今日から2日間は、蒲田で開催されているクラブ選手権に参加しています。日本で唯一のチーム戦であるこのイベントは、終了したばかりのオリンピアードと形式は似ています。最大6人で1チームを組み、毎ラウンド4人ずつを出して試合をします。私は今回初めて、東京バイリンガルチェスクラブから、子供たちと組んで出場することにしました。初戦はトップテーブルで、優勝候補チームとの対戦です。
Baba, M - Kojima, S
Club Championship 2016 (1)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nh3!?
Club Championship 2016 (1)
ナイトがNg1-Nh3-Nf4 と飛ぶ変化は、3年前のチーム戦で塩見さんに指されています。e6 へのサクリファイスを気にしつつも、しっかりと指せば黒に問題のない変化です。
7... e6 8. Nf4 Bh7 9. Bc4 Nf6 10. c3 Nbd7 11. Qe2 Bd6
ここは少し時間をかけ、11... Nb6 と迷いつつも本譜の手を選びました。e6 を守る11... Qe7 も指されているようですが、黒は面白くないでしょう。
12. Ngh5
12. Bxe6 fxe6 13. Nxe6 Qe7 14. Nxg7+ Kf7 15. Qxe7+ Bxe7 16. N7f5 Bxf5 17. Nxf5 Rae8-/+ と進む変化は、黒大丈夫です。3ポーンピースですが、白のポーンが脅威になる気配は感じません。
12... O-O 13. O-O?!
ここは13. Nxf6+ Nxf6 14. Bd2 と指し、クイーンサイドのキャスリングも視野に入れたほうが良かったと思います。
13... Nxh5!?
過去の実践例とコンピュータの評価を見ると、13... e5! 14. dxe5 Nxe5 15. Nxf6+ (15. Bb3 Nfg4! 16. g3 Re8-+) 15... Qxf6 16. g3 Rfe8-/+ と指したほうが、白にとって厳しかったようです。確かにこうしてみれば、白は展開が遅く、e2 の位置にいるクイーンが不安定で、黒にはっきりとしたアドバンテージがあることがわかります。
14. Qxh5 Nf6 15. Qf3 Nd5 16. Bxd5?
Caro-Kann Classical の面白いところなのですが、黒はビショップのペアを失っても、固いポーンストラクチャーで満足に戦うことができます。しかし、白は片方のビショップ(特に白マスビショップ)を失ってしまうと、途端に白マスの弱さが浮き彫りとなります。私と馬場さんにとって予想外だったことは、16. g3! Qf6 17. Be2! Nxf4 18. Bxf4 Bxf4 19. Qxf4 Qxf4 20. gxf4= と進めた形が、白大丈夫であることです。確かに、白のポーンストラクチャーは乱れていますが、黒はそれをアタックしたいピースをほぼ捌いてしまっています。ポーンストラクチャーを乱すか、白マスビショップを手放すかで、馬場さんは間違えたチョイスをしてしまいました。
16... cxd5 17. Qh3 Qf6 18. Nh5 Qg6 19. Bf4 Be7!
ビショップのペアをもらった直後、簡単に駒得のチャンスが訪れました。これでh4 のポーンは守れません。
20. Ng3 Qf6 21. Ne2 Qxh4-+
ビショップのペアを持ち、ポーンアップにもなった黒は、ゆっくりとクイーンサイドで手を作っていけば問題なく勝てると判断できます。
22.Qe3 Rfc8 23. Rfe1 b5 24. a3 a5 25. Rec1 Qg4!?
マイノリティーアタックをいきなり仕掛けるのではなく、b5-b4 を見せておきながら、クイーンを白マスで使えるようにしておきます。
26. f3 Qg6 27. Qe5 Rc6 28. Qe3 Rac8 29. Re1 Qc2 30. b4 axb4 31. axb4 Bf6 32. Ra7 Bd3!
これでc3 のポーンを落とせば、黒の勝ちは決まりです。
33. Be5 Bxe5 34. Qxe5 Bxe2 35. Rxe2 Qxc3 36. Re3 Qxb4 37. Qf4 Qb1+ 38. Kh2 Qg6 39. Rb7 Rc2 0-1
チームは敗れましたが、昨年この大会で敗れた馬場さんにきっちりお返しができました。今日は3試合をして私は3連勝、チームは1勝1敗1ドローとなっています。私は個人賞を狙って、2日目の明日も頑張ります!
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