3日目の昨日はリフレッシュも兼ね、試合前に外で知人と会うことに。お相手は、このケチケメートでハンドボールのプロチームに所属する、銘苅さんと、そのチームでトレーナーの勉強をしている瀧本さんです。銘苅さんとは、今月頭にアンダンテでお知り合いになり、瀧本さんとはこの日が初対面でした。自由広場でお昼前に待ち合わせをし、一緒に昼食を食べに行きます。
そこで、現在のハンドボールチームの状況や、お二人がケチケメートで何をしているかという話を、たくさん聞かせていただきました。大学ではスポーツゼミに所属しながらも、私にとってハンドボールはほぼ未知のスポーツでした。お二人とも、貴重な休日に時間を割いていただき、ありがとうございます!また時間があれば、ケチケメートかブダペストでお会いしましょう。
それでは試合の話題へ。3日目はリストトップ、レイティング2435 のFM Bodo との対戦です。入念な準備とリフレッシュの末に戦いに臨んだつもりでしたが、予想以上の苦戦を強いられました。(2400台なのだし、当たり前か...) そんな耐えるポジションが続く中で、小さな光を掴めたのは、自分の成長の証かもしれないと思う今日この頃です。
私にとってはすっかり馴染みとなったg6 Slav の一変化。前回のSzeberenyi 戦ほど、序盤で苦しくはしないぞと意気込んだつもりでしたが...
ビショップナイトの交換をした黒は、様子を見つつ、e7-e5 のセンターブレイクのチャンスを伺います。13... Qd6 14. e4!? Nfd7 15. Be3 Bxd4 16. Rad1 e5 17. Bh6 Qf6 18. Qxf6 Nxf6 19. Bxf8 Kxf8 このエクスチェンジサクリファイスは考えた末にやめたのですが、d4 のコントロールが強いため、黒としてはありなようです。
シンプルですが、私の調べていたゲームよりも強力なアイディアだと思います。15. Bd2 Qe7 16. Rac1 Rfd8 17. Ne4 e5! 1/2-1/2 Golod,V (2561)-Gupta,A (2643)/New Delhi IND 2012 これならば、黒は十分に戦えそうです。
f3 のクイーンは特に仕事がないので、c4 を守りつつ、将来的にクイーンサイドに飛び込むチャンスを待ちます。黒からは、e6-e5 or c6-c5 のブレイクをしたいのですが、どちらも突きこされて良い形ではありません。
Misha から指摘されていた私の弱点、「アクティブに指そうとしすぎるために、時にポジションを自ら壊してしまうこと」を忘れぬよう心掛けます。自ら弱点を作ってしまうような展開を避け、ここは待ちの姿勢で相手のアクションを待ちます
待ちの姿勢を決めた私に対し、白は早々にポジションを開きに来ます。ピースをうまく捌く方法のない黒に対し、そのチャンスを与えるこの手は一見するとありがたいように思えますが、進めてみると白のアドバンテージは十分でした。(それでも、もう少し準備をしてからこのアイディアを使うほうが、より強力なのではないかと思います。)
ピースは一組捌けましたが、開いたポジションでのダブルビショップは強力であり、b7 とa5 が弱点となります。次に単純にb7 を取られることと、Qe2-Qb5 を防ぐために頭をフル回転させ、次のアイディアをひねり出します。
24. Bb3 Rd8 25. Rxd8+ Qxd8 26. Qb5 Qc7 27. a4+/- 私がメインで考えていたのは、f7 へのプレッシャーを残すこちらですが、もちろん本譜でもOK です。
苦しいポジションで起死回生に賭けたのが、このナイトを退く一手です。b2 へのアタックを通す以外、もう一つのアイディアに白が気づかなければ、ミラクルが起こります。
狙い通りです!白は焦らなければ、ほぼ勝勢は間違いなかったでしょう。25. Qd2! h5 26. Bb6+/-
検討で彼と話した筋は、26. Qxa5 Nc4 27. Qb4 Qxb4 28. axb4 Nxe3 29. fxe3 b5!? (このアイディアがベストだとコンピュータは指摘しますが、他の手でもイコールに近くなりそうなことは明らかです。) 30. Rd5 Rc1+ 31. Kh2 Bf8 32. Rxb5 Bd6+ 33. g3 Rc2+ 34. Kg1 Rxb2=
g8 から出動したナイトは、7手掛けてセンターの重要なマスへと到達しました!これで異色ビショップを残すことに成功し、後は丁寧に指すのみです。
Qe1-Qe5 の連続チェックがあるため、d4 のビショップを取ることはできません。これがナイトをマヌーバリングしたポイントです。
ドローにするためには、当然異色ビショップを残します。次の目標はルークを交換することです。
32. Bd5 a4! 33. b3 axb3 34. Bxb3 Rxd1+ 35. Bxd1= 白はルークを盤上にキープしようとビショップを挟んでも、すぐに交換せざるを得なくなります。
この異色ビショップエンディングは問題なくドローになりそうです。ここまで長い道のりでした。
「アクティブなナイトは、パッシブなダブルビショップに対抗できる」が私の信条ではありますが、アクティブなダブルビショップに対抗するのは相当大変でした。相手の強力なプレッシャーにもめげず、最後まで働いてくれたナイトには、大変感謝します。
今月のCAISSA はここまで3ドロー。そろそろ勝ちが欲しいところですが、次はアメリカのIM Battey が相手と、強敵が続きます。部屋で大音量のロックをかけ、雄たけびを上げるアメリカ人に、盤上でどう対抗するか大変悩ましいところです。
そこで、現在のハンドボールチームの状況や、お二人がケチケメートで何をしているかという話を、たくさん聞かせていただきました。大学ではスポーツゼミに所属しながらも、私にとってハンドボールはほぼ未知のスポーツでした。お二人とも、貴重な休日に時間を割いていただき、ありがとうございます!また時間があれば、ケチケメートかブダペストでお会いしましょう。
それでは試合の話題へ。3日目はリストトップ、レイティング2435 のFM Bodo との対戦です。入念な準備とリフレッシュの末に戦いに臨んだつもりでしたが、予想以上の苦戦を強いられました。(2400台なのだし、当たり前か...) そんな耐えるポジションが続く中で、小さな光を掴めたのは、自分の成長の証かもしれないと思う今日この頃です。
Bodo, N (FM, HUN, 2435) - Kojima, S (FM, JPN, 2307)
CAISSA IM October (3)
1. d4 d5 2. c4 c6 3. e3 Nf6 4. Nc3 g6 5. Nf3 Bg7 6. Be2 O-O 7. O-O dxc4 8. Bxc4 Nbd7
CAISSA IM October (3)
私にとってはすっかり馴染みとなったg6 Slav の一変化。前回のSzeberenyi 戦ほど、序盤で苦しくはしないぞと意気込んだつもりでしたが...
9. Qe2 Nb6 10. Bb3 Bg4 11. h3 Bxf3 12. Qxf3 a5 13. a3 Nfd7
ビショップナイトの交換をした黒は、様子を見つつ、e7-e5 のセンターブレイクのチャンスを伺います。13... Qd6 14. e4!? Nfd7 15. Be3 Bxd4 16. Rad1 e5 17. Bh6 Qf6 18. Qxf6 Nxf6 19. Bxf8 Kxf8 このエクスチェンジサクリファイスは考えた末にやめたのですが、d4 のコントロールが強いため、黒としてはありなようです。
14. Rd1 e6 15. e4!
シンプルですが、私の調べていたゲームよりも強力なアイディアだと思います。15. Bd2 Qe7 16. Rac1 Rfd8 17. Ne4 e5! 1/2-1/2 Golod,V (2561)-Gupta,A (2643)/New Delhi IND 2012 これならば、黒は十分に戦えそうです。
15... Qe7 16. Be3 Rfd8 17. Rac1 Rac8 18. Qe2!
f3 のクイーンは特に仕事がないので、c4 を守りつつ、将来的にクイーンサイドに飛び込むチャンスを待ちます。黒からは、e6-e5 or c6-c5 のブレイクをしたいのですが、どちらも突きこされて良い形ではありません。
18... h6
Misha から指摘されていた私の弱点、「アクティブに指そうとしすぎるために、時にポジションを自ら壊してしまうこと」を忘れぬよう心掛けます。自ら弱点を作ってしまうような展開を避け、ここは待ちの姿勢で相手のアクションを待ちます
19. d5!?
待ちの姿勢を決めた私に対し、白は早々にポジションを開きに来ます。ピースをうまく捌く方法のない黒に対し、そのチャンスを与えるこの手は一見するとありがたいように思えますが、進めてみると白のアドバンテージは十分でした。(それでも、もう少し準備をしてからこのアイディアを使うほうが、より強力なのではないかと思います。)
19... exd5 20. exd5 cxd5 21. Nxd5 Nxd5 22. Rxc8 Rxc8 23. Bxd5+/-
ピースは一組捌けましたが、開いたポジションでのダブルビショップは強力であり、b7 とa5 が弱点となります。次に単純にb7 を取られることと、Qe2-Qb5 を防ぐために頭をフル回転させ、次のアイディアをひねり出します。
23... Nf6 24. Bf3
24. Bb3 Rd8 25. Rxd8+ Qxd8 26. Qb5 Qc7 27. a4+/- 私がメインで考えていたのは、f7 へのプレッシャーを残すこちらですが、もちろん本譜でもOK です。
24... Ne8!?
苦しいポジションで起死回生に賭けたのが、このナイトを退く一手です。b2 へのアタックを通す以外、もう一つのアイディアに白が気づかなければ、ミラクルが起こります。
25. Qb5?
狙い通りです!白は焦らなければ、ほぼ勝勢は間違いなかったでしょう。25. Qd2! h5 26. Bb6+/-
25... Nd6! 26. Qb3
検討で彼と話した筋は、26. Qxa5 Nc4 27. Qb4 Qxb4 28. axb4 Nxe3 29. fxe3 b5!? (このアイディアがベストだとコンピュータは指摘しますが、他の手でもイコールに近くなりそうなことは明らかです。) 30. Rd5 Rc1+ 31. Kh2 Bf8 32. Rxb5 Bd6+ 33. g3 Rc2+ 34. Kg1 Rxb2=
26... Nf5! 27. Bb6 Nd4!?
g8 から出動したナイトは、7手掛けてセンターの重要なマスへと到達しました!これで異色ビショップを残すことに成功し、後は丁寧に指すのみです。
28. Bxd4 Bxd4 29. Qxb7
Qe1-Qe5 の連続チェックがあるため、d4 のビショップを取ることはできません。これがナイトをマヌーバリングしたポイントです。
29... Qxb7 30. Bxb7 Rd8!
ドローにするためには、当然異色ビショップを残します。次の目標はルークを交換することです。
31. Kf1 Bf6! 32. Rxd8+
32. Bd5 a4! 33. b3 axb3 34. Bxb3 Rxd1+ 35. Bxd1= 白はルークを盤上にキープしようとビショップを挟んでも、すぐに交換せざるを得なくなります。
32... Bxd8 33. Ke2 Kf8 34. Kd3 Ke7 35. Kc4 Kd6
この異色ビショップエンディングは問題なくドローになりそうです。ここまで長い道のりでした。
36. Bd5 f5 37. f4 Bf6 38. b3 Bb2 39. a4 Ba3 40. g4 fxg4 41. hxg4 Ke7 42. Bg2 Kf6 43. Bh3 Bb4 1/2-1/2
「アクティブなナイトは、パッシブなダブルビショップに対抗できる」が私の信条ではありますが、アクティブなダブルビショップに対抗するのは相当大変でした。相手の強力なプレッシャーにもめげず、最後まで働いてくれたナイトには、大変感謝します。
今月のCAISSA はここまで3ドロー。そろそろ勝ちが欲しいところですが、次はアメリカのIM Battey が相手と、強敵が続きます。部屋で大音量のロックをかけ、雄たけびを上げるアメリカ人に、盤上でどう対抗するか大変悩ましいところです。
7 件のコメント:
ずいぶん粘って頑張った試合だったようですね。 忍耐力を試されるのがチェスだな〜、とつくづく感じさせられます。現れないFMさんは病気でしょうか? どうしちゃったんでしょうね。
次も頑張ってください‼
19.f4はどうですか?
Yumiさん 5日目の今日、ようやく最後のプレーヤーが現れました。おそらく明日から1日2試合ペースでこなすんでしょうね。大変そうです。
hidepyon さん f4-f5 と突くプランは黒のg6 を弱めますが、代わりにd5 のマスを弱めますね。一長一短ですが、もちろんあり得る選択肢だと思います。
そのプレーヤーは、どこからきたんでしょうね… 長い道のりを歩いてきたのでしょうか…(#^.^#)
どこから来たかよりも、前半の4試合をいつ指すつもりなのかのほうが気になります。
1日2試合やる気配なし...
相手だってその時間を作らなくちゃならないわけでしょう、どうなるのでしょうか?? ノームを狙ってきている人、じゃないですね...?
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