昨日からブダペストで新しいトーナメントが始まりました。大会名は長くて分かりづらいので、プレミアムと呼ぶことにします。前回のWelcome Olympiad!と変わり、参加者の国籍は豊かになってきました。注目は2年前のオリンピアードで対戦したパラグアイ代表たちがトップシードで参加していることです。私はリスト5からのスタートで、初戦はハンガリーのジュニア相手に黒を持ちます。
Salamon, L (HUN, 2001) - Kojima, S (IM, JPN, 2299)
XIII. Prémium Nemzetközi Sakkverseny Budapest (1)
1. e4 c6 2. Nf3 d5 3. exd5 cxd5 4. Ne5!?
Exchange Variationの亜種とも呼ぶべきこの変化は、ずいぶん久々に指されました。あまり準備を覚えていなかったので、自分の感覚で満足なポジションを模索します。XIII. Prémium Nemzetközi Sakkverseny Budapest (1)
4... Nc6 5. d4 e6 6. Bb5 Bd7 7. Nxd7 Qxd7 8. c3 Nf6 9. O-O Bd6 10. Re1 Qc7 11. h3 O-O 12. Nd2 Rab8 13. Nf3 Ne4
白はダブルビショップを得ましたが、Nf3-Ne5-Nxd7と時間をかけた点が気になります。ここで消えたf3のナイトを再度補充しますが、そこですかさず黒からe4にナイトが跳びこみ、次にf7-f5からe4のマスを抑える作戦です。
14. Ng5 Bh2+ 15. Kf1 Nxg5 16. Bxg5 Bf4 17. Qg4 Bxg5 18. Qxg5 Qb6
ここは18... Na5!?とかわしてからマイノリティアタックを仕掛けるアイディアもあったようですが、4ピース目を交換して白のキングサイドアタックのチャンスをとことん削り、それからクイーンサイドで仕掛けるのも面白いと考えました。19. Bxc6 Qxc6 20. Kg1 b5 21. Re3 b4 22. Rg3 g6 23. Qf6 bxc3 24. bxc3 Qc7 25. Re1 Rb6
ここはルークを敵陣に深く入れたくなりますが、25... Rb2 26. h4 Qd8 27. Rxe6! fxe6 28. Rxg6+からドローになってしまうため、e6を横から守っておきます。
26. h4 Qd8 27. Qf4 Qb8 28. Qf6 Rb1 29. Rxb1 Qxb1+ 30. Kh2 Qf5!?
30... h5 31. Rg5は受けきれるというコンピュータの評価でしたが、守り切れるか読み切れず、クイーンを交換してルークエンディングに持ち込むことにします。黒はダブルポーンと孤立ポーンがっても、c3を狙うことで負けはないだろうと計算しました。31. Qxf5 exf5 32. Re3 Rc8 33. Kg3 Kg7 34. Kf3 Rc4 35. g4?!
相手の経験不足から、エンドゲームで不正確な手が出始めます。とにかくポーンを交換したかったとのことですが、f,hポーンをばらばらに残して弱点にする理由はありません。
35... fxg4+ 36. Kxg4 f5+ 37. Kf4 Kf6 38. f3 h6 39. Re5?
このポーンの取り合いは最後にf3が狙われるので白は上手くいきません。消極的でも、ここは39. Kg3くらいに退いて耐えるべきでした。39... Rxc3 40. Rxd5 g5+ 41. hxg5+ hxg5+ 42. Kg3 g4!
相手はこの形を見ていなかったのでしょう。これでf3を落とし、2コネクテッドパスポーンを作れば問題なく黒勝ちです。
43. Kh4 Rxf3 44. Rd6+ Kf7 45. Rd7+ Ke6 46. Rxa7 g3 47. Rg7 f4 48. a4 Rf2 49. Kh3 Kf5 50. Rf7+ Ke4 51. Re7+ Kf3 0-1
キングも協力しながら2コネクテッドパスポーンを押し、そのまか勝ち切りました。エンドゲームに入った段階では勝てると思っていませんでしたが、相手にミスが出てラッキーでした。今日も丁寧に指してポイントを重ねたいですね。09/05 16:00 R1 Salamon, L (HUN, 2001) - Kojima, S (IM, JPN, 2299) 0-1
09/06 09:30 R2 Kojima, S (IM, JPN, 2299) - Nandin-Erdene, D (HUN, 2039)
09/06 15:00 R3
09/07 09:30 R4
09/07 15:00 R5
09/08 09:00 R6
09/08 14:00 R7
XIII. Prémium Nemzetközi Sakkverseny Budapest R2 Pairings 試合後はこの日の昼から合流した弘平くん、そしてタイのPoompongと3人でパッタイのお店に足を運びました。Padthai Wokbarはここ数年、ブダペストで増えているパッタイの専門店で、タイ人をタイ料理に連れて行くのは少し変かとも思いましたが、満足してもらえたようです。細かな違いはあっても、タイの味に近いとのことでした。
0 件のコメント:
コメントを投稿