2016/09/08

Baku Chess Olympiad R5 Japan - Tajikistan

バクーのオリンピアードも、前半戦最後の試合を迎えました。R5 は8年前のドレスデンオリンピアードでも対戦した、タジキスタンとの再戦です。8年前は日本が勝利しましたが、今回はGM Amonatov がいるため、相手レイティングの平均は大きく上がっています。

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Amonatov, F (GM, TJK, 2610)
Baku Chess Olympiad (5)

1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 a6 9. Qc2!?



GM Avrukh の本を読んでいて、早い8... a6 にはh2-h3 を入れずに、Qd1-Qd2 からRf1-Rd1 を目指すアイディアを見つけました。9. h3 exd4 10. Nxd4 Re8 11. Be3 Rb8 12. b3 という手順で、Gallagher Variation になるのであれば、過去に指したことのある変化で自信はありますが、もし黒が早くb7-b5 をしてきた場合にどうなるかわからなかったため、今回は9. Qc2 を試してみることにしました。

9... exd4 10. Nxd4 Ne5 11. b3 Bd7 12. a4 Nc6 13. Nxc6 bxc6


Amonatov はここまで迷う様子無く、ポジションを進めてきます。私はb3 へのプレッシャーはさほど深刻にならないだろうと考え、将来的にc4-c5 と仕掛けるタイミングを計り、ピースを展開していくことにします。

14. h3 Rb8 15. Be3 Re8 16. Rfd1 Qc8 17. Kh2 h5!?



Fianchetto King's Indian ではよくあるアイディアですが、私としては、17... Re5 18. f3 Rh5 19. h4 と進む変化を恐れていました。もちろん、本譜のようにhポーンを伸ばされるアイディアも、やられてみると対処が嫌なものです。

18. Rab1 h4 19. gxh4 Nh5 20. Ne2 Be5+ 21. f4 Bf6 22. Rg1


f2-f4 と突かされたことで、白は黒マスビショップのダイアゴナルを一時的に閉ざされていますが、代わりにf4-f5 と突き、黒のキングを直接的にアタックすアイディアを得ています。私はこれを利用し、gファイルとの組み合わせでアタックを仕掛けようとしましたが、22. Bf3! Bxh3 (22... Bxh4 23. Bxh5 gxh5 24. Rg1+ Kf8 25. f5!+/-, 22... Ng7 23. h5 Nxh5 24. Bxh5 gxh5 25. Ng3+/-) 23. Rg1 Ng7 24. h5+/- としてほうが、シンプルに攻撃できたようです。

22... Bxh4 23. Bf3 Ng7 24. Bd4!



すぐにf4-f5 と仕掛けてしまうと、e3 のビショップが浮いていることを利用され、f5 が取られてしまいます。そこで先にビショップを動かし、a1-h8 のダイアゴナルを抑え、黒キングへプレッシャーをかけるとともに、f4-f5 とする準備を整えます。

24... d5!


指されてから、なるほどと思いました。24... c5 25. Ba1 ならば、白は次にクイーンをビショップの前に置き、a1-h8 のダイアゴナルを利用したアタックでチャンスを作れるでしょう。

25. f5 dxe4?!


ここは難しい判断ですが、ピースを捨てるほうが正確です。25... Nxf5! 26. exf5 Bxf5 27. Qc1 Rxe2+!? 28. Bxe2 Qe6 29. Bf3 Bxb1 30. Qxb1 dxc4 これは非常に形勢判断の難しいポジションです。

26. fxg6 f6 27. Bxe4?



ここは正確に読み切れず、思い切ってポーンを取ってみましたが、これが大きな失敗でした。27. Bg4! e3 (27... f5? 28. Qc1!! この手を試合中、見つけることができませんでした。 29... e3 29. Bf3+/-) 28. c5+/= これならば、白は間違いなく少し有利なまま試合を進められたでしょう。

27... Bf5!


f5 のマスを確保するとともに、eファイルをこじ開けて反撃を作る好手です。ここからさらに判断を間違えたことで、一気に崩れてしまいました。

28. Nc3?


28. Bxf5 Qxf5 29. Rb2 Qxc2 30. Rxc2 Rxb3= b3のポーンを落とすことには強い抵抗感がありましたが、本譜と比べれば、こちらを選ぶべきであったことは明らかです。

28... Rxe4! 29. Nxe4 Qe6!



黒はエクスチェンジを捨てても、すぐに取りかえすことができます。ポーンまで取りかえせば、白のキングの守りは薄く、どちらが優勢かは比べるまでもありません。

30. Rg4 Bxg4 31. hxg4 Re8 32. Bf2 Qxg4 33. Re1 Nh5 34. Qd2


ここはもうe4 のナイトがどうしても救えないため、バックランクに侵入するアタックで反撃を作るしかないと、時間ぎりぎりまで考えて決断しました。

34... Rxe4 35. Qd8+ Kg7 36. Qxc7+ Kh6



36... Kxg6 37. Rg1 Bxf2 38. Rxg4+ Rxg4 39. Qxc6 Bg1+ 40. Kh1 Bd4-+ 黒はクイーンを捨てても勝勢ですが、もちろん本譜のほうがわかりやすい勝ち方です。

37. Qh7+ Kg5 38. g7


最後、この手はダメなことは分かり切っていたので、もう一つの手を試すべきであることは明らかです。38. Rg1 Bxf2!? (38... Bg3+ 39. Rxg3 恥ずかしながらここは、ビショップで取る手しか考えていませんでした。39... Nxg3 40. g7 Nf1+ 41. Kh1 Qf3+ 42. Kg1 Rg4+ 43. Kxf1 Qd1+ 44. Be1 Kf4!! これが見つけづらい好手で、これ以外に黒の勝つ方法はありません。45. g8=Q Qf3+ 46. Bf2 Qg2+ 47. Ke1 Rxg8-+ 白のプロモーションしたクイーンを取れば、ゲームオーバーです。) 39. Rxg4+ Kxg4 40. Qd7+ (40. g7 Bg3+ 41. Kg1 Re1+ 42. Kg2 Nf4#) 40... f5 41. Qd1+ Kg5 42. Qd8+ Kxg6-+ 上記と似たアイディアで、黒はクイーンを捨てるか、44... Kf4! のアイディアを見つけるか、どちらでも黒は勝つことができるでしょう。40手目で時間が増えれば、Amonatov のレベルならばどちらも指せると思いますが、それでも相手にとって難しい変化に飛び込むべきであったことを悔やんでいます。

38... Qf4+ 0-1



このラウンド、私は白で負けてしまいましたが、南條くんが今大会、待望の初勝利を挙げました! 3,4B もドローとなったため、マッチの結果は2-2 の引き分けです。

Japan - Tajikistan 2-2

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Amonatov, F (GM, TJK, 2610) 0-1
Nanjo, R (IM, JPN, 2340) - Khusenkhojaev, M (TJK, 2212) 1-0
Averbukh, A (JPN, 2223) - Kabilov, A (TJK, 2150) 1/2-1/2
Yamada, K (CM, JPN, 2100) - Karimov, A (TJK, 2119) 1/2-1/2


女子はこのラウンド、各上のコスタリカを相手に苦戦を強いられました。2B の星野さんだけが白星を挙げ、他は3敗です。

Costa Rica - Japan 3-1

Rodriguez Arrieta, M (WIM, CRC, 1913) - Ishizuka, M (JPN, 1778) 0-1
Acevedo Mendez, L (CRC, 1857) - Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) 0-1
Ramirez Gonzalez, M (CRC, 1859) - Sakai, A (JPN, 1703) 1-0
Nunez Gonzalez, N (CRC, 1833) - Shibata, M (JPN, 1638) 1-0



昨日は試合後に、会場奥にあるエキシビジョンホールに足を運んでみました。今大会、会場で見当たらなかったチェスグッズは、こちらで販売されています。グッズの販売だけでなく、様々なブースが設けられています。


世界チャンピオン、Carlsen と女子世界チャンピオン、Hou Yifan の巨大パネルです。会場にブースを出している、Smart社のアプリを使い、iPhone でこのパネルを映すと、Baku Chess Olympiad の公式動画や、その他の広告が流れる仕組みになっています。


記念撮影用の、2人の世界チャンピオンのパネルも用意されています。Carlsen とその追っかけ、そして荷物持ちです。


チェスピースとボードの型をしたチョコレートは、ぜひともお土産に買って帰りたいですが、壊すか解けるかしてしまいそう...


チェス柄のキャラクターには、かなり子供たちがビビっています。私は躊躇なく一緒に踊ってきました。


試合会場のクリスタルホールは、夜になると輝きだします。

そして休憩日の今日は、バクー市内を観光に行ってきました。またそちらの記事は、翌日に回そうと思います。休憩日の今日が明ければ後半戦のスタート。オープンは6年ぶりの対戦となるルクセンブルク、女子はスリナムとの対戦です。

2016/09/06

Baku Chess Olympiad R4 Japan - Sao Tome & Principe


サントメ・プリンシペと対戦する日本オープンチーム Photo by Mrs. Hoshino

バクーでの試合も、1/3 を紹介しました。4R 目の対戦相手は、アフリカのサントメ・プリンシペです。オリンピアードには毎回、アフリカからもレイティングのあるプレーヤーを代表に、多くの国が参戦します。

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Santos da Costa, J (CM, STP, 1960)
Baku Chess Olympiad (4)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 Nbd7 5. cxd5 exd5 6. Bg5 Be7 7. e3 c6 8. Qc2



QGD の4... Nbd7 対策をどうするか、この数年間いくつかのラインを見てきました。Dresden Olympiad のBaburin戦では、5. Bf4 を試し、その後も何試合か指していますが、最近はしっくりきていません。そこで今回は、オーソドックスなQGD Exchange のラインを指すことにしています。

8... h6 9. Bh4 Qa5 10. Bd3 Bd6


黒のセットアップはすでに妙に思えます。a5 に出たクイーンも、いずれ下がらなければいけないでしょう。

11. O-O O-O 12. a3 Qc7 13. Rfc1



次の狙いは当然、Nc3-Nb5 からビショップナイトの交換をすることです。黒がそれを防いでも、将来的にb2-b4-b5-bxc6 のマイノリティーアタックを仕掛けた際に、c1 でルークは働くことができます。

13... g5 14. Bg3 Bxg3 15. hxg3 Qd6 16. b4 a6 17. Rab1 Ng4


黒はマイノリティーアタックを止めようとしても失敗します。17... b5? 18. e4! dxe4 19. Nxe4 Nxe4 20. Bxe4+/- それならば、キングサイドを攻めにいくしかありません。私はR1 でマイノリティーアタックをせず、ディフェンシブに指したことを後悔していたので、ここはできっちりとbポーンを伸ばしにいきます。

18. a4 Ndf6 19. b5 Nh5?!



マイノリティーアタックを受けるとしても、せめてaファイルは開き、先にc6 を守っておくべきでしょう。それでも、19... axb5 20. axb5 Bd7 21. bxc6 bxc6 22. Na4!+/- で白にはアドバンテージがあります。私が一つ気にしていたのは、f2 へのサクリファイスですが、19... Nxf2? 20. Qxf2 Ng4 21. Qe1 Re8 22. e4 axb5 23. axb5 dxe4 24. Nxe4 Qd8 25. bxc6 bxc6 26. Qc3+- と指せば、黒にはピースの代償がなく、失敗です。

20. bxc6 bxc6 21. Ne2 Bd7 22. Rb6 a5 23. Bf5!


白マスビショップは白のほうが働きが良さそうですが、ここで交換をしておけば、c6 のポーンを攻撃しやすくなるうえ、f5 のマスを活用するチャンスが増えます。

23... Rfb8?



23... Rac8 24. Bxd7 Qxd7 25. Ne5! Nxe5 26. dxe5 Qe6 27. Rxc6 Rxc6 28. Qxc6 Qxe5 29. Qxh6+- これでもc6 が落ち、決着がつくのは時間の問題ですが、2ピースルークになれば白にとってさらに楽な展開です。

24. Bxd7 Rxb6 25. Bxg4 Nf6 26. Ne5 Nxg4 27. Nxg4 Rab8 28. Qf5!


f7 を攻撃しつつ、Ng4-Nf6 からの狙いも作っておきます。

28... Qe6? 29. Nf6+ Kg7 30. Qxe6 fxe6 31. Nd7 1-0



最後はさらに白の駒得が拡大し、相手はリザインしました。私と下位ボードは全く問題のないゲーム運びでしたが、2B では南條くんが敗れ、スコアは3-1 となりました。南條くんは初戦、Almasi にドローを取ったものの、その後の3戦は本来の力を出せていません。今日も大事なマッチですので、そろそろ南條くんらしい力強いプレーを見せてもらえることを期待したいですね。

Japan - Sao Tome & Principe 3-1

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Santos da Costa, J (CM, STP, 1960) 1-0
Nanjo, R (IM, JPN, 2340) - Espirito Santo, W (STP, 1915) 0-1
Averbukh, A (JPN, 2223) - Lima, O (CM, STP, 1782) 1-0
Yamada, K (CM, JPN, 2100) - Semedo, A (STP, 1671) 1-0


そして女子は格上のIPCA を相手に奮闘しました。1,3B は黒番で1900台相手に手堅くドロー。2B の星野さんは敗れましたが、4B の福谷さんが白番でしっかり勝ち。IPCA 相手に2-2 で引き分けとなりました。

IPCA - Japan 2-2

Jennitha, A (WIM, IPCA, 1953) - Ishizuka, M (JPN, 1778) 1/2-1/2
Aleksandrova, A (WFM, IPCA, 1848) - Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) 1-0
Melnik, G (WIM, IPCA, 1915) - Sakai, A (JPN, 1703) 1/2-1/2
Dorozhkina, M (IPCA, 1595) - Fukuya, N (JPN, 1636) 0-1


そしてオリンピアードの折り返し、前半戦最後のとなるR5 は、オープンがタジキスタン、女子も格上のコスタリカとの対戦です。タジキスタンは8年前のドレスデンチェスオリンピアードでも対戦し、その際は私と馬場さんが勝ったことで、チームとしても白星を挙げています。しかし、今回はタジキスタンのNo.1 プレーヤー、Amotatov がいるため、その時よりも実力は上です。私がなんとかAmonatov に食らいつき、レイティングがこちらのほうが高い、2,3B でチャンスを作れば、再びタジキスタンを下すチャンスは十分にあるでしょう。ここでしっかりとポイントを取って、明日の休憩日を迎えたいところです。


昨日の対戦相手からもらったカードには、サントメ・プリンシペの美しい風景が載っています。

2016/09/05

Baku Chess Olympiad R3 Turkmenistan - Japan


ホテル前での日本チーム集合写真 Photo from Mrs.Hoshino

バクーでのオリンピアードも3R 目を迎え、トップチームの対戦も多くなってきました。私たち日本のオープンチームは、全員が2400台という強豪国、トルクメニスタンとの対戦です。私と唐堂くんの相手は、GM のタイトルも持っています。私は黒を持ち、ソリッドに指すことを心がけました。

Atabayev, M (GM, TKM, 2485) - Kojima, S (IM, JPN, 2398)
Baku Chess Olympiad (3)

1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7 8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bd2 Ngf6 12. O-O-O Be7 13. Ne4



Atabayev Maksatは正統派のe4 プレーヤーですが、Caro-Kann に対してはいくつかのラインを指しており、どの変化になるかは絞り切れませんでした。それでも、Gabrielian に勝ったゲームのあるこのメインラインは、指される可能性があると思い、試合前に調べていました。

13... Nxe4 14. Qxe4 Nf6 15. Qe2 Qd5 16. Kb1!?


私の手持ちの本では、16. c4?! Qe4 17. Qxe4 Nxe4 18. Be3 f5 はすでに黒が満足で、白にとって良くないと書かれています。次の手は16... Qb5!? も考えましたが、それよりもe4 でクイーンをぶつけるポピュラーなアイディアを選ぶことにします。

16... Qe4 17. Be3 Ng4



クイーン交換を避けられた場合、このようにビショップを取りに行くのが自然でしょう。そうしなければ、Nf3-Ne5, f2-f3, g2-g4 とされ、クイーンをe4 まで運んだ意味を失ってしまいます。

18. Nd2 Qf5 19. f3 Nxe3 20. Qxe3 O-O-O


ここは少し考え、クイーンサイドキャスリングをすることにしました。どこかのタイミングでa7 を捨てることは、この時点ですでに視野に入れています。

21. Nc4 Bd6!?



私はCaro-Kann Classical の黒マスビショップは、e7 にしか展開したことはありませんが、e5 のマスを抑えるためにd6 に展開するアイディアがあることも知っています。ナイトビショップの交換からポジションを単純化することは、私にとってありがたかったので、ここでNc4-Ne5 を防ぐためにビショップをd6 へと動かしました。もちろん、自然に見えるBe7-Bf6 も大丈夫で、21... Bf6 22. Qa3 Qd5 23. Ne3 Qg5 と進んで黒OK です。

22. Nxd6+ Rxd6 23. Qa3 Rhd8 24. Qxa7 e5


a7 は取らせましたが、d4 へすぐ反撃をしてポーンを取りかえしにいきます。ここから白が無理をすれば、黒が有利なエンドゲームになるため、ほぼ白には選択肢がないでしょう。

25. Rhe1 Rxd4 26. Qa8+ Kc7 27. Qa5+ Kc8



黒はキングを逃がす場所が一択しかありません。27... Kb8?! 28. Qxd8+! Rxd8 29. Rxd8+ Kc7 30. Re8 ならば、2つのルークvs. クイーンで、白にチャンスのある局面です。一方で、ポーンを取りかえされえたうえ、オープンファイルをコントロールされた形は白にとって悪いため、ルークを交換してゲームを続けるのは、白にとってリスクが高いでしょう。

28. Qa8+ Kc7 29. Qa5+ Kc8 30. Qa8+ Kc7 1/2-1/2


ここでのパペチュアルチェックは妥当だと思います。私自身、ドレスデンのBaburin戦から続いていた、オリンピーアドでのGM戦連敗が、13で止まって一安心です。私がドローで抜け、残りの3B の結果を待つことになりました。

そして、事情は一部で伝えられていると思いますが、このラウンドで何が起こったのか、私から説明する必要があると思います。日本で観戦しているチェスファンは、南條くんは負けたものの、Alex が1ポーンダウンのエンドゲームを大逆転で勝ち、唐堂くんも少し苦しい序盤から盛り返し、最後は相手キングを追い詰めて勝ち。日本チームが格上のトルクメニスタンを破ったと思ったでしょう。私や山田くんもそう思って、トルクメニスタンに勝ったと報じました。

しかし、実際には4B で勝ちになった唐堂くんは、試合後に持ち物検査を受け、携帯電話を所持していたことから反則負け扱いとなりました。もちろん、通信やアプリの使用記録がなく、不正をしていないことは示せましたが、試合会場に禁止されている電子機器を持ちこんだという事実だけで、負けになるという判定は覆りませんでした。かつて、試合中に携帯電話が鳴って負けになるプレーヤーはいましたが、試合後の検査で電子機器が見つかり、負けになるという話は私も初めて聞きました。R1 前に通告がありましたが、今大会は不正のチェックがとても厳しく、カメラや時計、ペンですら試合会場に持ち込むことはできません。私のブログでも、試合会場内の写真がないのはそのためです。唐堂くんは自分の不注意を反省しているようですので、私からは特に厳しく言わず、今日のラウンドを休ませて、また明日から頑張ってもらうつもりです。

Turkmenistan - Japan 2.5-1.5

Atabayev, M (GM, TKM, 2485) - Kojima, S (IM, JPN, 2398) 1/2-1/2
Atabayev, Y (IM, TKM, 2453) - Nanjo, R (IM, JPN, 2340) 1-0
Atabayev, S (FM, TKM, 2406) - Averbukh, A (JPN, 2223) 0-1
Odeev, H (GM, TKM, 2401) Tang Tang (JPN, 2108) 1-0


一方で女子チームは、格下のパレスチナ相手にしっかりと4連勝! チームとして初めての白星を挙げました。ここから波に乗っていけるとよいですね。

Japan - Palestine 4-0

Ishizuka, M (JPN, 1778) - Faqeeh, R (WCM, PLE, 1450) 1-0
Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) - Albzoor, R (WFM, PLE, 1570) 1-0
Shibata, M (JPN, 1638) - Faqeeh, A (PLE, 1488) 1-0
Fukuya, N (JPN, 1636) - Faqeeh, Y (PLE, 1499) 1-0


4R はオープンがアフリカのサントメ・プリンシペ、女子がIPCA との対戦となりました。サントメ・プリンシペのメンバーは、全員が規定試合数に到達しておらず、試合経験が足りていないことは明らかですので、ここはしっかりと4-0 で勝って、浮上のきっかけをつかみたいと思います。

2016/09/04

Baku Chess Olympiad R2 Japan - Sri Lanka

オリンピアードR2 はスリランカとの試合です。私自身、スリランカのプレーヤーとは、インド、ドーハ、韓国の大会で試合をしたことがあり、アジア地区でチェスをしていれば、どこかで対戦するものです。南條くんの対戦相手の名前、どこかで聞いたことあると思っていたら、10年前のAsia Junior で対戦したプレーヤーでした。今回の対戦相手であるIM とも、3年前に対戦しており、その時はドローだったため、今回こそはと気合を入れて試合に臨みます。

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Weerawardane, R (IM, SRI, 2120)
Baku Chess Olympiad (2)

1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 e6 4. Nc3 c6 5. e3 Nbd7 6. Qc2 Bd6 7. Bd3 O-O 8. O-O dxc4 9. Bxc4 b5 10. Bd3 Bb7 11. Rd1 Qc7 12. Bd2 a6 13. b4!



この形は一度、羽生さんとのトレーニングで指したことがあります。白はc5 のマスを抑えてしまい、黒のc6-c5 をストップして、b7 の白マスビショップを閉じ込めてしまいます。13... Bxb4 14. Nxb5! は当然白良しの交換です。

13... h6 14. Rac1 Rac8 15. h3 Qb8 16. Ne4 Nxe4 17. Bxe4 Rfd8 18. Qb2!?


この試合で気に入っているアイディアです。Be4-Bb1 を狙うとともに、e5 のマスを抑えます。18... e5 19. Bc3! からセンターを開けば、黒キングへのプレッシャーは強力でしょう。

18... g6 19. Qb1 Kh7 20. Bd3 Qa8 21. e4 e5 22. Qb3!



Qc2-Qb2-Qb1-Qb3 と細かくクイーンが動きます。センターのブレイクは許しても、その隙にf7 へのアタックをして、白は攻撃のチャンスを作ります。

22... Rf8


黒はルークをセンターに残したままにするほうが自然ですが、キングでf7 を守る手にはタクティクスが決まります。22... Kg7 23. Bxh6+!! Kxh6 24. Qxf7 Rc7 25. Nh2! これで後ろに下がれない黒キングは非常に危険な状態となります。

23. dxe5 Nxe5 24. Nxe5 Bxe5 25. Be3



f8 にルークを寄せさせた後は、センターを開き、ポジションを単純化します。c5 をしっかり抑えたままにすれば、ピースの働きの良さで白の優勢は続きます。次には、f2-f4, e4-e5 とポーンを進め、白マスビショップのダイアゴナルを開くことも狙いになっています。

25... Rc7 26. f4 Bg7 27. e5 Bc8 28. Qc2 Be6 29. f5 gxf5 30. Bxf5+ Kh8 31. Be4!?


31. Bxe6 fxe6 32. Rd6+- ここは素直に白マスビショップを交換しても勝勢でしたが、私はh7 にクイーンが飛び込むメイトの形をイメージし、ビショップを退くことにします。その際、c6 のポーンにプレッシャーをかけておくのもポイントです。

31... Rg8 32. Qf2 Qf8 33. Bc5 Qe8 34. Bd6 Rc8 35. Bb1!



これでクイーンを白マスビショップの前に置き、h7 を狙う準備ができました。これを防ぐためには、Rg8-Rg7 しかありませんが、これに対してもきちんと対策は考えてあります。

35... Bf8 36. Qf6+ Bg7


36... Rg7 37. Qxh6+ Kg8 38. Qh5+- h6 のポーンを捨ててくるディフェンスも考えましたが、g2 への反撃にきちんと対処し、白勝勢でしょう。

37. Qh4 Bf8 38. Rf1 f5 39. Bxf5 1-0



最後はここで相手の時間が落ちました。38... Bd5 39. Rf6! Rxg2+ 40. Kf1 でチェックが続かず、白の勝ちになる変化を読んでいましたが、本譜でも大きな駒得で白の勝ちです。

このラウンド、途中で隣の南條くんが相手のキングサイドアタックを許し、一気に敗勢になりました。4B の唐堂くんも負けて、これはピンチかと思いましたが、山田くんが勝ち、南條くんもなんとかドローに持ち込んで、2.5-1.5 でスリランカを破る結果となりました! 私自身、そしてチームとして、このオリンピアード初勝利です。

Japan - Sri Lanka 2.5-1.5

Kojima, S (IM, JPN, 2398) - Weerawardane, R (IM, SRI, 2120) 1-0
Nanjo, R (IM, JPN, 2340) - Kavinda, A (SRI, 2020) 1/2-1/2
Yamada, K (CM, JPN, 2100) - Priyankara, C (SRI, 2015) 1-0
Tang Tang (JPN, 2108) - Kalugampitiya, R S (SRI, 2107) 0-1


女子チームは星野さんがチームでの初勝利を上げましたが、レイティングの高いフィンランド相手に一歩届かず、2.5-1.5 で敗れました。まだポイントの無いプレーヤーも、3R の今日から少しずつポイントを取れると良いですね。

Finland - Japan - 2.5-1.5

Nazarova, A (WCM, FIN, 1897) - Ishizuka, M (JPN, 1778) 1-0
Puuska, H (WCM, FIN, 1926) - Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) 0-1
Rinne, H (FIN, 1751) - Sakai, A (JPN, 1703) 1/2-1/2
Walta, P (FIN, 1735) - Fukuya, N (JPN, 1636) 1-0


3Rの今日は、オープンが各上のトルクメニスタン、女子がパレスチナとの対戦です。トルクメニスタンは全員が2400台で、GM2人を擁する強豪国です。山田くんが抜け、私、南條くん、Alex、唐堂くんの4人で、この難敵に挑みます。パレスチナは1400台の多いチームですので、ここはなんとかしてもマッチに勝利してほしいですね。それでは3R に行ってきます!

2016/09/03

Baku Chess Olympiad R1 Hungary - Japan


試合会場のクリスタルホール

いよいよバクーでのオリンピアードがスタートしました。日本のオープンチームは初戦、前回3位のハンガリーとの対戦です。ハンガリーはトップのRapport を休ませ、Berkes, Almasi, Balogh, Gledula というメンバーで臨んできました。私はBerkes に黒を持ちます。

Berkes, F (GM, HUN, 2640) - Kojima, S (IM, JPN, 2398)
Baku Chess Olympiad (1)

1. d4 Nf6 2. Nf3 d5 3. Bf4 c5 4. e3 Nc6 5. Nbd2 cxd4 6. exd4 Bf5 7. c3 e6 8. Qb3 Qc8 9. Be2!?



London System は今年、Carlsen も採用するなど、注目が高まっているオープニングですが、私はc7-c5 でこれまで、高い勝率を上げています。Berkes は今年の試合で、9. Nh4 と指し、ダブルビショップを得て勝っています。私はこれに対し、9... Be4 10. Nxe4 Nxe4 11. Nf3 Bd6 を用意していました。

9... Be7 10. O-O O-O 11. Rae1!?


Berkes はこの手をノータイムで指してきたため、私は驚きました。バランスを考えれば、11. Rfe1 もしくは、11. Rac1 と指すべきだと思います。11. Rae1 を生かすのであれば、将来的にeファイルにルークを重ねるか、f2-f4 と突くかでしょう。白の攻撃的なセットアップに対し、私はピースを交換して、白の攻撃のチャンスを減らしにいきます。

11... Ne4 12. Nxe4 Bxe4 13. Qd1 a6



ここは黒の作戦の分岐点で、クイーンをd7 にすぐ戻し、Be7-Bd6 と黒マスビショップの交換を狙うか、b7-b5 を突いてマイノリティーアタックを狙うか、どちらかでしょう。

14. Bd3 Bxd3 15. Qxd3 Qd7


コンピュータの評価は悪くないですが、先述の通り、マイノリティーアタックをすると決めたのであれば、bポーンを伸ばすべきです。15... b5 16. Re3 (16. a3 Qb7) 16... b4 と進む展開は、黒の反撃や防御が遅く、キングサイドが潰されてしまうのではないかと思いましたが、Misha との検討では、黒はタフに守り切ることができそうです。

16. Re3 Rfe8 17. Rfe1 Rac8 18. h4 Bd6



私がここまで指してきたマイナーピース交換のアイディアは、全て白の攻撃チャンスを減らす、正しいものです。しかし、それが大丈夫なのか確認をするために時間を使いすぎ、この時点ですでに残り時間が少なすぎました。

19. Bxd6 Qxd6 20. Ng5 g6 21. h5 Rc7 22. Rh3 e5 23. hxg6?!


私が最も恐れていたのは、h7 のサクリファイスです。Rc8-Rc7, e6-e5 の2つの手は、それを防ぐために指したのですが、それでも白はサクリファイスを実行できました。23. Nxh7! Kxh7 24. hxg6+ Kg8 25. Rh6! Qf8 26. Qh3 Qg7 27. Qh5+- これで黒は守り切ることができません。Rh3-Rh6 が少し見つけづらいアイディアでしょう。

23... fxg6 24. dxe5 Nxe5 25. Qd4 Rce7



ここまで進めて、d5 は弱くなったものの、ダイレクトなキングサイドアタックが消えたために、何とかなりそうだと思いました。d5 が落ちないように気をつけつつ、ルークの交換も狙います。

26. Rhe3 Nc6 27. Qh4 h5 28. Rxe7 Rxe7 29. Rd1 Re2


こういったポジションでは、普段であれば積極的に7段目に入って反撃をすると即決しますが、残り30秒前後で見落としがないかを確認しつつであると、手がスムーズに出ないものです。

30. Qh3 Ne7??



時間切迫とはいえ、ひどいブランダーでした。30... Qf4! 31. Qc8+ Qf8 32. Qxf8+ Kxf8 33. Rb1 d4 34. cxd4 Nxd4= ならば、黒は全く問題なかったでしょう。

31. Qf3 1-0


私自身はもったいない負けでしたが、隣のボードでは南條くんがAlmasi からドローを取り、日本チーム唯一のポイントとなりました。ハンティマンシスクから3大会連続、オリンピーアド初戦は各上に4連敗スタートの日本オープンチームでしたが、南條くんがそれにストップをかけたことになります。

Hungary - Japan 3.5-0.5

Berkes, F (GM, HUN, 2640) - Kojima, S (IM, JPN, 2398) 1-0
Almasi, Z (GM, HUN, 2684) - Nanjo, R (IM, JPN, 2340) 1/2-1/2
Balogh, C (GM, HUN, 2614) - Averbukh, A (JPN, 2223) 1-0
Gledula, B (IM, HUN, 2585) - Yamada, K (CM, JPN, 2100) 1-0


女子チームは強豪、アゼルバイジャン2に4連敗です。ポイントを取れそうなボードもあっただけに残念ですが、またR2 で初ポイントを狙ってほしいですね。

Japan - Azerbaijan 2 0-4

Ishizuka, M (JPN, 1778) - Mamedjarova, T (WGM, AZE, 2304) 0-1
Hoshino, K (WCM, JPN, 1802) - Abdulla, K (WGM, AZE, 2214) 0-1
Sakai, A (JPN, 1703) - Fataliyeva, U (WIM, AZE, 2234) 1-0
Shibata, M (JPN, 1638) - Umudova, N (WGM, AZE, 2247) 1-0


そして2R の今日、対戦相手はオープンがスリランカ、女子がフィンランドです。スリランカは日本からすれば格下のチームですが、3,4B はレイティングが近く、そこがマッチの結果を分けることになるかもしれません。(もちろん、私も油断せずに試合に臨みます。)フィンランドも各上とはいえ、オープンのレベルに比べれば女子はぐっと落ちるので、勝つチャンスは十分にあると思います。それでは、R2に行ってきます! 私は3年前、ドローだった2100のIM との対戦です。

Open

Japan - Sri Lanka

Women

Finland - Japan


2016/09/02

Baku Chess Olympiad Arrival and Opening Ceremony


8月31日、9月1日は私たちにとって、とても長い2日間でした。31日に日本で仕事を終え、22時過ぎの飛行機に乗るために成田空港へと向かいます。カタールの首都、ドーハの空港までは10時間程で到着。そこで南條くんら、羽田発のメンバーと合流して、目的地であるバクーを目指します。成田空港を出てから17時間かけ、バクーに到着したのは、現地時間の9月1日10時過ぎです。ドーハからは、シンガポール、ベトナム、インドネシアなどのアジア地区のチームと一緒でした。


バクーの空港からは、プレーヤー専用のバスで各ホテルへと向かいます。こうしたチェスピースのイラストがバスに描いてあるのは、嬉しい演出ですね。


バクーはドバイのような近代都市になりつつある、と聞いていましたが、もちろん古い町並みもたくさん残っています。空港からバスで移動する途中では、カスピ海の油田を見ることができました。


バスの運転手が少し迷いましたが、昼過ぎには日本チームの宿泊先である、カフカススポーツホテルへと到着しました。HP で見ていたよりも小さなホテルでしたが、ロビーは綺麗で一安心。チェックインが15時以降からということなので、先に昼食をいただくことにします。


これまでのオリンピーアドでは、自分で必要な食器からとってくることが多かったですが、今回は最初からセットしてあり、席もゆったりしていてとてもお洒落です! これは料理への期待も高まります。


アゼルバイジャンは肉料理が中心でしょうかね。ナス、パプリカ(取りませんでしたが、他にトマト)の肉詰め、チキンケバブ、サラダなどをいただきました。ビュッフェ形式のメニューは、品数はさほど多くないものの、大満足の味です。ただし、ジュースは初めて体験する甘さです(笑)


しかし、予想外の事態も発生します。昼食後、チェックインができるという15時まで外を散歩したり、ブリッツをしながら時間をつぶしていました。そして、15時過ぎに通された部屋は... 掃除がされていない! 日本のホテルであれば、あり得ないことです。確認したところ、山田くんやAlex の部屋も同じだとのこと。完全にホテルは人手が足りていないようです。

18時半のオープニングセレモニーに出席するためのバスは、17時にホテルを出ます。オリンピアードの参加者を大量に受け入れ、てんやわんやのホテルに部屋の掃除を頼みながら、着替えやシャワー、遅れてきた星野親子の案内などをしていると、時間はあっという間に過ぎていきます。


Misha を含め、日本チーム全員が揃い、オープニングセレモニーに向かいます。会場はバスで30分ほどかかる、大型の体育館です。


定刻より遅れたものの、オープニングセレモニーも無事にスタート。運営の委員やFIDE 会長の挨拶などの間に、ダンサーたちのパフォーマンスが入ります。こちらは不思議の国のアリスをモチーフにしていますね。


アゼルバイジャンの国歌斉唱です。アーゼルバイジャン! アーゼルバイジャン!


これはアゼルバイジャンの名物である、絨毯を表しているのでしょう。アゼルバイジャンには、カーペット博物館なるものまであるそうです。


そしてオリンピーアドでは恒例の、参加国の読み上げが行われます。オープン参加国の180の国と地域をアルファベット順に読み上げ、国旗が登場します。オープニングセレモニーに出席しているチームは、自分たちの国旗が登場すると、歓声を上げて参加をアピールします。


さらに呼ばれた国の国旗が貼られた太鼓を持った人が、一人二人と舞台に現れ、参加チームの国旗太鼓で会場は埋め尽くされます。


続いて、オープンはKramnik、女子はHou Yifan のくじ引きで、それぞれのリストトップの国が初戦で引く色が決められます。Kramnik が黒、Hou Yifan が白をそれぞれ引いています。


最後のパフォーマンスが済めば、オープニングセレモニーは幕を閉じ、2週間に渡る試合のスタートとなります!

翌朝、起きてから確認をすると、オープンはハンガリー、女子はアゼルバイジャン2 との対戦と発表されていました。私がIM タイトルを獲得するため、2012年からチェスの勉強をしていたハンガリー、そのトップに立つマスターたちとの対戦です! 前回のオリンピアードで3位を獲得したメンバーから、Leko、Polgar は抜けていても、入賞を狙える強豪国であることは間違いありません。胸を借りるつもりで、思い切ってプレーしてこようと思います。女子もトップチームではないとはいえ、開催国との対戦ですので注目されるでしょう。もう少ししたら、会場へと移動しますので、Chess24 などでの観戦、および応援をよろしくお願い致します!

Open

Hungary - Japan

Women

Japan - Azerbaijan 2


2016/08/30

Baku Chess Olympiad Tournament Information


Baku の中心街, Wikipedia より

今年一番のビッグイベント、チェスオリンピアードがいよいよ間近に迫りました。二年に一度のチェスオリンピアードは今年、カスピ海に面したアゼルバイジャンの首都、バクーで9月1日から開催されます。今夜の記事では、あらためて開催直前のオリンピアード情報をお送りしようと思います。

まずは日本代表のメンバーについてです。今日発表されたJapan League のFIDE レイティング計算を受け、日本代表メンバーは以下のようなレイティングとボード順で、オリンピアードに臨むことになります。

Open

Kojima Shinya (IM, JPN, 2398)
Nanjo Ryosuke (IM, JPN, 2340)
Averbukh Alex (JPN, 2223)
Yamada Kohei (CM, JPN, 2100)
Tang Tang (JPN, 2108)

Women

Ishizuka Mirai (JPN, 1778)
Hoshino Karen (WCM, JPN, 1802)
Sakai Azumi (JPN, 1703)
Shibata Misaki (JPN, 1638)
Fukuya Natsumi (JPN, 1636)


主に男子で構成されるオープンチームは180、女子チームは141の国と地域がエントリーをしています。公式サイトで公開されているリストは、9月のFIDE レイティング更新前のものですので、これから修正されて、正しいリストが公開されるでしょう。直前でキャンセルがあるかもしれませんが、オープンで180、女子で140を超えるチームが参加するとなれば、チェスオリンピアード史上、最多のチーム数となります。

次に大会のスケジュールについてです。今回のオリンピアードでは、休憩日は5R 翌日の1日のみで、他は1日1試合ずつ進行していきます。9月1日に到着してオープニングセレモニーに出席し、翌日から試合スタートです。

9/1 18:30 Opening Ceremony
9/2 15:00 R1
9/3 15:00 R2
9/4 15:00 R3
9/5 15:00 R4
9/6 15:00 R5
9/7 Day Off
9/8 15:00 R6
9/9 15:00 R7
9/10 15:00 R8
9/11 15:00 R9
9/12 15:00 R10
9/13 11:00 R11


最終日のみ11時、それ以外は15時スタートという非常にわかりやすいスケジュールです。気になるアゼルバイジャンと日本の時差は5時間ですので、日本で試合の中継が見られるのは、最終日以外、日本時間で20時からとなります。(今年からアゼルバイジャンでは、サマータイムが廃止されたそうです。) 長びいた試合は最後まで見るのが大変そうですが、観戦はしやすい時間帯ですね。オリンピアードの試合中継は、Chess24 や、オリンピアード公式サイトで見ることができるでしょう。

今回は私と南條くんがIM タイトルを取ってから参加する、初めてのオリンピアードとなります。私にとっては、2大会ぶりとなるオリンピアードでの1B で、しっかりとその務めを果たしてきたいですね。大将としてのの役割を果たして、少しでも上の順位を狙いつつ、ベストレイティングの2403 を更新することも、一つの目標にしたいと思います。皆さん、オープン、女子チームともに、応援をよろしくお願い致します!

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