2016/08/11

Japan League 2016 Tournament Information


昨年のJapan League での、GM Zhao Xue との対戦

明後日の土曜日から4日間、8/13-16 の日程で、お盆の時期恒例のJapan League が蒲田の大田区産業プラザで開催されます。オリンピアードと同じ長い持ち時間で、7試合を戦うJapan League は、東京で最大の賞金トーナメント、そして日本で貴重なFIDE 公式戦です。そんなJapan League に今年は、中国からマスターが4名参加します。

昨年は、中国女子のリーダーともいえるGM Zhao Xue、そしてオリンピアードオープン優勝メンバーのGM Ni Hua が来日し、Zhao Xue のみがJapan League に参加しました。それが今年は、来日する4名のマスター全員が参加するとのことで、とても驚いています! 中国から来日するメンバーは以下の通りです。

Zhou Jianchao (GM, CHN, 2616)
Lu Shanglei (GM, CHN, 2607)
Ni Shiqun (WGM, CHB, 2398)
Wang Jue (WGM, CHN, 2369)


いずれも若く、これから中国代表に上り詰める可能性もあるプレーヤーたちです。3名は私よりもレイティングが高く、今大会の上位を独占される可能性も十分にあります。そうならないよう、私もしっかりとプレーをして、入賞に食い込みたいですね。私自身、Lu Shanglei、Wang Jue とは、2年前の新潟の大会で対戦しているため、再戦を楽しみにしています。

2016/08/09

Azabu Summer Training 2016


8月6日、7日の2日間、群馬県の草津で行われた麻布学園チェス部の夏合宿に、コーチとして同行してきました。当日は朝8時半に上野駅に集合し、草津へと北上します。特急で上野から長野原草津口までは2時間半ほど。そこからバスで20分ほどかけ、草津の温泉街へと向かいます。


温泉の町として有名な草津は、中心地から離れた駅にも、こうしてリラックスできる足湯がありました。今回は見るだけでしたが、ゆっくりと時間のある際には、何か所か足湯もめぐってみたいですね。


ホテルに13時前に到着し、チェックインと昼食をすばせれば、そこからはチェスの時間です。慎重に読むべきタクティクス、ピースの働きとそれを生かすアイディア、優劣を判断するポジションの要素などについて、いくつかのゲームを見せながらレクチャーを行いました。以下のようなポジションで、いくつかのグループに分かれた後輩たちに、黒の次の手とそのアイディアを考えてもらいます。少し早い17時の夕飯までは、あっという間に時間が過ぎていきました。


Andriasian, Z (GM, ARM, 2523) - Nepomniachtchi, I (GM, RUS, 2602)
World Youth Stars 5th 2007
Black to move


夕飯後は、15名の後輩たちに私が加わり、8B での1R ラピッドと検討を行いました。自分の試合をしながら、残りの7B 全てに目を通し、試合後の検討を8試合分行うのは大変でしたが、子供たちの思い切ったプレーを見ることができ、とても楽しかったです。みんな、まだまだ勉強しなければいけないことが多いですが、自分の課題を見つけるためにも、こうした試合と検討の繰り返しは大切ですね。


9時半に全ての検討を終え、この日は解散となりました。時間ができた私は1人、宿から歩いて10分程の湯畑へと向かいます。草津のシンボルである湯畑は、毎分4000リットルのお湯が湧き出ており、夜の時間帯はきれいにライトアップされています。上段から流れ落ちる温泉と夜景、足湯などを目当てにした観光客が、23時近くになっても、たくさん詰めかけていました。


翌朝は8時半から、レクチャーの再開です。春合宿ではポーンをテーマにしたエンドゲームが多かったですが、今回はほぼルークに絞りました。最初はあるポジションを見せて、白黒どちらをも持ちたいかを選んでもらい、8B に分かれて実際に指してもらいます。指してみると、思ったほど良くない、悪くないという感触が分かり、3種類のどの結果にもなっていたのが面白かったです。エンドゲームの強化というよりも、ルークというピースの特性について、考えてもらうのがメインのレクチャーで、他にも実戦的なアイディアを伝えることができたと思っています。


私は11時には、次の仕事に向かうために草津を後にしました。最後に少しだけですが、昼の湯畑も見ることができたのはラッキーでした。夜に見るのも良いですが、昼だと温泉の鮮やかさがより分かりますね! 草津は私にとって今回が初めてでしたので、今度はゆっくりと観光で訪れてみたいです。15人の後輩と顧問の先生たち、短い時間でしたがお世話になりました。明日、気を付けて東京に帰ってきてください。

2016/08/01

Chess Events Schedule on August 2016

今日で7月も終わり、明日からは8月が始まります。8月は私にとって、各地のチェスイベントに飛ぶことになる、最も忙しい月かもしれません。簡単にですが、8月のイベントをまとめておきます。

8/6-7 麻布学園チェス部夏合宿 at 草津


去年の夏、春に続き、今年も麻布チェス部の夏合宿にコーチとして同行することになりました。今年は8月頭、場所は群馬県の草津です。1泊2日で、2日目の夕方には都内に戻ってくる弾丸スケジュールですが、今年も後輩たちとの交流を楽しんでこようと思います。草津のような観光地も、こうしたイベントでなければなかなか行くことはないですからね。

8/13-16 Japan League at 蒲田



8月2つ目のイベントは、お盆の時期恒例の、Japan League です。昨年は中国からGM Ni Hua とZhao Xue が来日し、Zhao がこの大会に参加しました。今年も中国から、WGM Ni Shiqun を含め、マスターが参加するという情報が入っており、とても楽しみですね。私は昨年同様、フルでの参加予定ですので、オリンピアード前の調整として、今年もしっかりとプレーをしてきたいと思います。

8/22-23 暁星学園チェス部夏合宿 at 三ツ峠



Japan League 明けには、暁星学園チェス部の合宿で、昨年と同じ山梨県の三ツ峠を訪れます。こちらも麻布の合宿と同じ、1泊2日の慌ただしいスケジュールではありますが、都会の喧騒を離れ、チェスに触れてきたいと思います。せっかくですので、登山ファンが集まるという三ツ峠の登山コースを、少しだけでも体験してきたいですね。


8/27-28 名古屋オープン at 名古屋



オリンピアード前最後のイベントは、名古屋オープンです。こちらもすでにエントリーや宿の手配を済ませ、行く準備は万端です。昨年聞いた話では、名古屋のホテルは早めに埋まる傾向にあるそうですので、参加を検討されている方は早めに動いてみると良いでしょう。普段試合をしたり、顔を合わせられないメンバーとの再会も、とても待ち遠しいです。

名古屋から戻り、31日夜にバクーへと出発します。オリンピアードの日程などについては、また別の記事でご紹介したいと思います。この記事で取り上げていない、新潟でのチェスイベントなども盛り上がることを期待しています。8月も多くのチェスイベントに足を運びながら、暑い夏を乗り切りましょう!

2016/07/28

辺獄のシュヴェスタ チェスシーン


先日、クロノモノクロームでお世話になった小学館から依頼を受け、新しい漫画のチェスシーンの監修を行いました。今回はこれまで連続していた、クロノモノクローム、盤上のポラリスのような、チェスを主軸にした漫画ではなく、1話のみ単発の監修となります。その作品は、月刊!スピリッツで連載中の、辺獄のシュヴェスタです。

竹良実さんによる辺獄のシュヴェスタは、魔女狩りが行われていた中世ヨーロッパを舞台に、数人の少女たちの生き様を描いた物語です。詳しいストーリーや試し読みなどは、こちらからチェックできます。私は今回、月刊!スピリッツ最新号である9月号に掲載されている、辺獄のシュヴェスタ最新話のチェスシーンを監修させていただきました。9月号の発売は、本日7/27 です!(すでに日付が変わってしまいましたが...) 月刊!スピリッツを見かけた方は、ぜひ中身もチェックしていただけると嬉しいです。


2016/07/26

Summer Open 2016 Day2 Tournament Report


最終戦、難しいエンドゲームを指すMisha

一週間遅れですが、サマーオープン2日目のレポートです。日本チームのコーチであるセルビアのGM Mihajlo Stojanovic さんは、2日目も他を寄せ付けぬ強さを見せ、全勝でサマーオープン優勝を決めました。私を含め、3日目に敗れた3人は、いずれもエンドゲームで敗れています。GM とそれ以外のプレーヤーの一番大きな部分は、やはりエンドゲームのテクニックですね。

Stojanovic, M (GM, SRB, 2519) - Kojima, S (IM, JPN, 2396)
Summer Open 2016 (5)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 d5 4. d4 Be7 5. Bg5 O-O 6. Rc1 c6 7. e3 h6 8. Bxf6!?



オリンピアードに向け、Queen's Gambit Declined を研究していた私ですが、Misha がこの変化をチョイスしてくるとは意外でした。かつて私も白で研究したことがありますが、白で十分なアドバンテージがとれるとは思えなかったためです。

8... Bxf6 9. Bd3 Nd7 10. O-O dxc4 11. Bxc4 e5 12. Ne4


d4 をIQP にしない、安全な変化です。ここから一気にクイーンを交換し、エンドゲームにする流れが見えた私は、GM 相手に良い勉強だと考え、思い切って飛び込んでみることにしました。

12... exd4 13. Nxf6+ Nxf6 14. Qxd4 Qxd4!?



試合後、Misha からは、14... Bg4 と指すべきではないかと言われました。私はクイーン交換をした試合を見たことがあり、特に黒が悪いとも思っていませんでしたが、確かにそのようにピースを展開するほうが、白マスビショップの働きは良くなるでしょう。

15. Nxd4 Bd7 16. Rfd1 Rfd8 17. f3 Kf8 18. e4 Ke7 19. g4!?


私が白を持っていたとして、この手はまだ私には確信を持って指すことはできないでしょう。g4-g5 と押し込む狙いを見せつつ、f5 のマスをカバーします。f4 のマスが弱くなるなどの問題も見えますが、黒から特にそれを利用する方法はなさそうです。

19... c5 20. Nf5+ Bxf5 21. gxf5



こうして進めてみると、将来的にg7 を狙われた際にやや守りづらいことや、f7 への攻撃をかわそうとf7-f6 と突けば、g6 とg7 が弱くなることなどが分かります。どのようにその問題をカバーするかに時間を使って考えましたが、なかなか満足する答えは出ませんでした。

21... Rac8 22. Kf2 Nd7


22... Rd4!? 23. Ke3 も考えましたが、あまりルークを上げるメリットが見えてきません。そこでナイトの位置を切り替え、多少様子を見ることにします。

23. Ke3 Nb6 24. Rg1!?



ビショップを避けないという選択肢は、私の頭にありませんでした。しかし考えてみれば、24... Nxc4 25. Rxc4 Kf6 26. Rgc1 ならば、c5 へのプレッシャーがきつく、白が有利でしょう。ここはキングをf6 に上げ、じっとこらえます。

24... Kf6 25. Be2! Rd4 26. f4 Rc7 27. h4!


指された直後は意味の分からない手でしたが、進めてみると白のアドバンテージははっきりとしたものになります。私はこの局面で時間切迫でしたが、時間が豊富でも何をすれば良いか、黒で見つけるのは難しいでしょう。

27... Re7 28. e5+! Kxf5 29. Bg4+ Kg6 30. h5+ Kh7 31. Bf5+ Kg8 32. Rxc5+/-



g8 からf6 に上がってきた黒キングは、あれよあれよとg8 まで押し戻されてしまいました。ここからキングのアクティビティーの差をなんとかするのは、おそらく無理だと思います。

32... Rc4 33. Rc1 Rxc5 34. Rxc5 Kf8 35. Kd4 Re8 36. Rc7 Re7 37. Rxe7 Kxe7 38. Be4+-


時間を落とさないように指すのが精いっぱいで、この手を見落としていました。20手目でのビショップナイト交換がこのように生きてくるとは、チェスは奥深いものですね。

38... f6 39. Bxb7 Ke6 40. b3 Kf5 41. a4 1-0



隣でプレーを見ていても、実際に向き合って指していても、Misha からはたくさんのことを学ぶことができました。Misha がサマーオープンに参加してくれたことで、多くのプレーヤーが刺激をもらえたことと思います。オリンピアード前の重要な大会であるジャパンリーグでも、GM 相手にしっかりと勉強させてもらうつもりです。

サマーオープンを終え、日本を後にしたMisha は現在、スロバキアで開催されているU16 Olympiad のコーチを務めています。こちらはChess24 などでゲームがチェックできますので、日本のユースたちのプレーをしばらく見守ろうと思います。

2016/07/18

Saturday Lecture on 30th July 2016


アゼルバイジャン vs. 中国、イスタンブールオリンピアードにて

【日時】 2016年7月30日(土) 13:00~15:00
【会場】 チェスセンター(最寄駅:池上駅)
【形式】 レクチャー+質疑応答
【テーマ】 Instructive Games in Chess Olympiads
【テーマ詳細】

8月は日程が合わず、レクチャーを開催できない可能性があるため、7月のサタデーレクチャーがオリンピアード前、最後の回になりそうです。そこで7月のテーマは、2年に一度のチェスの祭典、チェスオリンピアードから、私が印象に残っているゲームをご紹介しようと思います。多くの国が世界一の栄冠を目指し、しのぎを削りあうオリンピアードでは、一つのドローがチームの明暗を分けます。普通のオープン大会ではなく、オリンピアードだからこそ指されるような、刺激的なゲームを見ていきましょう。

【参加費】 レクチャー代1200円+飲み物代200円
【参加資格】なし
【対象】 レイティング2000未満

2016/07/17

Summer Open 2016 Day1 Tournament Report


Yamada, K - Kojima, S
Summer Open 2016(3)
Position After 50. Rg8

今日から2日間、サマーオープンに参加しています。1勝1ドローで迎えた3R、相手はオリンピアードのチームメイト、山田くんになりました。かなり進んだ終盤のこのポジション、g,h ポーンを両方取らせるのは勇気がいりましたが、勝つためにはaポーンを取りに行くしかありません。

50... Bxa3! 51. Rxg6 a4 52. bxa4 bxa4 53. Rxh6 Bb2!


これで白のすべてのポーンを抑えつつ、aポーンを進める準備を整えます。

54. Kd3


私も残り時間がなく、試合中はナイトを取ってドローだと思っていました。しかし、54. Rxc6 Kxc6 55. Kd3 Kb5 56. Kc2 Bf6 57. Kb1 Kc4 58. Ka2 Kb4-+ でも、黒勝ちです。aポーンを進める必要がないのを見落としていました。

54... Nb4+ 55. Kd2 a3 56. Rh5+ Kc4 57. Ra5 a2 58. h4 a1=Q 59. Rxa1 Bxa1



こうしてルークをもらい、ビショップナイトでメイトを目指すことになりました。白のポーンは時間は多少かかるものの、すべて落ちるため問題ではありません。

60. Ke2 Kd5 61. Kf3 Ke5 62. g5 Kf5 63. e4+ Ke6 64. h5 Nc6 65. Kf4 Bb2 66. Kg4 Ne5+ 67. Kh4 Bc1 68. h6 Kf7 69. Kh5 Bb2 70. g6+ Nxg6 71. Kg5 Ne5 72. Kf5 Kg8 73. Kf6 Kh7 74. Kg5 Bc3 75. Kf6 Kxh6 76. Kf5 Kg7 77. Kg5 Nf7+ 78. Kf5 Be5


e4 を取るかどうか迷っており、ここはブロッケードのピースをビショップに切り替えます。

79. Ke6 Kg6 80. Ke7 Ng5 81. Kd7 Kf6 82. Kc6 Ke6 83. Kc5 Nf7 84. Kc4 Kd6 85. Kd3 Kc5 86. Ke3 Ng5 87. Kd3 Kb4 88. Ke2 Kc3 89. Ke3 Ne6 90. Ke2 Kc2 91. Ke3 Nd4 92. Kf2 Kd3 93. Kg2 Ke3 94. Kf1 Nf3 95. Kg2 Ng5 96. Kf1 Nxe4



ポーンを取らずに何かできるか考えていましたが、特に思いつかなかったため、ここで取る決断をします。すでに端まで追いつめているため、ここからさほど難しくないだろうと思っていましたが...

97. Kg2 Ng5 98. Kg1 Bf4 99. Kg2 Ke2 100. Kg1 Kf3 101. Kh1 Be3 102. Kh2 Ne4 103. Kh1 Bf4 104. Kg1 Nf2 105. Kf1 Bh2 106. Ke1 Ne4 107. Kd1 Ke3 108. Kc2 Bd6?!


108... Nd2! こうしてb3、c4 の白マスを抑えるアイディアが重要であることがわからず、ここで手数をかけてしまいます。ここから20手後、盤の反対側で同じポジションが現れます。

109. Kb3 Kd3 110. Ka4 Kc4 111. Ka5 Bc5 112. Ka6 Nd6 113. Ka5 Nc8 114. Ka6 Kd5 115. Kb7 Nd6+ 116. Kc7 Bd4 117. Kb8 Kc6 118. Ka8 Nb5 119. Kb8 Nd6 120. Ka8 Be3 121. Kb8 Bc5 122. Ka8 Nb5 123. Kb8 Nc7 124. Kc8 Ba7 125. Kd8 Nd5 126. Ke8 Kd6 127. Kf7 Ne7!-+



今度は反転した形で、このアイディアを見つけました。後はh8 に向け、白キングを追い詰めていきます。

128. Kf6 Be3 129. Kf7 Bd2 130. Kf6 Be3 131. Kf7 Bg5 132. Ke8 Ke6 133. Kd8 Bf4 134. Ke8 Bc7 135. Kf8 Nf5


このナイトが5段目と7段目を往復しながら、相手キングを白コーナーに戻さないようにするアイディアを、この試合を通してようやく理解しました。

136. Ke8 Ng7+ 137. Kf8 Kf6 138. Kg8 Bd6 139. Kh7 Nf5 140. Kg8 Kg6 141. Kh8 Be7 142. Kg8 Nh6+ 143. Kh8 Bf6# 0-1



あと数手で50手ルールにひっかかるところでしたが、なんとかメイトに。途中でナイトのキームーブを逃したり、時間を増やそうと無意味なビショップの往復をしたのがダメでしたね... それでもなんとか価値ある白星を挙げ、明日の2日目に臨みます!

1B では、GM Misha が貫禄の3連勝。すべてのゲームが非常に丁寧に指さされており、GM とIM の差を感じています。明日残り1日で、少しでもMisha のプレーから勉強させてもらおうと思います!

明日はMisha が入江さん、私が唐堂くんとの対戦です。チームメイト対決が続きますが、ここもなんとか勝って、上位を狙いたいと思います。皆さん、2日目もよろしくお願い致します。


試合後は、とんかつを食べながらの検討戦でした。

2016/07/12

Chess Lesson from GM Misha


今日は都内で、GM Mihajlo Stojanovic さんからレッスンを受けてきました。Misha は、今月末にスロバキアで開催される、U16 オリンピアードの日本代表にチームコーチとして同行するため、大会直前に来日しています。9月に開催されるオリンピアードの日本代表メンバーも、この機会にMisha からレッスンを受けています。今日は私と福谷さんの2人が参加しました。


White to move

Misha からは今日、Kasparov - Kramnik のマッチの1ゲームと、タクティクス、エンドゲームのポジションをいくつか見せてもらいました。中でも面白かったのは、上のポジションです。1手目、2手目も面白いですが、黒が負けないようにする最善手と、それに対して白が勝てる唯一の手の連続が、どちらもうまくできていて、良い問題になっていると思いました。ポジションが正しいことを確認するため、Rybka で解析もしましたが、このレベルのエンジンでも正解はすぐに出てきません。白黒の手をセットでの完答は難しいと思いますが、興味のある方はチャレンジしてみてください。

Misha のレッスンは、16日にも開催が予定されています。プレーヤーとしても、コーチとしても、再び勉強させてもらってこようと思います。Misha は17日、18日に開催されるサマーオープンにも、フルではないかもしれませんが、今のところ参加が予定されていますので、こちらも楽しみですね。


2016/07/10

Weekly Chess Puzzle Vol.27


Kojima, S (FM, JPN, 2300) - Ravry, K (JPN, 1786)
Malaysia Open 2011(1)
White to move


Kojima, S (FM, JPN, 2312) - Farago, S (IM, HUN, 2256)
First Saturday IM March 2010(7)
White to move

一つ目は懐かしい、マレーシアでのチームメイト対決から。黒が26... Bxc3 とビショップでナイトを取ったところです。ここでの対応を間違えたため、ゲームはドローとなりました。白でのベストムーブを考えてみてください。2つ目は私のFS 初挑戦の時のゲームです。すでに白は駒得ですが、ここで勝負を決定づける1手があります。答えが分かった方はいつも通り、コメント欄へどうぞ。

2016/07/02

北千住例会 7/2

今日は5か月ぶりに松戸チェスクラブの例会に参加するため、北千住に足を運んできました。2試合とも難しいゲームでしたが、なんとかどちらも勝ち切ることができました。後半のラウンドで指した、東野さんとのゲームをご紹介します。

Kojima, S (IM, JPN, 2461) - Higashino, T (JPN, 2013)
Kitasenju (2)

1. Nf3 Nf6 2. c4 e6 3. d4 b6 4. g3 Bb7 5. Bg2 Be7 6. O-O O-O 7. d5 exd5 8. Nh4 Re8 9. cxd5 d6 10. Nf5 Bf8 11. Nc3 Nbd7 12. Bg5 h6 13. Bf4 a6!?



Queen's Indian d5 Gambit で、黒がポーンを取らないラインは、かつてマレーシアで1試合指したことがあります。その際は13... a5 から、Nd7-Nc5 と進みましたが、この試合では黒はb6-b5 を目指します。いずれにせよ、スペースの広さとcファイルのコントロールにより、白が優勢でゲームを進めることができるでしょう。

14. Rc1 b5 15. Qd4 Qb8!?


スペースの狭い黒は、クイーンの置くマスを工夫します。ここではQd8-b8-Qa7 とクイーンをぶつける作戦で、a8 のルークの活用を図ります。

16. Rfe1 Qa7 17. Qd2 Rac8 18. e4 Ne5 19. b3 Qb8 20. h3 Ng6 21. Be3!



正直に言えば、Ne5-Ng6 を見落としており、e4 を取られて白の優位は消えてしまうものと最初は考えました。しかし、よくよく読んでみると、2つのポーンとクイーンの交換後、白はアクティブなピースと形の良いポーンストラクチャーを持つことがわかり、それでもアドバンテージがあると考え直しました。もう一つの候補手だったのはクイーンが上がる手ですが、21. Qd4?! Nxf4 22. gxf4 c5! 23. dxc6 Rxc6= と進めば黒は満足でしょう。

21... b4 22. Na4 Nxe4 23. Qxb4 Bxd5


ここは駒交換を進めてくると思いましたが、23... Nf6 24. Nc3+/= と進める変化もありそうです。

24. Qxb8 Rxb8 25. Rxc7 Nf6 26. Rd1 Bxg2 27. Kxg2 d5 28. Bd4!?



d4 をブロックし、d5 の孤立ポーンを攻撃できるようにすれば、白は満足なエンドゲームになります。ここからもきっちりと指せたと思っていましたが、一つミスがありました。

28... Ne5 29. Nb6 Re6 30. Re1?


ここは難しい手ですが、30. Nc8 から、e7 のマスを狙うのが良かったようです。時間のない中、自信無く指したRd1-Re1 には、黒の上手い返し手があります。

30... Rbe8?


30... Ne8! 31. Rc8 (31. Rc2 Nd3! 32. Ree2 Ne1+ 33. Rxe1 Rxe1 34. Nxd5 Rd8=/+; 31. Ra7 Nc6!-+) 31... Rxc8 32. Nxc8 Nc6= このようにc7 のルークをアタックし、ピースを捌いてしまえば、黒は危機を脱することができました。このワンチャンスを黒が逃したことで、勝負は決まりです。

31. Ne3!+-



こうしてd5 を2つ目のナイトでアタックしてしまえば、黒には満足なディフェンスがありません。

31... Bb4 32. Rd1 Ba5 33. Nbxd5


一瞬ひやりとしましたが、ナイトフォークでエクスチェンジを取り返せるため、黒マスビショップの攻撃を恐れる必要はありません。

33... Nxd5 34. Nxd5 Rd8 35. Rc5!



少し迷いましたが、ピースを捌いてa6 が落ちるところまで読めたので、このように単純に進めることにしました。

35... Nc6 36. Be3 Kh7 37. Rdc1 Re5 38. Rxc6 Rdxd5 39. Rxa6 Bd2 40. Rd1 1-0


クイーンサイドに2コネクテッドパスポーンを持つルークエンディングでは、白の勝ちは明らかです。黒番でも試したいオープニングができたので、久々に北千住まで足を運んだ甲斐がありました。また日程があえば、松戸チェスクラブの例会には顔を出したいと思います。

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