2016/10/02

Chess.com Isle of Man International R1


対戦相手はチェス国籍がイングランドですが、ネームプレートにはマン島の旗が描かれています。

昨日からマン島でのトーナメントがスタートしました。リストがちょうど真ん中付近だった私は、地元の1900台のプレーヤーとの対戦です。以前の試合を見る限りは数字通りの実力だったので、勝たなければいけない相手です。

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921)
Chess.com Isle of Man International (1)

1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 d5 4. cxd5 Nxd5 5. d4 Nxc3 6. bxc3 g6 7. e4 Bg7 8. Be3



マン島の初戦はGrunfeld のメインラインになりました。この手順から入った場合、5. g35. e3 も試し、どう指すべきか悩んでいましたが、初めてメインラインをチョイスします。日本では8. Rb1 が人気があるように思いますが、私はKramnik が愛用した8. Be3 で勝負します。

8... O-O 9. Qd2 Qa5 10. Rc1 Bg4!?


10... cxd4 11. cxd4 Qxd2+ 12. Nxd2 はかつて生徒の一人から教えてもらった変化で、こうなることを予想していました。10... Bg4 はGrischuk がKramnik を破った嫌な変化ではありますが、この日はエンドゲームを避けてタクティカルに指してみたい気分だったので、その点からはクイーン交換を避けられるのはラッキーでした。

11. d5 f5!?



この手は直感的にリスクがあると感じました。a2-g8 のダイアゴナルとe6 のマスを弱めているためです。11... Nd7 12. c4 Qa3 13. Be2 Bxf3 14. Bxf3 Bd4! はGrischuk のチョイスで、Grunfeld プレーヤーはきちんと調べてみると良いでしょう。

12. d6!N


この手は盤上で思いついたものですが、過去に誰も指したことがありませんでした。私としてはf7-f5 をとがめるために、a2-g8 のダイアゴナルをすぐに開くのは自然に見えます。

12... exd6


本譜に飛び込むのは黒は勇気が必要だと思いますが、12... Bxf3 13. dxe7 Re8 14. gxf3 Rxe7 (14... Nc6 15. Qd5+ Kh8 16. Qxc5 Qxa2 17. Bc4+/=) 15. Qd5+ Kh8 16. Qxc5 Qxc5 17. Bxc5 Rc7 18. Be3+/= と進んでも、白がやや優勢でしょう。

13. Bc4+ Kh8 14. Ng5! fxe4 15. h3!



私が思い描いたポジションになりました。白は一時的でも2ポーンを捨て、ピースを展開して黒キングにプレッシャーをかけます。駒を取り返す方法はf7 のチェック、e4 とd6 へのアタックがあり、黒はどのように対処するのか難しいでしょう。

15... Bf5 16. g4 Nc6!?


ビショップを捨てるのは完全に予想外でした。16... Bc8 17. Qd5 Qc7 18. Bf4 Be5 19. Nf7+ Rxf7 20. Bxe5+ dxe5 21. Qxf7 Qxf7 22. Bxf7+/-, 16... Bd7 17. Qxd6 Bxc3+ 18. Kf1 Bg7 19. Qxc5 Qxc5 20. Bxc5+/- このどちらも黒がはっきり悪いのであれば、ビショップを捨てるのは面白い判断です。

17. gxf5 Ne5 18. Be2 gxf5?!



これは負けをほぼ決定づける判断ミスでした。18... Rxf5! 19. Nxe4 Qa4 20. Ng3+/= ならば2ポーンピースではありますが、キングが不安定である以上、そこまで簡単なポジションではないでしょう。本譜は3ポーンピースですが、白のビショップペアに対抗する方法を黒は見つけることができません。

19. Ne6 Rf6 20. Nxg7 Kxg7 21. Rg1+ Kh8 22. Qd5 Re8


22... Qc7 23. Bf4+/- b7 を守るようであれば、ナイトを消しにいって白の勝勢は揺るがないでしょう。

23. Qxb7 Rf7 24. Qd5 f4 25. Bd4 Rfe7 26. Bc4 Qd8 27. Bxe5+ dxe5 28. Qxe4 Rd7 29. Bb5 Rd4 30. Qf5 1-0



キャスリングをせずに勝ったゲームは私にとってかなり珍しいですが、こういったプレーもできるという確認ができて良かったです。勝たなければいけない相手にしっかり勝ち、マン島でのトーナメントは順調な滑り出しです!

Kojima, S (IM, JPN, 2399) - Dahl, B (ENG, 1921) 1-0

そして2日目の今日は、ドイツの若きGM Donchenko との対戦です。手ごわい相手ですが、なんとかポイントを取れるように頑張ってきます! このラウンドでは私も中継される上位ボードでのプレーになりますので、よろしければライブをご覧ください。試合開始は、日本時間の21時半です。

Chess.com Isle of Man International R2 Live Games



会場内には大きな大会の広告が掲げられています。


試合会場はホテルから300m ほど離れた劇場です。

4 件のコメント:

Unknown さんのコメント...

おめでとうございます!!!これからのラウンドも頑張ってください

ピカチュウ さんのコメント...

第2Rはドローで次のお相手はインドのGMの模様

http://chess-results.com/tnr240883.aspx?lan=1&art=2&rd=3&flag=30&wi=821

Shinya_Kojima さんのコメント...

ありがとうございます! 今日のR4 もこれから頑張ってきます!

Shinya_Kojima さんのコメント...

Lalith は10年前から年齢不詳で、今でも年下とは思えなかったです(笑)

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