4R はインドの18歳、Suniduth Lyna との対戦です。2R ではトップボードでCaruana に敗れこそしたものの、非常に力強いプレーを見せています。私は2R と少しラインを変えるつもりで準備をしていましたが、序盤の研究ははずれ、難しいエンドゲームに突入することになります。
このゲームは、時間の増えたこのポジションから見ていこうと思います。私はルークを交換し、ビショップvs. ナイトのやや分が悪いエンドゲームに持ち込みました。黒の狙いは言うまでもなく、Nb5-Nc3-Nxa2 で、これに対して白がどうするかは悩むところだと思います。コンピュータの判断はd4 を捨て、h7 を取るというもので、41. Bxh7! Nxd4 42. Bd3 Ke7 43. g3+/- としておけば、h5 のポーンを白マスで固定でき、白が優勢です。それでは、本譜ではどうなるでしょうか。
私の判断は、h7 のポーンを取らせてでも、a2 を急いで取りにいくというものでしたが(Ke3-Kd3 まで寄られてからでは、Nb5-Nc3 に対して、a2-a3 があります。)、a2 を取るのを諦めてでも、h7 を残す判断もあるようです。41... h6! 42. Kd3 Nd6 43. Bg6 h4+/=
ここはこのゲーム最大のチャンスでしたが、それを活かすことができませんでした。48... Nf4!! 49. d6+ (49. Bf1 f5!=) (49. Be4 f5 50. d6+ Kd8 51. Bc6 Nd3+ 52. Kb5 Ne5 53. Bb7 Kd7 54. Kxa5 Kxd6 55. Kxb4 f4 56. Kc3 f3 57. gxf3 h3 58. Be4 Ng6 59. f4 Nxf4 60. b4 Nd5+ 61. Kc4 Nf6 62. Bh1 h2 63. Kd4 Ng4 64. f4 Nf2 65. Bg2 h1=Q 66. Bxh1 Nxh1 67. f5 Ng3 68. f6 Nf5+ 69. Kc4 Kc6=) 49... Kd8 50. Bf1 a4 51. bxa4 b3 52. Bc4 b2 53. Ba2 Kd7 54. a5 Nd3+ 55. Kb6 Kxd6 56. a6 Nb4 57. Bb1 Nd5+ 58. Kb7 Kc5 59. a7 Nb6 60. Bd3 Kd4 61. Bh7 Kc5 62. Be4 (62. a8=Q?? Nxa8 63. Kxa8 Kd4 64. Kb7 Ke5! 65. Bc2 f5 66. Kc6 f4 67. f3 Kd4 68. Kb5 Ke3 69. Kb4 Kf2-+) 62... Kb5 63. f4 Kc5 64. Bc2 Kb5 65. Bb1 Kc5 66. Ka6 Kc6 67. Be4+ Kc5 68. Kb7=
こうなれば白には勝つ方法がなく、ドローにするしかないでしょう。Ne2-Nf4 は考えていたのですが、b5 にキングを侵入されないことを優先し、反撃のチャンスを逃してしまいました。
白は黒を完全に抑え込んでいましたが、そのうえでSuniduth Lyna は冷静で焦りません。g4 までポーンを進めてしまえば、白は狙われるポーンがなく、黒の反撃を全く恐れる必要がなくなります。
ここまで状況を整えてから、ようやくaポーンを取りにいくという周到ぶりに舌を巻きました。この時点で負けは分かっていましたが、最後まで続けることにします。
後で振り返れば、何か所か付け入るポイントはあったようですが、それでもとても強い相手でした。こうした少し悪いエンドゲームの中で、いかにドローのチャンスを逃さないようにするかは、今後も課題になると思います。このラウンドは若いマスターから、勉強させてもらいました。
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman R (IRL, 1923)
今日は2200台くらいかと思っていましたが、予想外の1900台でした。リストがちょうど半分くらいなので、これは仕方ないですね。ここをしっかり勝って、またGM に挑戦したいと思います。
Suniduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399)
Chess.com Isle of Man International(4)
1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nc3 Nf6 4. e3 g6 5. Nf3 Bg7 6. Bd3 O-O 7. O-O Bg4 8. h3 Bxf3 9. Qxf3 dxc4 10. Bxc4 Nbd7 11. Rd1 e5 12. d5 e4 13. Nxe4 Nxe4 14. Qxe4 Nb6 15. Bb3 cxd5 16. Qf3 Qf6 17. Qxf6 Bxf6 18. Rb1 Rfd8 19. Bd2 Nc4 20. Bc3 Kg7 21. Bxf6+ Kxf6 22. Rd4 b5 23. Bd1 Rac8 24. b3 Na3 25. Rb2 Rc1 26. Kh2 Ke7 27. Bf3 Rc2 28. Rxc2 Nxc2 29. Rd2 Na3 30. Kg3 Ke6 31. Kf4 f6 32. h4 Rd6 33. Bg4+ Ke7 34. Rd1 b4 35. Be2 Kd7 36. h5 gxh5 37. Bd3 d4 38. Bf5+ Kd8 39. Rxd4 Rxd4+ 40. exd4 Nb5 41. Ke3?!
Chess.com Isle of Man International(4)
このゲームは、時間の増えたこのポジションから見ていこうと思います。私はルークを交換し、ビショップvs. ナイトのやや分が悪いエンドゲームに持ち込みました。黒の狙いは言うまでもなく、Nb5-Nc3-Nxa2 で、これに対して白がどうするかは悩むところだと思います。コンピュータの判断はd4 を捨て、h7 を取るというもので、41. Bxh7! Nxd4 42. Bd3 Ke7 43. g3+/- としておけば、h5 のポーンを白マスで固定でき、白が優勢です。それでは、本譜ではどうなるでしょうか。
41... Nc3
私の判断は、h7 のポーンを取らせてでも、a2 を急いで取りにいくというものでしたが(Ke3-Kd3 まで寄られてからでは、Nb5-Nc3 に対して、a2-a3 があります。)、a2 を取るのを諦めてでも、h7 を残す判断もあるようです。41... h6! 42. Kd3 Nd6 43. Bg6 h4+/=
42. Bxh7 Nxa2 43. Kd3 h4 44. Kc4 Kc7 45. Kc5 a5 46. d5 Nc3 47. Bf5 Ne2 48. Bd3 Nc3?
ここはこのゲーム最大のチャンスでしたが、それを活かすことができませんでした。48... Nf4!! 49. d6+ (49. Bf1 f5!=) (49. Be4 f5 50. d6+ Kd8 51. Bc6 Nd3+ 52. Kb5 Ne5 53. Bb7 Kd7 54. Kxa5 Kxd6 55. Kxb4 f4 56. Kc3 f3 57. gxf3 h3 58. Be4 Ng6 59. f4 Nxf4 60. b4 Nd5+ 61. Kc4 Nf6 62. Bh1 h2 63. Kd4 Ng4 64. f4 Nf2 65. Bg2 h1=Q 66. Bxh1 Nxh1 67. f5 Ng3 68. f6 Nf5+ 69. Kc4 Kc6=) 49... Kd8 50. Bf1 a4 51. bxa4 b3 52. Bc4 b2 53. Ba2 Kd7 54. a5 Nd3+ 55. Kb6 Kxd6 56. a6 Nb4 57. Bb1 Nd5+ 58. Kb7 Kc5 59. a7 Nb6 60. Bd3 Kd4 61. Bh7 Kc5 62. Be4 (62. a8=Q?? Nxa8 63. Kxa8 Kd4 64. Kb7 Ke5! 65. Bc2 f5 66. Kc6 f4 67. f3 Kd4 68. Kb5 Ke3 69. Kb4 Kf2-+) 62... Kb5 63. f4 Kc5 64. Bc2 Kb5 65. Bb1 Kc5 66. Ka6 Kc6 67. Be4+ Kc5 68. Kb7=
こうなれば白には勝つ方法がなく、ドローにするしかないでしょう。Ne2-Nf4 は考えていたのですが、b5 にキングを侵入されないことを優先し、反撃のチャンスを逃してしまいました。
49. Bc2 Ne2 50. d6+ Kd8 51. Bf5 Nc3 52. Kc4 Ke8 53. Kc5 Kd8 54. g3
白は黒を完全に抑え込んでいましたが、そのうえでSuniduth Lyna は冷静で焦りません。g4 までポーンを進めてしまえば、白は狙われるポーンがなく、黒の反撃を全く恐れる必要がなくなります。
54... hxg3 55. fxg3 Ne2 56. g4 Nc1 57. Be6 Ne2 58. Bc4 Nc3 59. Bd3 Kd7 60. Bf5+ Kd8 61. Kb6+-
ここまで状況を整えてから、ようやくaポーンを取りにいくという周到ぶりに舌を巻きました。この時点で負けは分かっていましたが、最後まで続けることにします。
61... a4 62. bxa4 Nxa4+ 63. Kb5 Nc3+ 64. Kxb4 Nd5+ 65. Kc5 Nf4 66. Kc6 Ke8 67. Kc7 Nd5+ 68. Kc8 Nb6+ 69. Kb7 Nd5 70. Be4 Kd7 71. Bxd5 Kxd6 72. Be4 1-0
後で振り返れば、何か所か付け入るポイントはあったようですが、それでもとても強い相手でした。こうした少し悪いエンドゲームの中で、いかにドローのチャンスを逃さないようにするかは、今後も課題になると思います。このラウンドは若いマスターから、勉強させてもらいました。
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0
Donchenko, A (GM, GER, 2581) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1/2-1/2
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Lalith Babu M R (GM, IND, 2586) 1/2-1/2
Sunilduth Lyna, N (GM, IND, 2536) - Kojima, S (IM, JPN, 2399) 1-0
Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Tirziman R (IRL, 1923)
今日は2200台くらいかと思っていましたが、予想外の1900台でした。リストがちょうど半分くらいなので、これは仕方ないですね。ここをしっかり勝って、またGM に挑戦したいと思います。
0 件のコメント:
コメントを投稿