2R は良いと思っていたオープニングが実際はそうでもなく、時間切迫で互いにミスを繰り返しながら、最終的には1/2 を落としてしまいました。しかも、最後は負けのエンドゲームに... 2200未満にポイントを落とすのは、10月にハンガリーに戻って以来、初めてのことです。
Kojima, S (FM, JPN, 2349) - Palvolgyi, I (HUN, 2091) -
Bela Perenyi Memorial 2013 (2)
1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. g3 Bg7 4. Bg2 O-O 5. O-O d6 6. d4 Nc6 7. Nc3 e5!?
Bela Perenyi Memorial 2013 (2)
Panno Variation で、黒がすぐに7... e5 と返すのはさほど良くないですが、あまり研究していなかったラインだけに、早くもしっかり考え始めます。黒のセットアップはClassical Variation と同じですが、理屈から言えば、白がフィアンケットを組んでいる以上、キングサイドアタックはさほど強力ではないはずです。
8. d5 Ne7 9. e4 c5 10. a3!?
このポーンストラクチャーでは、Nf3-Ne1-Nd3 というマヌーバリングが一般的なことは分かっていましたが、それとa3-b4 を混ぜて戦おうと考えました。おそらくベストは、10. Ne1! Ne8 11. Nd3 f5 12. f4! と指す変化で、白はキングサイドだけで十分にアドバンテージを得られそうです。
10... Ne8 11. Ne1 f5 12. Nd3 Nf6 13. b4 b6 14. Rb1 fxe4!
黒はキングサイドを開くのが正解です。f5 のマスを使えるようにすることで、Ne7-Nf5-Nd4 というマヌーバリングを可能にします。
15. Nxe4 Nxe4 16. Bxe4 Bh3 17. Re1 Nf5 18. f4!
このタイミングでポーンが突ければ、e5、c5 へのプレッシャーに加え、Nd3-Nf2 もスレットになるので、白が大きなアドバンテージを得ると考えていました。しかし実際には...
18... Nd4! 19. bxc5 bxc5 20. fxe5 dxe5! 21. Nxc5?!
黒はc5 を捨てますが、これはすぐに取り返すことができます。21. Be3!+/= ならば白やや優勢とコンピュータは評価しますが、d4 の強力なナイトは、黒に十分なチャンスを与えると考え、ややリスクがあることは承知で本譜をチョイスしました。
21... Rc8! 22. Nb7
22. Ne6 Nxe6 23. dxe6 Bxe6= ではc5 を取りに行った意味がありません。
22... Qf6 23. Be3 Rxc4 24. Rb2 Nf3+!?
黒はダブルビショップを得ますが、d4 のナイトを消してくれることは、白にとってありがたいと感じました。客観的に考えればポジションはイコールに近いですが、多少強引でも勝ちのチャンスを残せるように指すことを決断します。
25. Bxf3 Qxf3 26. d6!?
クイーンを自ら交換しにいかないのが、私の判断です。黒からクイーンを交換してくれれば、dファイルに回ったルークが、パスポーンをサポートすることになります。
26... Rc3 27. Bc5? Bd7?
ところが、クイーンを盤上に残しておいたことで、黒には強力なアタックを残す手段がありました。27... Qc6!! 28. d7 (28. Bb4 Bh6!-+) 28... Bxd7 29. Bxf8 Bxf8-+
28. Bb4 Qxb7?!
互いに時間切迫のこのポジションで、エクスチェンジを捨てる驚きの判断です!実際にはさほど良くありませんが、持ち時間が少なく、白マスの弱さを突いて一発狙うならば、面白い手です。28... Qxd1 29. Rxd1 Rc4 30. Rf2= ならば、形勢は互角でしょう。
29. Bxc3 Qc6 30. Qb3+ Kh8 31. Qb4?
この辺りから互いにチャンスを逃す手が連続で飛び交います。黒の危険なピースの一つであるルークを消しにいけば、エクスチェンジの代償は不十分でした。31. Rf2 $1 Qc5 32. Ree2+/-
31... Qf3! 32. h4 Qxg3+?
自然な手に見えますが、今度は黒が勝ちを逃すミス。32... Rc8!-+ 33. Bxe5 Bxe5 34. Rxe5 Qxg3+
33. Rg2 Qf3 34. Bxe5 Bxe5
検討戦ではビショップを先に組み替えることでドローではないかという意見が出ましたが、34... Bc6 35. Bxg7+ Kxg7 36. Re7+ Kg8 37. Qc4+ Bd5 38. Qe2 Qxg2+ 39. Qxg2 Bxg2 40. Kxg2 Rd8 41. d7 Kf8 42. Rxh7 Kg8 43. Re7 Kf8 44. Re6 Rxd7 45. Rxg6 ならば、白に勝ちのチャンスのあるエンドゲームです。本譜でもどこかでエクスチェンジを切り返して、パスポーンで勝負にいく筋がないかと考えましたが、適切なタイミングが分かりませんでした。
35. Rxe5 Rf4?!
黒はここで勝ちを狙いに来たのか、ルークを8段目から外してきました。35... Bh3 36. Qb2 Kg8 37. Qa2+ Kh8 38. Qb2 ならば、確実にドローです。
36. Qe1! Bc6 37. Re8+?!
残り時間数秒で指したこのアイディアがダメでした。黒はエクスチェンジを取り返すスレットをすぐに作れてはいないので、g2 を確実に守って白勝勢です。37. Reg5! Re4 38. Qf1 Qxf1+ 39. Kxf1 Rd4 40. Re2 Rd1+ 41. Kf2 Rxd6 42. Re7+/- 攻めと守りの切り替えがうまくいかず、本譜さらにまず方向へと進んでいきます。
37... Kg7?
ルークを取れば問題なくドローでしょう。黒はルークとクイーンが好位置にいるため、白のパスポーンはけって的なファクターになりません。
38. Qe5+?
この辺りは互いにひどい時間切迫で、時計をたたき合う様を想像してください。ここもg2 を守って、白に勝ちのチャンスがあるでしょう。38. Qa1+ Kh6 39. Ree2+/-
38... Rf6 39. Qe7+?
白の最後のミス。クイーンを交換すればエクスチェンジは落ちないと、ひどい勘違いをしていました。39. Re7+ Kf8 40. Re8+! Bxe8 41. Qe7+= という変化を、検討では見つけました。
39... Kh6! 40. Qe3+ Qxe3+ 41. Rxe3 Bxg2 42. Kxg2 Rxd6
白はエクスチェンジを返したうえ、重要なパスポーンが消滅、1ポーンダウンになってしまいました。ここからはFight for a draw です。
43. Kg3
帰りのトラムの中で別の筋を考えていましたが、aポーンとhポーンを交換しても、2コネクテッドパスポーンを持つ黒が問題なく勝つことに気が付きました。43. Re4 Rd2+! 44. Kf1 Kh5! 45. Re7 h6 46. Re4 Rh2 47. Ra4 Rxh4 48. Rxa7 Rh2-+
43... Rd4 44. Rc3 Ra4?!
私の対戦相手は、正しいルークエンディングの勝ち筋をイメージできていませんでした。aポーンを4段目まで進め、ルークがb3 に飛び込めば、何事もなく黒勝ちです。44... a5!-+
45. Rb3 a6 46. Rc3 Kg7 47. Rc7+ Kf6?
白にドローチャンスを与える黒のミス。黒はキングを戻し、先述のプランに切り替えるべきでした。47... Kh6 48. Rc3 a5
48. Rxh7 Rxa3+ 49. Kf4 Ra4+ 50. Kg3 Kf5 51. Rf7+ Ke6 52. Rg7 Kf6 53. Rh7 Re4 54. h5!= gxh5 55. Rh6+ Kg5 56. Rxa6 Re3+ 57. Kg2 1/2-1/2
最後はポーンを交換してドロー確定。なんとか1/2 ポイントを拾いました。格下の相手にこれほど苦戦したのは夏以来でしょう。私もまだまだ勉強不足です。
今日は連続で60代のプレーヤーが相手ですが、50台でレイティングをつけたという大変遅咲きのプレーヤーです。(もちろん、それまでに下積みはあったのでしょうが)色は黒になりますが、今度こそきっちり勝って、良い流れを取り戻したいと思います。
Bela Perenyi Memorial 2013 R3 Pairings
夏にIM クラスで私と戦った、To Nhat Minh は、0.5/2 スタート...
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