前半の最終戦は、ハンガリーのベテランIM Lengyel Bela との対戦です。10試合で4つ勝ち越しがIM ノームの基準である今回、ここで勝って2つ勝ち越しにできるか、それとも1つ勝ち越しのままで前半を終えるかは、後半の戦いに大きな影響を与えます。
Lengyel, B (IM, HUN, 2252) - Kojima, S (FM, JPN, 2307)
First Saturday IM October (5)
1. e4 c6 2. d4 d5 3. Nc3 dxe4 4. Nxe4 Bf5 5. Ng3 Bg6 6. h4 h6 7. Nf3 Nd7 8. h5 Bh7 9. Bd3 Bxd3 10. Qxd3 e6 11. Bd2 Ngf6 12. O-O-O Be7 13. Ne4 O-O!?
First Saturday IM October (5)
13... Nxe4 14. Qxe4 Nf6 15. Qe2 Qd5 16. c4 Qe4 と指すのがメインラインですが、クイーンを盤上に残す指し方のほうが好みであるため、サブのラインをチョイスします。
14. Kb1 c5 15. c4 Qb6!?
私の好きなクイーンの位置です!b2 とd4 にプレッシャーをかけており、白がKb1 と指した後は、特に効果的だと考えています。
16. Bc3 Rad8 17. d5?!
この悪手を誘う直前の手でした。(この手が働かないことを読み切ったうえでの16...Rad8 です)白のセンターポーンは武器にはならず、単純なターゲットとなります。
17... exd5 18. cxd5 Nxe4 19. Qxe4 Bf6!
白の最も強力なピースである、黒マスビショップを交換しにいきます!
20. Bxf6 Nxf6 21. Qc4 Rfe8!-/+
黒はシンプルにオープンファイルを得ました。加えてお互いにピース交換が進めば、白のキングサイドアタックはほぼなくなり、h5、d5 が負担となる白が苦しい展開です。(かと言って、単純にg4-g5 ばかりを狙ってもうまくいかないのが、このCaro-Kann Classical の難しいところです。)
22. Rd2
22. Rhe1 Rxe1 23. Nxe1 Nxh5-/+
22... Re4! 23. Qc2 Rxd5?!
d5 のポーンはブロックしているとは言え、油断していると白の武器になる可能性があると考え、ここで早めに取りましたが、コンピュータはこの手をお気に召さない様子。確かに白の25手目を見落としており、もう少しゆっくり指すべきだったと直後に感じました。23... c4! 24. Rhd1 Qc5 25. d6 b5-/+
24. Rxd5 Nxd5 25. Rc1!
c3 でのナイトフォークがあるため、ルークを取ることはできませんが、代わりにこの強力な手がありました。c3 を守ることでルーク取りをスレットにしつつ、c5 のポーンもアタックしています。ここで20分以上を費やし、自信はないものの勝負にいく手を指します!
25... Rb4!? 26. Ne5 Qb5 27. Nd3?
これこそ期待していた悪手です。c5 をナイトでアタックすることにこだわらず、ポーンを進めておけば白はイコールに持ち込めます。27. a3! Rh4 28. Qxc5 Qxc5 29. Rxc5 Nf6 30. Rc8+ Kh7 31. Nxf7 Rxh5=
27... Re4!
c5 を取り返せてもe2 へのルークの侵入を許しては、白は再び苦しい展開となります!やはりルークはセンターで使うべきピースですね。
28. f3?
あっさり試合の終わるブランダー。Lengyel は非常に経験のあるプレーヤーですが、劣勢のポジションでの粘りが、どうもうまくありません。28. Nxc5 Re2 29. a4 Rxc2 30. axb5 Rxf2 31. Nxb7=/+
28... Re3! 29. Nxc5 Nc3+! 30. Ka1 Qxc5 31. bxc3 Qxh5 0-1
少しリザインが早い気もしますが、確かに白としては続ける気にならないのも理解できます。なにはともあれ、これで2つ勝ち越しになり、前半戦を終えました。IM ノームを真剣に考えるのは、あと3試合を終えた辺りからでも良いでしょう。勝って兜の緒を締め、今日からの後半戦も頑張ります!
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