ブダペストは毎日寒く、ちらちらと雪が舞っています。そのような中での3R は2R に引き続き、地元の60代のプレーヤーとの対戦でした。IM を目指すのであれば、黒でも勝っておきたい相手でしたが...
Borda, L (HUN, 2113) - Kojima, S (FM, JPN, 2349)
Bela Perenyi Memorial 2013 (3)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. f3!?
Bela Perenyi Memorial 2013 (3)
Caro-Kann を指し始めて約3年。初めて出会うFantasy Variation です!このラインで来ることはあらかじめわかっていたので、最新の研究を用意していました。
3... Qb6!? 4. Nc3 dxe4 5. Nxe4 Bf5 6. c3 Nd7 7. Ng3!?
ここでナイトを退いたことで、変形のClassical Variation へと移行します。
7... Bg6 8. f4 e6 9. Nf3 Ngf6 10. Bd3 Bd6 11. Ne5 c5!?
ここは黒マスビショップを放棄してでも、早めに白のセンターを崩そうとトライしました。本譜はまず思い付いた手でしたが、他の変化をかなり読んでいたため、ここで時間を消費します。11... O-O 12. Nc4 Qc7 13. Nxd6 Qxd6 14. O-O=, 11... Bxe5!? 12. fxe5 Nd5 (12... Nxe5? 13. dxe5 O-O-O 14. exf6 Rxd3 15. Qb3 Qc5 16. fxg7 Rhd8 17. Bf4+- 正直、このダメな変化を考えすぎました。) 13. Ne4 O-O=
12. Nc4 Qc7 13. Nxd6+ Qxd6 14. f5!
黒マスビショップをアクティブにする好手。こうなると特に黒に良いところはなく、格下相手でも簡単に勝ちにいけるポジションではなくなってきます。黒番にもかかわらず、少し欲張って考え過ぎたのは、この試合の一つの反省ポイントです。
14... exf5 15. O-O O-O 16. Bxf5!?
私が読んでいたのは、シンプルにナイトでポーンを取り返し、ダブルビショップにする変化です。16. Nxf5 Bxf5 17. Bxf5 Rfe8 18. Bg5→
16... cxd4 17. Be3?!
ここまでうまく指していた白が、初めて疑わしい手を指します。おそらくd4 にIQP を残すことを嫌ったのだと思いますが、ダブルビショップを持つ白はそれを十分に支え、パスポーンとして働かせることができるでしょう。17. Bf4 Qb6 18. Qxd4 Rfe8=
17... d3! 18. Bd4 Nc5!?
ポーンをすぐに返さないために、ナイトはこちらのマスに置いたのですが、コンピュータはもう一つの手を評価します。18... Ne5! 19. Bxe5 Qxe5 20. Qxd3 Rad8=/+ ポーンを返しても、黒マスビショップを手に入れ、ルークが早くセンターに回れればOK という判断なんですね、うーむ。
19. Kh1 Rad8 20. Qf3 b6 21. Rad1 Qd5!?
ここもやはり、ポーンを返してしまう変化が気に入らず、勝負の一手です。a2 もアタックしており、これはチャンスがあるだろうと考えていましたが、予期せぬカウンタープレーを貰うことになりました。21... a5 22. Bxc5 Qxc5 23. Bxd3 Rfe8=
22. Bxf6!
22. b4 Qxf3 23. Rxf3 Nce4 24. Bxg6 fxg6 25. Rfxd3 は1ポーンの代償がありそうですが、勝負はまだまだ分かりません。
22... gxf6 23. Qf4! Qxa2 24. Qh6!
完全にこの手を過小評価していました。白にはNg3-Nh5 という危険なスレットがあり、黒は一転してディフェンスに回らざるをえません。
24... Kh8 25. Nh5 Rg8 26. Nxf6 Rg7 27. Ra1!?
なかなか憎い一手です。パペチュアルチェックの筋があることに気づいていながら、私がそれに気づかず、ミスをしないか期待しているのでしょう。
27... Qc4!
よっぽどクイーンを切って勝負に行こうかと考えましたが、リスクを考えてそのアイディアは捨てました。実際、コンピュータは全く勝負にならないと判断しています。27... Qxa1? 28. Rxa1 Bxf5 29. Qf4 Bg6 30. Rd1! 試合中は気付いていませんでしたが、g7 のルークが何もできず、黒の反撃は不十分そうです。
28. Bxg6! fxg6 29. Nxh7!=
ここまでの指し方もそうですが、こういったタクティクス(パペチュアルチェックの筋も、タクティクスと呼ぶのでしょうか?)をきっちり読んでくる辺り、2100台でも実力があることを窺わせます。
29... Rxh7 30. Rf8+ Rxf8 31. Qxf8+ Qg8
27手目で黒クイーンがa2-g8 のダイアゴナルから離れていれば(例えばb2 のポーンを取る等)、白はここでチェックメイトでした。
32. Qf6+ Qg7 33. Qd8+ Qg8 34. Qf6+ Qg7 35. Qd8+ Qg8 1/2-1/2
前日のように明確な勝ちのチャンスがあったわけではないので、悔しいですが、このドローは仕方がありません。考えてみればこの4カ月、下にこれほどドローがなかったのが、うまくいきすぎだったんですね。
とは言え、これ以上貴重なレイティングを削られたくはありません。次の対戦相手は15歳の1900台で、ここまで2.5/3 の嫌な相手ですが、先月の試合結果を見る限り、さほど強くもなさそうです。今日こそしっかりと勝って、後半戦で上位陣と当たれるよう、舞い戻ってこようと思います。
Bela Perenyi Memorial 2013 R4 Pairings
Bela Perenyi Memorial 2013 R3 Standings
昨夜は韓国の大会に送る用の顔写真撮影を他のお客さんにお願いし、ちょっとした撮影会に(笑)背景や照明など、7人ぐらいでワイワイ騒ぎながら、思考錯誤を繰り返しました。その様子も写真に収めておけば良かったと、少し後悔しています。
2 件のコメント:
試合が終わるまで相手のレーティングを見るなとか何かの本に書いてあった気がします。油断禁物▼o・~・o▼ピカチュウ~
勝てるな、と思ってしまったり感じてしまったりすることで、どこかに油断が出ることがあったりしちゃうのかもしれませんね。意識していなくてもそんな思いがどこかにある、とか。気合入れ直して残りはバンバン行きましょう‼ 頑張ってくださいね!
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