今日からラスベガスで、North American Open がスタートしました。今日はOpen セクションが2試合、それ以外のセクションが1試合行われています。私は初戦、インディアナ州のK9 チャンピオン、WCM Feng Maggie と対戦し、辛くも勝利。2R ではまだ記憶に新しいCadets U12 の優勝者、Kumar Nikhil と対戦してドローでした。アメリカはジュニアがとても強く、上位ボードでもGM が敗れるアップセットが出ています。
Kumar, N (FM, USA, 2251) - Kojima, S (IM, JPN, 2403)
North American Open 2016 (2)
1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. e3 g6 5. Nc3 Bg7 6. Bd3 O-O 7. O-O Bg4 8. h3 Bxf3 9. Qxf3 e6
North American Open 2016 (2)
マン島のSuniduth Lyna との試合では、9... dxc4 を試して敗れたため、かつて使っていたメインラインに戻します。いずれにせよ黒は少し押され気味ではありますが、ナイトのマヌーバリングで白のダブルビショップに対抗します。
10. b3 Nbd7 11. Bb2 Re8 12. Rad1 a6 13. g4!?
2013年にGM Barbosa Oliver と対戦した際も、こうしたキングサイドからのアタックでつぶされてしまいましたが、このタイミングはさすがに早く、黒は色々と対策ができそうに見えます。
13... Qc7 14. Be2 h5
ここは少し考え、g4-g5 の押し込みを許しても良いと判断しましたが、よりシンプルなのは14... b5! 15. g5 b4 16. gxf6 bxc3 17. fxg7 cxb2= と進める変化で、これならば黒は全く問題のないポジションになるでしょう。a7-a6 をやっておきながら、bポーンを伸ばすことは全く頭にありませんでした。
15. Qg2 hxg4 16. hxg4 Rad8 17. g5 Nh7 18. f4 Nb6!
g4-g5 からスペースを取られると多少苦しいようにも見えますが、ナイトとビショップがh7, h8 を守っている以上、開いたhファイルからのアタックを過剰に恐れる必要はないでしょう。そこでナイトを手数をかけても、f5 の好位置に切り替えます。このようなマヌーバリングは、Kamsky のゲームから学びました。
19. c5 Nc8 20. Qg4 Ne7 21. Bd3 Nf5 22. Kf2 Nf8
白の黒マスビショップの働きが悪いことを踏まえれば、黒はf5 に刺した絶好のナイトでバランスを取れているように思えます。続いてもう1つのナイトをプレーに戻します。ポイントはd7 に戻った時点で、Nd7-Nxc5 がスレットになることです。
23. Ne2 Nd7 24. Bc3 Kf8!
白がhファイルからの突入を見せる前に、キングをセンターに脱出させておきます。hファイル以外は開いていないことを考えれば、hファイルでヘビーピースをすべて交換してしまえば、黒に危険はないでしょう。
25. Rh1 Ke7 26. Rh7 Rh8 27. Rdh1 Rxh7 28. Rxh7 Rh8 29. Qh3 Qd8 30. Ng1 Rxh7
ここは一瞬相手がミスをしたのかと思いましたが、30... Nxc5?? 31. Bb4!+- はナイトがただ落ちですので、当然だめです。そのため、予定通りにヘビーピースを交換しておきます。
31. Qxh7 Qh8 32. Qxh8 Bxh8
ここで私からドローオファーをします。一度は蹴られますが、ポジションを改善する方法はなく、すぐにドローとなりました。
33. Nf3 Bg7 34. Ne5 Nxe5 35. fxe5 Kd7 36. Kf3 Bf8 37. Kf4 Be7 38. Be1 Bd8 39. Bc3 Bc7 40. b4 Bd8 41. Bd2 Bc7 42. Bc3 Bd8 43. Bd2 Bc7 1/2-1/2
試合が終わってから、彼のことを調べてびっくり。Cadets U12 では、U12 世界ランキング1位、世界最年少IM の記録を持つPraggnanandhaa を破り、優勝を果たした少年でした。今月もレイティングを130以上上げるようで、その更新がすんでから当たりたかったですね(笑)
会場隣の部屋のチェスショップには、チェスの書籍がずらり。他にもDVD やチェスセットも販売されています。
アメリカの大会でおなじみなのは、モンロイと呼ばれる小型の機械でプレーヤーが棋譜を取り、それをライブで中継するシステムです。ライブを見るためには、アカウントが必要なようですね。
0 件のコメント:
コメントを投稿