2024/05/20

Chubu Rapid Open 2024 Tournament Report

先日告知した通り、19日に名古屋で開催された中部快速オープンに参加してきました。2年前はScottさんに負けて優勝を逃しましたが、今年は4勝1ドローでなんとか優勝することができました。A,Bクラスを含め、入賞者の皆さん、おめでとうございます!

1st Place Kojima Shinya (IM, JPN, 2270) 4.5/5
2nd Place Kinoshita Akira (USA, 1869) 4.5/5
3rd Place Scott Tyler (JPN, 1989) 4/5
4th Place Averbukh Alex (CM, JPN, 2105) 4/5

Chubu Rapid Open 2024 Final Standings


私は3Rで木下さんとドローになり、唯一3連勝だったAlexを追うことになります。1Bで指した5ゲームは全て中継されており、すでにご覧になったかたもいらっしゃるかと思いますが、今夜は4RのAlexとの試合をお届けします。

Kojima, S (IM, JPN, 2270) - Averbukh, A (CM, JPN, 2105)
Chubu Rapid Open 2024 (4)

1. d4 Nf6 2. c4 g6 3. Nf3 Bg7 4. g3 d6 5. Bg2 O-O 6. O-O Bf5 7. Nc3 Ne4 8. Nd5!?

黒がc7-c6を指さずにBc8-Bf5と出る手は少し珍しいですが、2年前の東京チェス選手権で大塚さんに指されてから調べていました。e4でのナイト交換から白マスビショップ交換まで見据えられると白は面白くないため、Nc3-Nd5-Ne3とナイトをかわす作戦です。

8... c5?!


d5に白がナイトを入れたタイミングで、d5のマスを弱めるのは違和感があります。8... c6 9. Ne3 Be6 10. Qc2という進行はオンラインで経験があります。

9. dxc5


ここは9. Ng5! Nxg5 10. Bxg5 Nc6 11. dxc5 dxc5 12. Qb3! と進めるのが良かったようで、白はe7へのプレッシャーと早い展開で十分なリードを取っています。本譜でもe7への攻撃は白のアドバンテージのカギとなります。

9... Nxc5 10. Nd4 Bd7 11. Bg5! f6?

11... Re8 12. Qd2 Bxd4 13. Qxd4 Ne6 14. Qd2 Nxg5 15. Qxg5+/- くらいで白は満足ですが、黒は本譜のようにマスを弱めていないのでこちらを選択すべきでしょう。

12. Be3 Nc6 13. Rc1 e6 14. Nc3 Nxd4


e7-e6は白の強力なナイトを追い払う代わりに、d6を致命的に弱くしてしまいます。e7-e6,f7-f6の2つのポーン突きは多くのマスとポーンを弱めるため、このストラクチャーでは極力避けるべきでしょう。本譜の代わりにNc3-Nb5を防ぐa7-a6ならどうしようか悩んでいましたが、14... a6 15. Nxc6! Bxc6 16. b4! この際にd6が落ちるため、いずれにせよ白が勝勢でした。

15. Qxd4 Bc6 16. Rfd1 Bxg2 17. Kxg2 f5 18. Qxd6 Qxd6 19. Rxd6 Bxc3 20. Bxc5!

ここは一時的にbポーンを取られるとしても、ナイトを消しておくのが正解です。20. bxc3 Rac8でも白の優勢は間違いありませんが、cファイルにダブルポーンがあるとポーンアップを活かしづらい状況になってしまいます。

20... Bxb2 21. Rb1 Bf6


試合後、Alexにはbポーンを突く手はどうかと指摘しました。21... b6 22. Rxb2 bxc5 23. Rxe6 Rfb8 24. Rb5!+- それでも、このb5にルークを下げる手が絶妙で、黒はさらなる駒損が厳しいルークエンディングを強いられます。

22. Rxb7 Rac8 23. Bxa7 Rxc4 24. Rxe6 Ra4? 25. Bc5!+-

c5のマスを明け渡してくれると白にとっては楽になります。ルークのバックランク侵入からメイトになるため、黒はRf8-Rf7とは指せず、ビショップ交換を受け入れざるをえません。

25... Rc8 26. Rxf6 Rxc5 27. Rd6 Rc8 28. Rdd7


7段目に2つのルークが並べば黒のポーンを根こそぎ取れるため、勝負は決まりです。

28... Rxa2 29. Rg7+ Kh8 30. Rxh7+ Kg8 31. Rhg7+ Kh8 32. Rxg6 Rxe2 33. Rf6 Re5 34. h4 Kg8 35. h5 f4 36. g4 f3+ 37. Rxf3 Rc4 38. Kh3 Rg5 39. Rd3 Rg7 40. Rxg7+ Kxg7 41. Kg3 Kh6 42. f4 Kg7 43. Rd7+ Kf6 44. Rd6+ Kg7 45. g5 Kf7 46. Kg4 Rc5 47. h6 Ke7 48. Rf6 Rc1 49. h7 Rg1+ 50. Kf5 1-0

最終戦は東芝さんに勝って4.5/5を決めましたが、隣のボードでも木下さんが水本さんに勝ち、4.5/5で並んだ結果、タイブレーク勝負で優勝が決まりました。4.5/5で並んでのタイブレーク勝負は1月の東海オープンと同じですが、どちらも優勝できて嬉しいです。参加者、運営の皆さん、今大会でも大変お世話になりました。9月の名古屋オープンは残念ながらオリンピアードと被るので不参加となり、次の名古屋来訪は11月のジャパンオープンとなりそうです。また秋によろしくお願いいたします。

大会終了後は夜のバス便で岐阜県の高山市、いわゆる飛騨高山へと足を運んでいます。こちらの名物である高山ラーメンは、基本はシンプルな醤油ラーメンですが、創意工夫を凝らした店も多いようです。しばらく高山に滞在するので、いくつかのお店で食べ比べをしてみようと思います。

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