完全に昨日の投稿の続きのつもりで書きます。まずはもう少し、自由広場でのフェスティバルの様子から。
昼食と街の簡単な散策を終えて(さらにブログを更新して)、試合会場に降りると、2年前にFS で対戦したイングランドのLyell,M を始め、参加メンバーが揃っていました。主催者からは、今回は10人のラウンドロビンだが、その内4名は遅れてくるので、ここにいる6名で今日は試合をすること、6名でペアリングを組めるよう、くじの番号は調整することなどが伝えられました。結構いい加減だな、と思いつつ引いたくじは10番、初戦は中国のWang, Doudou に黒でした。
Wang, D (CHN, 2130) - Kojima, S (JPN, 2264)
Nimzo-Indian Samisch Variation! 実際に指すのは初めてです。
ここは11... Nd6!? 12. dxc5 Nxc4 13. Bxc4 Bxc4 14. Re1 もあるだろうなと思いつつ、本譜を選びました。何としても勝ちを目指すために異色ビショップになる展開を避けましたが、少し気にしすぎだったようです。
d7 にクイーンを上げたのは、このfポーン突きのためです。e6, d6 は弱くなりますが、ナイトがf6 に戻り、fファイルから手を作れる可能性が出るならばOKだと考えました。
なぜ試合中、17... Nb3! 18. Rce1 Nxc5=/+ を全く考えなかったのか、不思議です。
相手は残り時間が5分を切るところまで考え、この手を指してきました。私は20...Rb8 がミスだったかとも思いつつ、黒で勝てるチャンスが残るような局面を探します。白の22.Bxh7+ と22.Qa4 の両方に対応できる手を見つけなければいけません。
コンピュータの提案は、21... Rb6! 22. Qa4 (22. Bxh7+ Kh8 23. Bd3 Nxc4=) 22... Nb3 23. Rb1 Qxc3 と難解なもの。確かにこちらのほうが本譜よりも、安全にチャンスを作れそうです。
ドローを嫌い、危険を承知で手を作りにいきます。
25. Bxa7! Rxc3 26. Qd2 Rxc1+ 27. Qxc1+/- 本譜は安全にc3 を守りましたが、実際はc3 が落ちても、白にはさほど危険がありません。
異色ビショップとヘビーピースで殴り合う中、大きなミスが先に出たのは私でした。ここは31... Rab3! 32. Bd4 R8b7=/+ で7段目を守るのが正解でした。
32. Bd4! Rf7 33. Rd8+ Kh7 34. Qb8 Qe4 35. Rh8+ Kg6 36. gxh5+ Kf5 37. f3 +- でも白勝ちです。
時間切迫で勝ちが目の前に来ると、つい焦ってしまうものです。このブランダーで、ポジションは黒の勝ちにひっくり返ります。
33. Bxf8?! gxh3+ 34. Qg3 Qxg3+ 35. fxg3 Kxf8 36. Kh2 Bg2 37. g4 と進んだエンドゲームは、まだ結果が見えません。 33. h4! g3 34. f3 Rxf3 35. Bxa3 Rf2 36. Rxd5 exd5 37. Qxd5++/- ならば、確実に白勝ちです。
Wang はこの手を過小評価していたのでしょう。ポーン、ビショップ、クイーン、ルークを使ったアタックが突如黒に生まれ、メイトを防ぐためにはクイーンを捨てるほかありません。
勝ちがすぐには分からなかったので、40手に到達させて持ち時間を増やします。
イコール局面で強引に手を作りにいきすぎたことは、大きな反省点です。次はもう少し安全にプレーするつもりです。
今回のCAISSA の参加選手リストは上の通り。私のペアリングですが、2R はWang, X に白(FS 11R と全く同じ)、3R はXu, H(一昨年、マレーシアで対戦した相手)に黒と中国女子が続きます。FS 最終ラウンドから数えれば、4人連続中国女子で、私のチェス人生中、最多記録であることは間違いありません。中国から遅めの春が来たのか、なんだかよく分かりませんが、とりあえず負けないよう頑張ります。
布を切り貼りして作っているとは思えない出来栄えです。最初は石を埋め込んであるのかと思いました。
Lovely!
お客さんの多くは出店に夢中でスルーしていますが、こういったシンボルも広場にはあります。
ケチケメートで(おそらく)最大のショッピングモールです。
3階はフードコート。本物のタイ料理なら食べたいですが、かなり中華風にアレンジされていました。
※ケーキです。
昼食と街の簡単な散策を終えて(さらにブログを更新して)、試合会場に降りると、2年前にFS で対戦したイングランドのLyell,M を始め、参加メンバーが揃っていました。主催者からは、今回は10人のラウンドロビンだが、その内4名は遅れてくるので、ここにいる6名で今日は試合をすること、6名でペアリングを組めるよう、くじの番号は調整することなどが伝えられました。結構いい加減だな、と思いつつ引いたくじは10番、初戦は中国のWang, Doudou に黒でした。
Wang, D (CHN, 2130) - Kojima, S (JPN, 2264)
CAISSA 2012 May IM (1)
1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nc3 Bb4 4. a3
Nimzo-Indian Samisch Variation! 実際に指すのは初めてです。
4... Bxc3+ 5. bxc3 c5 6. e3 O-O 7. Bd3 Nc6 8. Ne2 b6 9. O-O Ba6 10. e4 Ne8 11. Be3 d6!?
ここは11... Nd6!? 12. dxc5 Nxc4 13. Bxc4 Bxc4 14. Re1 もあるだろうなと思いつつ、本譜を選びました。何としても勝ちを目指すために異色ビショップになる展開を避けましたが、少し気にしすぎだったようです。
12. Ng3 Na5 13. Qe2 Rc8 14. Rac1 Qd7 15. e5 f5!?
d7 にクイーンを上げたのは、このfポーン突きのためです。e6, d6 は弱くなりますが、ナイトがf6 に戻り、fファイルから手を作れる可能性が出るならばOKだと考えました。
16. exf6 Nxf6 17. dxc5 bxc5
なぜ試合中、17... Nb3! 18. Rce1 Nxc5=/+ を全く考えなかったのか、不思議です。
18. Nh5 Qf7 19. Nxf6+ Qxf6 20. Rfd1 Rb8 21. Qc2
相手は残り時間が5分を切るところまで考え、この手を指してきました。私は20...Rb8 がミスだったかとも思いつつ、黒で勝てるチャンスが残るような局面を探します。白の22.Bxh7+ と22.Qa4 の両方に対応できる手を見つけなければいけません。
21... Nxc4
コンピュータの提案は、21... Rb6! 22. Qa4 (22. Bxh7+ Kh8 23. Bd3 Nxc4=) 22... Nb3 23. Rb1 Qxc3 と難解なもの。確かにこちらのほうが本譜よりも、安全にチャンスを作れそうです。
22. Bxc4 Bxc4 23. Rxd6 Rb3?!
ドローを嫌い、危険を承知で手を作りにいきます。
24. Bxc5 Rfb8 25. Be3?!
25. Bxa7! Rxc3 26. Qd2 Rxc1+ 27. Qxc1+/- 本譜は安全にc3 を守りましたが、実際はc3 が落ちても、白にはさほど危険がありません。
25... Rxa3 26. Rd7 a5 27. h3 a4 28. Qe4 Bd5 29. Qd4 Qg6 30. g4 h5 31. Qe5 Rf8?
異色ビショップとヘビーピースで殴り合う中、大きなミスが先に出たのは私でした。ここは31... Rab3! 32. Bd4 R8b7=/+ で7段目を守るのが正解でした。
32. Bc5
32. Bd4! Rf7 33. Rd8+ Kh7 34. Qb8 Qe4 35. Rh8+ Kg6 36. gxh5+ Kf5 37. f3 +- でも白勝ちです。
32... hxg4 33. Bxa3??
時間切迫で勝ちが目の前に来ると、つい焦ってしまうものです。このブランダーで、ポジションは黒の勝ちにひっくり返ります。
33. Bxf8?! gxh3+ 34. Qg3 Qxg3+ 35. fxg3 Kxf8 36. Kh2 Bg2 37. g4 と進んだエンドゲームは、まだ結果が見えません。 33. h4! g3 34. f3 Rxf3 35. Bxa3 Rf2 36. Rxd5 exd5 37. Qxd5++/- ならば、確実に白勝ちです。
33... gxh3+ 34. Qg3 h2+!
Wang はこの手を過小評価していたのでしょう。ポーン、ビショップ、クイーン、ルークを使ったアタックが突如黒に生まれ、メイトを防ぐためにはクイーンを捨てるほかありません。
35. Kxh2 Qh5+ 36. Qh3 Rxf2+ 37. Kg1 Qxh3 38. Kxf2 Qf3+ 39. Ke1 Qe3+ 40. Kf1 Qf3+
勝ちがすぐには分からなかったので、40手に到達させて持ち時間を増やします。
41. Ke1 Bc4 42. Rc2 Qe3+ 43. Kd1 Bb3 44. Rdd2 Qxc3 0-1
イコール局面で強引に手を作りにいきすぎたことは、大きな反省点です。次はもう少し安全にプレーするつもりです。
今回のCAISSA の参加選手リストは上の通り。私のペアリングですが、2R はWang, X に白(FS 11R と全く同じ)、3R はXu, H(一昨年、マレーシアで対戦した相手)に黒と中国女子が続きます。FS 最終ラウンドから数えれば、4人連続中国女子で、私のチェス人生中、最多記録であることは間違いありません。中国から遅めの春が来たのか、なんだかよく分かりませんが、とりあえず負けないよう頑張ります。
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