6月のCAISSA も後半戦です。8R はWang Doudou が相手、FS ではレイティングを30以上あげる活躍でしたが、今回のCAISSA では沈んでいます。
オープニングは、QGD Semi-Tarrasch Variation になりました。きちんと勉強したことはありませんが、IQP ポジションのアイディアは理解しているつもりです。
e3-g3 と白が序盤で指すのはおかしいようにも思えますが、d5 が弱くなったことを考えれば面白いアイディアです。よりポピュラーなセットアップは、dxc5-a3-b4-Bb2 と黒マスビショップを展開することでしょうか。
9... cxd4 でIQP を避ける狙いを一度作り、c5 取りを催促します。
d5 をアタックするよりも、d4 をブロックすることを重視します。
単に8... Be6 と指しても良かったのですが、h3 を突かせてから退くことで、将来的にh3 がターゲットになる可能性はないかと考えました。
白はナイトをNc3-Ne2-Ned4 とマヌーバリングしましたが、代わりにe4 のマスを弱めています。
個人的には良い手だと思いました。通常、IQP を抱える側はピースを残し、キングサイドをアタックしにいくことが多いですが、ここでは白がフィアンケットを組んでキングの守りが堅いので、クイーンサイドへと目を向けます。黒マスビショップの交換は、c3 を始めとする黒マスを弱め、黒のピースがクイーンサイドから侵入するチャンスを作るだろうと考えました。
17... Qxc1 18. Rfxc1 Nb4 19. Ne5+/= 黒はd3 にナイトを入れることができなければ、面白くないでしょう。
16.Qe2 Bxb2 17.Qxb2 Qf6 を予想していましたが、同じポジションになりました。クイーンはキングサイドに振り、両サイドで手を作れるようにします。
怪しく見えますが、わずかなチャンスを求めてナイトが跳び込みます。
クイーンサイドのポーンを脅かせるかと思い指した手でしたが、c3 のルークが退けなくなるため、この後、面倒なことになります。単に22... Ne5= と退くか、思い切って22... Ndxf2!? 23. Rxf2 Nxf2 24. Kxf2 Rfc8= と切るべきでした。特に後者は少し考えたのですが、実行する勇気が出ませんでした。
この辺りからお互い時間がなく、怪しい手が続きます。h3 を狙いつつ、24...Nxg3! 25.fxg3 Rxe3 26.Qf2 Nd3 で、クイーンが落ちる狙いもあるこの手は、自然にも見えますが、白には簡単なディフェンスがあります。
24. Nb1! Bxh3 25. Nxc3 Nxc3 26. Qc2 Nxd1 27. Qxc5!+/= c5 のナイトが浮いているのは盲点でした!
このあと黒はd5,b7 がターゲットとなり、やや苦しい展開を迎えます。
27. Qd3! が避け場所としては最適です。白は次の手を見落としていました。
エクスチェンジを取る前にナイトをe4 に戻します。h3 のポーンがアタックされているため、このナイトを取りづらいのがポイントです。
さらにミスが続きます。28. Bxe4?! Nxe4 29. Qe1 Qxh3+ 30. Kg1 Bg4-/+ はエクスチェンジの代償が十分あり。
28. Qe1 Nxd1 29. Qxd1 Rc8= ならば、白は本譜のポーンダウンを避けられます。
ようやく駒得の機会に恵まれました。しかし、これで勝っただろうと思うの早すぎます!
32... Rc8-/+ なぜcファイルを抑えてカウンターを止めないのか・・・明らかに冷静ではありませんでした。
33... h4 34. Qc7 (34. Qf5 hxg3 35. Qxh3 Nxh3+ 36. Kg2 Nxf2 37. Rc7 このエンドゲームが確実に勝てるか自信がなく、弱気に指しましたが、本譜よりチャンスがあるのは明らかです。) 34... Ne4-/+
3つの疑問手ですっかり1ポーン分のアドバンテージは消えてしまいました。アタックにこだわりすぎたのが、ミスの原因です。
ようやく40手を迎えて時間を増やした頃には、d5 が落ちそうで、黒のチャンスは消える間近でした。
42... b5 43. Qxd5 Qxd5 44. Rxd5 Rc3 45. a4!= でもドローのルークエンディングです。
もちろんこのルークエンディングはドローです。残りの解説は良いでしょう。
優勢になってからの指し回しが、なぜかいいかげんになってしまう悪い癖がどうにもなりませんね。勝勢と勝ちは違うものだと肝に銘じ、残りの試合を丁寧に戦います。
それと一昨日、私に敗れたWang Xinyue は、その後Xu Huahua とErdelyi さんに勝ったのでWIM ノームは取れそうです。良かった、良かった。
昨日の夕飯は、ハンガリーに来て初めて、食事で失敗したと思いました。左の皿、酸っぱくて食べられない・・・(そのうえ得盛り・・・)自分で頼んだ物を残すのは、私にしてはかなり珍しいことです。おいしい物センサーも不調でしょうか?
この窯は間違いなく人の顔を意識しています(笑)
Wang, D (CHN, 2041) - Kojima, S (FM, JPN, 2264)
CAISSA 2012 June IM (8)
1. d4 Nf6 2. c4 e6 3. Nf3 d5 4. e3!? c5
CAISSA 2012 June IM (8)
オープニングは、QGD Semi-Tarrasch Variation になりました。きちんと勉強したことはありませんが、IQP ポジションのアイディアは理解しているつもりです。
5. cxd5 exd5 6. Nc3 a6 7. g3!?
e3-g3 と白が序盤で指すのはおかしいようにも思えますが、d5 が弱くなったことを考えれば面白いアイディアです。よりポピュラーなセットアップは、dxc5-a3-b4-Bb2 と黒マスビショップを展開することでしょうか。
7... Nc6 8. Bg2 Bg4!?
9... cxd4 でIQP を避ける狙いを一度作り、c5 取りを催促します。
9. dxc5 Bxc5 10. Ne2!?
d5 をアタックするよりも、d4 をブロックすることを重視します。
10... O-O 11. O-O Qe7 12. h3 Be6
単に8... Be6 と指しても良かったのですが、h3 を突かせてから退くことで、将来的にh3 がターゲットになる可能性はないかと考えました。
13. Ned4 Rac8 14. b3 Ne4!
白はナイトをNc3-Ne2-Ned4 とマヌーバリングしましたが、代わりにe4 のマスを弱めています。
15. Bb2 Ba3!?
個人的には良い手だと思いました。通常、IQP を抱える側はピースを残し、キングサイドをアタックしにいくことが多いですが、ここでは白がフィアンケットを組んでキングの守りが堅いので、クイーンサイドへと目を向けます。黒マスビショップの交換は、c3 を始めとする黒マスを弱め、黒のピースがクイーンサイドから侵入するチャンスを作るだろうと考えました。
16. Bxa3 Qxa3 17. Qc1 Qe7
17... Qxc1 18. Rfxc1 Nb4 19. Ne5+/= 黒はd3 にナイトを入れることができなければ、面白くないでしょう。
18. Qb2 Qf6
16.Qe2 Bxb2 17.Qxb2 Qf6 を予想していましたが、同じポジションになりました。クイーンはキングサイドに振り、両サイドで手を作れるようにします。
19. Rab1 Nb4!?
怪しく見えますが、わずかなチャンスを求めてナイトが跳び込みます。
20. a3 Nd3 21. Qe2 Rc3 22. Rbd1 Ndc5?!
クイーンサイドのポーンを脅かせるかと思い指した手でしたが、c3 のルークが退けなくなるため、この後、面倒なことになります。単に22... Ne5= と退くか、思い切って22... Ndxf2!? 23. Rxf2 Nxf2 24. Kxf2 Rfc8= と切るべきでした。特に後者は少し考えたのですが、実行する勇気が出ませんでした。
23. Nd2 Qh6?!
この辺りからお互い時間がなく、怪しい手が続きます。h3 を狙いつつ、24...Nxg3! 25.fxg3 Rxe3 26.Qf2 Nd3 で、クイーンが落ちる狙いもあるこの手は、自然にも見えますが、白には簡単なディフェンスがあります。
24. Kh2?!
24. Nb1! Bxh3 25. Nxc3 Nxc3 26. Qc2 Nxd1 27. Qxc5!+/= c5 のナイトが浮いているのは盲点でした!
このあと黒はd5,b7 がターゲットとなり、やや苦しい展開を迎えます。
24... Nf6 25. Nb1 Nce4 26. Nxc3 Nxc3 27. Qd2?!
27. Qd3! が避け場所としては最適です。白は次の手を見落としていました。
27... Nfe4!
エクスチェンジを取る前にナイトをe4 に戻します。h3 のポーンがアタックされているため、このナイトを取りづらいのがポイントです。
28. Qb2?
さらにミスが続きます。28. Bxe4?! Nxe4 29. Qe1 Qxh3+ 30. Kg1 Bg4-/+ はエクスチェンジの代償が十分あり。
28. Qe1 Nxd1 29. Qxd1 Rc8= ならば、白は本譜のポーンダウンを避けられます。
28... Nxd1 29. Rxd1 Bxh3!
ようやく駒得の機会に恵まれました。しかし、これで勝っただろうと思うの早すぎます!
30. Bxh3 Ng5 31. Rc1 Qxh3+ 32. Kg1 h5?!
32... Rc8-/+ なぜcファイルを抑えてカウンターを止めないのか・・・明らかに冷静ではありませんでした。
33. Qc2 g6?!
33... h4 34. Qc7 (34. Qf5 hxg3 35. Qxh3 Nxh3+ 36. Kg2 Nxf2 37. Rc7 このエンドゲームが確実に勝てるか自信がなく、弱気に指しましたが、本譜よりチャンスがあるのは明らかです。) 34... Ne4-/+
34. Qc7 Re8?! 35. Qf4!=
3つの疑問手ですっかり1ポーン分のアドバンテージは消えてしまいました。アタックにこだわりすぎたのが、ミスの原因です。
35... Ne6 36. Nxe6 Qxe6 37. Rc7 Re7 38. Rc5 b6 39. Rc1 Kg7 40. Qd4+ Kh7 41. Rd1
ようやく40手を迎えて時間を増やした頃には、d5 が落ちそうで、黒のチャンスは消える間近でした。
41... Rc7 42. b4 Rc2
42... b5 43. Qxd5 Qxd5 44. Rxd5 Rc3 45. a4!= でもドローのルークエンディングです。
43. Qd3 Ra2 44. Qb3 d4 45. Qxe6 fxe6 46. Rxd4 Rxa3 47. Rd6 b5 48. Rxe6 Kg7
もちろんこのルークエンディングはドローです。残りの解説は良いでしょう。
49. Kg2 Ra4 50. f4 Rxb4 51. Rxa6 Rb1 52. Rb6 b4 53. e4 b3 54. e5 b2 55. Rb7+ Kf8 56. e6 Ke8 57. e7 Kf7 58. Kh2 Ke8 59. Kg2 Kf7 1/2-1/2
優勢になってからの指し回しが、なぜかいいかげんになってしまう悪い癖がどうにもなりませんね。勝勢と勝ちは違うものだと肝に銘じ、残りの試合を丁寧に戦います。
それと一昨日、私に敗れたWang Xinyue は、その後Xu Huahua とErdelyi さんに勝ったのでWIM ノームは取れそうです。良かった、良かった。
昨日の夕飯は、ハンガリーに来て初めて、食事で失敗したと思いました。左の皿、酸っぱくて食べられない・・・(そのうえ得盛り・・・)自分で頼んだ物を残すのは、私にしてはかなり珍しいことです。おいしい物センサーも不調でしょうか?
この窯は間違いなく人の顔を意識しています(笑)
0 件のコメント:
コメントを投稿