2012/05/23

CAISSA 2012 May 4th round - No Blood Game -

昨日は試合前に、主催者のErdely 氏とエントリーフィー、宿泊費割引の交渉をしました。結果、5月、6月、7月の3か月連続でCAISSA に参加することを条件に、10% 割引となりました。もともと決まっていたようなものですが、これで7月までにブダペストとケチケメートを、3往復することが確定しました。

CAISSA への3連続参加を決めた後は、Erdely 氏と話をしながら、街を案内してもらいました。彼もチェスをするのか聞いたところ、IM だとの回答が!すみませんでした。調べてみると、現在レイティングは2100台まで落ちてますが、Antic, Ceblo, Hebden などのGM にも勝ったことのある方でした。最近はトーナメントの開催と、チェスグッズの販売を主にしているそうです。

お昼は会場近くのイタリアンへ。スープ、メイン、デザートのコースで990フォリント(350円弱)は、かなりリーズナブルだと思います。もちろん味も満足でした。ちなみに、オレンジジュースは別料金です。

野菜のスープ。ハンガリー伝統のグヤーシュとは少し違うようです。

メインは豚肉を巻いてチーズを詰め、揚げたもの。さらにチーズかけすぎ・・・

ティラミスのような何か。


そして肝心の試合は、今大会のリスト2, 地元のIM Hajnal さんとです。データベースを見る限り、相手は黒でもこの2年ほど、公式戦で負けていないようです。

Kojima, S (FM, JPN, 2264) - Hajnal, Z (IM, HUN, 2401)
CAISSA 2012 May IM (4)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. e3 e6 7. Bxc4 Bb4 8. O-O O-O 9. Qe2 Ne4!?



予想外の手が来ました。珍しいサイドラインですが、いくつか試合を見た記憶があります。

10. Bd3 Bxc3 11. Bxe4


ここは、11. bxc3 Nxc3 12. Qc2 Bxd3 13. Qxd3 Nd5 と1ポーン捨てる変化と迷いましたが、負けてはいけない試合なので慎重にいきます。

11... Bb4


11... Bxe4?! 12.bxc3 Qd5 13.Ne1 ならば、次にf3-e4 とセンターを厚く持って白が良さそうです。

12. Bxf5 exf5 13. Qc2 Qd5 14. Ne5 g6 15. Rd1 f6?!



この手は直感的に、あまり良くないと感じました。黒がキングサイドのダブルポーンを生かすには、Nd7-Nf6-Ne4 が最も素直で、f6 に置いたポーンはそれを邪魔してしまいます。加えて、a2-g8 のダイアゴナルも弱めてしまいます。15... Nd7 ならばイコールだと思いますが、あまり黒に面白みのない展開を嫌ったのでしょうか。

16. Nd3 Bd6 17. b3!


Bc1-Ba3 で黒マスビショップを消せば、白はNd3-Nf4, Nd3-Nc5 の両方を狙うことができます。

17... a5 1/2-1/2



ところが、ここでオファーが来たので、白が悪いはずはないと思いつつ、受けてしまいました。早めのオファーが負けない秘訣なんですかね、うーむ。

解説が短いので、このCAISSA のシステムについて補足を。今朝起きると、Vamos - Galyas, Kantor - Farakos というペアリングで、試合が行われていました。これは延期されていた2R の試合です。

ここCAISSA のトーナメントでは、対戦する両者の合意があれば、試合を好きな日程の好きな時間にずらせるそうです。本来の日程は9日間で、1日1試合ずつの9試合ですが、ダブルブッキングの日と休みの日を作っても良いということです。これは2日目にErdely 氏の息子さんが、私にFlexible System だと言って説明してくれました。ネット上の大会ならばともかく、FIDE公式戦でこのスタイルとは、なかなか驚きですね。しかし考えてみれば、仕事の休みが取りづらく、試合の都合をつけづらい日本でこそ、このシステムはうまくいくのでしょうか・・・?

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