ちょうど前半戦の最後となる5R は、3R に白で完勝だったセルビアのIM Farkas と対戦です。是非、黒でも勝って2タテといきたいところですが、そう甘くはありませんでした。
Panov Botvinnik をメインで用意していましたが、まさかSlav Exchange でくるとは。後で聞いてみたところ、ドロー狙いだったそうです。
これまで私は公式戦では、6...Bf5 しか指したことがありませんでした。しかし、今日はアイディアを変え、黒で勝ちを狙いにいく6...a6 をチョイスします。
これが黒としては正しい決断です。対照的なポーンストラクチャーで、単純に駒交換が進めばDrawish なポジションになるため、ここでナイトビショップの交換を行います。
ここで白から仕掛けます。このポーン突きは、白マスビショップをアクティブしますが、その代わりにd4 のポーンを弱めるため、一長一短でしょう。
さて、このポジションをどう評価すれば良いでしょうか。白はダブルビショップを手放しましたが、その代わりに黒のクイーンサイドのポーンストラクチャーを乱しました。一方で黒は、c6 にポーンを置いたことでd5 のアウトポストを強化し、d4 のIQP を固定しています。もしc6、a6 をうまく守りながら、d4 へのプレッシャーをしっかりかけることができれば、満足な展開だと私は考えます。
ここは何を指すか、かなり迷いました。18...Nd7、18...Nd5、18...Qd5 など、候補手はいくつも挙げられます。私は最終的に、大人しくバックランクメイトを外す一手を選び、白の出方を伺うことにしました。
この試合では、あくまで勝負にこだわるつもりでした。Farkas は試合後、21...Nf6 22.Be5 Nd7 でドローを考えていたと教えてくれました。
ここも難しいポジションです。私はc6 を守りながら、d4 を攻撃する良い方法がないかを模索し続けました。(d4 とc6 の交換は、黒としては面白くありません。)そこで一時的にパッシヴであっても、ルークで後ろからcポーンを守り、ナイトをe7 まで手数をかけて移動するプランを考えました。
白はルークの道を空けることで、c5 への侵入を狙います。これを無視してd4 へのアタックにこだわることが、勝つための正しい道筋だと私は考えたのですが、大きな勘違いがあり、すぐに不利なポジションに陥ります。
指した直後は、c6 を捨てても7段目と8段目からカウンターを狙うこの手は、素晴らしい一手なのではないかと思いました。c6 とa2 の交換を行い、d4 に弱点が残る展開は、黒としては願ったりかなったりです。ところがこれが大きなミスで、もう少し大人しく指さなければいけませんでした。
正しくは、26... Qb4! 27. Nc3 Qb7= と指すべきでした。白にナイトを退かせているのがポイントで、これによりNa4-Nc5 からのa6 アタックが消えます。これならば、黒はクイーンを下げてc6 を守りにいっても、後でd4 へのプレッシャーをかけ直せば、まだイコールのまま試合を進めることができました。
指されてからしばらく、自分が危機的な状況に陥っていると気が付きませんでした。7段目と8段目を守ると同時に、28.Nc3 とナイトを退く手が、なんとクイーントラップになります!黒はクイーンを下げるマスが一つもないうえに、それを作るうまい方法もありません。
aポーンを捨てただけでは、やはりナイトを退くクイーントラップのスレットが消えていません。黒は泣く泣く、d4 の弱点を攻め立てるアイディアも捨てざるをえません。1ポーンダウンのうえに、ポーンストラクチャーも悪い黒は、ずるずると敗北まで一直線です。
昨日は完全に手抜きゲームだったために、今日こそはと思って試合に臨んだのですが、なかなかうまくいかないものですね。もちろん負けるのは技術が足りないからでしかないのですが・・・。1勝2敗2ドローの、1つ負け越しという戦績で前半を折り返すことになりましたが、あまり弱気にならずに後半も勝負しようと思います。
ケチケメートでの食事は、すっかりモールのGrill Station が馴染みになりました。次こそ勝って食事にしたいです。
Farkas, T (IM, SRB, 2256) - Kojima, S (FM, JPN, 2290)
CAISSA 2012 July IM (5)
1. c4 c6 2. d4 d5 3. cxd5 cxd5
CAISSA 2012 July IM (5)
Panov Botvinnik をメインで用意していましたが、まさかSlav Exchange でくるとは。後で聞いてみたところ、ドロー狙いだったそうです。
4. Nc3 Nf6 5. Nf3 Nc6 6. Bf4 a6!?
これまで私は公式戦では、6...Bf5 しか指したことがありませんでした。しかし、今日はアイディアを変え、黒で勝ちを狙いにいく6...a6 をチョイスします。
7. e3 Bg4 8. Be2 e6 9. O-O Be7 10. h3 Bxf3!
これが黒としては正しい決断です。対照的なポーンストラクチャーで、単純に駒交換が進めばDrawish なポジションになるため、ここでナイトビショップの交換を行います。
11. Bxf3 O-O 12. Rc1 Rc8 13. Na4 Nd7 14. e4!?
ここで白から仕掛けます。このポーン突きは、白マスビショップをアクティブしますが、その代わりにd4 のポーンを弱めるため、一長一短でしょう。
14... dxe4 15. Bxe4 Nf6 16. Bxc6 Rxc6 17. Rxc6 bxc6
さて、このポジションをどう評価すれば良いでしょうか。白はダブルビショップを手放しましたが、その代わりに黒のクイーンサイドのポーンストラクチャーを乱しました。一方で黒は、c6 にポーンを置いたことでd5 のアウトポストを強化し、d4 のIQP を固定しています。もしc6、a6 をうまく守りながら、d4 へのプレッシャーをしっかりかけることができれば、満足な展開だと私は考えます。
18. Be5 h6!?
ここは何を指すか、かなり迷いました。18...Nd7、18...Nd5、18...Qd5 など、候補手はいくつも挙げられます。私は最終的に、大人しくバックランクメイトを外す一手を選び、白の出方を伺うことにしました。
19. Qe2 Qa5 20. b3 Nd7 21. Bf4 Qb5
この試合では、あくまで勝負にこだわるつもりでした。Farkas は試合後、21...Nf6 22.Be5 Nd7 でドローを考えていたと教えてくれました。
22. Qc2 Bf6 23. Be3 Rc8
ここも難しいポジションです。私はc6 を守りながら、d4 を攻撃する良い方法がないかを模索し続けました。(d4 とc6 の交換は、黒としては面白くありません。)そこで一時的にパッシヴであっても、ルークで後ろからcポーンを守り、ナイトをe7 まで手数をかけて移動するプランを考えました。
24. Rc1 Nf8 25. Qe4
白はルークの道を空けることで、c5 への侵入を狙います。これを無視してd4 へのアタックにこだわることが、勝つための正しい道筋だと私は考えたのですが、大きな勘違いがあり、すぐに不利なポジションに陥ります。
25... Ng6 26. Rc5 Qe2?
指した直後は、c6 を捨てても7段目と8段目からカウンターを狙うこの手は、素晴らしい一手なのではないかと思いました。c6 とa2 の交換を行い、d4 に弱点が残る展開は、黒としては願ったりかなったりです。ところがこれが大きなミスで、もう少し大人しく指さなければいけませんでした。
正しくは、26... Qb4! 27. Nc3 Qb7= と指すべきでした。白にナイトを退かせているのがポイントで、これによりNa4-Nc5 からのa6 アタックが消えます。これならば、黒はクイーンを下げてc6 を守りにいっても、後でd4 へのプレッシャーをかけ直せば、まだイコールのまま試合を進めることができました。
27. Qb1!
指されてからしばらく、自分が危機的な状況に陥っていると気が付きませんでした。7段目と8段目を守ると同時に、28.Nc3 とナイトを退く手が、なんとクイーントラップになります!黒はクイーンを下げるマスが一つもないうえに、それを作るうまい方法もありません。
27... a5 28. Rxa5 e5
aポーンを捨てただけでは、やはりナイトを退くクイーントラップのスレットが消えていません。黒は泣く泣く、d4 の弱点を攻め立てるアイディアも捨てざるをえません。1ポーンダウンのうえに、ポーンストラクチャーも悪い黒は、ずるずると敗北まで一直線です。
29. Nc3+- Qh5 30. Ne4 Bd8 31. Ng3 Qh4 32. Ra4 Qe7 33. Qf5 Rb8 34. dxe5 Nxe5 35. Re4 f6 36. Bd4 Bc7 37. Bxe5 fxe5 38. Qg6 Rf8 39. Qxc6 Qd8 40. Rg4 e4 41. Qxe4 Qd1+ 42. Nf1 h5 43. Rg5 1-0
昨日は完全に手抜きゲームだったために、今日こそはと思って試合に臨んだのですが、なかなかうまくいかないものですね。もちろん負けるのは技術が足りないからでしかないのですが・・・。1勝2敗2ドローの、1つ負け越しという戦績で前半を折り返すことになりましたが、あまり弱気にならずに後半も勝負しようと思います。
ケチケメートでの食事は、すっかりモールのGrill Station が馴染みになりました。次こそ勝って食事にしたいです。
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