2026/09/17

Samarkand Chess Olympiad R1 Japan - Comoro Islands

新たなチェスオリンピアード初戦の朝、サモサを食べながらTuさんと話をし、初戦はTuさんが休み、私が3Bで出場することになりました。10回連続のオリンピアード参加で、光栄なことに10回連続初戦でプレーさせてもらっています。オープンの対戦相手はアフリカのコモロ諸島で、日本出発前からリストを見て予想していました。近年、シーラカンスがこの近海で発見されたことで有名になったとのことです。

15時からの試合に14時ホテルのロビー集合で出かけますが、初日は念のためにiPhoneを置いていき、この辺りの写真は無しです。ホテルから会場までの送迎はバスでスマートで、入場にも問題はありません。会場はクロワッサンやドライフルーツといった軽食が用意されていましたが、水のボトルが不足しており、プレーヤー同士で取り合いになることだけが難点でした。
会場で自分たちのテーブルを探し当て、席に着くと、コモロ諸島の1Bのプレーヤーはビザの関係で来られなくなったことを聞きました。これで大塚くんの不戦勝が決まり、日本に1Pが入ります。そして私は対戦相手から、コモロ諸島国旗のピンバッジをいただきました。チェスオリンピアードでは対戦相手にお土産を渡すことが時々ありますが、国旗のピンバッジは定番です。

Kojima, S (IM, JPN, 2273) - Abdou, M (COM, 1806)
Samarkand Chess Olympiad (1)

1. d4 d5 2. c4 e6 3. Nf3 a6 4. Bg5 Be7 5. Bxe7 Nxe7

a6 QGD はここ10年で非常にポピュラーになりました。Ng8-Nf6を挟んでいない変化では、g5にビショップを出て交換をするのがメインラインですが、ナイトで取る変化をあまり覚えていませんでした。この後、e2-e3からオーソドックスQGD の形にするか、g2-g3としてCatalan の形にするか悩み、前者を選びます。

6. e3 O-O 7. Nc3 Nd7 8. Rc1 Re8


ここは8... Nf6 と指すほうがセンターをコントロール、キングの守りになって良さそうです。この後も指せますが、本譜ではf8に潜るのが少し消極的でしょう。

9. Qc2 Nf8?! 10. a3 Neg6 11. h3!?

QGD Rubinstein Variation のアイディアで、白はBf1-Bd3のようにすぐビショップを展開せず、端ポーンを突くなどの手で黒のdxc4を待ちます。本譜の手も将来的にh2にキングの逃げるマスを作るポピュラーな手ですが、h2-h4からg6のナイトを追いに行く手とどちらか悩みました。11. h4 h5 12. g3+/- ならば、h4は弱みにならないというコンピュータの評価ですが、どこかでe6-e5から開かれた際、g4,h3のマスの弱さを気にしました。

11... Rb8 12. Be2 dxc4 13. Bxc4 b5 14. Be2 Bb7 15. O-O Rc8 16. Rfd1 Nh4 17. Ne4!


黒もBf1-Bd3を待ってからc4を取ってきましたが、cファイルが開き、c5のマスを抑えにいけるようになれば、c7-c5を防いで将来的にc7のポーンが負担になります。

17... Nd7 18. Nxh4! Qxh4 19. Nc5!?

試合後にSamと話をして、18. Ne1のようにナイトを残す手もあったか聞きましたが、h4のナイトは黒にとってタクティカルなチャンスを作りうるものなので、捌く本譜で良いとのことです。c5でもさらにナイトを捌き、a6,c7が負担になる形を作ります。

19... Nxc5 20. Qxc5 Red8?


20... Bd5 21. Qa7 c6 22. Qxa6+/- でも白はポーンアップですが、cポーンよりも価値の低いaポーンを取らせたほうが良かったでしょう。

21. Qa7 Bd5 22. Rxc7 Qg5 23. Bf1 Ra8 24. Qc5+-

これでポーンアップなだけでなく、cファイルを拠点としたプレーができ、黒には満足な反撃がないため、白の勝勢です。

24... Qg6 25. Rc1 h5 26. Qe7 Re8 27. Qh4 Rad8 28. Kh2 Qf5 29. f3 Qg6 30. R1c3


ここは30. R1c5として5段目を抑え、h5のポーンを狙いにいく手も考えましたが、Bf1-Bd3からビショップを早く使えるようにすることを目指しました。

30... Qb1? 31. Bd3 1-0

狙い通りになり、次にh5を取ってメイトのアタックが決まります。オリンピアードの大事な初戦はいつも緊張するものですが、チームも4-0で良いスタートを切ることができ、胸をなでおろしました。

Open R1 Japan - Comoro Islands 4-0

Women R1 Japan - Hungary 0-4


女子は前回開催国のハンガリーに敗れました。2RはオープンがGM4人のイタリア、女子がモルディブとの対戦です。前大会の経験でGMばかりの国にも臆することなく戦えるようになっていると思いますので、2日目も頑張ってきます!
試合後にホテルに戻って夕食を終えると、日本チームの新たな習慣がスタートします。アルメニアの新コーチ、Samが提唱するアルメニアチーム方式は、夜に散歩をしながら気になるポジションはブラインドで考えるというものです。それは優勝を争うようなレベルのアルメニアだからできるのでは?と思いつつも、いくつか気になった自分のポジションを聞くことができました。
もちろん夜の散歩はチェスの話をするだけでなく、リラックスする狙いもあります。ホテル近くのEternal City はアトラクションやお土産屋さん、レストランなどが並ぶアミューズメントパークです。実は前日の開会式もここで行われました。夜の9時を過ぎても、バイキングなどのアトラクションが稼働しており、大人たちの叫び声が聞こえています。こうしてサマルカンドの夜は騒がしく更けていくようです。

0 件のコメント:

コメントを投稿

Copyright © 2011 Shinya Kojima All rights reserved.