例年通り1日遅れの更新ですが、昨日全日本選手権が全日程を終えました。私は最終戦、山田くんとの試合がドローになり、6.5/9 での3位でした。そして注目のトップボードですが、中原くんはTuさんを相手に白で大きな有利を築き、最後はドローで7.5/9 での単独優勝を決めました。入賞者の皆さん、おめでとうございます!
1st Place Nakahara, Kan (CM,JPN, 2244) 7.5/9
2nd Place Tran, Thanh Tu (IM, JPN, 2402) 7/9
3rd Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2307) 6.5/9
4th Place Otsuka, Shou (FM, JPN, 2322) 6.5/9
5th Place Yamada, Kohei (FM, JPN, 2182) 6.5/9
6th Place Dryglas, Maciej (JPN, 2082) 6.5/9
7th Place Kobayashi, Atsuhiko (CM, JPN, 2130) 6/9
8th Place Nanjo, Ryosuke (IM, JPN, 2301) 6/9
9th Place Matsuo, Tomohiko (CM, JPN, 2032) 6/9
10th Place Yonemitsu, Kohei (JPN, 2080) 6/9
Japan Chess Championship 2026 Final Standings
2nd Place Tran, Thanh Tu (IM, JPN, 2402) 7/9
3rd Place Kojima, Shinya (IM, JPN, 2307) 6.5/9
4th Place Otsuka, Shou (FM, JPN, 2322) 6.5/9
5th Place Yamada, Kohei (FM, JPN, 2182) 6.5/9
6th Place Dryglas, Maciej (JPN, 2082) 6.5/9
7th Place Kobayashi, Atsuhiko (CM, JPN, 2130) 6/9
8th Place Nanjo, Ryosuke (IM, JPN, 2301) 6/9
9th Place Matsuo, Tomohiko (CM, JPN, 2032) 6/9
10th Place Yonemitsu, Kohei (JPN, 2080) 6/9
Japan Chess Championship 2026 Final Standings
今年はなんといっても中原くんの強さが目立ちましたね。日本もIM 3人時代に入り、次に初優勝するとなれば大塚くんが最有力候補だと思っていましたが、さらに若い中原くんが7勝1敗1ドローでの見事な優勝でした。現役大学生の全日本選手権優勝は、2013年の池田くん以来、実に13年ぶりのことです。今回の戦績ではまだ2300には到達しなかった中原くんですが、それも時間の問題だと思います。2300台の層が増える日本で、代表争いや大会の優勝争いがさらに過熱していくのがとても楽しみです。
さて私の最終戦ですが、短手数ドローを避けて勝負をした結果、かなり白熱したものとなりました。こちらの棋譜解説を今年の全日本選手権記事の締めくくりとします。
Kojima, S (IM, JPN, 2307) - Yamada, K (FM, JPN, 2182)
Japan Chess Championship 2026 (9)
1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. Nc3 Nbd7 5. cxd5 exd5 6. Qc2 c6!?
6... Bb4 と指した前日の南條くんとは違い、手堅いチョイスです。通常のQGD Exchange に近いですが、少しひねります。 Japan Chess Championship 2026 (9)
7. Bf4!? g6!?
このタイミングでのg7-g6は少し驚きましたが、将来的なBc8-Bf5、Nf6-Nh5-Ng7が狙いであることは分かります。
8. e3 Nh5 9. Bg5 Be7 10. Bh6 Ndf6 11. Bg5 Nd7 12. Bxe7 Qxe7 13. h3 Nb6 14. g4 Ng7 15. O-O-O h5?
簡単な3回同一をやめ、ビショップを交換して長い勝負をすることに決めます。このポーン突きはありそうな形ですが、15... Be6 からまずは展開を完了させるべきでした。しかし、早すぎるh7-h5のとがめかたが私も分かっていません。16. Bd3! Be6 17. Kb1?!
これもcファイルからキングを避けてRd1-Rc1を可能にするポピュラーなアイディアですが、早いh7-h5のとがめになっていません。17. Ne5! Nd7 18. f4! Nxe5 19. dxe5+/- と進めば、e5のナイトを捌かれても、次にf4-f5-f6がスレットになるため、黒は対処に悩みます。いきなりポーンの形を決めたくなくて慎重に進めようと思ったのですが、g2-g4をやった以上はf2-f4も使って早めに動くべきでした。
17... O-O-O 18. Rhg1 hxg4 19. hxg4 Ne8 20. Na4 Nxa4 21. Qxa4 Kb8 22. Ne5 Rc8
22... Nf6 23. Rc1 Nd7! でe5のナイトを捌けば黒は問題ないというのがエンジンの評価です。本譜でも白はa7、c6にプレッシャーをかけて有利だと思ったいたのですが、互いに自分の形勢を過大評価、過小評価しており、実際には黒は守り切って互角のようです。23. Rc1 Nd6 24. Rc3 Nc4!?
白の攻めを緩和するために1ポーンを捨てる判断ですが、後々のf2への反撃を考えると白もポーンを貰って勝てるのか自身が持てなくなりました。とは言え、e5のナイトをただ消されても仕方が無いので、貰えるポーンは貰います。
25. Nxc4 dxc4 26. Bxc4 Rh2?!
自然に見える反撃ですが、h2-b8のダイアゴナルが気になります。26... Qf6! が正しい手順でのf2への反撃でした。27. Bxe6 Qxe6 28. d5! Qe5
28... Qf6 29. f4! (29. dxc6?! Qxf2 30. Qf4+ Qxf4 31. exf4 Rxc6 32. Rxc6 bxc6 33. Re1 Rh4= このエンドゲームはドローです。) 29... cxd5?? (29... Rd1) 30. Rxc8+ Kxc8 31. Rc1+ Kd8 32. Qb4!+- このアイディアは検討で見つけられず、黒はd5を取れると思っていました。
29. dxc6 Rxf2 30. Qb4! b6 31. Rgc1
2つ目のルークはcファイルか、dファイルか悩みました。結論としてはポーンを後ろから支えすぎるよりも、dファイルからの侵入を見せてc8ルークをディフェンスに忙しくさせるほうが良かったようです。 31. Rd1! Rf6 32. Qa4!+/-31... Qd5 32. a4
キングの逃げ道を作りつつ、a4-a5を狙うアイディアは悪くありません。しかしここで決め手があり、32. Qe7! Rc7 33. Qe8+ Rc8 34. Qd7! Qe4+ 35. Ka1 Rc7 36. Qd8+ Rc8 37. c7+! Kb7 38. Rd3!!
バックランクにクイーンを跳びこんでも、ルークを合わされるだけで効果が無いと決めつけてしまいました。c8ルークをクイーンで取るアイディアを見せれば、黒にディフェンスはありません。38... Qe6 39. Rd6 Qxg4 40. Rd7+-
32... f5 33. gxf5 Qxf5+ 34. Ka1?
34. e4! Qe5 35. a5! Qxa5 36. Qd6+ Rc7 37. Rh3+- a2-a4の際に頭にあった、a5までの押し込みを実行すべきでした。いろいろと勝負を決めるアイディアは欠片として思い描きながら、適切なタイミングで踏み込めなかったのは反省です。34... Qe5 35. Qh4 Rf7 36. Rg1 Qe6 37. Qg3+ Ka8 38. c7 Qe4 39. b3 a5 40. Qxg6!?
バックランクでの反撃は対処でき、b6が当たるタイミングなら取れると思いましたが、勘違いがあります。
40... Rf1+ 41. Kb2 Rf2+ 42. Kc1 Qb4?
42... Rf1+ 43. Kb2 (43. Kd2?? Qd5+! 44. Rd3 Rf2+ 45. Ke1 Qf3 46. Qg4 Rf1+-+ 大逆転の黒勝ちです。) 43... Rf2+= これならばパペチュアルチェックで終わりです。白キングはルークに寄っていけると考えてしまいました。43. Qd3?
ここは最後のはっきりした勝ちのチャンスでした。43. Qc6+ Ka7 44. Rg6!+- とすれば、b6が問題になります。時間が少ない中、白キングが本当に安全なのか確信が持てませんでした。
43... Ka7 44. Rc2 Rf7 45. Qc4
45. Kb2! Rcxc7 46. Rxc7+ Rxc7 47. Rc1+/= として、c7を諦めてもキングを安全にすべきです。











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