Third Saturday の3戦目は、インドのAudi Ameya との対戦です。今月前半、ブダペストではひどいミスであっという間に負けてしまったので、私のとってはその雪辱を晴らす大事な試合です。
King's Indian を予想していましたが、外されました。先月のNikcevic戦を調べられていると思い、9. Qa4 から9. Na3 へと手を変えます。9... Bxa3 10. bxa3 Nxc4 11. 0-0 Qc5! 12. Na4 Qb5 13. Nc3 ならばドローで我慢するしかありませんが、Audi はデータベースにない手を選びました。
黒はキャスリングを半ばあきらめても、h5-h5-h4 からアクションを起こします。これに対しては一度止めておくのが自然かと思いましたが、11. Be3 h4 12. f4 h3 13. Bxb7 Rb8 14. Bb6 Rxb7 15. Bxa5 Rxb3 16. axb3 Neg4 17. Bb6 Bb7 18. O-O-O+/= という変化もあったようです。並べてみると分かりますが、コンピュータでなければできない判断がかなり入っています。
このポーンを突かせる意味がこの時点は分かりませんでしたが、次の相手の手を見て理解できました。ビショップを浮かさない手もありですが、13. O-O-O hxg3 14. Bxg3 d6 と進む展開は、黒は十分指せそうです。
自らナイトをピンにするのは不自然にも見えますが、白キングがe1 のままでも、どちらにキャスリングしても、Ne5-Nd3 or Ne5-Nf3 がチェックとなるため、ナイトビショップの交換を黒は狙うことができます。これに対してどうするか、白は悩む局面でしょう。
私の判断はナイトビショップ交換を許しても、ピースの展開のリードで白は優位に試合を進められるというものです。しかし、ここでもコンピュータは信じられない手を提案してきました。15. Nab5! axb5 16. Nxb5 Qa5+ このチェックがあるため、ナイト1つを捨てて跳び込むのは無謀に思えます。17. Kf1! Bc7 18. Qe3 Nxc4 (18... d6 19. b4! Nxc4 20. bxa5 Nxe3+ 21. fxe3+/-) 19. Nxc7+ Qxc7 20. Bxc7 Nxe3+ 21. fxe3+/- これをきっちり読み切って指すのはかなり難易度が高そうです。
17. Kb1 も考えましたが、まずはf4 のマスを抑えつつ、f2-f4 などでビショップ閉じ込めの狙いを見せておきます。
f2-f4 をがっちり抑える手ですが、代わりにg5 のポーン自体がターゲットになりうること、f6 のナイトが浮くことがマイナスを影響を与えそうです。
キャスリングを妨害しつつ、d6 のマスに利きを持たせるのは自然に思えました。これで次にNa3-Nb5 が狙いとなります。しかし、このクイーンの手無しでもナイトが跳びこめると再びコンピュータは指摘します。18. Nab5!! axb5 19. Nxb5 Qe5 20. Qb4 d5 21. cxd5 Nxd5 22. Bxd5 exd5 23. f4! Bxf4 24 exf4 Qxf4+ 25. Qxf4 gxf4 26. Nc7+ Kf8 27. Nxd5+/- クイーンをe5 に追いやれば、h2 のビショップの行き場がなくなるのは分かっていましたが、f2-f4 の際にクイーンに当たるテンポがあることを読み落としていました。
ここでは19. Nab5? axb5 20. Nxb5 Qd8 21. Qc5 d5! でディフェンスされてしまい、ナイトの跳び込みは失敗します。試合中は気付いていなかった何度かのNa3-Nb5 のチャンスを逃し、これを諦めて別のポイントで勝負します。
Audi は試合後に、これで黒は勝ちのはずだと主張しましたが、キングがセンターに取り残され、ルークの連携ができていない以上、そんな単純ではないでしょう。私はf2, h3 のポーンを諦めて何かできるアイディアを探します。
23... Qxh3? 24. f4! Bc7 (24... Bxd4 25. Qd6! Rd8 26. Qxd4 Ke7 27. Qd6+ Ke8 28. Qe5 Ke7 29. fxg5 Nh7 30. Nd5++-) 25. fxg5 Nxg4 26. Nxe6! dxe6 27. Rd7 Bd8 28. Qd6+- これはメイトになるため、取るなら本譜のようにf2 しかありえません。
ここは悩んだ挙句、一度ルークを退いてb2 を守っておくことにしました。しかし、この手はナイト跳び込みの後でも可能で、そちらのほうが正確な手順でした。24. Nd5! Nxd5 (24... exd5 25. R3d2! この手を入れなければ、Nd4-Nf5 の際にb2 を取られてクイーン強制交換になってしまいます。25... Qxe3 26. Re2 Qf4 27. Qd6 Ne4 28. Qxd5!+-) 25. cxd5 Rc8 26. dxe6 fxe6 27. Qb3 Qf6 これで形勢判断は難しいですが、白は面白いポジションになっていると思います。
24... Qxe3 25. Re2 Qf4 26. Nf5 d6! (26... exf5 27. Qd6 Ne4 28. Qxd7+ Kf8 29. Nd5 Qf3 30. Qe7+ Kg8 31. Qxe5 Qxe2 32. Nf6+ Kf8 33. Nd7+=) 27. Nxd6+ Bxd6 28. Qxd6 Qxd6 29. Rxd6 Ke7-/+ e3 のポーンは取らせてeファイルからのカウンターが面白いと思っていましたが、受け切られて不十分でした。これが24. R3d2 が不正確だった理由です。
白はポーンを捨てているため、ここで思い切って攻めなければ仕方ありません。Nc3-Nd5, Nd4-Nf5 の2つのナイト跳び込みが私の切り札でした。
25... exf5? 26. Nf5! はクイーン取りとe7 のメイトがダブルスレットになるため、白の勝ちです。そのため、ナイト交換は自然に見えますが、これで白が完全に息を吹き返しました。代わりに25... Ng8!! 26. Nxb6 Nf6!-/+ ならば、まだ黒が優勢です。しかし、e7 を守っていると分かっていても、ナイトが初期位置に戻る(しかもh8 のルークが取り残される形で) 手はとても指しづらいと思います。
27... dxe6? 28. Nc6+-, 27... Qe4+? 28. Nc2! Qxb4 29. exd7++- のどちらも白勝ちですので、黒は本譜のように進めるしかありません。これで黒キング前のポーンを剥がしつつ、d,e,fの3つのファイルを開きました。ルークの連携とキングのポジションが良い白は、2ポーンダウンでもこの好条件なら戦えます。
b1-h7 のダイアゴナルを閉じてチェックを防ぎつつ、クイーンをアタックするテンポを得て、さらにはdファイルを開いてd7 を攻撃します。
28... Qc5 29. Qe4! d6 30. Rxd6! Bxd6 31. Qxe6+ Kf8 32. Qf6+ Kg8 33. Qg6+ Kf8 34 b4 Qc7 35. Rxd6 Rh7 36. Nd4 Re8 37. Ne6+ Rxe6 38. Rxe6 Re7 39. Rf6+ Rf7 40. Qh6+ Kg8 41. Qxg5+ Rg7 42. Qd5+ Rf7 (42... Kh7 43. Rh6+ Kxh6 44. Qh5#) 43. Qxf7+ Qxf7 44. Rxf7 Kxf7 45. Kc2+- 駒得になったならば、ピースを全て消してポーンエンディングにすれば白勝ちです。全て読み切ってはいませんでしたが、30. Rxd6! が成立するであろうことは予想していました。
ここも時間のない中、クイーンをどこに置くか悩みました。3つのヘビーピースがdファイルに並ぶ形は強力で、g5 取りも地味ながら黒にとっては嫌な形です。31. Qb3 や31. Qe1 も良い手でした。
この手では黒は厳しいとすぐにわかりました。31... Bf4 32. Qe1 Re7 33. Nd4 Qb7 34. Qc3 Rc8 35. Nc6! Qxc6 36. Rd8+ Kf7 37. Rxc8+/- はエクスチェンジアップで白優勢ですが、これを試合中読めるか自信はありません。それでも、e6 をターゲットになにかしらのチャンスを作れていのではないかと思います。
ナイトがかわしつつ、a6 のフォークの狙いを作れば黒はクイーンを動かせるマスが限られ、白勝勢です。
試合中少し考えましたが、とにかく時間が無かったのでわかりやすい本譜を選びました。時間があれば、37. Re3+ Re7 38. Qg6+ Qf7 39. Rxe7 Kxe7 40. Qd6+ Ke8 41. Re1+ Qe7 42. Qxe7# のメイトはもちろん見えます。
こうして難解なシーソーゲームをなんとかものにし、今大会2勝目を挙げました。ポイントの取り方こそ違いますが、2/3 という戦績は好調だった先月のThird Saturday のスタートと同じです。
11/17 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Akshat, K (IM, IND, 2399) 1-0
11/18 14:30 Srinath, R (FM, IND, 2357) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/19 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Audi, A (FM, IND, 2347) 1-0
11/20 14:30 Nikolic, N (MNE, 2326) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/21 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Pikula, D (GM, SRB, 2485)
11/22 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nikcevic, N (GM, MNE, 2429)
11/23 14:30 Drasko, M (GM, MNE, 2434) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/24 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Der Manuelian, H (USA, 2271)
11/25 09:30 Plenkovic, Z (IM, SRB, 2398) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
Third Saturday GM November 2018
+3 Pikula
+2 Nikcevic, Srinath
+1 Kojima
+-0 Drasko, Plenkovic
-1 Audi
-2 Akshat, Der Manuelian
-3 Nikolic
名前は聞いたことがありましたが、GM Pikula は強いですね。無傷の3連勝でトーナメントをリードしています。2勝同士の対戦、Nikcevic とSrinath はドローになり、+3 から-3 まで綺麗にグループ分けされました。今日は3連敗中のNikolic が相手ですので、なんとかここも勝ちたいですね。
Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Audi, A (FM, IND, 2347)
Third Saturday GM November 2018 (3)
1. Nf3 Nf6 2. c4 c5 3. Nc3 Nc6 4. d4 cxd4 5. Nxd4 e6 6. g3 Qb6 7. Ndb5 Ne5 8. Bg2 a6 9. Na3!? Qa5!?N
Third Saturday GM November 2018 (3)
King's Indian を予想していましたが、外されました。先月のNikcevic戦を調べられていると思い、9. Qa4 から9. Na3 へと手を変えます。9... Bxa3 10. bxa3 Nxc4 11. 0-0 Qc5! 12. Na4 Qb5 13. Nc3 ならばドローで我慢するしかありませんが、Audi はデータベースにない手を選びました。
10. Qb3 h5 11. h3
黒はキャスリングを半ばあきらめても、h5-h5-h4 からアクションを起こします。これに対しては一度止めておくのが自然かと思いましたが、11. Be3 h4 12. f4 h3 13. Bxb7 Rb8 14. Bb6 Rxb7 15. Bxa5 Rxb3 16. axb3 Neg4 17. Bb6 Bb7 18. O-O-O+/= という変化もあったようです。並べてみると分かりますが、コンピュータでなければできない判断がかなり入っています。
11... Rb8 12. Bf4 h4 13. g4
このポーンを突かせる意味がこの時点は分かりませんでしたが、次の相手の手を見て理解できました。ビショップを浮かさない手もありですが、13. O-O-O hxg3 14. Bxg3 d6 と進む展開は、黒は十分指せそうです。
13... Qc7
自らナイトをピンにするのは不自然にも見えますが、白キングがe1 のままでも、どちらにキャスリングしても、Ne5-Nd3 or Ne5-Nf3 がチェックとなるため、ナイトビショップの交換を黒は狙うことができます。これに対してどうするか、白は悩む局面でしょう。
14. Bh2 Bd6 15. O-O-O
私の判断はナイトビショップ交換を許しても、ピースの展開のリードで白は優位に試合を進められるというものです。しかし、ここでもコンピュータは信じられない手を提案してきました。15. Nab5! axb5 16. Nxb5 Qa5+ このチェックがあるため、ナイト1つを捨てて跳び込むのは無謀に思えます。17. Kf1! Bc7 18. Qe3 Nxc4 (18... d6 19. b4! Nxc4 20. bxa5 Nxe3+ 21. fxe3+/-) 19. Nxc7+ Qxc7 20. Bxc7 Nxe3+ 21. fxe3+/- これをきっちり読み切って指すのはかなり難易度が高そうです。
15... Nd3+ 16. Rxd3 Bxh2 17. e3
17. Kb1 も考えましたが、まずはf4 のマスを抑えつつ、f2-f4 などでビショップ閉じ込めの狙いを見せておきます。
17... g5
f2-f4 をがっちり抑える手ですが、代わりにg5 のポーン自体がターゲットになりうること、f6 のナイトが浮くことがマイナスを影響を与えそうです。
18. Qb4?!
キャスリングを妨害しつつ、d6 のマスに利きを持たせるのは自然に思えました。これで次にNa3-Nb5 が狙いとなります。しかし、このクイーンの手無しでもナイトが跳びこめると再びコンピュータは指摘します。18. Nab5!! axb5 19. Nxb5 Qe5 20. Qb4 d5 21. cxd5 Nxd5 22. Bxd5 exd5 23. f4! Bxf4 24 exf4 Qxf4+ 25. Qxf4 gxf4 26. Nc7+ Kf8 27. Nxd5+/- クイーンをe5 に追いやれば、h2 のビショップの行き場がなくなるのは分かっていましたが、f2-f4 の際にクイーンに当たるテンポがあることを読み落としていました。
18... Be5 19. Rhd1
ここでは19. Nab5? axb5 20. Nxb5 Qd8 21. Qc5 d5! でディフェンスされてしまい、ナイトの跳び込みは失敗します。試合中は気付いていなかった何度かのNa3-Nb5 のチャンスを逃し、これを諦めて別のポイントで勝負します。
19... b6 20. Kb1 Bb7 21. Bxb7 Qxb7 22. Nc2 Qf3
Audi は試合後に、これで黒は勝ちのはずだと主張しましたが、キングがセンターに取り残され、ルークの連携ができていない以上、そんな単純ではないでしょう。私はf2, h3 のポーンを諦めて何かできるアイディアを探します。
23. Nd4! Qxf2
23... Qxh3? 24. f4! Bc7 (24... Bxd4 25. Qd6! Rd8 26. Qxd4 Ke7 27. Qd6+ Ke8 28. Qe5 Ke7 29. fxg5 Nh7 30. Nd5++-) 25. fxg5 Nxg4 26. Nxe6! dxe6 27. Rd7 Bd8 28. Qd6+- これはメイトになるため、取るなら本譜のようにf2 しかありえません。
24. R3d2?
ここは悩んだ挙句、一度ルークを退いてb2 を守っておくことにしました。しかし、この手はナイト跳び込みの後でも可能で、そちらのほうが正確な手順でした。24. Nd5! Nxd5 (24... exd5 25. R3d2! この手を入れなければ、Nd4-Nf5 の際にb2 を取られてクイーン強制交換になってしまいます。25... Qxe3 26. Re2 Qf4 27. Qd6 Ne4 28. Qxd5!+-) 25. cxd5 Rc8 26. dxe6 fxe6 27. Qb3 Qf6 これで形勢判断は難しいですが、白は面白いポジションになっていると思います。
24... Qg3
24... Qxe3 25. Re2 Qf4 26. Nf5 d6! (26... exf5 27. Qd6 Ne4 28. Qxd7+ Kf8 29. Nd5 Qf3 30. Qe7+ Kg8 31. Qxe5 Qxe2 32. Nf6+ Kf8 33. Nd7+=) 27. Nxd6+ Bxd6 28. Qxd6 Qxd6 29. Rxd6 Ke7-/+ e3 のポーンは取らせてeファイルからのカウンターが面白いと思っていましたが、受け切られて不十分でした。これが24. R3d2 が不正確だった理由です。
25. Nd5!
白はポーンを捨てているため、ここで思い切って攻めなければ仕方ありません。Nc3-Nd5, Nd4-Nf5 の2つのナイト跳び込みが私の切り札でした。
25... Nxd5?
25... exf5? 26. Nf5! はクイーン取りとe7 のメイトがダブルスレットになるため、白の勝ちです。そのため、ナイト交換は自然に見えますが、これで白が完全に息を吹き返しました。代わりに25... Ng8!! 26. Nxb6 Nf6!-/+ ならば、まだ黒が優勢です。しかし、e7 を守っていると分かっていても、ナイトが初期位置に戻る(しかもh8 のルークが取り残される形で) 手はとても指しづらいと思います。
26. cxd5 Qxe3 27. dxe6 fxe6
27... dxe6? 28. Nc6+-, 27... Qe4+? 28. Nc2! Qxb4 29. exd7++- のどちらも白勝ちですので、黒は本譜のように進めるしかありません。これで黒キング前のポーンを剥がしつつ、d,e,fの3つのファイルを開きました。ルークの連携とキングのポジションが良い白は、2ポーンダウンでもこの好条件なら戦えます。
28. Nc2!
b1-h7 のダイアゴナルを閉じてチェックを防ぎつつ、クイーンをアタックするテンポを得て、さらにはdファイルを開いてd7 を攻撃します。
28... Qf3
28... Qc5 29. Qe4! d6 30. Rxd6! Bxd6 31. Qxe6+ Kf8 32. Qf6+ Kg8 33. Qg6+ Kf8 34 b4 Qc7 35. Rxd6 Rh7 36. Nd4 Re8 37. Ne6+ Rxe6 38. Rxe6 Re7 39. Rf6+ Rf7 40. Qh6+ Kg8 41. Qxg5+ Rg7 42. Qd5+ Rf7 (42... Kh7 43. Rh6+ Kxh6 44. Qh5#) 43. Qxf7+ Qxf7 44. Rxf7 Kxf7 45. Kc2+- 駒得になったならば、ピースを全て消してポーンエンディングにすれば白勝ちです。全て読み切ってはいませんでしたが、30. Rxd6! が成立するであろうことは予想していました。
29. Rxd7 Rh7 30. R7d3 Qc6 31. Qd2
ここも時間のない中、クイーンをどこに置くか悩みました。3つのヘビーピースがdファイルに並ぶ形は強力で、g5 取りも地味ながら黒にとっては嫌な形です。31. Qb3 や31. Qe1 も良い手でした。
31... Rc7?
この手では黒は厳しいとすぐにわかりました。31... Bf4 32. Qe1 Re7 33. Nd4 Qb7 34. Qc3 Rc8 35. Nc6! Qxc6 36. Rd8+ Kf7 37. Rxc8+/- はエクスチェンジアップで白優勢ですが、これを試合中読めるか自信はありません。それでも、e6 をターゲットになにかしらのチャンスを作れていのではないかと思います。
32. Nb4!+-
ナイトがかわしつつ、a6 のフォークの狙いを作れば黒はクイーンを動かせるマスが限られ、白勝勢です。
32... Qb5 33. Qxg5 Qxb4 34. Qxe5 Rbc8 35. Qxe6+ Qe7 36. Qg8+ Qf8 37. Rd8+
試合中少し考えましたが、とにかく時間が無かったのでわかりやすい本譜を選びました。時間があれば、37. Re3+ Re7 38. Qg6+ Qf7 39. Rxe7 Kxe7 40. Qd6+ Ke8 41. Re1+ Qe7 42. Qxe7# のメイトはもちろん見えます。
37... Rxd8 38. Rxd8+ Kxd8 39. Qxf8+ 1-0
こうして難解なシーソーゲームをなんとかものにし、今大会2勝目を挙げました。ポイントの取り方こそ違いますが、2/3 という戦績は好調だった先月のThird Saturday のスタートと同じです。
11/17 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Akshat, K (IM, IND, 2399) 1-0
11/18 14:30 Srinath, R (FM, IND, 2357) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/19 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Audi, A (FM, IND, 2347) 1-0
11/20 14:30 Nikolic, N (MNE, 2326) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/21 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Pikula, D (GM, SRB, 2485)
11/22 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nikcevic, N (GM, MNE, 2429)
11/23 14:30 Drasko, M (GM, MNE, 2434) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/24 14:30 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Der Manuelian, H (USA, 2271)
11/25 09:30 Plenkovic, Z (IM, SRB, 2398) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
Third Saturday GM November 2018
+3 Pikula
+2 Nikcevic, Srinath
+1 Kojima
+-0 Drasko, Plenkovic
-1 Audi
-2 Akshat, Der Manuelian
-3 Nikolic
名前は聞いたことがありましたが、GM Pikula は強いですね。無傷の3連勝でトーナメントをリードしています。2勝同士の対戦、Nikcevic とSrinath はドローになり、+3 から-3 まで綺麗にグループ分けされました。今日は3連敗中のNikolic が相手ですので、なんとかここも勝ちたいですね。
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