この日は相手の都合で15時から試合スタートと告げられたため、先に始まったゲームを見学していました。今月のFirst Saturday も各クラス盛況で、インド、ベトナム、中国などアジア圏からもプレーヤーが集まっています。
Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath, R (FM, IND, 2357)
First Saturday GM November 2018 (3)
1. Nf3 Nf6 2. c4 g6 3. d4 Bg7 4. g3 O-O 5. Bg2 d6 6. O-O Nbd7 7. Nc3 e5 8. e4 exd4 9. Nxd4 Re8 10. h3 a6 11. Be3 Rb8 12. b3 Nc5
First Saturday GM November 2018 (3)
a6, Rb8 を挟むGallagher Variation も、12... b5?! 13. Qxd6! b4 14. Na4 Nxe4 15. Bxe4 は白が良くなるという研究が出て以来、こちらがメインになりつつあります。試合前にこの変化をチェックして、満足なプランを見つけてきました。
13. Qc2 Bd7 14. b4 Ne6 15. Nb3
私はこうしてナイトを退くことはこれまであまりありませんでしたが、Averukh の研究でこれが良いことを学びました。白がじっくりと組めば、黒のピースはパッシヴで恐れるような狙いを持ちません。
15... h6 16. Rad1 Ng5 17. g4 Qe7 18. Rfe1 Bc6 19. Nd2
e4 をしっかりと守ってから、f2-f4 でのナイトの追い返しと、Nc3-Nd5 の適切なタイミングを見計らいます。
19... b5 20. f4 Ngh7 21. c5 Nd7 22. Nb3
ナイトはc5 を守りよりも、Nb3-Nd4 もしくはNb3-Na5 からc6 のビショップ、さらには弱められたc6 のマスを目指すことを目的としています。
22.... Qf6 23. Nd4 Ba8 24. Nd5
コンピュータはこの手の評価も良かったのですが、試合後にc5-c6 を突かれていたら負けだったと対戦相手には指摘されました。24. c6 Nb6 25. Nd5 Nxd5 26. exd5+/- と進めば、a8 のビショップは完全にゲームから外れることになります。確かにこれは、人間の感覚では白が勝ちと言えるでしょう。この変化も読んでおきながら、c6 のマスをナイトのために空けておいたほうが良いのではないかと試合中は考えてしまいました。
24... Bxd5 25. exd5 Rbc8 26. Nc6 Qc3 27. Qf2
私のイメージしたポジションになりました。c6 に刺さったナイトはa7, e7 に跳び込むチャンスを伺い、黒にプレッシャーをかけます。
27... dxc5 28. bxc5 Bf8 29. Kh2
ここは少し迷いましたが、a7-g1 のダイアゴナルを外して、Re8-Rxe3 をかわしておくことにしました。ただし本譜の手順を完全に避けるのであれば、29. Bd4! Qa3 30. f5 g5 31. f6!+- とするのが良かったかもしれません。f4-f5 までは読んでいながら、f6 にポーンを刺せば黒は何もできなくことを見落としていました。
29... Rxe3 30. Qxe3 Qxe3 31. Rxe3 Bxc5 32. Re7
黒は生き延びるためにエクスチェンジを捨ててきます。これは十分勝ちのチャンスがあると思いましたが、じわじわと時間は減っていき、正確な手を見つけるのは難しくなります。本譜のルーク跳び込みは面白い手ですが、32. Ne7+ Kf8 33. Nxc8 Bxe3 34. Kg3 g5 35. fxg5 hxg5 36. d6 も安全に指せそうです。
32... Nb6 33. d6! cxd6 34. Rb7
私のアイディアはもう1つポーンを渡してもルークを7段目に残すと同時に、白マスビショップをアクティブにしてf7 を狙うことです。
34... Re8 35. Ne7+
35. f5 gxf5 36. Ne7+ Kf8 37. Nxf5+/- 一度諦めたf4-f5 のアイディアはここでも有効でした。
35... Kg7 36. Bc6 Rf8 37. Nd5 Nxd5 38. Bxd5 Nf6 39. Bb3 Be3 40. Kg3 g5
ここで時間が増え、さぁどうやってf7 に2つ目のルークをぶつけるかという段階に入ります。もちろんf7 だけでなく、a6, b5 もタイミングを見て取りにいきたいところです。
41. f5 h5 42. Kf3 Bf4 43. Rd3 hxg4+ 44. hxg4 Be5 45. Ra7
a6 のポーンはどこかでは必ず取れます。しかし、ここを取ることでf7 から外れ、相手のルークに反撃のチャンスを与えることには十分気を付けなくてはいけません。
45... Ng8 46. Rxa6 Rc8 47. Ra7 Nh6 48. Rb7 Rc5 49. Ke4 Rc1
このルークの跳び込みを読んでおらず、この局面で時間を使いすぎました。g4 のポーンをルークで取られるのは厄介なので、その対処法を考えます。
50. Rd1 Rc3 51. Rg1! Rc5 52. Rg2 Rc3 53. Rc2?
一度g4 をルークで守り、タイミングを見計らってcファイルでぶつけてルーク交換をする。そしてb5 を取ってaポーンを進めるという作戦は概ねOKです。しかし、本譜にはひどい読み抜けがあり、ルークをぶつけるタイミングはひどかったです。試合中に読んでいたもう1つの変化である、53. Rxb5! Ng8 54. Rxe5 dxe5 55. Kxe5 Nf6 56. Kd4 Rf3 57. Kc5+/- におとなしくして、 エクスチェンジを返してもaポーンで勝ちにいくべきでした。この変化はきちんと見つけていながらも、別のだめな変化を正解だと勘違いしたのは、この試合で最も大きな反省です。
53... Rg3 54. Rcc7
私のひどい勘違いが何だったかというと、先にf7 を取れると思ったことです。54. Bxf7?? Nxf7 55. Rcc7? d5+-+ この時に、ナイトがビショップを守っていることを完全に失念していました。
54... Rxg4+ 55. Kd3 Rd4+ 56. Ke2 Re4+ 1/2-1/2
これでは白は勝てません。相手はd-eファイルでのチャックを続けるつもりでドローオファーをしてきたので、これを受けて試合を終わらせました。完全に自分のペースで試合を作れていただけに、こうしたミスでドローに逃げ込まれてしまうとは残念です。
11/03 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Todorovic, M (GM, SRB, 2435) 0-1
11/04 Kotronias, V (GM, GRE, 2469) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/05 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath Rao, S.V (FM, IND, 2357) 1/2-1/2
11/06 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309)
11/07 Audi, A (FM, IND, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/08 Rest Day
11/09 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2343)
11/10 Ghannoum, M (FM, CAN, 2280) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/11 Rest Day
11/12 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Balint, V (HUN, 2299)
11/13 Aczel, G (GM, HUN, 2549) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
First Saturday GM November 2018
+2 Aczel
+1 Todorovic, Kotronias, Ghannoum
+-0 Srinath, Nguyen
-1 Audi, Krstulovic, Balint
-2 Kojima
ポジティブに考えれば、昨日で連敗は止まりました。モンテネグロと何が違うのか探りながら、今日も初勝利を目指します。
昨晩は久々のタイ料理。早く初勝利のお祝いディナーを迎えたいですね。
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