd7?!
これでピースを捨てても白はキングとクイーンが不安定で面白いと思いましたが、ナイトをいきなり捨てる手が良かったでしょう。12... Nc6! 13. dxc6 O-O こうして白マスビショップを残したままeファイルからの反撃を見せると、白はどうキングの守りをまとめるか悩むところです。13. Qe2!
白は冷静です。g7を取るのは危険で、13. Qxg7? O-O-O! 14. dxe6 Qxe6+ 15. Kd1 Ne5+! 16. Bd2 Nxf3 17. gxf3 Bb4ならば黒はアタックを続けられます。
13... O-O 14. dxe6 Rae8 15. Kd1!
黒は白マスビショップを捨て、eファイルからの反撃でバランスを取ろうとします。これに対して白は早めにキングがクイーンサイドに向かうのが良いアイディアで、ぎりぎり白キングはつかまりません。対して15. exd7 Rxe2+ 16. Bxe2 Rd8 17. Kf1 Rxd7-/+ とクイーンを捨てるのは、白のキングは依然として危険なうえ、ピースが連携できずに黒優勢です。15... Rxe6 16. Qb5 Qc7 17. Bd3 Rd8?
c,d,eファイルの3つのファイルを最大限活用することが、黒がピースの代償を取る一番の方法だと思ったのですが、少し安直でした。代わりに17...a6でクイーンを追い払い、様子を見るべきです。
18. Kc2?
キングがcファイルに逃げたい気持ちは分かりますが、c2は見た目通り危険です。18. Bg5! Nf6 19. Rc1 Rxd3+ 20. Qxd3 Rd6 21. Nd4!ならば黒は駒を取り返すことが難しく、厳しい形勢でした。18... a6! 19. Qb3?
この手でピースが返ってくることが決まり、黒は一安心です。検討ではc4にクイーンを逃がす手はどうかと話し合いました。19. Qc4! b5 20. Qc3 b4 21. Qc4 Nb6 22. Qb3 (22. Qxa6? Nd5! 23. Qc4 Rc6! 24. Kb1 Be3!-+) 22... Nd5 23. Bc4 Be3 24. Kb1 Rc8 25. Nd4 Bxd4 26. Bxd5 Re2 この変化はコンピュータの解析で見つけたもので、試合では指せた自信がありません。
19... Be7+! 20. Kb1 Nc5!-+
クイーンとビショップの位置が悪く、この手がフォークになってしまいます。ピースを取り返せば、黒はルークの働きの差で勝勢と考えられます。21. Bxh7+ Kxh7 22. Qc2+ Kg8 23. a3 Rc6 24. Be3 Nd3 25. Qb3 Bf6 26. Nd4
26. Ra2 Qe7は次にQe7-Qe4が厳しい狙いとなります。
26... Bxd4 27. Qxd3 Bxb2 0-1
ピースを捨てて展開の早さで勝負する、普段はあまりやらない流れだっただけに、なんとか勝つことができて良かったです。次はトップボードでインドのGM Sethuramanとの対戦です! 貴重な機会をいただけたので、全力で食らいついていこうと思います。12/27 15:30 Player's Meeting, 16:00 R1 Wong, C (HKG, 1925) - Kojima, S (IM, JPN, 2326) 0-1
12/28 10:00 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2326) - Sethuraman, S.P (GM, IND, 2586), 16:00 R3
12/29 10:00 R4
12/30 10:00 R5. 16:00 R6
12/31 10:00 R7
01/01 10:00 R8
01/02 10:00 R9
Hong Kong International 2024 R2 Pairings
Hong Kong International 2024 Live Games
香港ではお茶の時間と称し、14時過ぎにお昼とは別メニューを出す店がちらほら見られます。この日の昼食は少し遅めにシンガポールレストランで、ティータイムメニューにあった麺類をいただきました。おそらくお昼時を少し過ぎるとお得になるのだと思います。
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