最近注目のトーナメントが1つ終わりました。中国の海南島で開催されていたHainan International Open は、リストトップのYu Yangyi が8/9 という驚異的なスコアで優勝です! 2年前にQatar Masters で優勝した際は、意外なプレーヤーが勝ったという印象でしたが、現在はどこのオープン大会で優勝してもおかしくないほど、Yu Yangyi は実力を伸ばしましたね。中国の代表メンバーとして、すでに欠かすことはできない存在だと思います。
オリンピアードで南條くんも指していましたが、Ruy Lopez Berlin 4. d3 の変化は、白がどのような作戦を選ぶか迷うところだと思います。Yu Yangyi はここでダブルビショップを放棄して、黒のポーンストラクチャーを乱す作戦に出ます。
少し早いかもしれませんが、白から仕掛け、駒交換を進めます。
白はクイーンを捨て、ポジションを複雑にします! 駒数はやや足りていないようにも見えますが、ここから白は2つのルークが連結し、力を発揮することになります。
ナイトは初期位置から好位置のc3 に切り替えて、ビショップを出す準備も同時に整えます。
21.. Qd3 22. a4 h6 23. Nc3 Bc4 24. a5 Qc2 25. Ra3 Ba6 26. Ne4 Rd8 27. Rc3 Qa4 28. Bd2 f5 29. Nc5 Qxa5 30. Rd3 Qb6 31. Nd7 Qxb2 32. Rd6 Kh8 33. Re7
Tan Zhongyi はこのディスカバードアタックを軽視していたのでしょう。白のピースは見事に6、7段目で働き、黒キングにプレッシャーをかけています。
34... Qb1+ 35. Kh2 Qb8 36. Bf4! Qxd6 37. Bxd6 gxf6 38. Bf4+/= が黒の生きる道でした。それでも白はポーンダウンながら、黒の形の悪さをついて優位に試合を進められるでしょう。
g7、f7 が落ちてしまえば、勝負ありです。クイーンを捨てた時点の形勢は難しいですが、それを力でねじ伏せたゲームでした。
今大会は、中国では珍しいオープントーナメントでした。実を言えば、私も11月の終わりの時点で招待を受けていたのですが、何分スケジュールが急で参加は断念せざるをえませんでした。来年、第2回大会が開催されるようであれば、参加を検討してみたいですね。ハンガリーでもIM ノームを争っていた、Xu Yi やLiu Guanchu とも、再会&再戦できることを楽しみにしています。
海南島の試合が終わり、チェックしているのはロンドン、オーストラリアぐらいでしょうか。ラスベガスの大会が始まるまでは、日本国内から海外の面白い大会をチェックし続けたいと思います。
Yu Y (GM, CHN, 2729) - Tan, Z (WGM, CHN, 2496)
1st Hainan International Open (5)
1. e4 e5 2. Nf3 Nc6 3. Bb5 Nf6 4. d3 Bc5 5. c3 O-O 6. O-O d6 7. Nbd2 Bb6 8. Bxc6!?
1st Hainan International Open (5)
オリンピアードで南條くんも指していましたが、Ruy Lopez Berlin 4. d3 の変化は、白がどのような作戦を選ぶか迷うところだと思います。Yu Yangyi はここでダブルビショップを放棄して、黒のポーンストラクチャーを乱す作戦に出ます。
8... bxc6 9. h3 Ba6 10. c4 Bb7 11. Qc2 a5 12. c5!?
少し早いかもしれませんが、白から仕掛け、駒交換を進めます。
12... Bxc5 13. Nxe5 dxe5 14. Qxc5 Qxd3 15. Qxe5 Rfe8 16. Qxc7 Ba6 17. Re1 Nd5 18. Qxa5 Bb5 19. Qxa8!?
白はクイーンを捨て、ポジションを複雑にします! 駒数はやや足りていないようにも見えますが、ここから白は2つのルークが連結し、力を発揮することになります。
19... Rxa8 20. exd5 Qxd5 21. Nb1!
ナイトは初期位置から好位置のc3 に切り替えて、ビショップを出す準備も同時に整えます。
21.. Qd3 22. a4 h6 23. Nc3 Bc4 24. a5 Qc2 25. Ra3 Ba6 26. Ne4 Rd8 27. Rc3 Qa4 28. Bd2 f5 29. Nc5 Qxa5 30. Rd3 Qb6 31. Nd7 Qxb2 32. Rd6 Kh8 33. Re7
Bc8?! 34. Nf6!
Tan Zhongyi はこのディスカバードアタックを軽視していたのでしょう。白のピースは見事に6、7段目で働き、黒キングにプレッシャーをかけています。
34... Rf8?
34... Qb1+ 35. Kh2 Qb8 36. Bf4! Qxd6 37. Bxd6 gxf6 38. Bf4+/= が黒の生きる道でした。それでも白はポーンダウンながら、黒の形の悪さをついて優位に試合を進められるでしょう。
35. Nh5 Ba6 36. Rxg7 1-0
g7、f7 が落ちてしまえば、勝負ありです。クイーンを捨てた時点の形勢は難しいですが、それを力でねじ伏せたゲームでした。
今大会は、中国では珍しいオープントーナメントでした。実を言えば、私も11月の終わりの時点で招待を受けていたのですが、何分スケジュールが急で参加は断念せざるをえませんでした。来年、第2回大会が開催されるようであれば、参加を検討してみたいですね。ハンガリーでもIM ノームを争っていた、Xu Yi やLiu Guanchu とも、再会&再戦できることを楽しみにしています。
海南島の試合が終わり、チェックしているのはロンドン、オーストラリアぐらいでしょうか。ラスベガスの大会が始まるまでは、日本国内から海外の面白い大会をチェックし続けたいと思います。
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