2024/12/08

有田セラミック・チェス大会2024

京都での大会終了後、下関、小倉と西に移動してきて、今日は1年ぶりの佐賀県有田町のチェス大会です。有田セラミック・チェス大会は伊万里チェスクラブが主催する非公式大会で、有田町の九州陶磁文化館で開催されるようになり、今年で3回目となります。私は一昨日、去年に続いての参加でしたが、福岡の北、小倉からの朝の移動は初めてで少し大変でした。
この大会の一番の特徴はほぼ全てのボードで、有田焼のチェスピースが使われていることです。有田焼のチェスピースは色味がどれも異なっており、プレーヤーは相談して好きなピースの置かれたボードに移動して指すことになります。ボード順が決まっておらず、様々な有田焼のチェスピースに触れられるのもこの大会の魅力です。公式戦ではこうはいきません。

今年は20名の参加者が集まり、10時45分の定刻から初戦が行われました。1-2Rはなるべく九州在住のメンバーと本州から遠征してきたメンバーを当てるようにします。私の初戦の相手は福岡の岡村さんで、2年前のこの大会最終戦以来の対戦となります。

Okamura, M - Kojima, S
Arita Ceramic Chess Tournament 2024 (1)

1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. e3 Bf5 5. Nc3 e6 6. Be2 h6 7. O-O

白はNf3-Nh4のアイディアを使ってこなかったため、黒はビショップを退くマスを確保できました。これに対して面白いのはビショップを動かし直して交換を強制する手です。7. Bd3 Bxd3 8. Qxd3= もちろん互角の局面ですが、h7-h6を待ってからビショップをぶつけることで、6. Bd3 Bg6!?を避けて局面を単純化できます。

7... Nbd7 8. b3 Bd6 9. Bb2 O-O 10. Rc1 Qe7 11. Re1 Rad8 12. cxd5 exd5 13. Bf1 Rfe8 14. g3 Ne4! 15. Nxe4 Bxe4


ビショップで取り返すのが自然だと思いましたが、ポーンを押し込んでスペースを拡大するアイディアが勝りました。5... dxe4! 16. Nd2 Nf6 17. Nc4 Bc7-+ 確かに黒はh6-h5-h4なども使って白キングにプレッシャーをかけられるのに対し、白は明確なプランを持ちづらい局面です。

16. Bg2 a5 17. a4 Nb8

b4の弱くなったマスを利用しようと考えましたが、少し時間がかかります。7... h51のようにキングサイドで動いても良かったでしょう。

18. Bc3 Bb4 19. Bxb4 Qxb4 20. Nd2


試合後、岡村さんにはb3ではなくb4をカバーすべきで、そのためのナイトの正しいルートはNf3-Ne5-Nd3であることを指摘しました。本譜は明らかなナイトの使い方が消極的です。

20... Bg6 21. Nb1 Na6 22. Nc3 Qb6 23. Na2 Re7 24. Bf1 Nc7 25. Nc3 Ne6 26. Bg2 Rde8 27. Bxd5?!

次のNe6-Nxd4をどう受けるか悩む局面で、27. Rf1は指すのに対抗があるでしょう。本譜は私も考えていた手で、2ピースvs.2ポーン+ルークのマテリアルになります。点数上は白が勝るように見えますが、黒の2ピースが抑える白マスのコントロールは強力です。

27... cxd5 28. Nxd5 Qd8


バックランクは気にせず、c5のマスに利きを持ち、dポーンを早めにブロックできるd6のマスがクイーンの逃げ場所として勝ります。28... Qd6 29. Nxe7+ Rxe7

29. Nxe7+ Rxe7 0-1

ここからという局面で白の時間が落ちました。黒が指しやすいと思っていましたが、d4-d5と押し込まれた局面は予想よりも簡単ではないようです。
初戦が終わると2階のカフェで昼食を取ります。食後のコーヒーやお茶は数種類の古伊万里のカップでいただくことができ、その説明も見ることができます。こちらは染付龍波楼閣文小椀という200年ほど前の古伊万里だそうです。
私たちが試合をしたのは九州陶磁文化館の1階ロビーで、そこからはガラス越しに庭園を眺めることができます。紅葉のちょうど良い時期ではありますが、庭園に出るにはコートを羽織らないと肌寒くもあります。
私は最初の3試合九州のメンバーと試合をし、最後に同じ関東からの遠征組である山口くんに勝って4連勝での優勝を決めました。有田セラミック・チェス大会は3年連続の優勝となりますので、とても嬉しいです。毎年恒例、有田焼の賞品はまだ開けていませんので、こちらは帰宅してからの楽しみにしたいと思います。参加者、運営の皆様、ありがとうございました。

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