全日本選手権は4日目まで終了しました。今日の7Rは、黒番を持って野口さんに勝ち。3試合ぶりの白星ですが、前回の勝ちは内容的にはドローだったため、気持ち的には初戦以来の勝利です。続く午後の8Rは配信のある4Bに上がり、藤井さんに白を持ちます。日本チェス連盟で配信が始まって以降、配信のある上位ボードまで到達するのに、ここまで苦労した大会は他にありません。
このg6 Slavは私がIMタイトルを獲得した頃に黒番で愛用していた変化で、アイディアは今も覚えているつもりです。黒のナイトを展開する手は手堅く見えますが、c6にナイトを出せなくなったタイミングでd5でのポーンを交換するのが戦略的に正しいと言えます。代わりに8... a5と指し、b4のアウトポストを抑えておくのが黒で使っていたアイディアです。
10. e4 Nxc3 11. bxc3 c5は少し変わった手順のGrunfeldになります。本譜ではシンプルにcファイルを早く抑える作戦で戦おうと考えました。
黒はRe8-Re7、Bg7-Bf8で粘ろうとするため、これをどう破るか時間をかけて考えました。結果としてシンプルな7段目へのルーク跳びこみと、Be1-Ba5の組み合わせが良いと判断します。
ほぼ完ぺきに進めてきたと思っていましたが、この手がやや不正確でした。ビショップを退きなおす手も考えはしましたが、こちらが楽だと勘違いしました。23. Bb4! Qe8 24. Bd6 Rc8 25. Qc3 Rxc6 26. Qxc6 Bf8 27. Bxf8 Kxf8 28. Be2!+- こうして白マスビショップを戻せば白の勝勢です。
今度はこちらのビショップがピンのため、この交換は急ぐ理由がありません。試合後にa6-a5と先にポーンを突く手を提案しましたが、私の予想よりこの手が強力でした。23... a5 24. Bc5 (24. Qb5 Bf8! 25. Qxa5 Nxb6 26. Rxb6 Qc7! 27. Rb5 Qc1+ 28. Kh2 Rc8! この反撃が強烈だと試合中は気づいていませんでした。) 24... Qd8 25. Qc3 Nxc5 26. Qxc5+/= こうなれば白はポーンアップでも、そう簡単に勝てないでしょう。
26... Qb4 27. Qxb4 Bxb4 28. Bxa6+- クイーンを交換しても、2コネクテッドパスポーンを持つ白は勝てそうです。
Kojima, S (IM, JPN, 2315) - Fujii, C (JPN, 2016)
Japan Chess Championship 2025 (8)
1. d4 Nf6 2. c4 c6 3. Nc3 d5 4. e3 g6 5. Nf3 Bg7 6. Be2 O-O 7. O-O a6 8. a4 Nbd7?!
このg6 Slavは私がIMタイトルを獲得した頃に黒番で愛用していた変化で、アイディアは今も覚えているつもりです。黒のナイトを展開する手は手堅く見えますが、c6にナイトを出せなくなったタイミングでd5でのポーンを交換するのが戦略的に正しいと言えます。代わりに8... a5と指し、b4のアウトポストを抑えておくのが黒で使っていたアイディアです。 Japan Chess Championship 2025 (8)
9. cxd5 Nxd5 10. Nxd5
10. e4 Nxc3 11. bxc3 c5は少し変わった手順のGrunfeldになります。本譜ではシンプルにcファイルを早く抑える作戦で戦おうと考えました。
10... cxd5 11. Qb3 Nf6 12. Bd2 Ne4 13. Rfc1 Bg4 14. Be1 Rb8
試合後に藤井さんには、この手でcファイルを抑えるのが遅れたのが痛かったのではないかと指摘しました。しかし、私の考えていたクイーンの上がる手に対しても、14... Qd7 15. Ne5! Bxe5 16. Bxg4 Qxg4 17. dxe5+/-と進んで白が良さそうです。15. h3! Bxf3 16. Bxf3 Nf6 17. Rc5 e6 18. Rac1 Re8 19. Rc7!
黒はRe8-Re7、Bg7-Bf8で粘ろうとするため、これをどう破るか時間をかけて考えました。結果としてシンプルな7段目へのルーク跳びこみと、Be1-Ba5の組み合わせが良いと判断します。
19... Re7 20. Ba5! b6 21. Rxe7 Qxe7 22. Rc6!
22. Bxb6? Qb7 23. a5 Nd7= であれば、黒はポーンを取り返して互角です。本譜はb8のルークが浮いていることを利用し、さらなるルークの侵入でb6を攻めます。22... Nd7 23. Bxb6?!
ほぼ完ぺきに進めてきたと思っていましたが、この手がやや不正確でした。ビショップを退きなおす手も考えはしましたが、こちらが楽だと勘違いしました。23. Bb4! Qe8 24. Bd6 Rc8 25. Qc3 Rxc6 26. Qxc6 Bf8 27. Bxf8 Kxf8 28. Be2!+- こうして白マスビショップを戻せば白の勝勢です。
23... Nxb6?
今度はこちらのビショップがピンのため、この交換は急ぐ理由がありません。試合後にa6-a5と先にポーンを突く手を提案しましたが、私の予想よりこの手が強力でした。23... a5 24. Bc5 (24. Qb5 Bf8! 25. Qxa5 Nxb6 26. Rxb6 Qc7! 27. Rb5 Qc1+ 28. Kh2 Rc8! この反撃が強烈だと試合中は気づいていませんでした。) 24... Qd8 25. Qc3 Nxc5 26. Qxc5+/= こうなれば白はポーンアップでも、そう簡単に勝てないでしょう。
24. Rxb6 Rxb6 25. Qxb6 Bf8 26. Be2!
a6を急いで取る必要はないため、白マスビショップをプレーに戻し、Be2-Bf1からキングを守る準備も整えておきます。26... Qd7
26... Qb4 27. Qxb4 Bxb4 28. Bxa6+- クイーンを交換しても、2コネクテッドパスポーンを持つ白は勝てそうです。
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