IM ノームのために負けが許されない7R は、相性の良いSzeberenyi との試合でしたが、序盤のちょっとしたミスからポジションが崩壊。20手を向かえず終わったかと思いましたが、私のツキと彼の不調が重なり、意外な結果となりました。
ここはポーンで取り返してIQP ポジションにするのが自然に見えますが、ナイトももちろんあり得る選択肢です。11. exd4 Nb6 12. Bb3 Nbd5 13. Re1 b6 14. Bg5 Bb7= Kretchetov, A - Kojima, S / 1/2-1/2
白が12手目を考えている間に、こちらも黒のセットアップを決めていましたが、これが大きな間違いでした。黒はクイーンサイドを組むのが遅く、a8 のルークがまだ使えないので、cファイルはクイーンにとって危険な位置です。12... e5! (私はa2-g8 のダイアゴナルとd5 のアウトポストを弱めるのが嫌でこの手を避けましたが、それは気にしすぎだったようです。) 13. Nf3 e4 14. Nd4 b5 15. Bd5 Nxd5 16. Nxd5 Bb7=/+ 確かにこうしてセンターポーンを伸ばしておけば、スペースも得られて黒は満足なポジションでした。
さらにおかしな手が続きます。Bc1-Bg5 やNc3-d5 を気にしてe7 を守ったつもりでしたが、真に警戒すべきはcファイルからの攻撃でした。13... b5! 14. Bd5 Bb7 15. Bxb7 Qxb7 16. e5 (この手を気にしすぎましたが、実際はさほど怖くありません。) 16... Nd5 17. Nxd5 Qxd5 18. f4 Rfd8=
ここにきてようやく自分の間違いに気付きました。Nc3-Nd5-Nc7 からのナイトフォークがあり、e8 にルークを回したことが完全にミスになっています。
正直ここでリザインすることも考えました。もちろん白はすぐにエクスチェンジを取りにいってもOKです。18. Nc7 Qxe4 19. f3 Qe5 20. Nxa8 Bxa8 21. Nxb5 axb5 22. Rxd7 Qe6 23. Rd2+-
Szeberenyi は一昨日、Nguyen Huynh Minh 相手に、純粋なエクスチェンジアップを勝てず、大変悔しい思いをしました。それが影響したのか、ここでもエクスチェンジ以上を狙ってきます。しかしここは疑うまでもなく、エクスチェンジを取って勝勢です。(Nguyen Huynh Minh Good Job!)19. Qxh5 gxh5 20. Nc7 Bxe4 (d7 のナイトが浮いているため、e7-e5 がポーンフォークにならないのが、黒としては悲しいところ。ひょっとするとSzeberenyi はそれを見落としていたのかも。) 21. Nxa8 Rxa8 22. Nc6 Bxc6 23. Rxc6+-
さらに彼の不調が分かる手です。g2-g4 からクイーントラップを狙いますが、黒には十分に対処する余裕があります。代わりにcファイルを取る単純なプランで、白勝勢でした。20. Rxc8! Bxc8 21. Qc2+- (狙いは22.Nxe7+ で、黒にはこれを防ぐうまい方法がありません。)
21... g5! 22. Nxg5 h6 23. Nf3 Bxd5 24. exd5 Qxd5= のほうが安全です。
受けてくれてもOK、時間を使って考えたうえ、勝負に来てくれてもOK だと思い、ここでドローオファー。相手は4分を切るまで考え、握手してきました。ここで1/2 ポイント取れたのは、純粋にラッキーだと思います。ちなみに最後のポジションの形勢がどうなのか、皆さんで考えてみてください。かなり難しいと思います。
8R は現在グループのリーダーである、ベトナムのIM Nguyen Huynh Minh と試合です。強敵相手に負けられない試合が続きますが、あと3戦集中して、なんとかトーナメントを乗り切れるよう頑張ります!
Szeberenyi, A (IM, HUN, 2365) - Kojima, S (FM, JPN, 2307)
First Saturday IM October (7)
1. d4 d5 2. c4 c6 3. Nf3 Nf6 4. e3 g6 5. Nc3 Bg7 6. Bd3 O-O 7. O-O dxc4 8. Bxc4 Nbd7 9. h3 c5 10. Qe2 cxd4 11. Nxd4!?
First Saturday IM October (7)
ここはポーンで取り返してIQP ポジションにするのが自然に見えますが、ナイトももちろんあり得る選択肢です。11. exd4 Nb6 12. Bb3 Nbd5 13. Re1 b6 14. Bg5 Bb7= Kretchetov, A - Kojima, S / 1/2-1/2
11... a6 12. Rd1 Qc7?!
白が12手目を考えている間に、こちらも黒のセットアップを決めていましたが、これが大きな間違いでした。黒はクイーンサイドを組むのが遅く、a8 のルークがまだ使えないので、cファイルはクイーンにとって危険な位置です。12... e5! (私はa2-g8 のダイアゴナルとd5 のアウトポストを弱めるのが嫌でこの手を避けましたが、それは気にしすぎだったようです。) 13. Nf3 e4 14. Nd4 b5 15. Bd5 Nxd5 16. Nxd5 Bb7=/+ 確かにこうしてセンターポーンを伸ばしておけば、スペースも得られて黒は満足なポジションでした。
13. e4! Re8?
さらにおかしな手が続きます。Bc1-Bg5 やNc3-d5 を気にしてe7 を守ったつもりでしたが、真に警戒すべきはcファイルからの攻撃でした。13... b5! 14. Bd5 Bb7 15. Bxb7 Qxb7 16. e5 (この手を気にしすぎましたが、実際はさほど怖くありません。) 16... Nd5 17. Nxd5 Qxd5 18. f4 Rfd8=
14. Be3+/- b5 15. Bd5 Bb7 16. Rac1
ここにきてようやく自分の間違いに気付きました。Nc3-Nd5-Nc7 からのナイトフォークがあり、e8 にルークを回したことが完全にミスになっています。
16... Nxd5 17. Nxd5 Qe5 18. Bf4
正直ここでリザインすることも考えました。もちろん白はすぐにエクスチェンジを取りにいってもOKです。18. Nc7 Qxe4 19. f3 Qe5 20. Nxa8 Bxa8 21. Nxb5 axb5 22. Rxd7 Qe6 23. Rd2+-
18... Qh5 19. Nf3?
Szeberenyi は一昨日、Nguyen Huynh Minh 相手に、純粋なエクスチェンジアップを勝てず、大変悔しい思いをしました。それが影響したのか、ここでもエクスチェンジ以上を狙ってきます。しかしここは疑うまでもなく、エクスチェンジを取って勝勢です。(Nguyen Huynh Minh Good Job!)19. Qxh5 gxh5 20. Nc7 Bxe4 (d7 のナイトが浮いているため、e7-e5 がポーンフォークにならないのが、黒としては悲しいところ。ひょっとするとSzeberenyi はそれを見落としていたのかも。) 21. Nxa8 Rxa8 22. Nc6 Bxc6 23. Rxc6+-
19... Rac8 20. Qf1?
さらに彼の不調が分かる手です。g2-g4 からクイーントラップを狙いますが、黒には十分に対処する余裕があります。代わりにcファイルを取る単純なプランで、白勝勢でした。20. Rxc8! Bxc8 21. Qc2+- (狙いは22.Nxe7+ で、黒にはこれを防ぐうまい方法がありません。)
20... Rxc1 21. Rxc1 f5
21... g5! 22. Nxg5 h6 23. Nf3 Bxd5 24. exd5 Qxd5= のほうが安全です。
22. Ne3 Nf6 1/2-1/2
受けてくれてもOK、時間を使って考えたうえ、勝負に来てくれてもOK だと思い、ここでドローオファー。相手は4分を切るまで考え、握手してきました。ここで1/2 ポイント取れたのは、純粋にラッキーだと思います。ちなみに最後のポジションの形勢がどうなのか、皆さんで考えてみてください。かなり難しいと思います。
8R は現在グループのリーダーである、ベトナムのIM Nguyen Huynh Minh と試合です。強敵相手に負けられない試合が続きますが、あと3戦集中して、なんとかトーナメントを乗り切れるよう頑張ります!
2 件のコメント:
お疲れ様です。 slavの棋譜を探してオリンピアード2012のPGNファイルをのぞいていたら 11th roundの中でNana Dzagnidze という女性GMの棋譜を発見。この方3年前に例のMaxime Vachier-Lagrave氏に勝ってるんですねぇ。10th roundのファイル見たらGM Hikaru Nakamuraも指してました。こんな戦法怖ぁい
Nana Dzagnidze はグルジアでもトップクラスの実力を持つ女子プレーヤーで、世界でも貴重な女性のGM (WGM という意味ではなく) ですね。2700 クラスに勝つのは珍しいにしても、決しておかしなことではありません。
コメントを投稿