First Saturday 4R の相手は今大会最年少、ハンガリーの15歳の少年、Krstulovic です。私と同じでここまで勝ちはありませんが、白番ではGM から2つドローを取っています。近い将来、IM タイトルまでは確実に取るのではないかと思います。
Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309)
First Saturday GM November 2018 (4)
1. Nf3 d5 2. d4 Nf6 3. c4 c6 4. Nc3 dxc4 5. a4 Bf5 6. Ne5 Nbd7 7. Nxc4 Qc7 8. g3 e5 9. dxe5 Nxe5 10. Bf4 Nfd7 11. Bg2 f6
First Saturday GM November 2018 (4)
現代では11... g5 に比べて少なくなりましたが、Capablanca の時代にはれっきとしたメインラインでした。前日からあらゆるラインを復習し、これまでいかに自分がこの変化を理解していなかったかを思い知りました。
12. O-O Nc5
彼の別のゲームを見て、12... g5!? 13. Nxe5 gxf4 14. Nxd7 Qxd7 15. Qc1 Bd6 16. a5 a6 17. Ra4! と変化を準備していました。
13. Ne3 Bg6 14. b4 Rd8!?
dファイルを取るのは自然に見えますが、白には返し技があります。クイーンの行く良いマスがないので、当然といえば当然ですが。
15. Ncd5 cxd5 16. bxc5 Bxc5 17. Nxd5
このポジションは、白がしっかりd5 のマスを抑えて多少指しやすいのではないかと思います。しかし、この後の進め方は慎重に考えなくてはいけません。
17... Qf7 18. Qb3 O-O 19. Rad1 Kh8 20. Rd2
私が選んだプランは、f2 を気にしつつもdファイルにルークを並べるというものです。c,d 2つのファイルを抑える作戦もありそうですが、d5 のナイトがいつかどいた際に、dファイルをコントロールしていることが武器になると信じました。
20... Bf5 21. Rfd1 Be6 22. h3 Rfe8 23. a5!
a2-g8 のダイアゴナルをいつか外したいクイーンは、どこかでb5 辺りにずれ、黒のb7-b6 を見てa4-a5 と仕掛けることを最初に考えていました。しかし、この直前くらいで早めに白からa5 までポーンを伸ばして黒の出方を窺っても良いことに気付きます。
23... Ng6
ここは判断の難しいところですが、黒からピースを捌こうという提案です。23... b6 として早めにビショップを守る選択肢も考えられ、その場合、ポーンを捌いてこちらの孤立ポーンを消す安全策か、a5-a6 と押し込んでa7 を固定するか、白はどちらも作戦があると思います。
24. Qb5 Nxf4 25. Nxf4 Rxd2 26. Rxd2 b6 27. Qc6!?
勝ちにいくために、多少リスクのあるプレーをすることを決断しました。コンピュータは27. Nxe6 Qxe6 28. a6 でdファイルのコントロール、a7 の固定したポーンで白優勢と判断しますが、果たして異色ビショップで白がそこまでチャンスを作れるでしょうか? これが疑問で、相手のダブルビショップを残したままでも、本譜のように進めることにしました。
27... g6 28. a6 Bc8 29. Bd5 Qe7 30. Bf3 Rd8??
互いに時間の少ない中、大きなミスをしたのは相手でした。a6 がターゲットになる危険を冒してでも、勝負にいった甲斐があるというものです! dファイルを取りかえすのではなく、30... Rf8 からf6 を守る手であれば、形勢不明で戦えるでしょう。
31. Rxd8+ Qxd8 32. Qa8!+-
相手はdファイルを抑えられ続けるのを嫌ってルークを交換しましたが、バックランクとa7 が弱いためにこの手が痛手となります。これでa7 を取ってaファイルにパスポーンを作れば、後は一直線です。
32... Qf8 33. Qxa7 g5 34. Nd3 Qd6 35. Qa8 Qxg3+ 36. Bg2 Qc7 37. a7 Bd6 38. Qxc8+ 1-0
最後は38. Qf3! のほうがf6 を取れるので同じピースアップでもより良かったり、そもそもc5 のビショップを消しておくべきだったりと、時間切迫から緩手も出ましたが、相手は最後のポジションからピースダウンで粘る気力は無く、ここでゲームは終わりました。今大会、なんとかもぎ取った初勝利です!
11/03 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Todorovic, M (GM, SRB, 2435) 0-1
11/04 Kotronias, V (GM, GRE, 2469) - Kojima, S (IM, JPN, 2432) 1-0
11/05 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Srinath Rao, S.V (FM, IND, 2357) 1/2-1/2
11/06 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Krstulovic, A (FM, HUN, 2309) 1-0
11/07 Audi, A (FM, IND, 2347) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/08 Rest Day
11/09 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Nguyen, V T (CM, VIE, 2343)
11/10 Ghannoum, M (FM, CAN, 2280) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
11/11 Rest Day
11/12 Kojima, S (IM, JPN, 2432) - Balint, V (HUN, 2299)
11/13 Aczel, G (GM, HUN, 2549) - Kojima, S (IM, JPN, 2432)
First Saturday GM November 2018
+3 Aczel
+2 Todorovic, Kotronias,
+-0 Srinath, Ghannoum
-1 Kojima, Nguyen, Balint
-2 Audi, Krstulovic
これはあれですね、GM がひたすら他のプレーヤーをボコボコにするタイプのGMトーナメントですね。時々、こういうことがあります。トーナメント中盤、誰がGM以外でここから勝ち越しグループに入れるか、要注目です。
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