2013/01/16

Bela Perenyi Memorial 2013 5th round - Leaving A Victory -

今度こそはと思って臨んだ折り返しのラウンドは、準備が当たって順当にアドバンテージを得ましたが、まさかのブランダーでパペチュアルチェックを許し、ドローに逃げられる展開に... 勝勢と勝ちは非なる物と言いますが、何事もなく勝勢を勝ちに結び付けられる時と今と、何が違うのかはよく分かりません。

Mezei, C (HUN, 2117) - Kojima, S (FM, JPN, 2349)
Bela Perenyi Memorial 2013 (5)

1. d4 Nf6 2. Bf4 c5 3. d5 Qb6 4. Bc1 g6



なんとも不思議な手順で、ポジションはBenoni のような何かに。King's Indian 時代に勉強した知識をフルに使い、セットアップを考えます。

5. Nc3 Bg7 6. e4 d6 7. Bb5+ Nfd7!?


7... Bd7 8. Bxd7+ Nbxd7 9. Nf3= でも何ら黒に不満はないことは分かっていましたが、ダブルビショップを得られるチャンスかもしれないと思い、本譜のアイディアを実行しました。次にBxc3-Qxb5 がスレットになっているため、白はNg1-Nf3-Nd2-Nc4 のマヌーバリングができないのもポイントです。

8. Nge2 a6 9. Ba4 O-O 10. Bxd7


なんで一手遅らせた?( ̄へ ̄|||) ウーム

10... Nxd7 11. O-O Qc7!?



eポーンとcポーンの交換をしていない点が、純粋なBenoni との違いですが、黒のアイディアは基本的に同じでOK だと思っています。クイーンを退いてから、b7-b5-b4 とポーンを突いてナイトをどかし、b2 のポーンにプレッシャーをかけにいきます。

12. Ng3 b5 13. Nce2 b4 14. a3 Rb8 15. axb4 Rxb4


黒は孤立ポーンを作りますが、白マスビショップを貰っているため、さほど大きな問題にはならないと考えました。それよりも、bファイルを開いたメリットのほうが大きいはずです。

16. c3 Rb6 17. Ra2 c4!



白にd4 のマスを渡しても、c5 にマスを作ることで、Nd7-Nc5 のマヌーバリングを可能にします。

18. Be3 Nc5 19. Kh1 Bd7 20. Bxc5 Qxc5 21. Qd2 Rfb8


白がなぜか黒マスビショップもくれたので、ダブルビショップ対ダブルナイトの構図になりました。ここから黒は、b2 へのプレッシャー以外に、手を作るポイントを模索します。

22. f4 Bh6!? 23. Nd4 e5! 24. dxe6 fxe6 25. Nge2 e5!



ここまで静かだったeポーンを2回突くことで、ダブルビショップをアクティブにするとともに、e4 を狙えるようにします。

26. Nf3 Bc6 27. Qc2 Qe3-/+


すでにe4 は守ることができず、白マスビショップ貫通が確定します。これで勝ちを確信したのが、少し早計だったかもしれません。

28. fxe5 Bxe4 29. Qd1 Bd3! 30. Re1 dxe5!? 31. Neg1 Qf2 32. Nxe5



試合中、確信の持てなかった32. Nh3 Qc2 33. Qxc2 Bxc2 34. Nxe5 Rxb2 35. Rxb2 Rxb2 36. Nxc4 Rb3 というラインでも、丁寧に指せばaファイルのパスポーンで勝つことができそうです。

32... Rxb2! 33. Rxb2 Rxb2 34. Qg4 Bf1?!



b2 を取る前は、違う手で黒が勝ちだろうと読んでいましたが、ここにきて欲が出てしまいました。実際にそちらが正確です。34... Qf5! 35. Qxf5 gxf5-+  もしクイーンが逃げれば、今度こそBd3-Bf1 です!

35. Rxf1?


白がメイトを防ぐにはこれがオンリームーブで、エクスチェンジアップの黒がおそらく勝てるだろうと考えていました。しかし、白にはベターなディフェンスがあります。35. Qe6+ Kh8 36. Qc8+ Bf8 37. Nxg6+!(全く気付いていなかった手筋!しかし、冷静に対処すればまだ黒にアドバンテージが残っています。) 37... hxg6 38. Qh3+ Kg7 39. Qd7+ Qf7 40. Qxf7+ Kxf7 41. Rxf1+ Kg7=/+

35... Qxf1 36. Nef3 Bg7??



残り時間3分まで考え、パペチュアルチェックを許す間違ったディフェンスをチョイスしてしまいました。今振り返れば、なぜシンプルな正解の手が指せなかったのか、理解ができません。36... Rb6! 37. Qd4 Rb5 38. Qd6 Rf5-+ No Perpetual Check!

37. Qe6+ Kf8 38. Qd6+ Ke8 39. Qe6+ Kf8 40. Qd6+ Ke8 41. Qe6+ 1/2-1/2


残り時間が少なかったとは言え、このパペチュアルチェックが見えないのは実力不足なのか、それとも勝てないときというのは、こういうものなのか( ̄へ ̄|||) ウーム とにかく、気持ちを切り替えて今日の次の試合に臨みます。

Bela Perenyi Memorial 2013 R6 Pairings


次も9番ボードでハンガリーのご老人との対戦です。ゲームを全て見ましたが、また怪しげな手ばかりの様子... 中盤で時間を使いすぎないことも、自分の課題にしておきます。


昨晩はハンガリーの伝統スープ、グヤーシュをいただきました。帰る前に作り方を教えてもらいましょうかね。

3 件のコメント:

Yumi さんのコメント...

いろいろですね〜… こんな風にドローが続くような展開になることもあるのですね。
きっと後半は勝ちが続くのかも...!
頑張ってください‼
一つ気になっているのですが、食事は誰が作ってくれているのですか? 宿に戻って食事ができている、というのは、食事付きのところで泊まっているのですか?
それとも毎日作って待ってくれている人がいるのかしら…⁈ 食事付きの宿なら、いいですね(^-^)/

Shinya_Kojima さんのコメント...

ようやく勝ちました!気持ち的には非常に長い数日間でした~。

アンダンテは基本的に食事つきではないのですが、私は滞在が長いので、管理人さんが私の料理も用意してくれています。その分のお金は、宿泊費とは別に払います。

他にもお客さんが作って、それを数人で分けることもあります。こちらの形式は、こういったドミトリーの宿では一般的で、シェア飯と呼ばれますね。ちなみにグヤーシュは、リスト音楽院に通うチェリストの方が作ってくれました!

Yumi さんのコメント...

おめでとうございます‼ 今度は勝ちの連続になるのでは...!
チェス以外でもいろいろな経験をされてますね。素晴らしいですね‼
いろいろな人との出会いも貴重な経験ですね。
しっかり食べて連勝いってください‼

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