バクーでのオリンピアードを終え、帰国して2日が経ちました。今夜の記事を最後として、オリンピアードについては終わりにしようと思います。
メキシコ戦を勝利で飾った私たちは、その日のうちに行われたクロージングセレモニーへと出席します。このブログでは日本チームの戦績ばかりで、トップ争いについては触れてきませんでしたので、上位がどうなったか、知らなかった人もいるかもしれません。オープンチームはアメリカとウクライナが最後まで競り、ぎりぎりでアメリカの優勝となりました。Caruana、Nakamura、So とスーパースター軍団の揃ったアメリカでしたが、30年ぶりとなるオリンピアード優勝です! Nakamura Hikaru が世に知られるようになってから10年以上経ち、Caruana とSo の加入で、アメリカも今度こそという思いがあったでしょう。Ivanchuk 抜きのウクライナも、5B のVolokitin の活躍もあり、よくここまで食い下がったと思います。
私たち日本チームは、メキシコ戦に勝った影響で大きく順位を上げ、スタートは97位ながら、全体で68位、Cクラスで5位という好成績でのフィニッシュとなりました。60位台のフィニッシュは、参加国が100か国を超えるようになったこの20年では初めてで、過去最高の順位と考えて良いでしょう! 格上からは白星が奪えず、やきもきすることもありましたが、最終戦で自分の仕事ができ、チームの順位のアップに貢献できたことは、とても嬉しく思います。
Baku Chess Olympiad Open Final Ranking
女子は中国、ポーランド、ウクライナの順位となっています。最終戦で中国 - ロシアという見ごたえのあるマッチとなり、2.5-1.5 でロシアを振り切った中国が優勝を決めました。Hou Yifan はラトビア戦で2200台に敗れる波乱がありましたが、その後は持ち直して星を重ねました。4,5B でも個人金メダルとなれば、中国の優勝は当然でしょう。
日本の女子チームは後半戦、3連勝後の連敗で、最終順位はスタートと同じ96位となりました。個人の課題は色々と見えたと思いますが、それでもタイトル保持者を2人出したのは、私の知る限り今回が初めてで、喜ぶべきことでしょう。次のオリンピアードは、どういったメンバーになるかまだわかりませんが、またそちらも期待したいですね。
Baku Chess Olympiad Women Final Ranking
一夜が明け、バクーを出る最終日は、朝から一部のメンバーでフレームタワー内のフェルモントホテルへと足を運んできました。日本チームは今回のオリンピアードで、山田くんがFM、星野さんがWFM、なつみがWCM のタイトルを新たに獲得しており、その証明書を取得できると聞いたためです。しかし、実際にはIM, GM などのノーム獲得者の証明書を発行していたようで、私たちには用のない場所でした。しかし、せっかく足を運んだので、19階からバクーの街並みを見ていくことにします。カスピ海沿いに広がる美しいバクーは、これまでオリンピアード訪れた都市の中でも、また来たいと思う気持ちの強い場所になっています。
午後は休憩日にパスをした、カーペットミュージアムへと行ってみることにします。バクーの観光名所の一つであるカーペットミュージアムには、古いものから新しいものまで、バクーの名物である絨毯が展示されており、実際に織る様子も見学することができます。
私にとって6回目となるオリンピアードでしたが、今は無事に終えることができて一安心です。個人的にはオリンピアードでの初めての勝ち越し、わずか1ではありますが、レイティングもプラスで終えることができたことを、上記のチームの最終順位とあわせて嬉しく思っています。その反面で、オリンピアードに臨む前の準備が、チームとして十分だったか疑問もあるため、また次のオリンピアードの日本チームをより良くするために、色々と考えていきたいと思います。次回、2018年のオリンピアードは、ジョージアのバツミでの開催となります。またそれに向けてこつこつと力をつけていきたいですね。
明日から始まるクラブ選手権では、多くのプレーヤーと会うことになると思いますので、そこでもオリンピアードの土産話ができればと思います。それではこれで、オリンピアードの記事をすべて終わりにしようと思います。2週間以上、日本チームを見守っていただき、本当にありがとうございました!
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