昨日、3/20 は朝霞チェスクラブ主催の大会に久々に参加してきました。朝霞は近年足が遠のいており、例会に顔を出す機会は時々ありましたが、大会に参加するのは高校生以来かもしれません。前日に日付が変わるまで飲んでいたので、頭の切れと全体の結果はイマイチでしたが、3R、4R で面白いエンドゲームが現れたため、今日はそちらをご紹介しようと思います。
Nanjo, R - Kojima, S
Asaka 2013 (3)
1. e4 c5 2. Nf3 d6 3. d4 cxd4 4. Nxd4 Nf6 5. Nc3 a6 6. Be3 Ng4 7. Bc1 Nf6 8. Be3 Ng4 9. Bc1 Nc6 10. Be2 Qb6 11. Bxg4 Qxd4 12. Be3 Qxd1+ 13. Bxd1 Be6 14. Be2 g6 15. O-O-O Bg7 16. Nd5 Rc8 17. Kb1 O-O 18. Rhe1 Rfe8 19. f4 b5 20. Bf3 Kf8 21. g4 Na5 22. Nb6 Rc7 23. f5 Bd7 24. e5 $5 Bxe5 25. Bh6+ Bg7 26. Nxd7+ Rxd7 27. Bxg7+ Kxg7 28. b4 Nc4 29. Bc6 Red8 30. Bxd7 Rxd7
Asaka 2013 (3)
南條くんはエクスチェンジを取ってきましたが、その代わりにキングの周りとc4 のマスを弱めています。黒は強力なナイトと将来的にセンターにパスポーンを作れるチャンスを持っているため、駒損していても十分に指せると確信していました。
31. Rd5 Rc7 32. Re4 Kf6! 33. h4 e6 34. g5+ Ke7 35. f6+ Kd7 36. Rd3 e5!
このようにe6 にマスを作ってキングが上がるプランを、南條くんは見落としていたそうです。パスポーンの進め会いが勝負の鍵を握るこのようなエンドゲームでは、当然キングも積極的にプレーに参加しますよ!
37. h5 Ke6 38. hxg6 hxg6 39. Rh4 d5?!
エクスチェンジアップしている白は、基本通りにオープンファイルを作り、ルークをアクティブに使います。それに対してポーンを突き進めるのが正しい反撃だと思っていましたが、先にキングを活用すべきでした。39... Kf5! からキングサイドのポーンを狙えば、白はルークでのプレーが制限されることになります。
40. Rh8 Nd6 41. Ra8 e4 42. Ra3 Rc4?
a6 が守れなくなることを読み落としており、動揺からミスが出てしまいました。b4 のポーンにはさして価値はなく、ルークを悪い場所に手数をかけて運ぶ結果になってしまいます。42... Ke5 43. R3xa6 e3! やはりキングをアクティブにしたうえで、肝心のパスポーンを進めれば、勝負はまだまだ分かりませんでした。
43. R3xa6 Rxb4+ 44. Kc1 Ke5 45. R8a7!+-
なるほど、うまい手です。黒はd6 にナイトをキープすることができず、fファイルに生まれた白のパスポーンは、早々に勝負を決めるファクターとなります。
45... Nc4 46. Rxf7 Kd4 47. Re7 Kc3 48. f7 Rb2 49. f8=Q Rxc2+ 50. Kd1 e3 51. Ra3+ 1-0
エクスチェンジを切る判断は間違っていませんでしたが、ルークを最大限に活用した白と、キングをここ一番でアクティブに使えなかった黒との差で、勝負が分かれました。負けは悔しいですが、とても勉強させてもらったゲームです。続いて、三阪さんとの試合に移りましょう。
同色ビショップエンディングで、ポーンストラクチャーは白のほうが良いと言えます。私がビショップをぶつけたこのポジションで、黒はどのように指すべきでしょうか。
53... Bxb5!?
ここはポーンエンディングにしても黒はドローにできるのですが、難解な変化から、ただ一つだけ正解のラインを選ばなくてはいけなくなります。もしビショップ交換を拒否してビショップを動かし続ければ、白は決定的なブレイクの機会を得ることはできず、ドローは間違いなかったでしょう。
54. axb5 Kc7 55. Kc4 Kb6 56. h5 f4!
一見、黒がツークツワンクに陥り、白勝ちのポーンエンディングに見えますが、このポーンサクリファイスがまだ残っています!
57. exf4 f5 58. g4!
お返しとばかりに白もポーンを突き捨てます。この手以外では、b5 のポーンを失うだけなので、白が負けることは明らかです。
58... fxg4?
試合中、お互いに時間切迫でミスが出るのは仕方がありません。58... e3! 59. fxe3 fxg4 60. f5! (60. Kd3? g3 61. Ke2 c4 62. bxc4 a4 63. f5 g2 64. Kf2 a3 65. f6 a2-+) 60... g3 61. f6 g2 62. f7 g1=Q 63. f8=Q Qc1+= こうしてクイーンを作り合い、パペチュアルチェックに持ち込むのが、黒のオンリードローチャンスでした。これを短時間で見つけるのは、至難の業でしょう。
59. f5! e3 60. Kd3!
この手で勝てるイメージが掴めたので、58. g4! を指すことができました。(当然それ以外の手がダメなことはすぐ分かるのですが)白の2つのパスポーンが描く正方形は、すでに8段目に到達しているので、白のポーンはプロモーションできることが確定しています。
60... c4+ 61. bxc4?!
この手でも勝てますが、61. Kxe3! からキングをクイーンサイドに戻してパスポーンを止めるほうが、白に一方的にクイーンができる分かりやすい勝ちでした。
61... exf2 62. Ke2 a4 63. f6 f1=Q+ 64. Kxf1 a3 65. f7 a2 66. f8=Q a1=Q+
共にポーン突き捨てからパスポーンを作り、クイーンを作ることに成功しました。しかし、黒はクイーンサイドでもポーンを捨てなくてはいけなかったため、それによってできたb、cファイルのコネクテッドパスポーンが、白の優勢を明らかなものにしています。
67. Kg2 Qb2+? 68. Qf2+ 1-0
ビショップを交換した時点で、私は白勝ち、三阪さんは黒勝ちだと思っていました。しかし、実際にはお互いが最善を尽くせば、ドローになるポジションでした。私たちでも時間がなければ形勢判断を誤りますし、指し手にもミスが出ます。やはりチェスというものは、まだまだ分からないものです。
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